国内でコンビニ初のテスラ「スーパーチャージャー」開設/80カ所で400基が目前!

ファミリーマート所沢インター店に、日本国内のコンビニエンスストアで初となるテスラのEV用急速充電施設「スーパーチャージャー(SC)」が開設されて、7月13日に現地でメディア向け説明会が行われました。7月13日現在、テスラSCのネットワークは80カ所となり、400基到達目前です!

国内でコンビニ初のテスラ「スーパーチャージャー」開設/80カ所で400基が目前!

「15分で275km」の実力とは?

2023年6月29日、ファミリーマート所沢インター店にテスラの急速充電施設「スーパーチャージャー(SC)」が設置され、13時から運用開始となりました。ファミリーマートによるとテスラSCがコンビニエンスストアに設置されるのは日本国内初とのこと。大阪の天王寺にある茶臼山のSCもファミマの前にありますが、あの駐車場はファミマの敷地ではないようです。

設置されたのは「V3」と呼ばれるSC規格のチャージャーが4基で、最大出力はそれぞれが250kW。リリースでは「プラグを差し込むだけで自動的に充電され、約15分間で最大275km相当分を充電することが特長」と説明されています。

15分で275kmとか、充電時間と走行距離で言われても車種によって電費は違うし、感覚としてよくわからないと思うので少し説明しておきましょう。たとえば、平均的な電費が7.0km/kWhで乗っているモデル3だとすると、275kmを走行するためには約39kWh、ざっくりまとめると40kWhの電力が必要です。15分で40kWhということは、1時間当たり160kWh。つまり平均出力160kW以上で充電することが必要です。

充電性能の高いモデル3やモデルYをSCで充電しても、常に最大出力が出るわけではないですが、SOC(バッテリー残量)が減った状態からV3のSC充電する場合、15分で30~40kWhくらいは充電できるということですね。どの車種でどんな状態でも「15分で275km」というわけではないですが、実際にテスラ車でSCを使ってみると、実用的な実感からさほど乖離していないことはわかるはず。チャデモ規格の場合、150kW器で最大150kW対応の車種で充電してもおおむね30分で40kWh強という感じなので、SCの実力はさすがです。

コンビニ駐車場は基本的に滞在時間が短い場所であるとは思いますが、V3規格のテスラSCなら、イートインでコーヒーブレイクしたり、いつもよりちょっと余計にお買い物って感じで15分も充電すれば、200km以上走行分の充電ができるということなので、利用者も店舗もWin-Winといえるでしょう。店内にはイートインコーナーもありました。

もちろん、SCで充電できるのはテスラ車だけ。ファミリーマートは多くの店舗にテスラ車以外の電気自動車も充電できるチャデモ規格の急速充電器を早くから設置しており、今後は100kW~150kW級のより高出力で2台同時充電可能な充電器へ置換していくことも発表しています。ただし、所沢インター店にチャデモ規格の充電器は設置されていません。

今後はテスラ試乗会などのイベントも企画

今回、6月29日に開設が発表されてすぐに現地へ行ってテスラ車での充電をレポートしようと思ったのですが、「国内コンビニ初って、天王寺は?」などいくつか確認したくて広報ご担当部署に連絡したところ、7月13日にメディア向けの説明&撮影会を実施するという案内をいただき、今日、現地へ行ってきました。

現地では、ファミリーマートで新規事業開発などを担当する「クリエイティブオフィス&8」という部署のゼネラルマネージャー(本件の責任者)である野上真孝氏が「EV普及が加速する時代に向けて必要な施設であり、ファミリーマートとしてもさらなる成長のためにサービスを付加する意義がある。今回、テスラとスーパーチャージャー設置で手を握れたことで、より多くのテスラユーザー様にもファミリーマートをご利用いただきたい」と挨拶。

報道陣に説明する野上真孝さん。(写真左)

リリースに今後「ファミマのSCを増やしていく」という主旨の説明があったので、具体的に何カ所くらい? と質問してみると「2023年度内に7店舗を計画中」という回答でした。詳細な場所は非公表ながら、駐車場が広く、充電しない来客の方も無理なく利用していただける条件が整った店舗」になるとのこと。

高速道路ICに近く、広くて便利なコンビニの駐車場で充電できるのは、EVユーザーにとってもハッピーなこと。テスラがSC設置に選んだ場所に、ぜひチャデモ急速充電器も併設で、SCのように複数台設置してくださいとお願いしておきました。

説明&撮影会には、テスラジャパンのマーケティングご担当者である大塚洋亮氏も同席。「高速道路ICから近く広い駐車場があるコンビニエンスストアは、テスラが提示する急速充電インフラのビジョンにも合致する。テスラ車での充電がとても簡単であることを多くの人に知っていただきたい」と挨拶。実際に、モデル3とモデルYのデモカーを現地に乗り付け、報道陣にSCでの充電方法などを解説しました。

大塚さんが充電方法をデモンストレーション。プラグアンドチャージ(充電プラグを差し込むだけで充電が開始されて課金も自動)の便利さを説明していました。

ファミリーマートとしては、SCを設置した店舗を拠点にテスラ車の試乗会などのイベント開催を企画していきたいという話もありました。実現したら、ぜひ取材に伺います。

チャデモのインフラもテスラをお手本にしてほしい

SCの駐車区画はテスラ車専用となります。パイロンは丁寧に扱いましょう、ね。

所沢SCは日本で78カ所目(5カ所目として2015年2月に開設された大阪SCがその後移設されたので累計では79カ所目)の開設となりました。その後、6月末には東京・有明、7月8日には横浜のみなとみらいにも開設。日本のSCネットワークは合計で80カ所。SCではおおむね4基以上の複数器設置がデフォルトになっており、設置基数は398基となり、400基の大台が目前です。

ことに、日本でもモデル3のデリバリーが始まった2020年(納車開始は2019年9月)以降の増設がペースアップしており、2021年と2022年には各16カ所、今年2023年は半分終わった段階ですでに23カ所が開設されています。さらに、今年中に20カ所程度のオープンが予定(この中にファミマの7店舗も入っているのでしょうか)されているようで、テスラのSC網はますます盤石になっていきます。

テスラSCは、基本的に「経路充電」に便利な高速道路IC近辺などを中心に、都市部で自宅充電できない方が利用する、いわゆる「基礎充電代替」として利便性が高く稼働率が見込める場所を選び、複数台設置を進めています。おかげで、繁忙期の長距離ドライブでも充電待ちが発生することはあまりありません。

テスラ車はアダプターを使ってチャデモ規格の急速充電器を利用(アダプターの制約で最大50kW)することもできますが、SCがあまりに便利なので、テスラオーナーの中には「アダプター買ったけど、ほとんど使ってない」という方も多いのではないかと思います。

日本国内に設置されているチャデモ規格の急速充電器は8000基を超えていますが、連休の高速道路などで1基だけの充電器を巡る充電渋滞が多発したり、商業施設駐車場の片隅で液晶画面がガビガビになったまま朽ち果てそうになっているようなヤツ(立地などが悪く使われない充電器になっている)が多いのは周知の通り。

先日、東京都が公道のパーキングメーターに急速充電器を設置したレポート記事で「東京版CHAdeMOスーパーチャージャーを!」と提言しました。ことに、自治体などが主導してEV用急速充電設備の整備を計画する際には、ぜひ、テスラスーパーチャージャーに学んでいただきたいな、と思うのでした。

アーカイブ記事でも紹介してきたSCリストの表。去年からアップデートしていなかったので、更新しておきますね。

全国のテスラ「スーパーチャージャー」リスト

開設順名称場所タイプ公称最大出力基数開設年月
1東京-六本木東京都港区V1/V2120kW22014年9月
2神奈川 横浜神奈川県横浜市V1/V2120kW42014年9月
3東京-お台場東京都江東区V1/V2120kW42014年11月
4神戸兵庫県神戸市V1/V2120kW42014年12月
大阪大阪市北区V1/V2120kW42015年2月
※大阪-扇町に移設
5東京-丸の内東京都千代田区V1/V2120kW22015年3月
6盛岡岩手県盛岡市V1/V2120kW62016年1月
7仙台宮城県仙台市V1/V2120kW42016年1月
8倉敷岡山県倉敷市V1/V2120kW42016年3月
9長野長野県長野市V1/V2120kW42016年7月
10浜松静岡県浜松市V1/V2120kW42016年7月
11岐阜羽島岐阜県羽島市V1/V2120kW42016年11月
12高崎群馬県玉村町V1/V2120kW42016年12月
13福岡福岡県須恵町V1/V2120kW62017年2月
14佐野栃木県佐野市V1/V2120kW42017年9月
15御殿場静岡県御殿場市V1/V2120kW62017年12月
16甲府山梨県甲府市V1/V2120kW62018年1月
17名古屋-名城名古屋市北区V1/V2120kW62018年4月
18木更津千葉県木更津市V1/V2120kW62018年9月
19京都京都市下京区アーバン72kW42018年12月
20東京-東京ベイ東京都江東区アーバン72kW82019年10月
21広島広島市西区アーバン72kW82020年2月
22大阪 豊中大阪府豊中市V1/V2120kW82020年3月
23鳴門徳島県鳴門市V1/V2120kW82020年6月
24名古屋-星が丘名古屋市千種アーバン72kW82020年7月
25川口埼玉県川口市V3250kW42020年12月
26東京-赤坂東京都港区V1/V2120kW42021年3月
27湘南神奈川県藤沢市V1/V2120kW22021年4月
28伊賀三重県伊賀市V3250kW42021年6月
29松戸千葉県松戸市V3250kW42021年7月
30函館北海道函館市V3250kW42021年7月
31東京-代官山東京都渋谷区V3250kW42021年7月
32熊本熊本県熊本市V3250kW42021年9月
33大阪-天王寺大阪市天王寺区V3250kW52021年9月
34大津滋賀県大津市V3250kW42021年9月
35新潟新潟県新潟市V3250kW42021年9月
36鳥取鳥取県鳥取市V3250kW42021年10月
37東京 - 日比谷東京都千代田区V3250kW42021年10月
38つくば茨城県つくば市V3250kW42021年11月
39郡山福島県郡山市V3250kW42021年12月
40金沢石川県金沢市V3250kW42021年12月
41神戸 - 御影兵庫県神戸市V3250kW42021年12月
42山形山形県山形市V3250kW42022年1月
43高知高知県高知市アーバン72kW42022年1月
44札幌 - 大通北海道札幌市V3250kW42022年2月
45福井福井県福井市V3250kW42022年2月
46富山富山県富山市アーバン72kW42022年3月
47川崎神奈川県川崎市V3250kW32022年6月
48大阪-扇町大阪府大阪市V3250kW62022年6月(移設)
49高松香川県高松市V3250kW42022年6月
50京都-四条京都府京都市V3250kW62022年9月
51東京-新宿
東京都新宿区V3250kW42022年9月
52東京-調布
東京都調布市アーバン72kW42022年9月
53松山
愛媛県松山市アーバン72kW42022年10月
54焼津
静岡県焼津市V3250kW62022年12月
55神戸-北兵庫県神戸市V3250kW62022年12月
56千葉-柏の葉千葉県柏氏V3250kW42022年12月
57春日井愛知県春日井市V3250kW42022年12月
58千葉-稲毛千葉県千葉市V3250kW82023年1月
59東京-世田谷砧東京都世田谷区V3250kW62023年1月
60富士川静岡県富士市V3250kW42023年2月
61伊丹昆陽兵庫県伊丹市V3250kW82023年2月
62厚木神奈川県厚木市V3250kW82023年3月
63大井松田神奈川県大井町V3250kW62023年3月
64東京-八重洲東京都中央区V3250kW42023年3月
65静岡静岡県静岡市V3250kW62023年3月
66宮崎宮崎県宮崎市V3250kW42023年3月
67東京-板橋前野東京都板橋区V3250kW42023年3月
68鹿児島鹿児島県鹿児島市V3250kW62023年3月
69岡山岡山県岡山市V3250kW42023年4月
70奈良-橿原奈良県橿原市V3250kW42023年5月
71さいたま-与野埼玉県さいたま市V3250kW82023年6月
72橋本神奈川県相模原市V3250kW42023年6月
73ひたちなか茨城県ひたちなか市V3250kW62023年6月
74飯田長野県飯田市V3250kW42023年6月
75多気三重県多気町V3250kW42023年6月
76高槻大阪府高槻市V3250kW82023年6月
77豊田愛知県豊田市V3250kW82023年6月
78所沢埼玉県所沢市V3250kW42023年6月
79東京-有明東京都江東区V3250kW82023年6月
80横浜-みなとみらい神奈川県横浜市V3250kW62023年7月
81大阪-上本町大阪府大阪市V3250kW82023年8月
82三郷埼玉県三郷市V3250kW62023年8月
合計410基
※表内「名称」はテスラ公式サイトのスポット詳細ページにリンク。
※ リスト作成はテスカスさん運営の『Tesla Wiki』などを参照させていただきました。
※場所によって利用時間の制限時間などがあることにご注意ください。
(2023年8月9日更新)

取材・文/寄本 好則

この記事のコメント(新着順)3件

  1. NACSがデファクトになりつつある現状でチャデモ増設は微妙ですよね。SCが増えていけば日系レガシーメーカーもNACS傘下に入る流れが出来てくると思いますので、ファミリーマートはSC増設を続けていかれるのが最も社会意義があるんではないかと思います。日本でテスラのステークホルダーになれる企業は貴重なので応援したいですね。

  2. 最大出力250kW×4基となると1,000kWクラスのキュービクルが必要となりますね。
    ちょっとした工場並みの消費電力、数が増えると送電網は大丈夫なのでしょうか?

  3. IC付近に設けている理由が、SA/PAはCHAdeMOが独占的に配置しており、独禁法上の問題にもなっていることがあると思います。
    今後SA/PA上にテスラSCが設置されるようになる(できればSCが他社メーカーの車にも開放されると素晴らしい)と、車の売上げにも影響を与える(テスラ車の方が充電の利便性が高いようになる)こともあり得るかと思います。
    私自身はCHAdeMOユーザーですが。

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					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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