日産リーフで東京ー白馬「休憩2回じゃダメですか?」〜白馬EVシェアリングが始まります

今年も実施される『白馬EVシェアリング』に、私のマイカーである日産リーフ(30kWh)を使ってもらうことになり、白馬村へ届けてきました。東京〜長野県白馬村まで約270kmを充電&休憩2回のドライブレポートとともに、白馬へのお誘いをひとつ。

日産リーフで東京ー白馬「休憩2回じゃダメですか?」〜白馬EVシェアリングが始まります

今年も『白馬EVシェアリング』を実施

長野県白馬村で電気自動車の無料シェアリングプロジェクト『白馬EVシェアリング』が実施されます。白馬村が環境省が進めている国民運動『COOL CHOICE』に賛同し、村の二酸化炭素排出抑制対策事業として、今回で3年連続での実施となります。

このEVシェアリングには私もメンバーである一般社団法人日本EVクラブが協力しており、初実施となった2018年度はEVクラブメンバーが所有する日産リーフ、AZE0(30kWh)とZE1(40kWh)の2台。2回目の昨年はフォルクスワーゲングループジャパンなどの協力を得て『e-Golf』2台で実施。

今年は再び、日本EVクラブメンバーが所有する2016年式の日産リーフAZE0(30kWh)2台で実施することになり、そのうちの1台として、このEVsmartブログで中古車選びやロングドライブレポートを何度もお届けしている、私のリーフが使われることになりました。

【白馬村ウェブサイト】
令和2年度「白馬EVシェアリング」家族みんなで電気自動車を体感してください

利用は無料。利用者は白馬村民と白馬村での宿泊客限定(ひとり一回、一施設につき一回)です。実施期間は2020年8月3日から11月30日まで。申し込めるのは白馬村民および村内の施設だけなので、この期間中に白馬村へ宿泊レジャーに出かける予定がある方は、宿泊施設に相談してみてください。

数年落ちのリーフをシェアカーにする理由

なぜ、電池容量が小さな旧型の日産リーフをシェアカーとして活用するのか。限られた予算の中で、大容量の新型車を用意するのは難しいという面はありますが、もうひとつ大切な理由があります。それは、白馬村のみなさんや、白馬村を訪れる方々に、電気自動車のリアルな使い勝手を体感してみていただきたいからです。

白馬EVシェアリングの利用者向けに作成した説明資料に書いた「理由」を引用しておきます。

電気自動車の選択肢が拡大中! 中古車もクールチョイス

今、世界はEVブーム。アメリカのテスラをはじめ、いくつもの欧州メーカーや日本のメーカーからも、50kWh以上、なかには100kWhクラスの大容量電池を搭載して、一充電で600km以上走れるような高性能電気自動車が登場しています。とはいえ、大きなバッテリーを載せた電気自動車は、当たり前ですが高価です。

でも2020年に入って、電気自動車の選択肢は急速に拡大中です。ホンダ『Honda e』やプジョー『e-208』、シトロエン『ë-C4-100% ëlectric』、日産『アリア』、レクサス『UX-300e』、マツダ『MX-30』など、新たな魅力を提案する新型電気自動車が続々と日本発売を発表、または予定しています。

さらに自動車購入には中古車という選択肢もあります。たとえば、今回のシェアカーである30kWhの日産リーフは、最近の中古車市場では100万円前後がボリュームゾーンとなっています。中古車の場合、電気自動車購入に対する国の補助金などは対象外となりますが、税制の優遇があり、燃料代を含めた維持費がエンジン車に比べて安いというメリットがあります。

今回、旧型の日産リーフをシェアカーとしたことには、「そんなに大きくない電池の電気自動車の使い勝手」や「それでも魅力的な電気自動車の走り」を、みなさんご自身で体験していただきたいという思いがあります。「これなら使えるな」と感じたならば、次のマイカーの選択肢としてぜひ電気自動車を検討してみてください。
(引用ここまで)

いかがでしょう。私自身、ジャガーアイペイスやポルシェタイカンは喉から手が出るほど欲しいですが、残念ながら手が出ません。アリアもいいけどやっぱり高い。私のリーフは車両本体価格154万円、総支払額168万円ほどと安上がりでしたけど、じゃあ、安いなりに我慢して乗っているかというと、そんなこともないのです。

「長距離を走る時は充電とか面倒でしょ?」と思う方もいるでしょう。はたして電池の小さなEVはそんなに我慢を強いられる乗り物なのか。今回、東京から白馬まで走ったデータをご紹介しておきましょう。

充電&休憩2回で白馬村に到着しました

東京出発時

まず、出発前のメーターです。電池残量は90%。もちろん自宅ガレージで充電していたのですが、我が家では深夜電力で充電する掟が厳しく定められていて、前日の残量が少なかったので100%まで入り切りませんでした。とはいえ「いつものタイマー充電で23時〜4時の5時間充電だと満充電にはならないな」というのは想定済み。頭の中に描いている走行&充電計画では、90%スタートで何の問題もありません。

談合坂SA到着時

中央自動車道、まずは談合坂SAで1回目の休憩&充電です。到着時の電池残量は33%。6時にスタバが開くまで10分ほどトイレに行ったりしながら待って、コーヒーと朝食を仕入れて、約22分間の充電で93%まで入りました。

談合坂SA出発時

2回目の充電は八ヶ岳PA、電池残量は17%です。談合坂SAから八ヶ岳PAまでの距離は約87kmしかありませんが、八ヶ岳PAの先、諏訪南ICの手前には中央道最高標高地点(1015m)があり、電気自動車にとってはちょっと苦手な上りルートなのでかなり電力を消費します。

八ヶ岳PA到着時

ここでは、メールへの返事をいくつか書いて約21分間充電して、残量89%まで回復しました。ひとまずの目的地にしている『道の駅白馬』までの距離は約120km。メーターの航続可能距離は97kmになっていますが、白馬村の市街地というか最終目的地あたりの標高は約700m、ざっくり300mほど下ることになるので、まあ問題ないでしょう。

八ヶ岳PA出発時

残量13%で道の駅白馬に無事到着しました。途中、長野自動車道もガラガラだったので、つい調子よく走ってしまいギリギリな感じにはなってしまいましたが、30kWhリーフに乗り慣れてくると、上り下りで頻繁に変動する残量や航続可能距離の表示をみながら、実際に走れる距離を想定する「力」が身についてきます。

道の駅白馬到着時

リーフを引き渡す白馬EVクラブの渡辺さんと約束した時間まで小一時間あったし、残量警告が出ている(このリーフは15%を切ると残量低下の警告が出ます)まま預けるのもいかがなものかと思うので、道の駅にある30kW出力器で充電しておくことにしました。

道の駅、充電終了時。

道の駅のショップで自宅用のお土産を物色しつつ30分充電。急速充電器の出力が小さいので64%までしか入りませんでしたが、航続可能距離表示は八ヶ岳の89%の時より20km多い117kmと表示されています。なんというか、ま、こんな感じなのです。

結論としては、東京〜白馬まで約270km、ルート全体としては標高差700mほどの上り道。20分ちょっとの休憩&充電2回で、しっかり走り切れるということですね。

もちろん、たとえばテスラモデル3のロングレンジであれば、無充電、休憩なしで白馬まで到着できるでしょう。「やっぱり2回も充電するのか、面倒じゃん」とどうしても思う人は、500万円以上出して大容量電気自動車を買うか、エンジン車のままで我慢してください。

私はこれで、何も文句はありません。電池容量30kWh(想定SOHは87%程度なので実質容量は26kWhくらい)の中古電気自動車が100万円ちょっとで買えるのであればOKです。

あ、でもひとつ。八ヶ岳での充電終了後のメーター、左側の電池温度計が11目盛りまで上がっていることに気付いた方はいるでしょうか。リーフの電池は空冷で、ことさらの電池温度管理システムを搭載していないのでこうなります。幸い、今回の行程で走行時のモーター出力制御や充電出力制御がかかることはありませんでしたが、夏の炎天下、同じルートを同じペース(全線、結構いい調子で走りました)で走ると出力制御がかかってしまう可能性があります。

日産さま、次期リーフ、もしくは僕らにも手が出る大衆車EVを発売する時には、ぜひ電池温度管理システムは搭載してくださいまし。

白馬村、渡辺さんちの『あぜくら山荘』に到着。ここには充電用コンセントがあるので、ほんとは道の駅で充電しなくても大丈夫ではあったのですが。

(取材・文/寄本 好則)

この記事の著者


					YORIMOTO Yoshinori

YORIMOTO Yoshinori

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

執筆した記事

10 thoughts on “日産リーフで東京ー白馬「休憩2回じゃダメですか?」〜白馬EVシェアリングが始まります”

  1. 昨今…日本国内にも様々なBEVが横行し、その中で「日産リーフ」にスポットを当てられたレポも色々と有意義な情報頂きました!!

    今年〜来年にかけては日本国内でも「BEV競走?」が始まりますかね

    来年は…新しい車両でのレポート……楽しみにしてます!!

    1. 佐久間さま、コメントありがとうございます。

      > 来年は…新しい車両でのレポート……楽しみにしてます!!

      の意味がわからなかったのですが。。。読み返して、あっ!と気づきました。
      シェアリングに使う、といっても譲渡するのではなく、11月末まで期間限定の無償提供。プロジェクトが終われば戻ってきます。

      浮気したい、気になるヤツはありますけどねぇ。w

  2.  休憩なんかしなくてもいいから1分でも早く遠くに到達したい、毎週東京大阪往復するからという人には向きませんねえ。一般的なEVは。私は1時間半以上運転し続けるのは嫌なので、充電がちょうどいい休憩になります。航続距離?全く問題ありません。
     私も最近LEAF ZE1で白馬村を訪れ、しかもあぜくら山荘に泊まりました( ^ω^ )!写真を見てビックリ。
     LEAF提供素晴らしいですね。ここまでくると、エヴァンジェリストじゃないですか!

    1. NOLA さま、コメントありがとうございます。
      あぜくら山荘の渡辺俊介さんは白馬EVクラブの事務局として、白馬村でのEVや再生可能エネルギー活用の普及に大活躍してくださっています。日本EVクラブではプレを含めると2013年から白馬村でジャパンEVラリーin白馬を開催しており、あぜくら山荘はスタッフの常宿。なんだか、別荘のように繰り返し泊まってます。今年も、EVラリーを開催する計画(おそらく10月下旬くらい)を調整中なので、ぜひ白馬でお会いしましょう!

  3. 30kwhリーフの実力は侮れませんよね。
    イープラスがマイナーチェンジしたので乗り換えましたが、狭い日本なら30kwhリーフで不自由はなかったですよ。
    北海道へ出向いた5200kmの観光旅行も10日間あまりで電欠することなく走りきりましたし。
    ただ、大容量バッテリーの恩恵に預かってしまうと利便性の違いを痛感しますけどね。

    30kwhリーフは再生走行で見かけ上のバッテリー容量を上げられるので、ロングドライブでは充電時間の短縮などメリットがありますよ。

  4. 運転お疲れさまでした。

    EVの航続可能距離について、最近そこまで気にすることもなくなってきました。
    いわゆるICEVは昨今の燃費戦争でガソリンタンク容量が小さくなっている車種も多く、我が家のGB5フリードなんかは36Lしかありません。燃費も良くて17km/L程度、普段は14km/L程度ですし、ちょい乗りや重い荷物を載せたりガンガンエアコンを付けたりするとそれ以下にも平気でなります。そうなると航続距離は最大でも500km、現実的には450km弱程度にしかならず、EVと大差ないんですよね。
    ガソリンスタンドは最近減る一方ですし、急速充電スポット以上に夜営業していない場所が多いので、長距離移動中、特に夜間はガソリン残量半分を切り始めたら通りがかりの安そうなスタンドを探し始めることになります。
    一方で、EVだと記事中にもある通りその車種に慣れてくるとある程度感覚的に航続可能距離を予想できますし、NCS充電器であれば基本料金は一律ですから安いスタンドを探すという手間もありません。地方でも24時間動いてる充電スタンドもありますし、充電器の出力の差はあれど(Teslaなどではたまに充電器メーカの相性もあったりはしますが)、全てEVSmartで事前調査も可能。休憩の度に繋いでおけばその間も補充できますし、むしろEVの方が気が楽なくらいなんですよね。
    EVの航続可能距離は騒がれるのにICEVの航続可能距離は騒がれないのは個人的にすごく疑問にも感じる部分です。

    しかし…今年の夏も暑くなりそうですし、リーフには厳しい夏になりそうですね。
    かくいう私も先日ZE1リーフを借りて運転していたのですが、気持ちよく走っていたら初めてのバッテリ温度MAX表示を経験し、大黒PAで20分充電しても充電後の充電器の表示で1.3kWhしか入らない(バッテリ残量表示も4%しか増えなかったので概ねあっていそう)という洗礼を受けました。急速2回(日産44kW機30分+JFE RAPIDAS-R30分)ですでにレッドゾーン突入、3回目の大黒に到着する前にMAXになりました。
    リーフクラスのお値段、航続距離のクルマだとメインカーにもなり得るでしょうし、やはりバッテリの冷却システムは欲しいところですね。

    1. JBさま、コメントありがとうございます。

      私がZE1、40kWhの新車ではなく中古の30kWhを買ったのも、最大の理由が電池温度管理です。

      EVに惚れて乗ってると、自動車に、切実にあるべき機能や性能が身に染みる気もしています。

  5. 同じ車のユーザーとしては知らない土地への、特に下道の遠出はかなりリスキーだということはお伝えしたいです。
    「30kWhリーフに乗り慣れてくると、上り下りで頻繁に変動する残量や航続可能距離の表示をみながら、実際に走れる距離を想定する「力」が身についてきます。」というお話は論外で、その能力がいらない環境にしなければ嘘なんです!
    一般向けに売っている車に、標高を気にして運転するマニアの楽しみはいりません。
    更には昨今、ディーラー急速充電器の夜間、休店日使用禁止が相次いでおり、ユーザーの使用環境が悪化しています。
    地元ディーラー社長も「急速充電器は
    あくまでエマージェンシー用、24時間には戻しません。」などと発言しており、呆れるしかありません。
    遠出&下道で充電するのならば電気自動車購入は避けるのが賢明です。

    テーマからかなり外れた話をしてしまい申し訳ありません。
    上記はあくまでも個人的な意見です。
    失礼しました。m(__)m

    1. 奥本康文 さま、コメントありがとうございます。

      急速充電インフラの現状に課題は多いことは仰るとおりで、世の中の流れが変わることを私も切に願っています。

      >一般向けに売っている車に、標高を気にして運転するマニアの楽しみはいりません。

      という点についても、ご指摘の意図は理解できるのですが、個人的には少し違う思いがあって。移動のためのエネルギーマネジメントを意識するのは、電池容量の大きくないEVを使いこなすために大切なことであり、それがまたEVの価値だと思っています。
      EVはエンジン車とは違う乗り物なんだ、と。

      私見ですし、結局はクルマとしてのパッケージングによって許容できる「手間」は違うはずなので、これが正解、とは言いませんが。

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