元記事:Lexus UX300e Comes With 10 Year, 1 Million Kilometer Battery Warranty by Steve Hanley on 『CleanTechnica』
電気自動車のバッテリーに関しては、みんなピリピリしてしまいます。不具合が出て交換のために大金を払うことになってしまったらどうしよう? と。2012年に、特に高温で乾燥した地域で日産リーフのバッテリーに問題が生じて以来、大きな悪いニュースはほとんど出てきていません。テスラも何百キロと走れるバッテリーを作るのに腐心しています。それでも大金を払う必要があるかもしれないという考えから離れられず、多くの人は車を下取りに出すタイミングで次に電気自動車を選ぶのを躊躇します。
レクサスがEV界に参加するのは遅かったですが、遂にヨーロッパでコンパクトSUVの純電気モデルであるUX300eを出そうとしています。バッテリーは288個のセルで構成される、空冷の54.3kWh。温度が下がった際には、バッテリー内で各セルが個別のヒーターで温められ、空気冷却は車のエアコンで増強されます。
Green Car Reportsによると、航続距離はNEDC基準で248マイル(約399km)。EPA基準ではこの3分の2ほどになりますが、アメリカでUX300eが発売される予定はないのでここでは無関係です。しかし重要なポイントが、レクサスUX300eのバッテリーには10年間、もしくは100万キロメートルの保証が付いてくるという点で、ほとんどの購入者はバッテリーの寿命に関する心配をしなくて良くなるでしょう。さらにレクサスによると、「オーナーがきちんとメンテナンスプログラムを利用して定期的にチェックをする限り」、期間内にバッテリーが70%以下に劣化しないことを保証しています。
トヨタのハイブリッドシナジードライブとの組み合わせも可能なUX300eは、前輪駆動で150kW(204HP)の電気モーターを搭載しています。レクサスによると7.5秒で0~100km/h(62mph)に到達、トップスピードは約159km/hになります。パフォーマンスの面においては、UX300eはレクサスの中で丁度真ん中に位置します。明らかにレクサスは、ヨーロッパのドライバーが後頭部から目玉が出てくるような加速を求めていないと感じています。
レクサスは、外部環境をほとんど感じることのない穏やかなドライブ体験を重視しています。この観点からいくと、UX300eはレクサスの典型的な購入者層には理想的な車だと言えるでしょう。
(翻訳・文/杉田 明子)
【編集部追記】
UX300eの導入は予定されていないアメリカのメディアである『CleanTechnica』がいち早く報じるあたり、やはり、レクサス、ひいてはトヨタの電気自動車への関心はアメリカでも高いということでしょう。今回の記事の内容は、欧州レクサスのニュースルームでもリリース(英文ニュースリリースにリンク)されています。
さらにUX300eに関するリリースを当たってみると、2月に発表された詳細なスペック表があったので、ご紹介(画像です)しておきます。
一充電航続距離はWLTPで300kmということなので、EPA換算の推計値は約268kmとなります。空冷式ながらバッテリー温度の管理機能も備えているなど、かなり全貌が明らかになってきましたが、まだ、明確な価格はアナウンスされていません。
また、レクサスの電動化について、チーフエンジニアの Takashi Watanabe氏が語る(語りは日本語です)動画がvimeoに公開されていました。
Lexus Electrified_WatanabeCE_ENG subtitles no music from ToyotaGB on Vimeo.
日本での発売も待ち遠しいですね。