「テスラアライアンス」本格始動/テスラ特有の繋がりから生まれた「連携」とは

テスラの電気自動車に関連する企業、業者が連携してテスラオーナーに有益な情報発信を行っていくとする「テスラアライアンス」が設立されて、2023年1月、本格的に始動しました。東京オートサロン2023の出展ブースで、キーパーソンにお話しを伺いました。

「テスラアライアンス」本格始動/テスラ特有の繋がりから生まれた「連携」とは

テスラアライアンスってどんな集まり?

アライアンス(alliance)とは、日本語で「同盟」「連携」「連合」などの意味となり、ビジネスの世界では「複数の異なる企業が協力して事業を行う経営方法」を意味します。

集合写真での「T」ポーズはテスラファンの定番になりました。

今年のオートサロンでは「テスラアライアンス」の出展者名で赤を基調にした大きくて立派なブースが設営され、そこにカスタムされたテスラ4台と、ステアリングやショックアブソーバー、シート表皮などテスラ専用のカスタムパーツなどが展示されました。テスラアライアンスとはどんな同盟なのでしょうか?

ステージの横と裏に設置されたボードには以下の企業名がありました。アライアンスのメンバーと協賛企業です。

「テスラアライアンス」参加企業一覧(順不同)

<出展参加企業/サービス・ブランド名>
株式会社ハートアップワールド/KOKORO
有限会社カーメイクアートプロ/T-ART
株式会社クリンテックサービス/ポリッシュガレージ
株式会社アクティブガレージ/Stime
KGモータース株式会社
株式会社トモキスペシャルパーツ/GEPARD
アール不動産有限会社/TESLA no TORIKO
日本住宅株式会社
株式会社ECOライフホーム/Ev CArS電気自動車専門店
<協賛企業>
UNIVERSAL WORKS株式会社
有限会社満商会
テスラオーナーズスーパーサミット実行委員会
アリコンガレージ
4Cディティール
Carglanz
朝日グループ
EVごはん
TESCAMP
THESUN
ブレインテック/ghost
株式会社ISレンタリース
HABILEAD

テスラアライアンスの本格始動は2023年1月から。設立の経緯やこれからの活動についてテスラアライアンスの核となる、佐藤義寛さん(岡山ハートアップワールド代表)、丸山義昭さん(大阪カーメイクアートプロ代表)、國本晴久さん(名古屋ポリッシュガレージ代表&テスラオーナーズスーパーサミット実行委員会代表)のお三方にお話を伺いました。

写真左から、國本さん、丸山さん、佐藤さん。

―アライアンス設立の経緯について教えてください。

テスラは日本国内7カ所に「テスラストア」がありますが、日本では当たり前の「ディーラー」のような存在がありません。それはつまり、オーナーがディーラーから得られるような購入後の情報がなかなか得にくいブランドと言えます。

ディーラーがないということは、メーカーの純正オプションや純正コンプリートカー、特別仕様車などもほぼ存在しないことになります。テスラをカスタムしたい、ちょっと違ったテスラ仕上げたいなどと考えたときに、いったいどこに聞けばいいのか? どんなお店でどんなカスタムができるのか? それらの情報が他のクルマに比べると入手困難なブランドなのです。今、日本にいる約2万人のテスラオーナーさんたちに役に立つ、喜んでもらえるような情報を発信していきたい、と思ったのが設立の経緯です。

―アライアンスの今後の活動で予定されていることはありますか?

2023年7月1日~2日に『富士テスラEVキャンプフェス』(主催:テスラスーパーサミット実行委員会)というイベントを開催します。

このイベントは世界同時開催の「テスラオーナーズキャンパーデイ」という世界同時開催のイベントとリンクしています。2022年はスウェーデン、フィンランド、ノルウェー、ドイツ、ノルウェー、アメリカなどの国のオーナーズクラブが参加しました。日本からも多くのテスラオーナーにご参加いただけるとよいなと思っています。

他に、近い将来やってみたいことは、デジタルツインのテスライベント、メタバース、NFTを活用したテスライベントの開催ですね。

―将来的な夢や目標はありますか?

私(國本さん)がやりたい事、夢、野望は「イーロンマスクを日本に呼ぶ」ことです! 日本の未来を作る子供達に向けてぜひ、講演会を開催してスピーチしてもらいたいですね。生のイーロンマスクとの出会いは子どもたちにとっても大人にとっても非常に価値があることだと思っています。テクノロジーの進化の光と闇やテクノロジーを使う人の教育…ここに布石を打つ事を我が使命と、微力ながら、活動しています。

カスタムベース車両としてのテスラは

テスラアライアンスのブースにはかなりインパクトのあるカスタムテスラが4台展示されました。そこで、カスタム&テスラの相性についても聞いてみました。

テスラアライアンスの東京オートサロン出展車両

GOLDTESLA(アクティブガレージとラッパーSHOとのコラボレーション)

T-ART MODEL Y MATTE WHITE(テスラ専用インテリアブランドT-ARTのデモカー)

ハートアップワールド/KOKORO ARIKON GARAGE E TAY SPIDER-MAN

ポリッシュガレージ/ARIKON GARAGE モデル3 BATMAN号

―テスラはカスタムのベース車両としていかがですか?

テスラとカスタムの相性はとても良いと感じています。テスラにはメーカーが展開するディーラーが存在しないので、私たちカスタム関連の業者はとてもやりやすいのです。そもそも、テスラは車種も少ないですよね。

現在乗用車は、S、X、3,Yの4車種のみです。その4車種もそれぞれバリエーションが少ない。というよりも、駆動用モーターやバッテリーの性能の違いしかありません。色も5種だけです。そこで個性を出すとなると、カスタムするしかないんです。ラッピングやモールの色を変えるだけでも雰囲気は大きく変わります。

純正オプションのカスタムパーツにほとんど選択肢がない分、アフターマーケットではカスタムを楽しみたい、という人々に対してもたくさんの選択肢を提案できると思います。そこが魅力です。海外でもテスラの内外装をカスタムする動きは広がっていますね。

―カスタムを楽しむにもアライアンスは役立ちそうですね。

アライアンスではすでにカスタム好きなオーナーが集まって情報交換をしたり、業者を巻き込んだコミュニティができています。そのコミュニティの成長スピードも速い。圧倒的に速いんです。

「知りたい」と思うオーナーがいて「教えたい」と思うオーナーがいます。皆さん自分が得た情報を欲しい人に提供したい、助けたいという思いが強いのだと思います。テスラオーナーにYouTuberが多いのも、困っている人たちのお手伝いをしたい」「テスラに関する情報をどんどん出していきたい」という気持ちからだと思います。

そこに私たちのような業者が加わってコミュニティができる。商売としてみたときにも将来性があり、みんなで力を合わせていきましょうと。そういう流れでアライアンスができたというのもあります。
去年2回大きなオーナーズイベントやらせてもらいましたが、そこではアライアンスのメンバーである企業さんから協賛をいただいて良いイベントが開催できたという背景もあります。

―日本ではどのようなカスタムが人気ですか?

機能的な部分でもっとも多いのは、断熱のためのウィンドウフィルムの施工ですね。電費にも関わってくるところですから、必須アイテムと言っても良いでしょう。炎天下でのガラスルーフはかなり熱くなりますからね。ボディコーティングも多いですね。これはカスタムに関係なく、希望される方が多いです。自分で情報を集めてラッピングでボディカラーを変えるなどDIYでやる方も多いですよ。

また、電気自動車ならではの電装品のカスタムも人気です。ボディコーティングやウィンドウフィルムを施工してこれからも長くテスラに乗って行こうというユーザーが多いですね。
(インタビューここまで)

ディーラーがないことで、オーナーコミュニティが急速に発展しているのはテスラというブランド特有の事情だと感じました。エンジン車のカスタムでは、レース系、ラグジュアリー系、痛車などさまざまなジャンルが浮かれてきました。はたして、エンジンをもたない電気自動車のテスラのカスタムで、どんなトレンドが生まれてくるのか楽しみですね。

取材・文/加藤久美子

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この記事の著者


					加藤 久美子

加藤 久美子

山口県下関市生まれ。大学時代は神奈川トヨタのディーラーで納車引き取りのバイトに明け暮れ、卒業後は日刊自動車新聞社に入社。95年よりフリー。2000年に自らの妊娠をきっかけに「妊婦のシートベルト着用を推進する会」を立ち上げ、この活動がきっかけで2008年11月「交通の方法に関する教則」(国家公安委員会告示)においてシートベルト教則が改訂された。 一財)日本交通安全教育普及協会認定チャイルドシート指導員の資格を取得し、育児雑誌や自動車メディア、TVのニュース番組などでチャイルドシートに関わる正しい情報を発信し続けている。 愛車は1998年5月に新車で購入したアルファスパイダー(26.5万キロ走行)

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