テスラが目指す暮らしを体感〜モデル3 無料貸出付き1泊2日旅行プレゼントキャンペーン

宿泊施設として日本で初めてテスラ『Powerwall』を導入した群馬県の古民家の宿へ、1泊2日の宿泊とモデル3の無料貸し出しをセットでプレゼントするキャンペーンが始まりました。特設サイトには「Tesla destinations」とのメッセージ。テスラが目指すライフスタイルを教えてくれます。

テスラが目指す暮らしを体感〜モデル3 貸出付き1泊2日旅行プレゼントキャンペーン

古民家の宿での宿泊とモデル3貸し出しをプレゼント

3月26日、テスラジャパンから珍しくニュースリリースが届きました。「テスラの家庭用蓄電池『Powerwall』を日本で初めて導入した宿での1泊2日の宿泊とモデル3の無料貸し出しをセットでプレゼントするキャンペーンを開始」したというお知らせです。

キャンペーンのタイトルは「Destination Campaign」。拙い英語力で解釈すると「みんなでこっちを目指そうぜ運動」みたいな意味と受け取れます。特設サイトを見ると、メインビジュアルに浮かび上がっているのが「Tesla destinations」というメッセージ。つまり「テスラはこれを目指してるのさ!」ということでしょう。

【特設サイト】
Tesla Destination Campaign

キャンペーンの概要をまとめておきます。

●募集期間:2021年6月30日まで
●当選者数:1組2名様
●当選内容:『古民家の宿 川の音 離れ』1泊2日宿泊(夕朝食付き)&Model3無料貸し出し
●応募方法:特設サイトの申し込みフォームに必要事項を記入して送信

当選は1組だけなので、どしどし応募しましょう、という感じではありません。モデル3とかモデルSのプラッドとかをポチって納車待ち(もしくはポチる気満々)の方が、試乗を兼ねて当選旅行を楽しむのがスマートかな、と。

このキャンペーンの意義は「Tesla destinations」とは何なのか、具体的なライフスタイルのヒントを広く日本社会にアピールすることにあると考えるべきでしょう。

クリーンでサステナブルな生活を体験

『古民家の宿 川の音』は、群馬県神流町という山里にあります。空き家となっていた養蚕農家の古民家を、上質な空間とサービスを提供する宿泊施設として町がリノベーション、2018年にオープンしたまだ新しい宿です。今回のキャンペーンは、この宿にテスラの家庭用蓄電池『Powerwall(パワーウォール)※容量13.5kWh』とともに、太陽光発電システム、テスラ車専用の普通充電器である『ウォールコネクター』が設置されたことを受けて実施されます。

太陽光で発電した電気をパワーウォールに蓄えて、夜間の電力を自給する。さらに、その電力を活用して電気自動車であるテスラに充電できる。いわば「テスラのフルコース」を体験できるというわけです。ニュースリリースでは「クリーンでサステナブルな生活を体験」と表現されていました。

この「クリーンでサステナブルな生活」こそが、「テスラの目的地」でもあるということですね。

Powerwall
ウォールコネクター

私も群馬県の温泉地などはかなり取材で回りましたが、神流町のことはまったく知りませんでした。少し調べてわかったのは「とくに温泉地でもなければ、特段の観光名所すらもない静かな山里」ということです。とはいえ、だからこそ「クリーンでサステナブルな生活」を実感できるのかも、と思います。

群馬県といっても、東京(世田谷区三軒茶屋)から宿までの距離は120kmほどと、東京から近めの群馬です。無料で借りられるモデル3のグレードはわかりませんが、電池容量が小さいスタンダードレンジプラスで、周辺の秩父や長瀞あたりで遊んでからチェックインしても、まったく不安なく充電なしで到着できる距離です。泊まっている間ウォールコネクターで充電すれば、翌日は軽井沢あたりまで脚を延ばして観光を楽しんでも、無充電で東京へ戻ることができるはず。

太陽光発電の電気で過ごす(オフグリッドではないと思うので100%ではないでしょうけど)静かな一夜とともに、テスラのフルコースで実現できる「クリーンでサステナブルな生活」を体感するには「ちょうどいい」旅先です。町営の宿だけに、たとえば星野リゾートのようなホスピタリティは期待できないかも知れませんが、部屋の広さや設え、料理の内容などを考えると離れで大人1名2万円(2名以上での宿泊時)という宿泊料金は納得価格。EVsmartチームのモデル3で泊まりに行くレポートやってみようかなと企んでみたくなります。

クルマとしてのハイパフォーマンスや自動運転機能が注目されがちなテスラですが、電気自動車の本当の魅力は、おそらくはこの旅が教えてくれるような「ちょうどいい」感じや、「これでいいじゃん」というライフスタイルの節度を教えてくれることだと、私は感じています。まるごと日本の電力を自然エネルギーに転換するのは難問ですが、それは大都市や巨大な工場の電力もまとめて変えようとするからです。たとえばこの宿のように一軒の家、あるいは自然豊かな山里ひとつが地産地消の電力で自給自足することは、それほど高いハードルではなかったりします。

まずは自分の暮らしから、ということですね。私には今のところそんな予定はないし財力も気力も足りませんが、もし、もう一軒を建てられるなら、テスラのフルコースを活用して電力を自給自足できるサステナブルな家に……、と妄想してしまいます。

太陽光発電システムは他社製品

Solar Roof

ただし! 「テスラのフルコース」と書きましたが、この宿の太陽光発電システムは、テスラがすでに発表している『ソーラールーフ』ではありません。テスラのご担当者に電話で確認したところ「カナディアンソーラーのプラチナムという製品」とのこと。

屋根のスレートとデザインを合わせ、違和感ないデザインが特徴のソーラールーフは、すでにテスラの日本向け公式サイトでも発表されていますが、まだ日本発売はされていません。導入時期がいつごろになるかも未発表。この宿に採用されたカナディアンソーラーのシステムは、今、パワーウォールとともに太陽光発電の設置を希望するユーザーに、テスラがおすすめしているものらしいです。

アメリカでソーラールーフが発売されたのは2016年(発表は2015年)で、もう5年ほど経っています。すでに中国でも発売されたと聞きますが、日本での発売はまだ見通しが立たないということでしょう。何か法的な規制やサイズなどの規格が壁なのか、施工業者が扱いにくい何かがあるのか。日本に導入されない明確な理由はわかりませんが、残念、というか「もったいないな」と感じます。

これは、もしかすると日本で住宅を建築している設計家やハウスメーカーが着目すべき課題かも知れません。だって、サステナブルへの注目度が高まる中、新築する自宅に「テスラのフルコース」を導入したい(新築やリフォームならまとめてローン組めちゃうだろうし)というニーズはきっとあるはず、ですもんね。

「諸々の課題はこっちでクリアして、がんがん売りまくるから供給してくれ!」と、イーロン・マスクに直談判しちゃうような、意欲あふれるハウスメーカーの社長さんや開発ご担当者の出現を望みます。

あ、あと『古民家の宿 川の音』さん。テスラ専用の充電器だけじゃなく、ほかのEVでも使える200Vコンセントをひとつ設置してもらえると、私のリーフでも行きたくなります。

(文/寄本 好則)

この記事のコメント(新着順)1件

  1. そうそうコレコレ、僕がホンマに泊まりたい宿泊施設のモデルケースやないですか!!
    たしかに200Vコンセントがひとつあればi-MiEVでも訪問したくなりますよ。
    蓄電池がテスラ13.5kWhと大容量なのは安心ですから!

    ちなみに当家は京セラ3.5kWソーラーパネルに田淵電機の7kWh蓄電池を取付け2年後のFIT切れへ備えてます。幸い現在フリーランスで昼間に自宅へ帰れる体制なんでFITが切れても安く売電することはあまりなさそうですが。
    ソーラーパネルの多い家庭や宿泊施設は蓄電池/V2Hを設置し、昼間の余剰電力を業務用あるいは送迎車などへ充電、夜間は蓄えた電力でお客様の安心と満足を買うのがベストやと思います。昨今台風災害停電が多く停電でお手上げの温泉旅館をよく目の当たりにしますんで(特に高圧受電設備を備えた施設に多い)フリーランスで電気保安管理に携わる僕はそんな施設へ蓄電池設置を提案していきたいです。もっともコロナ禍で経営苦しいかもしれませんが。

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					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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