ついに純電気自動車「MINI クーパーS E」発売! 日本では?

2019年7月9日、BMW本社が、MINIブランドで初の量産&市販電気自動車(EV)「MINIクーパーS E」を欧州で発売することを発表しました。名称は英国では「MINIエレクトリック」、英国以外での正式名は「MINIクーパーS E」となるようです。さて、日本ではいつごろ発売になるのでしょうか?

ついに純電気自動車「MINI クーパーS E」発売! 日本では?V

電池容量は32.6kWhで50kWの急速充電対応

MINIの電気自動車といえば、2011年から世界数か国で実証実験を行ってきました。当時は「MINI E」と呼んでいましたが、個人的にはその名前のほうがしっくりきます。日本でも20台の「MINI E」で実証実験を行い、うち14台が公募された一般モニターに貸与されました。私も、試乗や取材を行いました。当時は今ほど充電インフラも整備されておらず、100%電気自動車は長く試乗するのに少し勇気が必要でした。そのため限られた場所での試乗で、そう長い距離は試乗しなかったように記憶しています。

そして2017年のフランクフルトモーターショーではコンセプトカー「MINI Electric Concept(ミニ・エレクトリック・コンセプト)」が発表されて、2019年に発売予定とのアナウンス。そしていよいよ今年7月9日、オランダ・ロッテルダムにて「MINI Electric(ミニ・エレクトリック)」が公開&発表されました。

オランダで発表会を開催。

なぜロッテルダムを発表の舞台に選んだかというと、ロッテルダムは充電設備が充実しているうえ、BMWと共通の未来を目指しているからとのことで、BMWと協力関係を締結している都市なのだそう。

ワールドワイドのプレスリリースで発表されたポイントやスペックをチェックしておきます。

●スタイルは3ドアハッチバック
●バッテリー容量は32.6kWhで、床下に搭載
●電池構成は12モジュールでT字型ユニット
●一充電航続距離は270km(WLTC)※EPA基準では216km程度(推定値)
●0-60km/h加速=3.9秒、0-100km/h加速=7.3秒
●最高出力/135kW(184hp)
●最大トルク/270Nm
●最高速度は150km/hに制限
●駆動方式はFF
●急速充電出力は最大50kWに対応

価格についての発表はまだ見当たりませんでした。PHEV(プラグインハイブリッド)の「MINIクーパーSEクロスオーバー ALL4」が479万円~なので、500万円は超えそうです。

あと、気になった内容としては、BMW i3 と同じようにワンペダルドライブ感覚、強めの回生ブレーキに設定されているのですが、スイッチひとつで回生の強さを2段階に切り替えられるそうです。

MINIコネクテッドサービスによって、スマホで車両のロック/解除を所有者および家族で共有することができるそうですが、こちらはきっと、新型BMW 1シリーズにも搭載される装備とおそらく同じではないかと思われます。

「MINIクーパーS E」のプレスリリースに掲載された写真を見ると、MINIクロスオーバーPHEVと同じように黄色がアクセントとして使われています。フロントグリルの真ん中を囲むようにだったり、サイドミラーだったり、タイヤホイールにだったり。またフロントとリアには黄色のコンセントのバッジがとってもキュート。こういう演出、MINIは抜群にうまいです。

発表会で、Bernd Koerber副社長は「ゴーカート感覚」のドライビングフィールを強調していました。実は少し前に、日本国内でMINIクロスオーバーのPHEVを長期試乗しました。こちらはMINIブランドで初めてのSUV「MINIクロスオーバー」がベースになっているので、MINIのラインアップの中では最大サイズになりますが、それでもMINIならではの加速感、いわゆる「ゴーカートフィ―リング」は健在。

PHEVではハイブリッドシステムに外部充電機能が加わり、フル充電で約42.4km(EPA=約34km※推定値)を走る「おまけ」は、MINIクロスオーバーPHEVからの嬉しい贈り物。電気が無くなってもガソリン走行が可能なので、遠くまでドライブに行っても安心です。ただ、普通充電しかできないのが残念ですが。そして急速充電器も使えるのが「MINIクーパーS E」。どんな走りをしてくれるのか楽しみです。

「MINIクーパーS E」の生産は2019年11月から英国オックスフォードの工場で開始されるそうです。

ただ、広報ご担当者に確認してみると日本はまだ導入未定とのことです。確かに海外でのリリースもBMWジャパンからは改めて出されていないところを見ると微妙なのかも。個人的にはこんなにキュートな「MINIクーパーS E」が、日本の街でも走っている姿を見たいものです。

そうそう!「MINIクーパーS E」の発表会では、取締役のPieter Nota 氏がBMWは2019年末までに50万台の電動車を販売し、2023年には25車種の電動車を提供、その半分以上は完全な電気自動車にするということも併せて発表していました。また来年には「BMW iX3」を発売し、2021年は「BMW i4」と、新技術の「iNEXT」搭載車を発売するそうです。

(吉田由美)

この記事のコメント(新着順)3件

  1. MINI Crossover SE all 4にも急速充電できる アダプタ-を販売してください
    普通充電では家に充電機が無いオ-ナ-は ハタハタ困り果てております

    1. もう少し教えてください、本日all4を契約しました、自宅への設置は、近くの電気関係者にお願いして欲しいと言われました。普通の屋外100Vコンセントでは難しいのでしょうか、工事した方がいいですか

    2. しのさん 様、コメントありがとうございます。
      恐らくMINI PHEVに付属する充電ケーブルは、200V専用ではないでしょうか?販売店に確認してみてください。また電気自動車やPHEVの充電は大電流を連続して流すため、安全のために別回路で、という基準があります。そのため、既存配線が流用できる場合でも、電気工事士の方にチェックをいただくことをおすすめいたします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


この記事の著者


					吉田 由美

吉田 由美

短大時代からモデルをはじめ、国産自動車メーカーのセーフティドライビングインストラクターを経て、「カーライフ・エッセイスト」に転身。クルマまわりのエトセトラについて独自の目線で、自動車雑誌を中心にテレビ、ラジオ、web、女性誌や一般誌まで幅広く活動中。

執筆した記事