電気自動車のテスラ2020年Q4台数速報〜生産台数が目標の年間50万台を突破

テスラ社は2021年1月2日(現地時間)、第4四半期(2020年10月~12月)の生産台数と納車台数を発表しました。モデルS/X/3/Yの合計生産台数は17万9757台で、目標の年間50万台を超える50万9737台になりました。一方で納車台数は目標をわずかに下回り、年間49万9550台でした。

電気自動車のテスラ2020年Q4の台数速報〜生産台数が目標の年間50万台を突破

【参考情報】
Tesla Q4 2020 Vehicle Production & Deliveries(2021年1月2日 ニュースリリース)

過去最高の生産台数を記録

みなさま、明けましておめでとうございます。正月早々、首都圏の一都三県の知事が緊急事態宣言を出すよう政府に要請するという不穏な空気が漂っていますが、少し明るいニュースが入ってきました。

1月2日、テスラ社は2020年度の第4四半期の生産台数と納車台数(速報)を発表しました。テスラ社は生産/納車台数速報を四半期開始月の2日に出すのが恒例ですが、今回は正月だし週末の土曜日だし、去年は1月3日だったので、発表は週明けだと思っていました。

テスラのプレスリリースより引用。休み明けを待たずに発表された数字は、生産台数、納車台数がともに過去最高を記録したほか、年初来のコロナ禍の中では達成が難しいと思われていた年間の目標値と、ほぼ同等の内容でした。

まず、第4四半期の生産台数は17万9757台で、過去最高だった前期の14万5036台から約24%増加しました。第4四半期の納車台数は18万570台で、これも過去最高だった13万9300台から約30%増でした。

生産台数の推移

そして年間の生産台数は50万9737台、納車台数は49万9550台に達し、年間50万台の生産/納車という年初の目標を概ね達成しています。前年比では、生産台数は約39%、納車台数は約36%の増加でした。

納車台数の推移

実質的にはまだ4車種しかラインアップしていない新興の電気自動車メーカーが年間生産台数で50万台を超えたことは、自動車業界にとっても、またエネルギー業界にとっても、非常に大きな出来事だと思います。

2021年は新工場の稼働で生産能力も大幅増

内訳を見ると、やっぱりモデル3/Yの伸びが大きく、生産台数は前期比27.8%増の16万3660台、納車台数は前期比30%増の16万1650台になりました。一方でモデルS/Xはふるわず、生産台数は前期比5.3%マイナスの1万6097台、納車台数は前期比で24.5%増でしたが1万8929台にとどまっています。

もっとも、過去最高の黒字を記録した第3四半期の決算を見る限り、収益構造へのマイナス影響が大きいようにも思えません。テスラ社は台数速報のリリースで、上海工場のモデルYの生産ラインが完成し、すぐに納車が始まることを発表しています。

このほか2021年にはベルリン工場も稼働が始まる予定です。生産規模はまだ明確になっていませんが、第3四半期の決算報告書を見ると、フリーモントの生産能力はモデルS/Xが9万台、モデル3/Yが50万台、上海ではモデル3が25万台となっています。これらを足し合わせるだけで84万台になるので、2021年には合計100万台の生産能力を確保できると思われます。

実際にどのくらいの稼働率になるのかはわかりませんが、生産能力が84万台に対して目標を50万台にしていたことを考えると、2021年には60万台~70万台を目指すのかもしれません。単なる想像ですが。

ちなみにですが、日本の自動車メーカーの生産規模と比べると、マツダが年間110万台を少し超えるくらいなので、数年内にはテスラの方が規模が大きくなるかもしれません。

マツダに限らず、伸び続けているテスラに対して日本の自動車メーカーは総じて厳しい状況が続いています。そもそも40%も生産台数が増えているメーカーはありません。同じくらいの割合で台数が減るメーカーは出てきそうですが……。

不安要素はありつつも上がり続ける株価

ところでテスラ社に関しては、業績を反映しているのかどうか疑問だと言われながらも、株価が相変わらず上がり続けています。12月21日にはS&P500の構成銘柄になりました。また昨年はトヨタの時価総額を超えたことも話題になりました。8月31日には株式分割をし、それまでの普通株1株を5株にしたことで少しは購入しやすい価格になりました。

いや、なったはずなのですが、2020年の株価を見ると5分の1にする前の価格に戻ったというか、それよりも高くなっていることがわかります。

株価を分割後の価格に換算したNASDAQのチャートを見ると、2020年1月3日に88.6ドルだった株価は、2020年12月31日に705.67ドルと、約8倍になっています。

ニューヨークタイムズ電子版(2020年1月2日付)はテスラ社について、収益性の高いモデルS/Xが低迷していることや、アメリカの規制当局がサスペンションのトラブルについて調査をしていること、車の品質問題などマイナス要素もあるとしつつも、2020年を通したテスラの業績について大きなマイルストーンだと評価しています。

さて、2021年はどんな年になるのでしょうか。フォード・マスタング・マッハEのようなモンスターマシン、欧州メーカーが発売予定の小型車のラインナップなど、楽しみが増えそうです。ますます競争が激化しそうな電気自動車市場にドキドキする一年になるといいなあと思います。

(文/木野 龍逸)

この記事のコメント(新着順)2件

  1. 記事を拝見していますと、近い将来経営難に陥った旧来のガソリン車メーカーが次々とテスラの傘下に下る絵が思い浮かびます。

    テスラに押されて販売が大きく減るメーカーからすれば、テスラの傘下に入る事で救われるのであれば、選択の余地はほとんどないのではないでしょうか。

    現在、テスラは「株価の割に生産台数が少ない」と言われていますが、吸収合併が1社でも成されれば生産力は驚くようなスピードで拡大するのでは、と思います。2021年はそのような企業が現れるか、噂話が出回るだけかは分かりませんが、つい期待してしまいます。

  2. 100万台も見えて来た(^-^)

    これは、日本のマツダと同じレベル!

    まあ、イーロン・マスクは世界一の電気自動車メーカーになるつもりは無いようですからね!

    だから、中国にギガファクトリーを作ったか?

    エネルギー革命を起こしたかった!

    テスラ?ニコラ・テスラの遺言?
    望みかな?
    地球上に、エネルギー革命を!

    石油等で、戦争を起こされない様なシステムを!m(_ _)m
    これが、目標でしょう!

    幾ら、ガソリン自動車に愛着を持ってもらっても?世界に戦争を起こす火種・石油を作られてはね!(泣)

    石油資本が、力を失うのと一緒かな?

    世界の陰の政府が力を失うのと一緒!?(汗)

    怪しい情報

    最初は、異星人の生まれ変わり?のニコラ・テスラを地球上に派遣した。
    然し、多少の技術を広めたが!
    エネルギー革命は、出来なかった!(泣)

    後に、力で!
    ナチス・ドイツに力を貸して!地球上からほぼ植民地を無くした!(^-^)

    そして、テスラ社のイーロン・マスクね!

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					木野 龍逸

木野 龍逸

編集プロダクション、オーストラリアの邦人向けフリーペーパー編集部などを経て独立。1990年代半ばから自動車に関する環境、エネルギー問題を中心に取材し、カーグラフィックや日経トレンディ他に寄稿。技術的、文化的、経済的、環境的側面から自動車社会を俯瞰してきた。福島の原発事故発生以後は、事故収束作業や避難者の状況のほか、社会問題全般を取材。Yahoo!ニュースやスローニュースなどに記事を寄稿中。原発事故については廃棄物問題、自治体や避難者、福島第一原発の現状などについてニコニコチャンネルなどでメルマガを配信。著作に、プリウスの開発経緯をルポした「ハイブリッド」(文春新書)の他、「検証 福島原発事故・記者会見3~欺瞞の連鎖」(岩波書店)など。

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