テスラモデルXで長距離:東京-仙台

先週名古屋に行ったと思ったら今週は仙台に行きます。いつもは4時間トイレも行かずに走ってますが、今回は家族同伴なので普通に休憩を入れながら往復736kmを走行します。

テスラモデルXで長距離:東京-仙台

今回は2泊3日で仙台に行こうという計画です。いつものように90%以上の充電で東京を昼過ぎに出発し、走行時間は約4時間半くらい、休憩を間に1時間程度入れて計5時間半くらいを目指します。ルートは東北道、または常磐道経由が選べますが、東北道のほうが距離は少し長いものの時間が短そうなこと、また途中テスラ佐野スーパーチャージャーがあることから、こちらのルートを選択します。

目次

  1. 東京←→仙台の充電計画
  2. 往路
  3. 復路
  4. まとめ

東京←→仙台の充電計画

実は仙台までの片道368kmというのはノンストップも可能な距離。現時点での航続距離419kmを冬季ということで1.2で割り算すると実際の航続距離は347km。100km/h平均だともちろん不足してしまいますが、90km/h平均ならギリギリ行けそう。ちなみに、気温が氷点下になる真冬の場合は1.3で割り算すればよいのです。

なんてことを今回はする予定はありません(笑) 仙台までのスーパーチャージャーは佐野、その次は仙台。東京から佐野までは86kmなので、

現時点でのモデルXの航続距離:419km
佐野での残航続距離:419 – 86 x 1.2(冬季)= 315.8km 75%

ここで90%=377kmまでちょっとだけ補充して次に向かいます。残377kmは冬季は314km程度なので、佐野から314kmは走行可能。残行程は368-86=282kmですから、後はノンストップでも行ける計算になります。余裕値は32km程度もあります。

現在の航続距離は419km。新車時435kmから3.7%劣化
現在の航続距離は419km。新車時435kmから3.7%劣化

1泊目はウェスティン仙台公式サイト)。ここはテスラの目的地充電器であるデスティネーションチャージャーがあります。12kWとのことですが口コミを見ると少し心配?まあ200Vコンセントもあるので、最悪そこを使えば14時間で3kWx14=42kWh。ちなみにどちらも無料です。前回の名古屋行きのときの電費が236Wh/kmくらいでしたので、42[kWh] x 0.9(効率)/ 236[Wh/km] / 1.2(冬季)= 133km。空っぽでウェスティンに到着したとしても、2泊目の宿への移動と現地での移動合わせて133km程度は走行が可能です。
2泊目の宿松島佐勘 松庵近辺には充電器なし。1泊目のホテル→2泊目の旅館→仙台スーパーチャージャーとの距離は合計78km。途中の三陸自動車道にも経路充電用の急速充電器はありません。帰りやすさを考えると、3日目は仙台スーパーチャージャーで少し休憩して70-80%まで回復させた方が良さそうです。
もちろん、1泊目でテスラの12kWが使えれば話は簡単。仮に8時間でも12kWx8=96kWhと、夜のうちに満タンになってしまいます。この充電器が使えれば、3日目の仙台スーパーチャージャーでの充電時間はそれこそ10-15分程度で充分でしょうね。

しかしもう一回計画を見直してみると、1泊目でテスラの12kWが使えなかった場合、復路は仙台スーパーチャージャーで90%近辺まで充電しないと292km先の佐野にはたどり着けません。しかし空に近い状態から90%まで充電するには時間が1時間くらいかかってしまいます。これは時間の無駄。そのため、1日目の往路途中の高速の充電器でちょっと足し、仙台スーパーチャージャーでの充電する量を少し抑えれば、充電時間を節約できるはずです。この区間、東北道の急速充電器は10基。最低でもこの中で1回は休憩をすると考えます。
これで充電計画はOK。

佐野スーパーチャージャーで90%→途中可能なら1回15分程度SAPAで充電→1泊目→2泊目→仙台スーパーチャージャーで90%→佐野スーパーチャージャーで10分

スーパーチャージャーがあると、Excelで計画立てるところまでは必要なくなるのがいいですね。今後、EVsmartではこのような計画を簡単に立てられるソフトウェアを開発していく予定です。

往路

11/21 1307 東京を90%充電で出発。
1429 残67%で佐野スーパーチャージャーに到着。
先客が1Aで充電中のため、一つ飛ばして2Aで充電します。
1518 99%になってしまいました。。流石にゆっくりしすぎです。出発します。
1838 残11%で仙台の1泊目のホテルに到着!結局佐野で時間を使いすぎたので、佐野からはホテルまで289kmを一気に走破しちゃいました。

ホテルの地下駐車場をチェックすると予定通りテスラの目的地充電器が。しかしいつの間にか2基になってます。取りあえず向かって左を試すとオレンジリング。これは接触が悪いことを意味し、このまま充電するとフルパワーが出ません。右を試してもやはりオレンジリング。こういうときは最後に押し込むのが効きます。左につなぎ直して体重をかけてプラグを押し込み!ちゃんと緑色のリングになりました。
肝心の出力は200V 56Aで11.2kW。約8時間程度で満充電になりそうですがここは90%設定で充電。出発時刻の90 分前にタイマーを設定して100%充電を開始します。こうすることで満充電で放置される時間を最小化でき、また出発時にバッテリーを暖めておくことができます。
夕食は「利休 一番町やなぎ町店」。ホテルの隣りにある牛タン屋さんです。定食はこんな感じに小鉢とテールスープ。
10時に出発することを想定して8時半にタイマー設定。実際には8:30にWake Upコマンドを送って車を起こし、8:31に充電量の設定を100%にしています。
朝食バイキング2500円。しっかりと充実してます。車も充電中のはず。
1016 充電は10時7分で完了し、90%から100%まで1時間35分かかったようです。ここから本日の行程をスタートします。
寄り道しつつ3時過ぎに目的地の宿に到着。バッテリー残は82%でしたので、明日は予定通り仙台スーパーチャージャーを経由し、90%まで充電してから出発とします。
※満タン航続距離419km x 90% / 1.2(冬季)= 314kmで、仙台→佐野は293km。

復路

おはようございます!松島の気温は今朝は3℃まで下がりました。バッテリー温度は9.1℃とかなり低下しています。
遊覧船に乗ってみました。
仙台スーパーチャージャーで充電します。しかし出力が50kWしか出ません。それでもチャデモよりは速いので、ここでトイレをお借りしてお土産でも。
と思ったら!ここ仙台スーパーチャージャーのある仙台ロイヤルパークホテルには土産物屋さんがないとのこと。
※後日談:ログを見てみたところスーパーチャージャー利用中、最初15分間もバッテリーヒーターが入っていました。おそらくバッテリー保護のために充電器出力が制限されていた可能性があります。
1418 出力上がりませんので、83%で切り上げて出発します。これでもスーパー飛ばさなければ大丈夫!
1458 土産物が買いたいということで道の駅村田へ。ここにも充電器ありましたので69→75%まで買い物中に充電。これでも足りない気が(笑) 15:29に出発。
途中の阿武隈PA上りでラーメン。なかなか美味いです。630円。
1737 残21%で那須高原SA上りに到着。ラーメンは阿武隈で食べましたがやはり佐野まではわずかに届かない感じです。気温も3℃に低下。
21分間40kWで充電。
1908 本命の?佐野スーパーチャージャーに到着。残は4%でした。
115kWで充電。仙台とは大違いです。しかしこのあとアクシデントが、、
ここは佐野プレミアム・アウトレットの駐車場内。いろいろあって、結果的になんと1時間以上も滞在することに。64分間充電してバッテリー残量は91%に。いくら無料とはいえちょっとテスラさんに悪いような。下のグラフを見ると、やはり5%未満までバッテリーを使い込んだ場合、最初の5分は少しゆっくり目、とはいっても60kW程度からスピードアップしていく仕組みのようです。
2208 残62%で東京に到着!おやすみなさい。

まとめ

今回は初めての場所にあまりしっかり計画せずに行く、というのを試してみました。行きは佐野スーパーチャージャーがあったことと、一泊目に目的地充電があったことから余裕でした。しかし二泊目は目的地充電がなく、更に最初の充電スタンドである仙台スーパーチャージャーであまり充電速度が出ず、そして気温が下がったことにより途中で20分程度のロスを強いられました。

トータル走行距離は3日間合計で859.1km、消費電力量は237.6kWh、平均電費は277Wh/kmとなりました。使った電気のうち最後に62%残っていたので、自分で支払った電力量は38%分。この車は満充電で98.8kWh利用可能で、3.88%劣化しているので、38%ぶんは約36.1kWh。そのうち6.26kWhは道の駅村田での29分間の充電分で29×16.2=470円。残りは(36.1-6.26)x30=895円です。
これをリッター150円でガソリン車の燃費に換算すると、

859.1km / ((895 + 470) / 150) = 94.4km/l

となります。まあスーパーチャージャー無料が効いていますね。道の駅村田は20kW充電器とはいえそもそも40Aしか出ず、もともとが16kW充電器相当であるせいもあって1kWhあたり75円にも達しており、「使わないよりマシ」な感じです。

もう一点検証しておきましょう。今回の電費は277Wh/km=3.61km/kWhでしたが、この車の標準値、すなわち通常走行時の電費は229Wh/kmです。277Wh/kmは229の1.21倍にあたり、冬期に20%消費電力が増える計算はだいたい当たっていたことになります。ただ東北での冬には30%見ておいたほうが良さそうですね。

反省点は何でしょうか?
2つあると思います。

  1. 仙台スーパーチャージャーでの充電。ログを確認すると15分間もバッテリーヒーターが入っていました。3℃の気温の中、一晩停めたせいか、それともその後遊覧船に乗ってる間に更に冷えたのか、理由は分かりませんが、普段30-45分位充電することが多かったので、21分で諦めて中断したのは良くなかったです。アプリでバッテリーヒーター入ってるかどうか表示が出るので、次回は確認して、少し長めに待つようにします。
  2. 仙台から那須高原までの走行。結局仙台から佐野までは293kmしかなく、冬期の20%余裕を加えても352km分で行けるはず。この車の100%は419kmなので90%は377km、83%は347km。これは速度をしっかり守って(!?)走行すればたどり着けたはず。しかしいつものように比較的速めに走行した結果、途中21分間のロスを作ってしまいました。仮に時速100km程度で走行するのと時速90kmで走行するのを比較すると、293kmでは約20分間の差。ゆっくり走ったほうが早く着くわけです。

冬の長距離はなかなか難しいですね。基本は最初半分はゆっくり走る、後半残量を見ながらスピードアップする、というものなのですが、今回はそれを守らなかったことも一つの要因になっています。
次回以降は急速充電開始時にバッテリーヒーターをチェック、前半速度は控えめに、という2点に気をつけて運転してみたいと思います。【更新完了】

この記事のコメント(新着順)4件

  1. 仙台のモデルXオーナーです。
    いつも、勉強させて頂いております。
    今回は仙台にお越しいただきありがとうございます!
    何かいい思い出は出来ましたか?

    4台の仙台スーパーチャージャーはホテル地下にあり、ホテル側の事情により営業車を2A、2Bに毎日2台常時駐車していましたので、このブログで学んでいた私は現在の東北地方でのテスラ普及台数や祭り事でのホテル事情を考慮した上で、スーパーチャージャーの詳しいお話しをメールでさせて頂きました。
    テスラが本気の持続可能社会の実現、現在世界最速の充電を実現しているテスラの努力を蔑ろにしている等をお話ししました。
    翌日、ホテル側の迅速な対応により1A、2Aへの駐車に変えて頂きました。
    今後、モデル3普及時には決して営業車の駐車はしないように願うばかりです。(笑)

    1. スウィーツ様、いつもお読みいただきありがとうございます!またホテルにご連絡いただけたとのこと、感謝いたします。なかなか2ストールが1セットであることなどは設置者の方でもご存じない方が多いですね。例えば御殿場スーパーチャージャーのあるコメダ御殿場店なども、テスラ専用スペースと一般駐車の兼用スペースがあるのですが、テスラ専用スペースは並んでしまっています。
      前の週に宿泊したナゴヤキャッスルホテルなどは、充電スペースにコーンはあえて置かないようにしているそうです。何か、コーンを置くと文句が出るのだとか。客商売は難しいですね。将来的には米国のように、充電スタンドのスペースには駐車できない(電気自動車でも充電終了後の駐車は違反!)ように法制化するしかないのではないかと思います。

  2. 昨日、仙台のロイヤルパークホテルのS.Cで同じ時間帯に充電していたS85Dです。
     いつもは貸し切り状態の仙台S.Cですが、お日柄が良かったのかガソリン車がS.Cにまで駐車していた事もあり、あとから来た地元ナンバーのS90Dさんが同ストール内で充電をするしかなかったのはアンラッキーでした・・・。
     さて、東北ではまだTESLAはほとんど見かけないのですが、昨日は3台集まり驚きました。東北も日本海側でS.Cが増えることを望んでいます。

    1. なもみはげ 様、コメントありがとうございます。あそこにいらしたのですね!私が拝見する限りなもみはげ様のあとに地元の方がいらして、その方が隣に入る前も入るあとも特に出力は変わりませんでした。仙台エリアにいたのでSCに入るまで大して走っていなかったからか、バッテリーが冷えてしまっていたのが原因っぽいです。
      三台並べて写真撮りたかったですね。

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この記事の著者


					安川 洋

安川 洋

日本アイ・ビー・エム、マイクロソフトを経てイージャパンを起業、CTOに就く。2006年、技術者とコンサルタントが共に在籍し、高い水準のコンサルティングを提供したいという思いのもと、アユダンテ株式会社創業。プログラミングは中学時代から。テスラモデルX P100Dのオーナーでもある。

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