世界の電動化の流れは止まりません。とうとう既存大規模メーカーでは初、メルセデスが完全電気自動車を発表しました。当然最初は売れ筋のSUVから。メルセデスは電気自動車をEQブランドで展開することを発表しており、EQCはこの第一弾になります。メルセデス以外にも、アウディやBMWが同セグメントのSUVを計画していますが、現時点では正式発表はされていないため、この記事では比較は避けたいと思います。
EQCはミッドサイズSUV。中国や米国では最も売れ筋のジャンルで多くの競合車種がありますが、EQCはルーフを低くした空力デザインを採用。テスラモデルX、ジャガーi-Paceと同様の形状をしています。電気自動車のスペックで最も重要なものは「航続距離」。一回の満タン充電で何キロ走行できるかです。これは、結局バッテリーをどのくらい搭載するかと、車両の効率にかかってきます。そして車両の効率のうち最大のものが空力、すなわち空気抵抗となるのです。空気抵抗は、全面投影面積xCd値(ボディがどのくらい流線形か)で決まります。しかしファミリーを乗せて走行するSUVですから、横転を防ぐため幅は狭くできません。結果として、全面投影面積を下げるために全高を下げ、Cd値を良くするために後ろをさらに下げています。Cd値は0.30未満とされています。
そして肝心の航続距離は、当サイトでいつも使っている米国EPA値がまだ正式発表になっていないのですが、プレスカンファレンスの内容を聞いているとおおよそ200マイル=320km前後とのこと。NEDC基準では暫定450km。近年の電気自動車の基準である、普通に100km/hで高速道路を320km以上走行できる、という基準をしっかり満たしています。前後2モーターで統合出力は300kW(402馬力)・765Nmと、さすがに電気自動車らしい充分なスペック。サイズ的にGLCと同等くらいだと思いますが、例えばガソリンのMercedes-AMG GLC 43が270kW・520Nmですので、AMGモデルの3.0lツインターボを軽く上回るパワーなのですね。
※AMG GLCのガソリン最上位モデルは4.0lツインターボで375kW・700Nmを誇ります。
動力性能は0-100km/h 5.1秒。最高速度は180km/hであれ?と思いますが、これはリミッターにより制限されているそうです。またワンペダルドライビングをサポートしており、D Auto, D +, D, D -, D –の5種類4段階から回生レベルを選択できます。「D +」はコースティング、だんだん回生が強くなり、「D –」は停止までの強い回生ブレーキとなります。これで、停止まで回生ブレーキをサポートしているのはBMW i3、新型日産リーフにジャガーi-Pace、そしてこのメルセデスEQCと4車種になり、回生ブレーキで停止までサポートするのがだんだん一般的になってきたようです。なお、この回生モードの切り替えはステアリング後ろにあるパドルシフトで行うとのことで、ちょっとマニュアル感がある運転になりそうですね。
80kWhのバッテリーの内部構成は48セルモジュールが2つ、72セルモジュールが4つとのことで、合計384セル構成となります。電池は408V 210Aとのことですから408Vx210A/1000-80kWh=5.68kWhがバッファー(電池の容量を使わず、安全のために残しておく容量)となります。しかし408V??リチウムイオン電池のセルは直列と並列につながなければなりません。そして、もし同じセルを使うなら(バランスの関係からそのはず)、48セルモジュールも72セルモジュールも並列数は同じはず。仮に4並列(4Pと書きます)なら384/4=96直列(96S)。これだと通常は4.2V x 96 = 403.2Vと、リーフやテスラのバッテリーと同じ電圧になるはず。3並列にすると384/3=128Sで537.6V、さすがにこれはあり得ないので、おそらく96S4Pは確定と言えると思います。すると満充電時は408V / 96S = 4.25V。一般的なリチウムイオン電池は4.2Vまでしか充電できないのですが、4.25V基準のセルのようですね。
結論としては、48セルモジュールは12S4Pで50.4V、72セルモジュールは18S4Pで75.6V。これらを全部直列に接続して、96S4Pの電池パックを構成しています。写真には水冷システムは写っていないように見えますが、冷暖房とバッテリー温度管理兼用として、1基のヒートポンプと2基のPTCヒーターが搭載されており、バッテリーは強制水冷となっています。バッテリーの排熱も利用できるようなバルブを備えており、このあたりのシステムはテスラと同等以上でかなり効率が高いものになっています。
※テスラは暖房時はヒートポンプを使いません。
充電に関してですが、やはり水冷のオンボードチャージャーが搭載されており、最大7.4kWとなっています。日本では200V 30A(6kW)程度までサポートされそうで、だんだん6kW以上の普通充電が一般的になってきました。
急速充電は、CCS 2(欧州プラグ)、CCS 1(米国プラグ)、日本向けはチャデモ、中国向けはGB/Tと四種類のプラグに対応します。最大充電電力は110kW。充電時間は10%-80%までで約40分で充電できるとのことで、テスラのスーパーチャージャーとほぼ同等の充電速度を実現していると言えそうです。
最近のプレミアムカーにはつきものの運転支援機能についてですが、実は今回のリリースではきちんとは説明されていません。メルセデスにおいて運転支援機能(Driver Assistance Features)はアクティブディスタンスアシスト・ディストロニックとアクティブステアリングアシストの二つで構成されており、アクティブディスタンスアシスト・ディストロニックがアダプティブクルーズコントロール(車間距離維持)、アクティブステアリングアシストがオートステアリング(車線維持)となります。リリース文では車間距離維持についてはかなり触れていますが、なぜか車線維持については記載なし。とはいえ今後はCクラスにもオートステアリングが搭載される予定ですので、GLC相当であるEQCにも搭載されるとみてよいでしょう。
EQC発表に当たり、ダイムラー会長でありメルセデスベンツのCEOであるツェッチェ氏の発言を引用しておきます。
“With the EQC – the first fully electric SUV from Mercedes-Benz – we are flipping the switch. Electric drive is a major component in the mobility of the future. We are therefore investing more than ten billion euros in the expansion of our EQ model portfolio, and more than one billion euros in global battery production.” Dieter Zetsche, Chairman of Daimler AG and CEO of Mercedes-Benz Cars
メルセデス・ベンツの初めての完全電気自動車SUVであるEQCを持って、我々は(電動化への)スイッチを入れた。電動化はモビリティの将来において主要な要素だ。そのためEQシリーズのモデルを開発・拡大していくために100憶ユーロ(約1兆3000憶円)を投資し、グローバルのバッテリー生産にも10億ユーロ(約1300億円)を投資している。
最後にメルセデスEQCと、おそらく直接の競合であるジャガーi-Pace、そして若干サイズの大きいテスラモデルX 75Dの比較を載せておきましょう。
メルセデスEQC | ジャガーi-Pace | テスラモデルX ロングレンジ | |
---|---|---|---|
新車価格 | 推定70,000ユーロ (約907万円) | 9,590,00円(税込) | 10,730,000円(税込) |
バッテリー容量 | 80kWh | 90kWh | 100kWh |
EPA航続距離 | 321km | 377km | 475km |
システム最大出力 | 300kW | 294kW | 404kW |
システム最大トルク | 765Nm | 696Nm | 596Nm |
全長 x 全高 x 全幅 | 4761 x 1624 x 1884mm ※おそらくミラー抜き | 4682 x 1565 x 2011mm ※ミラー閉じ | 5037 x 1680 x 2070mm ※ミラー閉じ |
車両重量 | 2425kg | 2208kg | 2459kg |
駆動方法 | 四輪駆動 | 四輪駆動 | 四輪駆動 |
定員 | 5名 | 5名 | 7名 |
0-100km/h | 5.1秒 | 4.8秒 | 4.9秒 |
急速充電 | 110kW CCS 10-80%まで40分 | 100kW CCS 80%まで40分 | 120kWスーパーチャージャー 80%まで40分 ※実車では50分程度 |
まあ何とも似たようなスペックになったものですね。この三車種で大きく違うのはおそらく航続距離と、充電ネットワーク。i-PaceとモデルX 75Dは似たような航続距離(バッテリーはモデルXのほうが16%小さい)ですが、EQCは暫定とはいえモデルXより多くのバッテリーを搭載しているにも関わらず、航続距離は16%ほど少なくなっています。これはモデルXのCd値が0.24、EQCのCd値が0.30(以下)の違いによるものかもしれません。また充電ネットワークについてですが、EQCの急速充電100kWは当然ですが、110kW以上のCCS・チャデモ規格の充電ネットワークに依存します。欧州ではIONITYが、米国ではElectrify AmericaがCCSの充電ネットワークの構築を行っていますが、現時点(9/5現在)でIONITYは欧州で6か所、米国で12か所。対するスーパーチャージャーは全世界で1,332か所(日本国内に18か所)。EQCもi-Paceも既存の50kW充電スタンドを利用できるとはいえ、当然充電速度は半分になります。モデルXでも既存の50kW充電スタンドを利用可能です。
これからのIONITY, Electrify Americaの投資に期待するとともに、日本国内での超急速充電網はどうなるのか、ちょっと心配でもあります。
メルセデスEQCは来年2019年から製造を始め、発売は2020年になる模様です。
>そのため、世界各国では蓄電設備が重要だと言われています。カリフォルニア州は将来的に再生可能エネルギー100%を決定していますが、電力会社に対し、蓄電設備の設置を義務付けています。
そんなもの作ったら余計コスト掛かって環境破壊ではないですか。それに正確には蓄電設備なんて存在しないんですがね。電池が貯めてるのは化学エネルギーであって電気そのものは貯める事はできません。外部電源で化学反応起きて、後で逆の反応で「発電」しているだけです。価格も高く短期間で安くなどなりません。
だから電力会社はバッテリーの類ではなく揚水発電で電池の代わりにしているわけですが、適地はそうないし山切り開いて緑損なってこれまた環境に優しい?のかと。
結局風力や太陽光は施設膨大だわ不安定で余計付随設備が増えるわで全体として効率が悪く、環境に優しいなど詐欺でしょう。
もともと電気自動車は原発の夜間電力を当てにして推進されたものであって、だから早くから売り出したメーカーは原発製造会社のお仲間(日産は日立、親会社ルノーは原発大国の国策会社、三菱は重工)
電気でCO2削減にはそれしか頼りになりません。
たいしたデータを持ってなくてキチンとした議論にならないのは反省しますが、
説明すべきは普及を図る側でしょうね。自動車自体は既に普及して長く、電気自動車は動力源が違うというだけで、特別新たな利便性をもたらすわけではありません。
というかガソリン車と同じくらい長い歴史があって負け続けてきた。
今持ち上げられてるのも環境に優しいかも?というだけだからホントに優しい事を証明してもらわないと一切買う気も起きない。
HVならとにかく純EVという重い重いバッテリー運搬車がトータルでどう環境に優しいのですか?
kt様、コメントありがとうございます。
>(蓄電設備について)そんなもの作ったら余計コスト掛かって環境破壊ではないですか。
そうですか?ガソリンを遠くから船で運んで、それを製油所で製油し、タンクローリーに詰めて日本中に運ぶのも環境破壊なら、原油を掘り出したり、石炭を山を壊して掘り出したりするのも環境破壊になりますよ。
https://www.youtube.com/watch?v=aT2SNX8irCc
https://www.youtube.com/watch?v=GhthHC0s38A
エネルギーは、環境破壊と表裏一体です。今後、できる限り化石燃料を採掘しないことが環境保護につながります。
>それに正確には蓄電設備なんて存在しないんですがね。
さすがにそれは屁理屈ではないでしょうか。それを言い出したら、ガソリンも化学エネルギーを貯めているだけです。走行するにあたって、それに火をつけて、化学変化を起こしたときに体積が増えることを利用して走行しているだけです。
>だから電力会社はバッテリーの類ではなく揚水発電で電池の代わりにしているわけですが
揚水発電は、そもそも70%しか効率がなく、90%前後の蓄電設備と比べてエネルギーが無駄になるばかりでなく、実際におっしゃるように電池の代わりにはなっていません。現時点で揚水発電の設備稼働率は3%ですし、1997年ごろをピークに年々減少しています。
https://transact.wiki.fc2.com/wiki/揚水発電の推移
>電気でCO2削減にはそれしか頼りになりません。
原発ももちろんCO2削減には役立ちますが、昨今では安全性や長期的コストについて懐疑的な見方も多く、原発頼み、という考え方はポピュラーではないと思います。
それ以前に、ガソリン燃やすより、天然ガスで発電したほうがCO2排出少なくなるのですよ。これが、今のように火力発電にある程度依存している日本などの国ですら、電気自動車のほうがCO2排出が少ない理由です。
https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/ev-and-fossil-fuel-power-station/
さらに、再生可能エネルギー発電量は毎年増加しています。
https://www.isep.or.jp/archives/library/9570
そのため、現時点でもCO2排出の少ない電気自動車は、翌年はもっと排出が減少します。一方、ガソリン車ではCO2排出は(一度購入してしまうと)一定であり、かつこれ以上削減することが困難な状況です。各大手自動車メーカーは、燃費規制(=低CO2排出)に反対しています。
>電気自動車は動力源が違うというだけで、特別新たな利便性をもたらすわけではありません。
これは本当に間違いだと思います。
電気自動車はガソリン車より同サイズなら圧倒的に動力性能が高いですし、乗り心地がよくスムース。また事故の際に炎上するリスクが少なくより安全だと言われています。アイドリングがそもそもないので、停車中でも、エアコン作動中の音がほとんど発生せず排ガスなどの迷惑もありません。
夏や冬は、エンジン掛けずにエアコン作動が可能ですので、乗る前にエアコンを作動させて車をあらかじめ冷やしておいたり暖めておいたりできます。家族が車内に残っている状態で一時的に運転手が車外に出る際にも、エアコン停止する必要がありません(東京都ではアイドリングはエアコンのためでも違法です)。
ガソリンを入れるのに毎週入れている人は、毎回5分のロス。電気自動車は仮に毎日乗っても1週間に7回の抜き挿しで計14回、1回当たり5秒で週当たり1分10秒しかかかりません。毎週、4分のロスが発生するわけです。ガソリンスタンドに列ができていたり、通勤経路にガソリンスタンドがない場合などはもっと時間がかかります。
>HVならとにかく純EVという重い重いバッテリー運搬車がトータルでどう環境に優しいのですか?
前回も書きましたが、重量により、環境に優しいかどうかが決まるわけではありません。トータルとして
(1) 有害な物質を使わないか→ガソリン車も電気自動車も有害物質はほとんど使用していない
(2) 有害物質を排出しないか→ガソリン車はNOx, PM2.5などの排出ガスあり
(3) 地球温暖化→ガソリン車より電気自動車のほうがCO2排出少ない
(4) ブレーキダスト→電気自動車はブレーキをほとんど使用しないのでブレーキダストもほとんどなし
のように考えるべきで、わずかに重い車両重量を考えても仕方ないと思います。ちなみに、例えばテスラモデル3と同等のクラスの車はカムリ(最近高くなりましたよね)になると思いますが、カムリの重量は1,600kg
https://toyota.jp/camry/grade/spec/?padid=ag341_from_camry_grade_topnavi_spec
テスラモデル3 ミッドレンジは1,610kg、ロングレンジは1847kg
https://blog.evsmart.net/ev-news/tesla-model3-japan-preview/
※2018/11/13訂正:カムリの重量に間違いがありました。
です。そんなに大きく重量が違うわけじゃないですよね。
まだ計算が足りないものがあると思います。
車重がこれだけ違うと道路や橋梁の傷みも違いますし、
そもそも自然エネだから即自然にやさしいという認識も嘘。
それらは発電コストが高いものが多く、コストが高いという事はどこかで余計にエネルギーを消費して環境を破壊しているはずです。
太陽光も風力も使うエネルギーの密度低い、出力不安定で設備が膨大に必要になり、意味ありません。バックアップで火力も付随して増設せねばならないなどどこが環境に優しいのでしょうか。
日本ではリーフで悪評広まって純EVはブレーキかかるでしょう。
日産の公式サイトでさえ5年経つと100kmしか持たないとあります。
通勤通学なら何とかなりますが、だとすると3ナンバーで400万とかばかげていて、
セブンイレブンの電動配送車ぐらいのが関の山でしょう。
いつまで経ってもプリウスのPHVぐらいが正解の範囲です。
kt様、
>>車重がこれだけ違うと道路や橋梁の傷み
数値化が難しそうですね。またそれを言い出すと重いトラックやバスは乗用車の数倍の税金を納めるべき、という乱暴な議論になってしまいます。
>>発電コストが高いものが多く、コストが高いという事はどこかで余計にエネルギーを消費して環境を破壊しているはず
エネルギーとコストは関係がないわけではありませんが、そもそもエンジンを作るのもコストは高いのでは?モーターはオートメーションで作れますがエンジンは自動化できない部分もあります。
どこかで、ではなく、事実とデータで議論しましょう。
>>太陽光も風力も使うエネルギーの密度低い、出力不安定で設備が膨大に必要になり、意味ありません
そのため、世界各国では蓄電設備が重要だと言われています。カリフォルニア州は将来的に再生可能エネルギー100%を決定していますが、電力会社に対し、蓄電設備の設置を義務付けています。
蓄電設備があれば、バックアップの必要性は少なくなります。現時点でも、九州電力などでは、再生可能エネルギー比率は総発電電力の17%を占めています。もう、役に立たないとは言えないレベルですよ。
>>日産の公式サイトでさえ5年経つと100kmしか
もともと24kWhモデルについておっしゃっているのですよね。もともとの航続距離は135kmでしたので、100kmなら劣化は約26%となります。これはあり得る数値ですし、走行距離やハードな使い方が多ければ充分に普通の数字だと思います。
逆にバッテリーの温度管理がされている車では、劣化はずっと少ないです。
https://public.tableau.com/profile/bens#!/vizhome/TeslaBatteryDegradation/viz
こちらは温度管理されているテスラのバッテリーの劣化データですが、MeasureをVehicle Ageに切り替えてみてください。これで年数が経過したあとの劣化度合いを見ることができます。ほとんどのサンプル車両が10%程度の劣化に収まっていることがわかります。
再度申し上げるようです恐縮ですが、データを用いずに物事を判断されることはお辞めいただけますと幸いです。当サイトではそのようなポリシーを持っておりますため、他の読者の方々に迷惑となるような、事実やデータに基づかないご発言は、掲載させていただくことができない旨、ご了承くださいませ。
これは私が指摘したバッテリー運搬車そのもの。
バッテリーが650kgで人や荷物の最大積載量は505kgという倒錯した似非エコロジー車。
LEXUS RX300より400kg、RX450hより300kgも重いのものが環境に優しいとか詐欺ですね。後者と社会全体のコストを比較すればかえって環境破壊でしょう。
しかも実航続距離が同じになるよう設計すれば更に差が開くでしょう。
あなたは手段と目的を取り違えている。電動化は手段に過ぎない。目的ではない。
kt様、コメントありがとうございます。
実際にデータで検証してみましょう。仮にエンジンが小さいLexus NX 300hのEPA combinedは31mpgすなわち13.18km/lとなります。
https://www.fueleconomy.gov/feg/Find.do?action=sbs&id=40287
※(2018/11/12訂正:SUVのNXじゃなくてセダンの燃費で計算してしまってました。2019年モデルのNXに訂正しました。)
これによるCO2排出は、
2320g / 13.18 = 176g
ですね。当メルセデスEQCはまだEPAのデータが出ていない(そもそも再来年の車ですし)ので、代わりに発売後数年経っているテスラモデルX 75Dで比較してみましょう。
https://www.fueleconomy.gov/feg/Find.do?action=sbs&id=39841
ここから93MPGeということが分かります。一ガロンのガソリンはEPAの基準では33.7kWhのエネルギーとされていますから、
33.7 / (93 x 1.609) = 0.225kWh/km
日本の電力網では
http://www.fepc.or.jp/smp/environment/warming/kyouka/index.html
556g-CO2/kWhですから、
0.225 x 556 = 125g
現時点で、最も優れたハイブリッドSUV Lexus NX 300hと電気自動車テスラのモデルX 75Dは、環境性能は、2014年度時点の日本の電力網において、ハイブリッド車のほうが40%悪いと定義できます。当然その4年後の今、再生可能エネルギー比率は高まり、火力発電比率が減少する中、電気自動車の環境性能は年々向上していっています。
当ブログでは、実データをもとに議論するポリシーを持っています。実データに照らして考えると、頂いたご意見は事実とは異なっていると判断できますね。