元記事:Hawaiian Electric Plans Nearly 1 Gigawatt-Hour Of Battery Storage, Mostly From Tesla Megapacks by Steve Hanley on 『CleanTechnica』
2045年までにすべてのエネルギー供給源を再生可能エネルギーへ
ハワイ州は2045年までにすべての電気を再生可能エネルギーから得るという目標を立てました。この目標を達成するには、電力網全体をカバーするレベルのバッテリー蓄電が必要不可欠です。そこでハワイ居住者の95%に電気を供給するハワイアン・エレクトリックは、最大1GWhの蓄電を検討しています。
ホノルル・スター・アドバタイザーによると、蓄電のほとんどがナナクリのカヘ発電所に隣接する6エーカーの土地にある、244(基)のテスラ・メガパックによって賄われるかもしれません。オアフ、マウイ、ハワイ島の他の場所にも、より小規模な蓄電施設が計画されています。
テスラのメガパックは昨年発表され、最大3MWh(メガワットアワー)の容量を持ちます。テスラ公式サイトによると、従来の蓄電システムよりも40%少ないスペースで設置ができると説明されています。
Megapackは、バッテリーモジュール、パワーコンディショナー、温度管理システム、ACメインブレーカーおよびコントロールを含め、ギガファクトリーから1つの筐体に組み立てられた状態で発送され、通電試験も完了しています。 現場では、MegapackのAC出力を設置場所の配線に接続するのみで 組立作業は必要ありません。
この『配線に接続するのみ』という部分ですが、ハワイアン・エレクトリックはこれを十分に考慮してメガパック用のロケーションを選び、既存の送電網接続ポイントの隣に設置するようにしたのです。
244のメガパックで最大732MWhの蓄電ができます。コストに関する情報は出てきていませんが、オンラインのソースを見る限りメガパックは1つ当たり60万~90万ドル(約660万円~990万円)になるようです。この導入が実現された暁には、2018年にテスラが蓄電システムを提供した、サウスオーストラリア州ホーンズデール発電所の7倍の規模となり、飛び抜けて世界最大の蓄電施設となります。
ハワイアン・エレクトリックは昨年8月に、オアフ、マウイ、ハワイ島に設置する、900メガワットの新しい再生可能エネルギー施設用の入札を募りました。これは州の歴史において、最大かつ最も大掛かりな再生可能エネルギー・イニシアチブとなるでしょう。
Blue Planet Foundationのエグゼクティブ・ディレクターであるJeff Mikukina氏はスター・アドバタイザーに、再生可能エネルギー発電プロジェクトや、蓄電を当たり前のものにした屋上太陽光発電と小規模蓄電施設が接続され、さらに大規模の蓄電システムがそれをバックアップするという今回のような計画を見られるのはエキサイティングだと語りました。彼は「私達は皆、蓄電は100%再生可能エネルギーの未来に必要不可欠なパーツだと分かっています」と言います。
再生可能エネルギーへの推進により、2022年9月までに、キャンベル・インダストリアル・パークにあるハワイアン・エレクトリックのAES石炭火力発電所は閉鎖されることになりました。ここは州の単体発電施設としては最大のもので、ピーク需要の16%を供給しています。再生可能エネルギープロジェクトはAESハワイが電力供給源から外された後任になるよう作られています。
244のテスラ・メガパックに加え、ハワイアン・エレクトリックはカヘに135MWh、キャンベル・インダストリアル・パークに65MWh、マウイに40MWh、ハワイに2つ合わせて18MWhの蓄電システムを設置する提案をしています。これでテスラシステム(ナナクリ)からの732MWhに加え258MWhが利用可能になり、合計990MWhになります。1GWhまでには届きませんが、かなり近いところまで来ます。よくやりました、ハワイアン・エレックトリック。
(翻訳・文/杉田 明子)