カナダのケベック州で自宅充電できない住民向けに4500カ所の電気自動車用充電ステーション設置へ

電気自動車に興味はあるけれど自宅充電設備を設置できないため購入を躊躇している方も多いのではないでしょうか。カナダのケベック州ではそのような人のために官民一体となって新しい政策を進めています。全文翻訳記事をお届けします。

カナダのケベック州で自宅充電できない住民向けに4500カ所の電気自動車用充電ステーション設置へ

元記事:Québec Leaders To Install 4,500 New EV Charging Stations By 2028 To Support Garage Orphans by Zachary Shahan on 『CleanTechnica

電気自動車充電の弱点

最近よく知られてきた電気自動車、特に充電市場における弱点の1つが、自宅にガレージが無い人には家充電が難しいという点です。集合住宅に住む人や、ガレージが無い人、普段車を停める場所に使いやすい充電設備が無い人が夜間充電できる場所を確保するのが、EV充電に欠かせない次のステップと見られます。このトピックに関しては、CleanTechnica Insurtry webinar(下の動画 ※英語です)をチェックしてみてください。

またChargePointのシニア・バイス・プレジデントであるBill Loewenthal氏との最近のトークセッション(これも英語です)も聞いてみてください。

ケベック州で官民一体の充電政策

ケベック州はこの問題に対処することにしました。これから7年(分かります、もうちょっと早くできそうなものですよね)で、ガレージを持たない人が集まるエリアに4500カ所のEV充電ステーションを設置していきます。

Hydro-Québec(ケベック州の公的電力会社)は、具体的に「家充電へのアクセスが無い電気自動車オーナーのニーズに応えるため、2028年までにケベック州の地方自治体と協力し、The Electric Circuitが4500カ所の充電ステーションを設置します」と書いています。さてHydro-Québecはここでどのように関係してくるのでしょうか。実は大きな補助金に関与しているのです。「この重要なイニシアチブをサポートするため、地方自治体向けの補助金プログラムが出されています。Hydro-Québecはこのプログラムに充電ステーション1カ所あたり最高1万2,000ドル(約108万8,000円)を出します」。…… ドージコイン(仮想通貨の一種)1,2枚なんてちっぽけな額ではありません。

郊外の中心地にあるThe Electric Circuitの路上EV充電ステーション。画像はHydro-Québecのウェブサイトより。

補助金は充電器が欲しい場所すべてに配られるわけではありません。上にも書かれている通り、家充電が簡単ではない人達がいる場所に使われるため、以下の条件にマッチする必要があります。

●家屋の外にあるコンセントを個人的に持てない電気自動車オーナーが住むエリアでの夜間充電用。
●都心部や商業エリアでの昼充電用。

加えて、地方自治体は路上にあるステーションの利用を365日24時間可能にし、21時から7時の間駐車無料にしなければなりません。

これはかなり積極的な基準ですが、充電ステーションを使ってガレージ難民を電気自動車へ誘導するにはこうした策が必要とされているのです。補助金はすべての必要書類を揃えて2021年8月31日までに申請する必要があります。

ケベック州エネルギー天然資源省のJonatan Julien氏は「交通電動化は温室効果ガス削減と経済改革の中心となります。政府はケベック州のために理想の高いゴールを掲げており、電気自動車用充電ステーション設置の重大発表は、エネルギー改革への我々のコミットメントをよく表しています」と話しました。

環境及び気候変動対策省長官のBenoit Charette氏は「これはケベックの市民や自治体にとって素晴らしいニュースです!賃貸住まいの人や、他に選択肢の無い一部のホームオーナーでも自動車の充電をできるようにして、ケベック内の電気自動車数を増やすと言う目標を達成し、州内の温室効果ガスを劇的に減らすことができます」と付け加えました。

The Electric Circuitは現在3100カ所の公共充電ステーションを出しており、そのうち466カ所が急速充電です。加えてThe Electric Circuitカードを使ってFLOネットワークやNew Brunswich’s eChargeネットワークにもアクセスができます。

これは関係者の中でも尊敬に値する素晴らしいリーダーシップです。この種のEV充電インフラはUSやカナダの都市や郊外で切望されています。他の地域や電力会社も細かい部分を調整しながら同じような政策を実行すべきです。

家充電なしでEVを所有することは、ほぼ可能です。私もフロリダで3年近く、家充電無しで電気自動車を所有(BMW i3 Rexとテスラ モデル3 SR+)してきましたが、まったく問題ありませんでした。特にこの期間中、充電代にかかったのが0ドルだったのが良かったです。仕事環境がかなり自由がきくというのもありますが、私のエリア内に無料電気自動車用チャージャーがたくさんあるのです。実際、近隣で無料ではない公共充電器は1台も認識していません。しかし場所が変われば設備や人々のニーズも変わります。皆が電気に移行したいとしたら、簡単な家充電に勝るものはありません。

最後に、遅かれ早かれこの種のインフラに対する住民の要求は出てきます。21世紀において重要なトピックに関し、愚鈍でいるよりもニーズを先取りしてリーダーと見られる方が良いでしょう。

(翻訳・文/杉田 明子)

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					杉田 明子

杉田 明子

2010年代に住んでいた海外では'94年製のフォード→'02年製のトヨタと化石のような車に乗ってきました。東京に来てからは車を所有していないのですが、社用車のテスラ・モデル3にたまに乗って、タイムスリップ気分を味わっています。旅行に行った際はレンタカーを借りてロードトリップをするのが趣味。昨年は夫婦2人でヨーロッパ2,200キロの旅をしてきました。大容量バッテリーのEVが安くレンタルでき、充電インフラも整った時代を待ち望んでいます。

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