石川県から東京まで644km: テスラ モデルXで冬の長距離ドライブ

今回は東京→大阪→福井→石川→東京と合計1800kmほど走行してきました。当記事では帰路だけレポートします。冬の充電の注意点など要チェック!

石川県から東京まで644km: テスラ モデルXで冬の長距離ドライブ

いつも長々とレポートしていますが、今回は1週間に渡る移動だったので、帰路だけ♪起点は石川県は加賀市にある山中温泉。ここから金沢にあるヤマト醤油味噌さんへちょっと寄って、その後はひたすら北陸道を南下、米原で名神高速→新東名と乗り継いで東京の自宅まで帰ってきました。天候は比較的順調で、多少の雪はありましたが大したことはなく。もちろん四輪ともスタッドレス装着、スコップや(話題の?)電気毛布等も搭載しています。

往路ではちょっとだけ雪が降ったので、その時の様子を動画にしてみました。

今回のスタッドレスタイヤ。ブリザックDM-V3です。

今回の装備品。写真はフロントトランク。左から12Vの電気毛布、タイヤチェーン、スコップと右上に保冷バッグがあります。左上のオレンジのタグは非常時のカットループで、ここを引き出して切断すると高電圧バッテリーパックが内部で遮断され、電池が車体から完全に切り離されます。事故時は自動でこの切り離し処理が行われますが、念のため、の安全機構です。
※電気自動車はマイナスアースとかではなく、電池のプラスもマイナスもどちらもシャーシには接続されていません。

2021/1/4 15:15 山中温泉に11%で到着し、宿泊する宿で荷物を降ろしてから、さっそく近隣の公共の普通充電器へ。山中温泉 白鷺湯たわらやさんにあります。しかし充電器を接続するころにはバッテリーの残量は4%。

冬はこれに気を付けないといけません。20%以上電池が残っていれば全く問題ないのですが、それより少ない場合、電池温度が下がることにより使える容量が減るのです。もちろんこの(11-4=7%ぶん)の電気は失われたわけではなく、一時的に使えなくなっているだけ。電池温度が上がればまた使えるようになります。
つまり、冬はギリギリまで電池を使う場合には、その後長時間、充電せずに駐車するのは危険ということ。今回のように、到着後充電できる環境にない場合には、先に急速充電器などで最低でも20%以上まで充電しておくことが重要です。

今回の宿、「かがり吉祥亭」さん。
この入り口を見ると「かに道楽」さんを思い出しますが、ここの蟹は動きません(笑)

こおろぎ橋。

こおろぎ橋からの大聖寺川の眺め。

1/5 朝食です。

1/5 10:32 チェックアウト後、自分だけ宿の車で850m先の充電器まで送っていただきました。気温は3℃、バッテリーは61%まで回復しています。右側に黄色い点線が表示されていますが、このメーターは出力計。車がどのくらいの電力をリアルタイムで使用しているのかがkW(キロワット)で表示されます。ちなみに400kW=544馬力です。そして馬力にマイナスがあるのが電気自動車の特徴。減速したり坂を下ったりすると、運動エネルギーを電気に変えて充電します(これを回生と呼びます)。黄色い点線は回生に制限がかかっている状態。電池が冷えているので、回生ブレーキが弱めになっています。

電池温度を見てみると11.2℃。一晩くらいではまだ周囲の温度までは冷え切らないですし、一晩中充電していたのもありまだ温かさが残っていますが、良く冷えていることには変わりありません。

充電スタンドはこんな感じ。ちゃんと除雪されていて綺麗です。

1/5 11:35 ヤマト醤油味噌さんへ45%で到着。ここでお土産を買ったりちょっと体験したりして遊びました。車に戻ってきてみると1時間強で充電もしていないのに電気が5%増えています!そう。これが、昨日失ったように見えていた電気です。宿からここまで56km走行してきていますので、その間に電池が温まったということですね。

こんな入り口です。

1/5 14:56 福井県は南条SA上りに到着。バッテリーの残りは10%で、賤ヶ岳SA上りまでは行けませんのでここで休憩。しかもここは40kWなので、岐阜羽島までたどり着けるだけのギリギリまで充電する作戦とします。

データ

シミュレーションを見てみましょう。EVsmartアプリの経路検索V2で、走行モード=標準、季節設定を冬季(-35%)に設定します。すると、岐阜羽島に5%で到着するためにはここ南条で42%まで、52分間(!!)の充電が必要ということが分かります。やっぱり北陸にもスーパーチャージャー必要ですね。

1/5 15:56 約1時間経過。充電時間は56分間(ZESP3のメールから)でやっと42%に到達。岐阜羽島を目指します。

1/5 17:08 8%残で岐阜羽島スーパーチャージャーに到着。気温も上がり、ここからはいつものペースです。

太平洋側は晴れてます。お隣は名古屋ベースのポリッシュガレージさんの車だったのですが、ドライバーの方は存じ上げない方でしたので声は掛けませんでした。

1/5 17:41 予定では60%まで充電する予定でしたが64%に。ここで満タンにすれば東京まで帰れるわけなんですが70%より上で充電すると充電時間がかかりますので、浜松で食事することにしてここは早めに切り上げます。

1/5 19:06 23%残で浜松スーパーチャージャーに到着。予定は18%でしたが岐阜で4%多かったので、経路検索V2の予測値とほぼ同じです。ここで食事兼充電して、あとは一気に東京を目指します。

浜松では一人ぼっちで充電でした。

1/5 20:02 食事も終わって人間も車も準備完了。バッテリーも90%で予定通り東京を目指します。ここから先は空いているのと、120km/h区間が御殿場までずーっと続いているのでそれを最大限に活用して走行します!

1/5 22:16 残10%で自宅に到着。気温8℃と暖かいことは電費にプラスに作用しますが、逆に120km/hと速度が速いことはマイナスに作用し、結果は予測の12%より2%多く消費しました。

今回の旅行では一点、予想外のことがありました。石川に入る直前の福井のホテルでは目的地充電を予定していたのですが、この充電器というかコンセントが不安定で、充電量が非常に少なかったのです。ここから尾を引いて、最後の一泊の山中温泉到着時には4%まで使い切ってしまうことになりました。
目的地充電、普段はあまり意識することは少ないのですが、とても重要ですね。
(安川 洋)

この記事のコメント(新着順)9件

  1. 充電スポットを意識しながらのドライブはイヤだね。
    まぁ、コレもインフラが整えば変わると思うけどね。

    テスラはバッテリー容量が多いけど、その分プライスも当然ながら高い。
    やっぱり普及するかどうかは、プライスも使い勝手もICE搭載車と同等で有るかだと思う。
    少なくとも、ICE搭載車同等性能は言えない。

    1. 若い頃ガソリン車(実際にはディーゼルですが)で長距離旅行をよくやりました。
      燃料代を少しでも安く上げたいので道行く景色と同じくらいガソリンスタンドの料金を見ながらのドライブでした。
      今ならgogo₋GSとかありますから少しは気も楽ですが。
      それからすると何処で充電しても料金は同じなのでストレスは少ないですよ。
      厳密には充電器の出力やバッテリーの温度管理の問題がありますから同一料金とは言えないですが。

  2. いじわるな質問に回答いただきありがとうございます(笑)普段よりブログ楽しみに見ています。私も電気自動車乗っていましてEV smart様のアプリや高速充電ナビアプリをうまく活用させていただいております、何処かでお会いできましたらEVについてお話しさせていただきたいものですね。

  3. こんにちは、南条SAでは2回充電されたということでしょうか?もし充電待ちがおられた場合はその後どのような航続プランになったのか気になりました。

    1. 清水様、ご質問ありがとうございます!充電待ちは実際にはありませんでしたが、充電待ちの方がいらっしゃる場合は譲る必要がありますので、南条SAを30分で切り上げて、残りは賤ヶ岳SAで充電するつもりでした。でも北陸道で休日含め、充電待ちにあったことは今まではないですね。これから利用者が増えてくるとは思います。
      補足:これも記事中に書いたほうが良かったかもですね。冬、長距離移動の充電計画を考える際、迷ったら手前の充電スタンドで充電する、を選びます。今回の場合は賤ヶ岳に行けないのでまずは南条しか選択肢がないんですが、もし電池容量があっても、可能なら南条を選んでおくと良いです。アプリでも、これらはある程度考慮してサジェスチョンするようにしています。

  4. 電池残量の保持の仕方が玄人すぎて、参考に出来ないww
    次は20%下限を条件に旅行した記事がみたいです。

    1. 俺もそう思った。
      これ読んだらむしろEVの長距離旅行って
      こんな緻密な計算とギリギリの燃費で
      行かないといけないの、って思う人が多そう笑

      自分が行く時は長距離の時はニッサンとか有料Chademoも使ってもっと余裕持っていくけどね。こんなギリギリの旅はありえない。

    2. 柴崎様、コメントありがとうございます。まあ慣れればこのくらいはできるようになるかなと思います。アプリで簡単にできるようにしたいと思います。
      有料チャデモは今回、かなり使ってます。余裕がないように見える理由は、1800kmくらい走っていてかつ1か所目的地充電がちゃんと使えなかったこと、北陸で超急速充電器がなかったというところでしょうか。

      他にもいろいろなパターンの旅行記出してますので、よろしければご覧ください!

  5.  以前から予定のある、日本海側のテスラスーパーチャージャーの完成を心待にしています。
     富山県民的には新潟方面以外の旅行で困ることは少ないのてすが、他県の人が北陸を目指したり通過するために開設して欲しいです。

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この記事の著者


					安川 洋

安川 洋

日本アイ・ビー・エム、マイクロソフトを経てイージャパンを起業、CTOに就く。2006年、技術者とコンサルタントが共に在籍し、高い水準のコンサルティングを提供したいという思いのもと、アユダンテ株式会社創業。プログラミングは中学時代から。テスラモデルX P100Dのオーナーでもある。

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