充電計画
「電気自動車は遠出の充電計画が面倒だからねー」という声は良く聞きますが、そんなこともないんです。私はいつもEVsmartの経路検索V2という機能を使ってシミュレーションしていますが、3分間で計画を立てることができちゃいます。
こちらがスマホで出力した今回の充電計画です。「Tesla充電スタンド」というのは長野スーパーチャージャー(以下、長野SCと省略)で、ルート上は往復ともに長野SCを経由するように組んでいます。今回宿泊する「ホテルグランフェニックス奥志賀」(レベル高いです)のお隣には奥志賀高原ホテルの充電スタンド(有料)があり、そこを利用すれば、帰りはノンストップで帰ることができます。560km走行して充電15分。大容量バッテリーを搭載したモデルXならではですが、自宅充電と目的地充電をフルに活用できるのが、あるべき電気自動車の使い方ですね!
このシミュレーションは冬季設定で行っていますので、暖房を使用して走行した場合を想定しています。
では、ここから実際のドライブをレポートします。
往路
1/13 14:46
98%で自宅を出発します。画面左側、トリップメーターをリセット。画面右側に黄色の点線が出ていますが、これはバッテリーが満充電に近いため、回生ブレーキが少し弱くなりますよ、という表示になっています。
18:00
ノンストップで走行3時間強、234.6kmを走行して長野スーパーチャージャーに到着しました。ここで15分ほどトイレ休憩兼充電して、奥志賀まで山登りとなります。当初の充電計画では17%で到着の予定でしたが、暖かかったのと渋滞が多かったため、27%で到着となりました。そうそう、電気自動車は、渋滞すると電気を少ししか消費しなくなるんです。面白いですよね。
経路検索V2はこのように、ある程度余裕を見て計算してくれます。
長野スーパーチャージャー。ご覧のように雪は地面には全くありません。手前の黒いモデルXが私の車で、向こう側に見えるシルバーのモデルSはテスラサービスカーです。お仕事ご苦労様です!テスラはこのように、サービスカーに部品を搭載して、サービスセンターのない地域の修理を出張して行っています。
自分の充電のほうは100〜120kW出ており、10分間で49%になってしまったのですぐ出発しました。15分充電を実現するには、実効100kW〜120kW程度以上の超急速充電器が必要です。
19:24
バッテリー残18%でホテルグランフェニックス奥志賀に到着!ここは標高1500m、やはり地面には雪があります。
チェックイン後、お隣の奥志賀高原ホテルのフロント前に車を移動させ、充電器に接続しました。1000円払います。
普通充電なのに13kW、72Aも出ています。実際に、翌14日の午前2時10分には満充電になってしまいました。ちょっと早すぎるくらいですね。車は、翌朝起きたら自分のホテルまで移動させました。このまま出発まで放置です。
往路は雨、滞在中は曇りが多かったのですが、ちょっとだけ晴れ間が見えました。
宿泊したホテルのラウンジには暖炉がありました。
バスクチーズケーキも絶品です。
復路
1/15 15:13
スキーは1日券と4時間券、レンタルスキーは1日半という組み合わせで遊んで、お昼食べて帰ろうかな、、と思ったら、ホテルのレストランは14時でいったんクローズでした。ラウンジでまた軽食を食べて、出発しました。ふた晩、外に置きっぱなしにしたので電池は冷えていて、充電も前日には100%だったのですが、出発ちょっと前に暖房を入れた際、バッテリーヒーターも入ったため、少し電力を消費して93%でのスタートとなりました。
18:44
ノンストップで関越を練馬ICで降り、どこで夕食食べようか考えているころ、ちょうどキリ番12万キロ(120,000km)に!安全なところに停車して、記念に写真を撮りました。
20:06
夕食を食べ、その後帰宅しました。バッテリーは17%残りましたので、当初の充電計画時の予測9%に対し、8%多く残ったことになります。これはやはり気温が高かったことが大きいですね。帰りもある程度渋滞がありました。
まとめ
今回の旅行では、目的地充電を最大限に活用し、588kmの距離を走行する中で、途中での充電(経路充電)は10分に抑えることができました。一般の方は4時間30分を通しで運転される方は少ないと思いますので、もっと「休憩ついでに充電する」機会は多いと思います。
総走行距離は588km、総消費電力は146.6kWh、平均電費は249Wh/kmまたは4.01km/kWhでした。モデルXは19インチホイールとスタッドレスタイヤを装着しています。区間電費を比較してみましょう。
区間電費(Wh/km) | |
---|---|
東京→長野SC | 249 |
長野SC→奥志賀 | 413 |
東京→奥志賀(通し) | 283 |
奥志賀→東京(通し) | 215 |
全体 | 249 |
行きと帰りではこんなに(行きは帰りの31%増し!)電費が違うんですね。なぜだかお分かりですか? 電気自動車は山を下るとき、位置エネルギーを回収できるのです。特に山あいの地域では、電気自動車にすると、使う電気の量が少なくて済むので驚かれると思います。ガソリン車だと、山を下ってもそこまで燃費は良くならないんです。
取材・文/安川 洋