レクサス『UX300e』国内発売発表〜2020年度分は限定135台の抽選予約受付

レクサスからブランド史上初となる市販電気自動車モデル『UX300e』の日本国内での発売が発表されました。2020年度分は限定135台。商談申込はウェブサイトから申し込む「抽選」となります。

レクサス『UX300e』国内発売発表〜2020年度分は限定135台の抽選予約受付

抽選への申込受付は11月4日まで

2020年10月22日、中国、そして欧州で先行発売されていたレクサスの電気自動車『UX300e』の日本での発売が発表されました。

ただし、2020年度分は135台の限定販売。商談申込はレクサスの公式ウェブサイトで10月22日(木)13:00〜11月4日(水)23:59までの期間で申し込みを受け付けて、当選者には指定の販売店から連絡の上、商談を開始することになります。レクサスのディーラー数は全国で199店舗(2020年10月現在)なので、店舗数よりも少ない台数を競う、狭き門の抽選ということですね。

【関連サイト】
レクサス UX300e WEB商談 申込ページ

公式サイトの販売店検索ページでせっかく指折り数えたので、エリア別の店舗数を書いておきます。一応、全都道府県を網羅しているようですが、東京に29店舗など都市部に集中している傾向があり、1店舗しかない県が少なくありません。

【参考/公式サイトで数えた店舗数】
●北海道/9
●東北/11
●関東/72
●北陸・信越/10
●中部/30
●近畿/31
●中国/11
●四国/6
●九州・沖縄/19

当選者の発表は12月上旬予定。商談権獲得の連絡を勝ち取ったユーザーは、当選連絡後4日以内に販売店へ商談日時などを相談する必要があります。当選が無効となった場合の繰り上げ当選があり得るので、当選の連絡は「12月中旬まで遅れる場合がある」とされています。

価格は580万円〜

まだ日本仕様の正確な諸元は発表されていませんが、欧州仕様などをもとにしたスペックがプレス資料として配付されたので、諸元をまとめておきます。

【レクサス UX300e 主要諸元】

version Lversion C
価格(税込)6,350,000円5,800,000円
駆動2WD(FF)
車両形式ZAA-KMA10-AWDBS
全長 / 全幅 / 全高(mm)4,495 / 1,840 / 1,540
ホイールベース(mm)2,640
最小回転半径(m)5.2
車両重量(kg)1,800
一充電走行距離(km)WLTCモード367
WLTP(欧州参考値)約315
EPA(推計値)約281
モーター種類交流同期電動機
最高出力/kW(PS)150(203)
最大トルク/N・m(kgf・m)300(30.5)
駆動用電池種類リチウムイオン電池
総電圧(V)355.2
総電力量(kWh)54.4
標準装備比較ヘッドランプ三眼フルLEDLED
アルミホイール18インチ17インチ
オーナメントパネルヘアライン加飾ブラックメタリック塗装
シート本革L tex

2グレードが用意され、価格は580万円と635万円。バッテリー容量やモーターなどのパワートレインは同じで、本革シートなどおもに内装などの標準装備が異なります。

【UX300e】QuickGuide(YouTube)

バッテリー保証は「8年16万キロ」となる予定

レクサス(つまりはトヨタのプレミアブランド)が満を持して繰り出す電気自動車ですから、走りや質感はそつなく仕上がっていると思っていいでしょう。

欧州ではサービスパックに加入することで「10年60万マイル(約96万6千km)」のバッテリー保証が付与されることを以前の翻訳記事でお伝えしましたが、日本では「8年もしくは16万キロ」まで、SOH(容量維持率)70%を切ると無償交換してもらえる保証が付くことになりそうです。レクサス広報ご担当者によればメンテナンス体制などの詳細については検討中であり、今後順次発表していくとのこと。欧州同様のバッテリー保証延長が日本でも導入される可能性もありそうです。

急速充電はチャデモで、最大50kWまでの対応です。UX300eは欧州でもチャデモ規格、50kWまでの対応となっています。

まずはわずか135台でも、これだけの、そつのないカラーバリエーションを用意するあたりは、さすがレクサスって感じ。

車両を製造しているのは、グローバル向け全て九州、福岡県のトヨタ自動車九州宮田工場。バッテリーのサプライヤーはRAV4PHVと同じ『プライム プラネット エナジー&ソリューションズ』です。RAV4PHVもまだ受注停止が続いています。年度内は135台という希少なニューモデルになってしまったのは、CAFE規制が施行される欧州や中国へのデリバリーを重視するなか、電池の生産能力が日本国内分まで追いつかない、という現実がありそうです。

EVsmartブログ名物の長距離試乗レポートをぜひやってみたいので、メディア貸し出し用の広報車がいつごろ登場するか確認すると「2月後半から3月頃」とのことでした。晴れて抽選を勝ち抜き予約、注文したユーザーへの納車も「年度内がメド」となります。

日本国内でも電気自動車やプラグインハイブリッド車の選択肢が増えてきました。とはいえ、期待している国産車は、RAV4PHVに続いて Honda e も受注停止状態。マツダMX-30 はリースのみになることが発表されました。年度内、つまり向こう半年間で135台というUX300eの台数はちょっと残念、というか「大丈夫か、ニッポン?」な印象ではあります。広報ご担当者に2021年度の目標台数などを尋ねてみましたが「未定」とのこと。レクサスの、トヨタの奮起に期待しています、

ともあれ、いち早くUX300eのオーナーとなるためには、10月23日から始まる商談申込の抽選に参加することが必須。よし、買うぞ! という方の好運を祈ります!

(文/寄本 好則)

この記事のコメント(新着順)4件

  1. 「8年もしくは16万キロ」まで、SOH(容量維持率)70%を切ると無償交換
    これ三菱i-MiEVやアウトランダーPHEVのバッテリー保証と全く同じですね。
    ガリバー企業のトヨタであっても三菱は無視できない存在ということでしょうか。

    1. nrom007さんへ:8年16万キロまではリーフ/e-NV200の日産も同じですがなwしかも8/12セグは約70%ですんで。
      トヨタに柔軟な発想がなく、135台という少なさはどうみても「試しに作ってみました」感がぬぐえまへん!明らかにやる気なさそうか、あるいは電池のサプライチェーンが出来てないかのいずれか。しかもホンダeの年間千台にも満たないってどうよ?と思いまへんか!
      ホンマにトヨタが本腰入れてりゃむしろ経営危機の東芝へ大量に次世代SCiB発注して経営改善に寄与するはずですー財閥系列で言うたら同じ三井系ですから、って既に三菱が三菱電機と東芝の共同出資会社TMEICで財閥の垣根を越えてエネルギーソリューション事業を展開、それでSCiB採用してるから先越されたかもしれませんが!
      むしろトヨタが白亜紀に絶滅した恐竜のようになる感が…「驕れる者も久しからず盛者必衰の理を表す」にならぬ企業風土を身に着けていただきたいですホンマ。

  2. >「10年60万マイル(約966万km)」
    これは96.6万キロメートルの間違いですよね。

    ホンダといいトヨタといいBEVで天下を取ろうとしない欧州規制に引っ掛からない為だけの姿勢があまりにも残念です。

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この記事の著者


					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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