2017/8/21追記:※注、モーターショー発表時バッテリー航続距離は35.2kmとされていましたが、その後正式発表では40kmと少し上方修正されました。
新型プリウスPHVは2016年秋に日米欧で発売予定とのことです。日本ではプリウスPHV、米国での車名はプリウスプライムに変更されるようですね。おそらく米国ではPHEVという言い方が一般的になってきたので、PHVと名乗るより「プライム」と特別感を出したかったのだと思います。デザインは、全体的にミライに似ていますが、全体的にスピード感を感じさせますし、新型プリウスのフロントの鋭い感じに比べて、PHVのほうがアクの少ないデザインのように感じました。フロントの四連LEDヘッドライトや、リアの蝶の形にも見えるコンビネーションランプはなかなか新しいデザインだと思います。
新型プリウスPHVのモデルチェンジの大きなポイントは、もちろん全体的にカッコ良くなったスタイル(Cd値0.25)だけでなく、PHEVとしての電気駆動システムの改良にあります。バッテリーは旧PHVの4.4kWhから倍増となり、リチウムイオン電池8.8kWh。このおかげで、米国EPA基準ベースのEV航続距離、すなわちガソリンを使わずに走行できる距離は、35.2kmにもなりました。このEV航続距離は12kWhのバッテリーを搭載するアウトランダーPHEVとほぼ同等。平成11年(古!)の全国都市パーソントリップ調査によれば、全国平均の車での往復通勤距離は23.4kmだそうで、35.2kmなら冬でも何とかエンジンをかけずに職場まで往復できる人が多そうです。
電気自動車/PHEVを検討している方にとって朗報なのは、日本モデルだけは急速充電対応(チャデモ規格)とのこと。20分で80%まで急速充電が可能だそうです。ここは実は注目ポイント。ほとんどのリチウムイオン電池は30分で80%まで急速充電できるケミストリー(内部の化学物質の構成)。プリウスPHVの20分というのは、東芝のLTOケミストリー採用の電池、SCiB(15分で80%)ほどではないものの、かなり急速充電に強いハイブリッド用の電池ということができると思います。
ハイブリッド用ということは純粋な電気自動車向けではないということ。バッテリーの特性は、寿命、充放電特性、そしてエネルギー密度の三つがバランスしていなければならず、全てを完璧に満足できるバッテリーはありません。自動車用に寿命の短い電池は採用できませんから、(完全な私の推測ですが)プリウスPHVの電池はエネルギー密度を犠牲にしている可能性があると思います。おそらく、EV航続距離を増やす(=エネルギー密度を高く、電池を大きく)・急速充電を早く(=充電特性を良く、電池を大きく)、というニーズを優先し、室内居住空間を広く(=エネルギー密度を高く、電池を小さく)という点の優先度を下げたのでしょうね。結果として、ミライと同様、定員が4名になってしまっています。
(2011年モデル)現行プリウスPHVと(2016年モデル)新型プリウスの出力やトルクを比較してみましょう。
エンジン出力 | エンジントルク | モーター出力 | モータートルク | システム出力 | バッテリー容量 | |
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新型ハイブリッド | 72kW | 142Nm | 53kW/5.3kW | 163Nm/55Nm | 90kW | リチウムイオン0.7kWh/ニッケル水素1.3kWh |
現行PHV | 73kW | 142Nm | 60kW | 207Nm | 100kW | 4.4kWh |
新型PHV | 72kW | 142Nm | 53kW/23kW | 163Nm/40Nm | 90kW | 8.8kWh |
新型プリウスPHVはモーターが二つ?そう、どうも発電用のジェネレーターを、必要な際にはクラッチで駆動系に接続してモーターとして利用可能なようで、その分モーターのアシストも強くなっているようなのです。このあたりも実際に運転してみて、発進加速や追い越し加速がどのくらい良くなっているか、楽しみですね!
ニューヨークショーで発表とは思いませんでした。斬新なスタイル、大型ディスプレイのナビ、航続距離の延長、急速充電対応、私の欲しかった機能が満載です。でも、価格がかなり高価になりそうですね。現在プリウスPHVに乗っていますが、どれだけの進化が有るか楽しみです。
加藤様、コメントありがとうございます!私の会社の駐車場には、なんと私のモデルSのほかに、BMW i3やプリウスPHVも停まってます!今回のフルモデルチェンジはかなり力が入っていますね。4人乗車、ってのは、ある程度価格が高くなって、購入層の年齢が高くなることを予測した上で4人乗りなのかな?と思いました。今のPHVよりはお値段は上がりそうな?