テスラ新型モデルYを日本国内初公開/新宿のストアで2月1日まで展示

テスラ新型モデルYの実車が国内初公開されました。エクステリアデザインが大きく進化。新型モデル3で採用されたボタン式ウインカーではなく、ウインカーレバーが復活しました。2023年、EVとして初めて「世界一売れたクルマ」の最新モデルです。

テスラ新型モデルYを日本国内初公開/新宿のストアで2月1日まで展示

モデルYが打ち立てた記録を破るのは新型モデルY

2025年1月24日、テスラジャパンがテスラ新宿ストアでメディアプレビューを開催。1月10日から受注を開始している新型モデルYの実車を日本国内で初公開しました。

テスラのベストセラー車種でもあるモデルYは、2023年に約122万台の販売台数を達成し、電気自動車として初めて全世界の車種別販売台数でトップの座に輝きました。モデルYがアメリカで発売されたのは2020年(日本発売は2022年)のこと。5年を経て外観デザインなどが刷新されて「新型に生まれ変わった」ことになります。

新型モデル3は開発コードネームから「ハイランド」と呼ばれています。この新型モデルYの開発コードネームは「ジュニパー」ですから、テスラフリークなどの通称としてはジュニパーと呼ばれることになるのだと思います。モデル3はハイランドになって乗り心地などがとても上質になりました。まだジュニパーの試乗はできないですが、きっと走りや足回りなども進化していることでしょう。

テスラジャパンの橋本理智社長。

メディアプレビューの冒頭、テスラジャパンの橋本理智社長は「モデルYは、EVとして世界で最も売れる車種となるなど数々の記録を打ち立ててきました。そんなモデルYの記録を打ち破るのは新型モデルYだと思っています」と、力強い言葉で挨拶を締めくくりました。

新型モデルYの注目ポイントをチェック

公開された実車はシステムがオフ状態の車両だったのでおおざっぱな見た目レポートにはなりますが、新型モデルYが進化したポイントを紹介します。

まず、進化というか回帰したのがウインカーレバーです。ハイランドにはウインカーレバーが無く、ステアリングの左側にあるボタンで操作する方式でした。でも、ジュニパーではレバーが復活していました。メディアプレビュー会場で会った畑本(テスカス)さんに確認したところ、ボタン式ウインカーは日本のハイランドオーナーからも「長く乗ってもまったく慣れない」といった不評の声が多かったそうです。ハイランドも次なるアップデートでウインカーレバー復活ってことになるのかも知れません。

大きく変わったのはフロントマスク。サイバートラックやロボタクシーのように、一直線にフェイスを横切る特徴的なデイタイムランニングライトが採用されました。従来モデルのモデル3とモデルYは顔つきなどが酷似していてぱっと見で混同してしまいそうになることがあったけど、モデル3がハイランドでシャープな顔になり、モデルYが新たなコンセプトで迫力アップしたことで、両車種の個性がより明確になった印象です。

量産車として初めて拡散反射技術を採⽤したというテールライトは、写真で見た以上に美しい印象でした。

フロントバンパー下のブラインドスポットカメラを新たに追加。自動洗浄機能もあって常にクリアな視界を確保できるとのこと。

シート関連もさまざまに改善されました。運転席と助手席のベンチレーションシートは標準装備。リアシートは新設計でサポート性が向上し、電動リクライニングが可能に。また、ハイランドと同様に後席ディスプレイが搭載されています。

テスラの特長ともいえる「フランク(フロントトランク)」も新設計に。仕切り板を使ってフレキシブルに収納スペースを区切れるようになったほか、排水口が追加されました。

そのほか、足回りの改善によって悪路などでの振動吸収性能が51%向上。従来モデルと比較して風切り音が20%、ロードノイズが22%低減するなど遮音性が向上し、ルーフガラスにシルバーメッキコーティングを追加することで遮熱効率が26%向上しているそうです。

今日初公開された新型モデルY。テスラ新宿ストアでは、1月25日〜2月1日まで展示される予定とのこと。公式サイトですでに受注受付は開始されていて、納車は2025年4月ごろになる予定です。

また、現在の新型モデルY初期受注分は「Launch Series」となり、AWDは加速ブースト機能付き。リアリフトゲート、パドルライト、ドアシルプレートなどの特別バッジ、ドアを開けた時に地面に図柄を映し出すプロジェクションライトなどの特別装備が追加されます。

新型モデルY
RWD
新型モデルY
ロングレンジ
新型モデル3
RWD
新型モデル3
ロングレンジ
新型モデル3
パフォーマンス
全長×全幅×全高(mm)4800×1920×16254720×1850×14414724×1850×1431
重量(kg)19211990176518281850
航続距離(km)547635573706610
0-100km/h 加速(秒)5.94.36.14.43.1
価格(万円)595683.9531.3621.9725.9

在庫車のスーパーチャーシャー5年間無料も魅力的

新型モデルYが魅力的なのは当然ですが……。テスラでは先だって、モデルYの新車在庫車を購入すると納車後5年間無料でスーパーチャージャーを利用できるキャンペーン(関連記事)を発表。さらにその対象をモデル3にまで広げ、新車在庫車を購入(2025年3月31日までに納車完了する必要あり)すると5年間無料でスーパーチャージャーを利用できる特典を提供しています。

公式サイトのインベントリー(在庫車)ページを確認すると、掲載されているのはモデル3が約20台、モデルYが約45台になっていました。

現行型のモデルY。

新型にするか、SC無料を選ぶべきか……。テスラ車購入を検討している方にとっては悩ましい選択ですね。

ちなみに、今回のメディアプレビューでプレス向けに配布されたノベルティに、モデル3のトミカ(ミニカー)が入っていました。テスラ車がトミカになったのは初めてらしいです。少しググってみると、日産リーフのZE0やZE1、三菱i-MiEVなどのトミカもありました。電気自動車、どんどん社会に浸透してますね。

取材・文/寄本 好則

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					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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