リーフ・オーナーの会のキーパーソンがサクラを購入
2代目と称される「ZE1」が発売された2017年からすでに5年。バッテリーを62kWhに増強した「e+」が発売された2018年からもすでに4年が経過した日産リーフ。CEV補助金を活用してリーフを新車で購入した場合、保有義務がある4年が経過したこともあるのでしょうか。最近、Facebookグループの「リーフ・オーナーの会」などで、長年、筋金入りのリーフオーナーだった方がリーフ以外の電気自動車に乗り替えたという報告を目にする機会が増えました。
はたして、どんな思いでリーフを手放し、新たなEVとの人生を選んだのか。何名かの方にインタビューするシリーズ企画をやってみます。
まず最初に紹介するのは、新潟県新潟市にお住まいの木沢亜由美さんです。先日、EVsmartに納車されて間もないテスラモデルYで長距離実走レポート取材を兼ねて、亜由美さんのご自宅を訪ねてきました。
「リーフ・オーナーの会」は、とくに規約などを定めた組織があるわけでなく、リーフオーナー有志がFacebookで緩やかに繋がっているグループです。最近はコロナ禍で機会が少ないですが、グループメンバーの誰かが呼びかけて、オフ会などを開催しており、EVsmartブログでも『令和元年かもオフ』や『Nissan LEAF Owner’s Meeting in FUKUSHIMA 2019』といったイベントをしばしばレポートしてきました。
今回紹介する亜由美さんは、かもオフや福島のオフ会で会ったのに加え、2019年9月には亜由美さん自身がリーフ仲間に呼びかけて給電イベントを実施した『いわむロック FESTIVAL』のレポートをお届けしたこともあります。明るく豪快な笑い声キャラが持ち味で、Facebookグループのタイムラインでも多くのユーザー同士を結びつけるハブのような役割を果たしている、リーフオーナー仲間のキーパーソンでもあります。
そんな亜由美さんがマイカーのリーフを手放し、サクラを注文。9月11日に納車されたということで、早速新潟へ遠征してきた次第です。
EVとの出会いと別れが人生の節目になってきた
亜由美さんが初めてマイカーEVを購入したのは2013年2月(納車は3月)のこと。ヒートポンプエアコンなどを搭載するマイナーチェンジを行ったバッテリー容量24kWhの初代リーフ(ZE0)を購入しました。
実は、2010年末に初代リーフが発売された時から購入を検討していたそうですが、仲良しのディーラー担当者から「まだやめた方がいい」と止められたとのこと。雪国でもある新潟では、ことに冬季の航続距離性能に不安があって、ディーラー担当者としても自信をもってオススメできないということだったみたいです。
2012年11月、初代リーフがマイナーチェンジ。3人の娘さんの子育てが少し落ち着いて、子育て中、10年近く中断していた歯科衛生士として仕事に復帰することを決意。当時乗っていたガソリンの軽自動車から、ヒートポンプエアコンを搭載して真冬に暖房使っても航続距離への影響が改善された初代リーフに乗り替えて、亜由美さんのEVライフがスタートしたのです。
その後、当時住んでいた阿賀野市内(新潟市に隣接)の自宅にV2Hを導入。2019年にはe+に買い替えてリーフとともにEVライフを満喫してきた亜由美さんだったのですが……。
実は、オフ会で初めて会った頃の亜由美さんは石澤さんでした。でも、今は木沢さん。そうなんです。2022年3月に離婚。3人の娘さんとともに実家に戻り、元のご主人とも話し合った結果、リーフe+を手放すことになったのでした。
その後、通勤などには実家のお母さんが乗っているルークスを借りて凌ぎつつ。中古の軽自動車でも買おうかと探してみたものの「結構いい値段するな」と迷っていると、折しも日産がサクラを発売。ディーラー担当者からも「亜由美さんにはサクラがいいよ!」と勧められ、早速オーダーしたのです。
まさに、人生の節目を電気自動車との出会いと別れが彩ってきた感じ。さすが、リーフオーナーの会のマドンナにふさわしい、ドラマチックなエピソードです。
エンジンの軽自動車は「やっぱり無理」だった
晴れてサクラが納車され、実家のガレージにサクラ充電用の200Vコンセントも設置完了。お母さんのルークスを借りてて実感したのが「うるさい、遅い、臭い。やっぱりガソリンの軽自動車は私にはもう無理」ってことだったとのこと。「仕事帰り、疲れてるのにガソリンスタンドに寄って給油するのが苦痛だった」といいます。
ゼロエミッションであること、つまり脱炭素社会実現に貢献できるモビリティであることがEVシフトが必要な理由として語られることが多いですが、実は、オーナーの実感としてゼロエミッションはむしろオマケに過ぎません。脱「うるさい、遅い、臭い」モビリティであることがEVの魅力なのだと、私自身実感しています。
サクラのバッテリー容量は20kWhと控えめですが、納車から3日間の通勤に使っても、バッテリー残量はまだ60%も残っていて「通勤や娘の送迎に使うので、このペースなら充電は週一ペースでいけそうですね」と亜由美さん。ルークスの給油も週一ペースだった上に、サクラの充電は自宅ガレージでコンセントにケーブルをさし込むだけ。EVだからこその「便利さ」です。
EVオーナーとのオフ会にはサクラで首都圏遠征も?
リーフを手放してしまったとはいえ、リーフ・オーナーの会のメンバーにとって亜由美さんが大切な仲間であることに変わりはありません。きっと、首都圏でオフ会とかあれば、サクラで新潟から遠征してくれるんでしょ? と尋ねてみると……。
「えー、それはない。だって、もう電池切れ心配してドキドキするのはイヤなんだもん」と即答。さらに「そういう時は、父のe+を借りていきます!」とのことでした。
なんと、2012年に亜由美さんちがリーフを購入したのを機に「興味があった」というお父さんも初代リーフを購入。実家にもV2Hを導入するとともに約10kW出力の太陽光発電パネルを設置。今はe+に乗り替えて、普段は「ほぼ蓄電池専用」になっているということで、この日もシャッター付きのガレージでサクラと並んでました。
さらに、お父さんはすでに アリア B9 limited e-4ORCE を予約済みなんだそうです。なるほど、首都圏遠征するのなら、リーフe+、もしくは納車が待ち遠しい アリア B9 で行くのがハッピーであることは間違いないですね。
今回、うっかりお父さんにお話しを伺うのを失念してたのが残念ですが。仲間や家族を巻き込む亜由美さんパワーの素晴らしさを感じることができました。なかなか進まない日本のEV普及ではありますが、亜由美さんのようなキーパーソンが笑顔のEVライフを発信してくれていることが、とても大きな力になるように思います。
娘さんは、上から19歳、15歳、12歳とのこと。まだまだ進学などの機会もあるし、シングルマザーライフは大変だと思いますが。亜由美さん、サクラと一緒にこれからもハッピーなEVライフをお過ごしください!
(取材・文/寄本 好則)
サクラはちょい乗りには最高の相棒ですね(^^)
私もサクラの納車後はリーフを使わなくなってしまいました😅
今度、リーフに乗りながらサクラを買ってしまった私みたいな変わり者も取材して下さい(^^)
リクリン さま、コメントありがとうございます。
サクラ、電池容量なりに使えば、とてもいいEVですよね。
取材要請、承りました。リーフe+、サクラ、そしてアリアの日産EV三兄弟を揃えていただけたら、飛んでいきます!
は、冗談ですけど。
シリーズ取材を進めつつ、チャンスがあれば!
基本的には、今回、亜由美さんの「e+ → サクラ で通勤に活用/シングルマザーライフのパートナー」的な、記事としてメッセージを込められるかどうか、ってあたりを考えながらオファーさせていただければと思っています。
今度、オフ会などの機会があれば、リクリンさんからのメッセージについて、ぜひお話しさせてください。
よろしくお願いします。