カリフォルニア州でオンライン予約受付開始
ソニー・ホンダモビリティ株式会社(SHM)は、CES2025で「AFEELA」ブランドとして販売する最初のモデル「AFEELA 1(アフィーラ ワン)」を発表。全額払い戻し可能な予約金200ドルでのオンライン予約受付が、発表された1月6日から開始されています。AFEELA 1は、米国オハイオ州にある最先端工場で生産、カリフォルニア州における2025年内の正式発売と2026年中旬の納車開始を予定しています。
価格は、特定の機能と装備の3年間無料サブスクリプションを含む8万9900ドル(約1420万円)〜。
ラインナップは「AFEELA 1 Origin」と「AFEELA 1 Signature」の2トリム展開。両トリムともにAFEELA Intelligent Drive、AFEELA Personal Agent、厳選されたエンタテインメントコンテンツ、車両をデジタルでカスタマイズできる様々なテーマセットおよび5Gデータ通信を3年間無料のサブスクリプションで利用できます。
車両価格は価格は、AFEELA 1 Originが8万9,900ドル(約1420万円)〜、AFEELA 1 Signatureが、21インチホイール、リアエンタテインメントシステムおよびC-CMS(センターカメラモニタリングシステム)を装備し102,900ドル(約1625万円)〜。
エクステリアカラーは、「Tidal Gray」、「Calm White」および「Core Black」の3色展開。AFEELA 1 Signatureでは、エクステリアカラー3色と「Black」および「Gray」のインテリアカラーから自由なコンビネーションを選択可能です。
バッテリー容量は91kWhで、一充電航続距離は「最大300マイル(約483km)を目標に開発中」とのこと。日本のWLTCでは550km前後になるのではないかと思われます。かねて発表の通り充電にはNACS規格を採用し、テスラ社のスーパーチャージャーネットワークを利用できます。
なんだかあまりワクワクしないのは、なぜ?
個人的な感想で恐縮ですが、いよいよ市販モデルを正式発表! というニュースに、あまりワクワクを感じませんでした。価格が1400万円以上で自分が買うのは想像できない高嶺の花だから。プロトタイプが発表から2年も経って新鮮味が薄れているため。発表された市販モデルのエクステリアに変なセンサーの出っ張りとかあって今ひとつカッコいいと思えないから……などなど。いくつか理由を探してみたところ、一番の理由は「スピード感の欠如」ではないかと感じています。
同じようなタイミングでEV開発を進めてきた中国のシャオミは、2023年に中国政府の車両生産許可を取得すると、2024年3月には『SU7』を発売。発売開始30分足らずで5万台受注というド派手なデビューを飾りました。2024年の販売台数は13万5000台を超えたことも報じられています。
テスラのモデル3はハイランドへと進化して、先だってモデルYのフルモデルチェンジも日本に到来。BYDやヒョンデといったメーカーのEVも、スピーディに進化しています。
ソニーとホンダという、日本の「ものづくり」を象徴する企業がパートナーシップを結んで開発が進められているソニー・ホンダモビリティ(SHM)のAFEELAですが、最近の世界におけるEV進化の潮流に比べると、物事がいかにもスローペースに感じてしまうのです。日産アリアで、プロトタイプの発表から正式な発売、納車開始までじりじりと時間が過ぎた(コロナ禍という不運もありましたけど)のと似たデジャブを突き付けられているようで……。
AFEELA1は、テスラでいえば「モデルS」に相当するフラッグシップとなるのでしょう。SHMがEVメーカーとして世界規模の飛躍を果たすためには、できるだけ早く市場の評価を得つつ、より幅広い顧客に届く「モデル3」や「モデルY」のような車種を揃えていく必要があるはずです。
フロントフェイスのメディアバーに「Have a nice day!」と表示できたり、車内でカラオケができる! とアピールされても、個人的にはなんだか「ピンとこない」のが正直な感想です。
テスラを凌駕する電気自動車を実現するには、ゼロからEVとして開発することが重要なポイントだと思うし、その点でAFEELAのチャレンジには期待しています。
日本発売はまだ1年以上先のことなので、気が早すぎるとは承知の上で。SHMの次の一手がどんな車種になるのか楽しみにしています。
文/寄本 好則