ニチコンが低価格39万8千円のV2Hシステムを2019年1月発売

ニチコン株式会社は2018年9月27日、本体価格39万円台からの「CHAdeMO(V2H)・系統連系」に対応した新しい「V2H(太陽光パネルや系統とEVをつないで充放電できる)システム」2機種を発表しました。これまでにない「意欲的」な価格設定と言えそうです。

ニチコンの系統連系型V2Hシステム本体。こちらは「中級モデル」のVCG-666CN7の外観。

「2019年問題」を前にニチコン株式会社(本社:京都市中京区)は今年3月に「トライブリッド・システム」を発売しました。これは「太陽光パネル」「家庭用蓄電池」「EV]の三者を「系統(電力会社から来る電灯線)」と連携させて、「DC接続」などの高度な制御ができる「フラッグシップ・モデル」です。対して、今回発表された2機種は「入門モデル」と「中級モデル」に位置づけられそうです。当記事ではその概要を簡単にまとめてみます。

発表された2機種は:
(a) VCG-663CN3、価格は398,000円(税別)→ 以下「入門モデル」と呼びます。
(b) VCG-666CN7、価格は798,000円(税別)→ 以下「中級モデル」と呼びます。

今回の新製品のポイントは(特に記述しない限り、2機種とも共通):
1. 系統連携ができる。
2. 停電時に、太陽光パネルからEVに充電できる。
3. EVへの充電は、通常時(系統連系時)は「倍速充電」ができる。
4. 「ダブル発電」が防げる。
5. 系統からの電力と、EV・PHVからの電力を、途切れることなく瞬時に切り替えられる。
6. スマートフォン専用アプリを使って、リモコン操作ができる。(中級モデルのみ)

2. に関しては、「実際そういうことはするのかな?」と筆者は初め疑問に思っていたのですが、ニチコンの担当者にお聞きしたところ、従来型V2Hのユーザーからはこれまで結構要望が上がってきていたのだそうです。また、昨今頻発する災害によって停電が起きた時に、日中に太陽光パネルからEVに充電できると非常にありがたいという声もあり、こうした機能を加える方向になったそうです。

「中級モデル」はスマートフォンの専用アプリで遠隔操作できる。
「中級モデル」はスマートフォンの専用アプリで遠隔操作できる。

2モデルの違いは:
(ア) 停電時の給電が、中級モデルは6kW出せるが、入門モデルは3kWまで。
ただし、通常時(系統連系時)は、両モデルとも6kWが出せる。
(イ) 中級モデルのみ「通信機能」を装備していて、将来的な「VPP」や「WPC」に対応できる拡張性がある。
(ウ) 中級モデルのみ、スマートフォンを使って遠隔操作(リモコン操作)ができる。

(イ)に関して詳しく見ると、「ECONET Lite(エコネット・ライト)」に対応した通信機能が組み込まれているため、今後商業化が期待される「電力取引」に対応することが可能になっています。具体的には、企業・事業所での「WPC(Work Place Charging:企業・事業所でのEV充放電)」や「VPP(Virtual Power Plant:仮想発電所)」などへの対応が可能です。

ニチコンの新しいV2Hシステム。通常運転時の様子。
ニチコンの新しいV2Hシステム。通常運転時の様子。

発売は2019年1月の予定なので、「FIT卒業生(FIT難民)」救済になんとか間に合うタイミングと言えそうです。本体は設置しやすいように小型化し一体化してあります。そして一番のポイントは、これまでにない「安価」な価格設定。V2Hをさらに私たちに身近な存在にしてくれそうだと言えるでしょう。

なお、発売を前にした「開発コンセプト品」が、2018年9月30日~10月2日に兵庫県の「神戸国際展示場」で開催される「第31回国際電気自動車シンポジウム・展示会&EV技術国際会議2018(EVS31)」と、10月16日~19日に千葉県の「幕張メッセ」で開催される「CEATEC JAPAN 2018」の中で展示されますので、ご興味がおありの方は、実際にご覧になって、色々と質問されてはいかがでしょうか。

(文・箱守知己)

画像はすべてニチコンの公式サイトより転載しました。

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「ニチコンが低価格39万8千円のV2Hシステムを2019年1月発売」への10件のフィードバック

  1. 4. 「ダブル発電」が防げる。
    とはどのよう仕組みで「ダブル発電」にならない設定ができのでしょうか?

    太陽光5k,リーフとアウトランダーPHEVの2台を利用してます。太陽光は最近なので,買い取り終了まではにはまだまだ年数はあります。

    1. 布施様へ
      ダブル発電は、PV(ソーラー発電)発電中にEV(電気自動車)から宅内へ電力を供給することを指します。リーフtoホームが該当します。
      ニチコン公式サイトを見ると「系統連系」「系統非連系」の2種類があり、今回の新機種や三菱smarhV2H(Yタイプ)は前者、リーフtoホームや三菱smartV2H(Mタイプ)は後者に該当するため「ダブル発電」扱いされて太陽光売電単価が下がります。
      三菱smartV2Hの例だと形式・機種ごとに設定が違いますので、導入時には注意しないといけません。

      当方、自宅ソーラー3.5kにi-MiEV(M)1台ですが…三菱smartV2Hでは費用対効果的にメリットを感じず、今回のニチコン廉価型導入を検討しています。
      もちろん余剰電力は将来の売電単価下落に備えて自家消費に回したいのでダブル発電しないタイプを選ぶつもりですが。
      まだFIT終了まで5年ありますが…太陽光発電つき家庭からの需要は十分あると見込めるので今後他メーカーからもそれなりに出るでしょう。
      機種が各種出てきたら、FIT終了1年前に決めるのが宜しいかと。

    2. ヒラタツさま、詳しい解説をありがとうございます。著者もi-MiEV Mを愛用しております。FIT卒業にはまだ数年ありますが、私も「系統連系」タイプに注目して、各社の動きを注視してゆこうと考えております。

    3. 布施雅彦さま、コメントありがとうございます。お返事が遅れて申し訳ありません。ニチコンに詳しい仕様をお聞きしていたところでした。

      すでにヒラタツさまが詳しくお書きいただいている通りです。今回のニチコンの新製品は「系統連系」タイプですので、「ダブル発電」を防げる仕様となっています。

      家庭用蓄電池やEVはご承知の通り「電気を貯める」ことができますが、この電気は例えば「深夜電力」で安く買ったものかも知れません。FIT制度は太陽光などの「再生可能エネルギー」を買うことが主眼のため、深夜電力かもしれない(再生可能エネルギーかどうか分からない)電気を同じ価格で買い取ることはできない、という考えのもと、「混ざっている電気」は「ダブル発電」として単価を安くして買い取ることになっています。

    4. 「ダブル発電」にならない設定は系統連系とは直接関係無いです。「ダブル発電」にならない為には「太陽光で売電中はEVから家に給電中出来ない仕組み
      」が必要です。即ち、消費電力が太陽光発電以下なら自家消費、余剰分は売電、消費電力が太陽光発電を超える場合はその部分はEVから家に給電出来ます。

  2. 停電時にモデルxから家へ給電したり、Powerwallと組み合わせてオフグリットできませんか?
    Powerwall は深夜電力とあまったソーラー電力で充電して、7〜23時まで家で使用したら元も取れると思いますが、僕の甘い考えでしょうか?

    1. スウィーツ様、コメントありがとうございます。理論的にはできると思いますが、当製品とは組み合わせはできないのと、テスラの場合はチャデモのV2Hプロトコルに準拠しているとは聞いておりませんので、その点も問題となりますね。そもそもニチコン様もバッテリーを販売しているので、その部分は一緒に動作するようにはしないのではないでしょうか?ちなみに価格差はだいたい現時点で3倍くらい。Powerwallが参入すれば、国内の価格は変わると思います。

  3. こんにちは
    先日の台風で、私の地域では27時間程停電しました。
    台風が来るのが分かっていたので、前日にアイミーブMにフル充電しておき
    家への給電も、手動ですが簡単にしておいたので、停電と同時に切り替えて
    翌朝まで過ごし、陽が出てきてからは太陽光から車へ(100V)の充電と家への
    給電で、何も問題なく過ごすことができました。
    太陽光の買い取り終了まで、まだ間があるのですがV2Hを終了前に取り付け
    たいと目論んでおります。

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