電気自動車用充電器を設置した都内マンションで最新EV試乗会開催

東京都足立区内の大規模な団地で住民を対象とした電気自動車試乗会イベントが開催されました。集合住宅駐車場に電気自動車用充電器設置を広げることは、とくに都市部における電気自動車普及の重要なポイントです。EVsmartではイベントの趣旨に賛同し、テスラモデルX P100Dを展示、同乗試乗も行いました。

電気自動車用充電器を設置した都内マンションで最新EV試乗会開催

電気自動車の電気で温かい飲み物なども提供

電気自動車試乗会イベントが開催されたのは、東京都足立区内、隅田川沿いに隣接して立ち並ぶ『アクアテラ』(14〜17階建て3街区820戸)と『オーベルグランディオハートアイランド』(15階建て250戸)という大規模な団地です。アクアテラ側の会場にはBMW『i3』と『530e iPerformance M Sport』と、EVsmartチームが提供したテスラ『モデルX P100D』を展示。ハートアイランド側の会場では新型『日産リーフ(40kWh)』と『日産リーフe+』が展示。530eを除く最新電気自動車の試乗が行われました。

ハートランド側会場では、リーフの駆動用バッテリーから1500W、100Vの電気を取り出せる『LEAF to 100V』を活用してポットでお湯を沸かし、来場者に温かい飲み物やお菓子を用意。災害などによる停電時にも電気自動車から電気を供給できることをアピールしていました。

ユアスタンドのシステムで普通充電器を設置

イベントを主催したのは、ユアスタンド株式会社(本社:横浜市)という会社です。ユアスタンドはマンションやアパートなどの集合住宅に電気自動車用普通充電器を設置。管理組合や管理会社ごとに定めた充電器使用料を独自の課金システムによってカード決済、運用していくサービスを提供しています。

今回のイベント会場となった2つのマンションにも、昨年NEV(次世代自動車振興センター)の補助金を活用して、アクアテラの3カ所の駐車場には合計4基、ハートランドの駐車場には3基の普通充電器を設置しました。利用者は専用アプリで予約もできるそうです。

「私自身、リーフとアウトランダーPHEVに乗っていますが、自分が住んでいるマンションに充電器がなかったことが、このサービスを思いつき、起業するきっかけになりました」(ユアスタンド代表取締役の浦伸行氏)

充電器設置をきっかけにPHEVに乗り換え

試乗を楽しんだ来場者の方にもお話しを伺いました。

「駐車場に充電器が付いたのをきっかけに、パジェロからアウトランダーPHEVに乗り換えました。出先での充電にはまだ戸惑うこともありますが、電気での走りを楽しんでいます。今、モデルXに試乗させてもらいました。純電気自動車は航続距離が不安かなと思っていたんですが、モデルXであればほとんど心配ないんですね。自動車としても、やっぱりとても魅力的。いいなぁ、と感じました」と話してくれたのは、アクアテラにお住まいの小林寛征さん。

奥様も「アウトランダーで初めて電気自動車の乗り心地を知りました。クルマには詳しくないので静かだなくらいしか表現できないですけど。モデルXは、ドアの開き方とか、ほんとにカッコいいですね」と、電気自動車の魅力をますます感じられたようです。

イベントに出展、試乗希望者に笑顔で対応されていたBMWジャパンのハンソル・ソルさん(BMWi イノベーション・スペシャリスト)は「サステナビリティを徹底したi3の魅力や、ドライビングの楽しさを直接体験いただける有意義な機会だと思います。集合住宅への充電インフラ整備は電気自動車普及の大きな課題でもありますから、今後もこうした機会が増えるといいですね」と話してくれました。

マンションなど集合住宅駐車場への充電器設置は、電気自動車普及のための大切なポイントです。『EVsmartブログ』でも、今後、ユアスタンド社と連携しながら、さまざまな集合住宅への充電器設置についてレポートしていきたいと考えています。集合住宅にお住まいで、管理組合や管理会社とどう交渉すればいいの? とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

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(寄本好則)

この記事のコメント(新着順)1件

  1. はははっ。たしかに集合住宅でこういうイベントがあると電動車両がほしいという人も少なからず出てきますね。
    会社の後輩も最近アウトランダーPHEVを購入しました…前車もSUVでしたが燃費がよくないとのことで買い換えたとのこと。
    アパート住まいながら普段近場しか乗らず、普段は職場近くのショッピングモールでの普通充電だけで事足りているようです…ただそこでのEV充電器争奪戦で彼に負けることもしばしば!(自爆)嬉しいやら悲しいやらです。
    集合住宅への充電インフラ設置が電動車両販売拡大の鍵を握っているのは間違いないですが、そうでなくとも近場に充電インフラがあれば違ってきますね。
    自分にしろ後輩にしろ、最初は不安ながらもイザ電動車両を導入した後は慣れで何とでもなりました。

    自分はそれに飽き足らず、市民活動イベントの際にアイミーブMと外部給電装置(MiEV power BOX)を使って停電時の電源供給を実演する企画を立てて通しました。
    まだ実演までに時間はありますが、電気屋として何ができるかを提案するのは業務の一環でもあります。趣味と本業を両立できるクルマに巡り合えたことには今も大いに感謝しております。
    集合住宅が「蓄電池の集合体」になる日も決して遠くはないのかもしれません!?

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この記事の著者


					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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