PHEV『508 プジョースポールエンジニアード』がデビュー〜日本導入時期は未定

電気自動車の意欲的な日本発売が続くグループPSAのプジョーから、プラグインハイブリッド(PHEV)の『508 PEUGEOT SPORT ENGINEERED』が発表されました。9月24日に開催されたオンライン発表会を、ジャーナリストの塩見智氏がレポートします。

PHEV『508 プジョースポールエンジニアード』がデビュー〜日本導入時期は未定

創立210年記念イベントでデビュー

歯車をはじめとした製造業からスタートしたフランスのプジョーが創立210年を迎え、開催されたオンライン記念イベントでプジョー508のスポーティーなPHEVモデル、508 PEUGEOT SPORT ENGINEERED(プジョースポールエンジニアード)を発表した。

2019年のジュネーブモーターショーで発表されたコンセプトモデルの市販化。1.6L直4ターボエンジンをフロントに、モーターをフロントとリアにそれぞれ搭載し、4輪を駆動する。総電力量11.8kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、EVモードでは最大42km(欧州WLTP値 ※EPA換算推計値=約37km)のEV走行が可能。EV走行の最高速は140km/h。CO2排出量は46g/km。燃費は49.3km/ℓ(欧州WLTP値)。

このほか、ハイブリッドモード、コンフォートモード(乗り心地がソフトなハイブリッドモード)、スポーツモードを選ぶことができ、スポーツモードでは、システム最高出力360ps、最大トルク520Nmを発揮するほか、ステアリング、ショックアブソーバー、アクセレーションマッピング、エンジンサウンドがスポーティーな制御となる。0-100km/h加速は5.2秒。

ノーマルの508よりもシート位置を下げ、トレッドとフロント24mm、リア12mm拡大した。パワーアップに合わせて380mmのフロントディスクブレーキと対向4ポッドキャリパーを装着して静動力を向上させた。20インチホイールにミシュランパイロットスポーツ4Sタイヤを組み合わせている。ナイトビジョン、ストップ&ゴー機能付きACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール、車線逸脱警告システム、衝突被害軽減ブレーキなど、508に備わるすべての運転支援機能が備わる。

標準的な200V16Aの充電器で約4時間、32Aのウォールボックスで2時間以内に充電を完了することができる。

世界耐久選手権への復帰も発表

508プジョースポールエンジニアードは、その名の通り、プジョーのモータースポーツ部門としてWRC(世界ラリー選手権)、ダカールラリー、パイクスピークヒルクライム、WEC(世界耐久選手権)など国際格式のレースに参戦する車両を開発してきたプジョースポールが開発した。プジョースポールは今回の508発表に合わせて、2022年に新設されるLMH(ルマン・ハイパーカー)でWECに復帰することを発表した。

本国での発売は10月。日本導入時期は未定。オンラインQ&Aセッションでの「2050年のプジョーはどうなっている?」という質問に対し、ジャン・フィリップ・インパラトCEOは「少なくともカーボン・ニュートラルであり、もしかしすると飛んでいるかもしれない(笑)」と答えた後、「プジョーはすでにSUVでは全モデルの電動化を果たした。2年後には全モデルの電動化を果たす」と電動化への決意を示した。

(文/塩見 智)

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					塩見 智

塩見 智

先日自宅マンションが駐車場を修繕するというので各区画への普通充電設備の導入を進言したところ、「時期尚早」という返答をいただきました。無念! いつの日かEVユーザーとなることを諦めません!

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