【参考情報】
Tesla Q1 2020 Vehicle Production & Deliveries(ニュースリリース)
テスラの生産台数と販売(納車)台数推移
生産台数 | モデルS/X | モデル3 | 合計 |
---|---|---|---|
2017Q1 | 25,418 | 0 | 25,418 |
2017Q2 | 25,708 | 0 | 25,708 |
2017Q3 | 25,076 | 260 | 25,336 |
2017Q4 | 22,140 | 2,425 | 24,565 |
2018Q1 | 24,728 | 9,766 | 34,494 |
2018Q2 | 24,761 | 28,578 | 53,339 |
2018Q3 | 26,903 | 53,239 | 80,142 |
2018Q4 | 25,161 | 61,394 | 86,555 |
2019Q1 | 14,163 | 62,975 | 77,138 |
2019Q2 | 14,517 | 72,531 | 87,048 |
2019Q3 | 16,318 | 79,837 | 96,155 |
2019Q4 | 17,933 | 86,958 | 104,891 |
2020Q1 | 15,390 | 87,282 | 102,672 |
販売台数 | モデルS/X | モデル3 | 合計 |
---|---|---|---|
2017Q1 | 25,051 | 0 | 25,051 |
2017Q2 | 22,026 | 0 | 22,026 |
2017Q3 | 25,915 | 222 | 26,137 |
2017Q4 | 28,320 | 1,542 | 29,862 |
2018Q1 | 21,800 | 8,182 | 29,982 |
2018Q2 | 22,300 | 18,449 | 40,749 |
2018Q3 | 27,710 | 56,065 | 83,775 |
2018Q4 | 27,607 | 63,359 | 90,966 |
2019Q1 | 12,091 | 50,928 | 63,019 |
2019Q2 | 17,722 | 77,634 | 95,356 |
2019Q3 | 17,483 | 79,703 | 97,186 |
2019Q4 | 19,475 | 92,620 | 112,095 |
2020Q1 | 12,200 | 76,200 | 88,400 |
2018年度 四半期販売台数平均 | 24,854 | 36,513 | 61,367 |
2019年度 四半期販売台数平均 | 16,692 | 75,221 | 91,913 |
モデル3の生産は引き続き増加
テスラ社の2020年第1四半期の生産台数内訳は、モデル3とモデルYが8万7282台、モデルSとXが合わせて1万5390台でした。納車台数はモデル3が7万6200台、モデルSとXが合計で1万2200台です。生産台数、納車台数はともに前期を下回りました。
リース契約は全体の7%ですが、上級モデルのモデルS/Xは16%を占めます。一方、モデル3/Yのリース契約は5%にとどまり、買い取りが多いことがうかがえます。
テスラ社はニュースリリースで、新たにモデルYの生産が1月に始まったこと、および3月から納車が始まったことを明らかにしました。モデルYは2019年第4四半期の決算報告で、米カリフォルニア州フリーモントの工場で生産が始まったと報告がありましたが、無事にユーザーの手元まで届いているようです。モデルY単独での生産規模がわかるのは少し後になりそうです。
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コロナ禍の中、加州フリーモント工場は操業停止
2019年度は生産台数、納車台数ともに右肩上がりで伸びました。他方、モデル別の状況を見ると、モデル3の増加に合わせるように、モデルS/Xの台数が徐々に減っていることがわかります。今後はモデルYの動きも増加するので、生産、納車ともに売れ筋の価格帯は絞られていくことが予想されます。
また台数の減少は、現在のコロナウイルス感染症の影響もあると思われます。テスラ社のニュースリリースでは、直接コロナウイルスに言及はしていませんが、「当社の上海工場は、大きな後退局面にもかかわらず記録的な生産台数を達成した」と主張しています。上海工場は春節(中国の旧正月)の時に中国政府の命令で一時、操業停止していましたが、2月10日には再開。影響はそれほど大きくはなかったようです。
このほか、米フリーモントの工場は、コロナウイルスのために自治体が外出禁止令を出す中でも操業を続けて批判を浴びたりしていましたが、3月19日には指示に従って操業を止めています。
さらにニューヨーク州バッファローの太陽電池工場も一時的に生産を停止していますが、ここではコロナウイルス対応のための人工呼吸器を生産すると、イーロン・マスクCEOが宣言しています。アメリカの工場の操業状態の影響は第2四半期に出てくるかもしれません。
世界市場の低迷でテスラ社の株価も半分に
ちなみにテスラの販売台数についてニューヨークタイムズ電子版(2020年4月4日付)は、2019年12月のテスラのヨーロッパでの販売台数は全メーカー中21位だったものの、数十のモデルを持つBMWやメルセデスの3分の1にあたる2万4000台を売ったと報じています。1モデルあたりの台数でいえば注目すべき成果を挙げていることになります。
さて、コロナウイルス感染症は世界の株式市場に大きな影響を与えています。テスラ社も例外ではなく、2019年12月19日に記録した最高値の917ドルから、4月2日の終値は半分以下の454.47ドルまで下がりました。
ただし、生産&納車台数の速報発表後の時間外取引は535ドルで引けているので、概ね好感を持って受け入れられたと言えそうです。テスラ社の株価は昨年の第3四半期以降で3倍以上になっているので、現在でもまだ、当時に比べれば高止まりではあります。
問題は、米国での操業停止がいつまで続くかです。モデルYが上海工場で出荷されるのは来年の予定ですし、ベルリンの工場もまだ先になります。ドイツは感染拡大による影響をなんとか抑制できているように見えますが、欧州の状況を考えるとベルリン工場も予断を許しません。
電気自動車は、少なくとも欧州や中国、米国(カリフォルニア州ですが)では一定の市場シェアを確実に占有するようになっています。今は耐えるしかないということでしょう。
EVsmartブログでは引き続き、テスラ社の決算情報をカバーしていきます。
(文/木野 龍逸)