コロナウィルスの影響で計画中止
アメリカの自動車大手メーカーであるフォードは、2019年4月、EVスタートアップ企業であるリビアンに5億ドル(約530億円)を投資。リビアンのオリジナルEVに使われた『スケートボードプラットフォーム』を応用して、リンカーンブランドで初の純電気自動車を製造する計画を発表していました。しかしコロナウィルスの影響で計画は白紙に戻りました。リンカーンの広報担当者は、「開発サイクルの中で、リビアンのスケートボードプラットフォームを使わず、リンカーン独自の電気自動車に注力した方が良いと決まりました」と話しています。
リンカーンはこれからリビアンと別の車両に協力して取り組むとも話しています。現フォード会長の娘であるアレクサンドラ・フォード・イングリッシュ氏がリビアンの役員に加わることも決まりました。しかし新しい電気自動車計画と今回中止されたプランの違いは不明瞭で、さらにフォードは同社の他ブランドから出るEVの製造を延期しており、なぜリビアンとの計画が延期ではなく中止になったのかといった詳細は明らかになっていません。
フォードが現在進めているEV計画は、マスタング・マッハE、F-150トラックとなり、ヨーロッパではフォルクスワーゲンとパートナーシップを組んでEVを生産しようとしています。
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米フォードが初の電気自動車を投入へ〜テスラ「モデルY」とガチンコか(2019年12月1日)
EVスタートアップのリビアンには、Amazonやフォードなどが投資しています。リビアンは2020年後半から純電気ピックアップトラック『R1T』とSUVの『R1S』を発売予定でしたが、こちらもコロナの影響で2021年に延期されています。リビアンの事業そのものが揺らいでいるわけではありませんが、3月下旬から工場などの施設を閉鎖しているとのこと。新型コロナウィルス感染拡大は、EVベンチャーのスタートダッシュにも影響を及ぼしています。
【参照記事】
・Ford and Lincoln cancel Rivian-powered electric vehicle due to the pandemic
・Ford cancels plan to make Lincoln electric vehicle with Rivian
・Ford’s Lincoln And Rivian Cancel Electric SUV Plans, Citing COVID-19 Impact
・Ford Cancels EV Plans With Rivian
・Ford Chairman’s daughter joins board of directors at EV startup Rivian
(文/杉田 明子)