テスラモデルX 12Vバッテリー交換

とうとう先日恐れていた「12Vバッテリーをすぐに交換してください」の警告が出ました。テスラではこれを一番気を付ける必要があります。すぐモバイルサービスに連絡し、当日のうちに修理してもらいました。

テスラモデルX 12Vバッテリー交換

2020年4月1日の朝、いつものように出勤しようとするとこんな警告がインスツルメントコンソールに表示。
「12Vバッテリーの整備が必要です。12Vバッテリーをすぐに交換してください。」とのこと。テスラモデルXは完全電気自動車ですから電池で動くわけなのですが、走行用(駆動用とも言います)高電圧バッテリーと12Vバッテリーの二つの電池が搭載されています。走行用バッテリーは400Vと電圧が高く、自動車用のリチウムイオン電池のため、毎日充電しても寿命は10年以上とメンテ不要なのですが、12Vバッテリーは普通のガソリン車などと同じ、鉛蓄電池ですので、寿命が2-4年程度と短いのです。

※注、弊社では1月27日からほぼ全社員に対して任意在宅勤務をお願いしていますが、私は書類等の扱いがあるのと、会社のほうが仕事をしやすいため毎日出社しています。社員の方との間にはかなり距離置いてます(笑)

モデルXのフロントトランクとHEPAフィルターを取り外した状態
モデルXのフロントトランクとHEPAフィルターを取り外した状態
12Vバッテリーは新車時のものなのでそろそろ2年半経過。ちょっと早い気もしますが、テスラでは、12Vバッテリーが上がるとドアも開かなくなりますので注意が必要。もちろん走行に必要なコンピュータの電源もすべて12Vバッテリーが供給していますし、走行用バッテリーへの電力供給のスイッチ(=コンタクター)も12Vで動作しているので、仮にDレンジに入っていても、12Vバッテリーがそこで上がると、その瞬間にコンピュータとモーターが止まります。これは事故時の安全性をも担保していて、レスキュー隊がフロントトランク内にある12Vのラインをハサミで切ると、瞬間にすべての電源が落ちる設計になっています。
この警告が出ると、テスラオーナーはみんなヒヤッとするわけです。ある意味、恐怖のメッセージです。

ちなみにガソリン車では12Vバッテリーはオルタネーターで充電しますが、電気自動車にはもちろんオルタネーターもスターターもありませんから、DCDCコンバーターという部品で走行用高電圧バッテリーから、必要に応じて12Vバッテリーに充電します。車両によって方式はわずかに違いますが、基本的には、電気自動車の場合12Vバッテリーの電圧が下がると自動的にコンタクターが閉じ(=高電圧回路を接続して)、DCDCコンバーターを介して12Vバッテリーを充電するようになっています。そのため、電気自動車では12Vバッテリーが上がるということは基本的にあり得ません。

テスラのモバイルサービスカー
テスラのモバイルサービスカー
12Vバッテリー交換は「モバイルサービス」で対応が可能です。12Vバッテリー交換はモデルXの場合、フロントトランクを外して対生物兵器モードモード用のHEPAフィルターも外す必要があり、ちょっと面倒ではあるのですが(笑) なんでこんなに交換しづらい場所に入れちゃったのかな。。

ちなみにこれが対生物兵器モード用のHEPAフィルター。結構デカいです。

テスラ モバイルサービスの予約
テスラ モバイルサービスの予約
モバイルサービスの予約はテスラアプリで行います。サービスの予約から、その他のサービスを選び、、そうなんです、12Vバッテリーはその他のサービスみたいですね。そこで、12Vバッテリーを交換して欲しいということと、モバイルサービス希望というのをコメントに書きます。4/2現在、サービスを実施してもらうサービスセンターを選択する画面でモバイルサービスがまだ出てきませんので、取りあえず横浜サービスセンターの一番近い日付である4/14 10:30を選び、モバイルサービス希望というメッセージとともに画像で先ほどの警告画面のスクショを添付します。これ、ボディの修理をしてもらうときは傷の画像なども添付して送るんですよね。

これで連絡がすぐ来なければ電話したほうが良いのですが、今回はテスラ側から連絡が来ました!それもなんとSMSで、、以下やり取り風に

SMSでのモバイルサービス予約のやり取り
SMSでのモバイルサービス予約のやり取り


テ:「14日じゃなくてもモバイルチームは明日か明後日なら10:30に行けるよ。どう?」
私:「あ、それなら明日10:30でお願いします!(内心、助かったー)今日とかでももしお時間あれば嬉しいですが無理ですよね。明日でいいです!」
テ:「いえ本日でしたら16時はいかがでしょうか?」
私:「本当ですか?それは助かります。よろしくお願いします。」

というわけで時間調整が付き、ありがたいことにすぐ来ていただけることになりました。まだモバイルサービスチームが充実していない地方ではなかなか難しいのだと思いますが、サービス拠点が増えればすごく便利ですよね。そしてなぜか15時40分、、

モバイルサービスの方のためにアプリで鍵を開ける
モバイルサービスの方のためにアプリで鍵を開ける


テ:「ちょっと早いけどもう作業していいですか?アプリで鍵を開けてもらえれば作業開始します。」
私:「はい、開けました!」

というわけで、1時間もかからず作業は終了。おかげさまで朝に警告メッセージを見て、夕方には新しい12Vバッテリーになっていました。今回の修理・交換費用はまだ新車保証の範囲内なので部品代・工賃ともに無料とのこと。次回からは3-4万かかるとの宣告が(汗 最近、12Vバッテリーもシールドバッテリータイプになって高くなりましたよね。
(安川 洋)

この記事のコメント(新着順)7件

  1. 本日(2023.3.27)またバッテリー交換アラートが発動しました。認定中古車購入日からまもなくしてアラートが出て、無償交換からまだ2年経ってない19ヶ月です。今度は有料交換です。オートフランク取付したのが原因か?バッ直なんですよね…にしても短かすぎませんか^^;19ヶ月で7.7万キロ→11万キロ。バッテリー劣化も77.6kwh→75.6kwhと2kwh減少しました。
    左フロントエアサスから異音があり交換に23万とか維持費が思ってたのとかなり差が…って事は左もそろそろ来るの?まさか後ろも…( ̄◇ ̄;)
    ドアのキシミ音もあり、ファルコンウイングの天井ガラスのゴムパッキンが切れてビラビラうるさい。交換しようにもガラスごと交換しないといけないらしく高額すぎて断念。ひきちぎって解消。
    今年車検通すか悩みます…

  2. はじめまして。
    先日認定中古車の2017MX P90D7.7万kmを納車しました。
    早速トランクの蓋が無かったり(1w現在未だ届かず)納車1週間でこの12Vバッテリー交換アラート発動しました。こちらはモバイルサービスにて対応してくれるとの事で一安心でしたが…さらにOBDにてバッテリー状態を覗いてみたらnominal full packが77.6kWhでした。元が90kWhだったとすると86%…4年7.7万kmで14%も減ってる…前オーナーどんだけハードな充放電しとったんや。EPAが380→326kmと少し心許ないですがi-MiEVの経験を生かして大事に乗っていこうと思います。
    これからもブログ参考にさせていただきますね。

    1. まぁいっか!様、納車おめでとうございます!P90D、走行も少なく良いですね!
      トランクの蓋、、あれが亡くなるってどうしちゃったんでしょうね?簡単に外れない気もするんですが(汗 前オーナーさんはどこかに置いてきちゃったんでしょうか。
      バッテリー、12Vは保証がなくなると案外(国産車でも)高かったりするので、認定中古車で良かったですね。今新品に変えれば、数年は大丈夫だと思います。
      77.6kWh – そうですね、そのあたりから劣化は収まってくると思います。90kWhパックはシリコンアノードの一番最初の時期で、多少劣化は多めかもしれません。シリコンなかった最初の85とかの電池は本当に全く劣化がなくて驚いたものですが、今は絶対容量が航続距離に反映されて売れ行きにも関係してくるので、多少劣化を犠牲にしてシリコン多めになっているのでしょうかね。

  3. リチウムイオン電池は、充電量が減ったらダメージを避けるためにシャットダウンが避けられないので、安価で最後の最後まで灯火類に給電し続けてくれて鉛蓄電池は、いざという時になくてはならない名脇役ですよね。幸い、私はそういう状況には合っていませんが。

    うちのBMW i3も、もちろん付いてます。場所もモデルXと似たような場所ですね。5年経過の車検前点検では、12V電池のSOHは75%で、ずっと変わりません。セルモーターを回さなくてもいいし、頻繁に高圧バッテリーで充電されてりるので、今まで経験したことがないほど長寿命です。

    モデルXで鉛電池の寿命が意外と短いのはなぜなんでしょう。乗る人がみんな、ガルウィングで遊びたがるからとか?

  4. 12Vバッテリーの性能等にもよりますが、約3万から4万円で指定した駐車場等の場所でディーラーのメカニックが交換してくれるなら安いですね。
    他のディーラーなら持ち込んだ場合でもそれくらいかかってしまいますので。
    あと、購入から4年以内なら無料というのも素晴らしいです。

    逆に、安く済ませようとしたらオートバックスや自分で交換等もできるのでしょうか?
    YouTubeには北海道等の遠隔地でご自身で交換された方もいらっしゃるようなので、多少の知識があればそこまで難しくないのかなとは思いますが…

  5. 1月末から在宅勤務願い>さすがはIT企業、早々とコロナウィルス対策してますね!情報リテラシー健康リテラシーとも高いですね!政府にも見習って欲しいです。
    12Vバッテリーで操作電源は電気自動車の基本でしょ!
    世界初のリチウムイオン電池搭載量産電気自動車である三菱アイミーブも普通の40B19Lバッテリーが操作電源として各種電装品を動かしており毎日最低一回充電が働くシステムになってますよ(もっともガソリン車である三菱アイがベースだから自ずとそうせざるを得ませんが)。時折聞こえるモーター動作音も恐らく12Vバッテリー充電絡みでコンバータが動いている証拠です(コンバータ冷却ファン!?)。
    この記事を見てテスラXもアイミーブも同じ電気自動車仲間だと感じ、親近感も覚えました。ただ電池交換で4万円だと今乗ってる日産セレナC26(アイドリングストップ付)と同じですね…アイミーブは市販最安値品4千円で済むから桁が違う(^^;;;

  6. タイムリーな情報、いつも楽しみしております。
    12Vバッテリー、ある意味怖いですね。定期点検時はチェック項目と思いますが、バッテリーの突然死もあり得ますので、定期点検時要交換とした方が良い感じがしました。私のような田舎者にとっては自動車まさに足ですし、死活に繋がる場合もありますので。
    いつもありがとうございます。

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この記事の著者


					安川 洋

安川 洋

日本アイ・ビー・エム、マイクロソフトを経てイージャパンを起業、CTOに就く。2006年、技術者とコンサルタントが共に在籍し、高い水準のコンサルティングを提供したいという思いのもと、アユダンテ株式会社創業。プログラミングは中学時代から。テスラモデルX P100Dのオーナーでもある。

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