マツダさんの Well To Wheel 計算は正しく、電気自動車のライフサイクルCO2排出はガソリン車より多いのか?

最近よく聞くWell To Wheel (WtW)。油田から車のタイヤまでという意味で、実際にエネルギーのもととなる資源の採掘から、車が走るところまでのエネルギー消費を合計してみても、電気自動車は環境にやさしいのでしょうか? マツダさんのWtWのロジックを検証します。

マツダさんのWell To Wheel計算は正しく、電気自動車の排出はガソリン車より多いのか?【実は電気自動車のほうがエコ】

自動車メーカーのマツダさんはマツダ「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」で、電動化戦略に触れています。特に、その中でWell To Wheelに関しては、CSR特集(スクリーンショット: 1 2(該当部分) 3 4)で語られている内容が興味深く、

ライフサイクルの後半になると、バッテリーの性能を維持するためにバッテリー交換が発生するため、小さいバッテリーサイズのEVと、内燃機関車のCO2排出量はほぼ同じになりました。

とのこと。ホントでしょうか?
(注/Well To Wheelはウェル・トゥ・ウィールと読みます)

実際にマツダさんが参照している論文はこちら。マツダの社員の方5名と工学院大学の方2名が書かれたもので、内容そのものは検証したところ大きな問題はありませんでした。しかし、当該論文は多くの前提が使われており、一部の前提は古く現実に即していないため、そこから導かれた論文の結論は現実的ではない、というのが私の見解です。

マツダさんの論文の計算式を使って、前提条件をいくつか現実的な値に変えた結果で、電気自動車が75kWhという大容量バッテリーを搭載したとしても、「少なくとも日本国内において」同等車格のガソリン車よりもWell To Wheelで、CO2の排出は少なくエコである、という点を確認してみましょう。

目次

  1. 前提条件
  2. リチウムイオン電池の製造時排出
  3. 燃費基準
  4. 検証

前提条件

(単位kg-CO2eq)ガソリン車電気自動車
シャーシ42194219
エンジン12740
モーター01070
インバーター0641

ガソリン車と電気自動車のサイズをほぼ同じとし、シャーシを製造するにあたっての排出量は同一と仮定します。エンジンはガソリン車にのみ存在し、モーターとインバーターは電気自動車にのみ存在します。これ以外で大きなものは、電気自動車の電池がありますが、これは次で別途試算します。ガソリン車にはこれ以外にトランスミッション(注、電気自動車にもギアはありますが、変速機能・バックギアは必要ありません)や排気系・触媒といった大物がありますが、ここでは計算に入れません。

部品名メンテナンス間隔
[km/メンテナンス]
CO2排出
[kg-CO2/メンテナンス]
論文
タイヤ40000108JLCA
鉛蓄電池5000019.5JLCA
エンジンオイル100003.22JLCA
クーラント270007.03JLCA

こちらがメンテナンスに必要な排出です。タイヤと鉛蓄電池はガソリン車と電気自動車両方に存在します。一方エンジンオイルとクーラントはガソリン車のみに存在します。当該論文には、ガソリン車では必要で電気自動車には不要なブレーキ交換が入っていませんが、当記事では無視します。
またマツダさんの論文では電気自動車のバッテリーに寿命があるという前提で、16万キロでバッテリーを交換するサイクルをメンテナンスに含めています。しかし世界中の350台のテスラモデルSを対象にした調査から、現実に25万7千キロでバッテリー劣化が10%に達するというデータがありますので、バッテリーの交換は不要とします。

最後にクルマの寿命が来て、廃車にするときのリサイクルに関する排出です。こちらは、マツダさんの論文では分解するところまでの排出に限定されており、そのあとの処理についてはスコープ外となっています。また分解するための排出はガソリン車も電気自動車も同等という前提です。そのため、今回の計算およびデータには、この排出は含めていません。

ただ気になるのはバッテリーの廃棄ですよね。バッテリーを分解したのち、廃棄する場合のデータについてはまだ情報が少なく、唯一IVL 2017(2019年版には含まれていません)には15kg-CO2eq/kWhとの数値があります。つまり、35.8kWhのバッテリー容量を持つ電気自動車については537kg、75kWhについては1125kgのCO2が廃車時に排出されると考えてよいと思います。この数値を、最後に足して比較すればよいでしょう。

リチウムイオン電池の製造時排出

電気自動車に搭載される電池の製造時排出の前提は以下の通りです。

文献正極タイプCO2排出
[kg-CO2eq/kWh]
Zackrisson et al.LFP166
Majeau-Bettez et al.NMC200
LFP250
Amarakoon et al.NMC121
LFP151
Ellingsen et al.NMC172
マツダ論文平均値LFP/NMC177
マツダ論文平均値
(NMCのみ)
NMC164
IVL 2019 最悪値NMC106
IVL 2019 中央値NMC83.5

表の上から6個のデータがマツダさんの論文で使用されているデータで、実際の計算にあたってはこれらの平均値が用いられています。表にも、「マツダ論文平均値」として記載しています。

マツダ論文平均値より下にある数字3つは私が引用もしくは計算した数字です。まず最初の「マツダ論文平均値(NMCのみ)」は、当該論文にあった6つの数字のうち、日本・米国・欧州では乗用車用の電池としては使われていないLFPを除いて、よく使用されているNMCに限定したものです。原論文は中国も対象にしているのでLFPを含めているのでしょうね。

その次のIVL2019というのはこちらの論文で、スウェーデンのIVL Swedish Environmental Research Instituteという団体が2019年に出している、最も最近の数値になります。実はIVL Swedish Environmental Research Instituteは2017年にも同様の研究結果を出しており、その時の電池製造にかかる排出は1kWhのバッテリー当たり150-200kgと、マツダさんの論文の数値と同等だったのですが、その後の電池生産規模の拡大に伴う効率化により、排出量を1kWhあたり61-106kgと推測しています。この値のうち、最大値106kgと中央値の83.5kgを前提に含めてみたいと思います。

燃費基準

マツダさんの論文では、地域別に排出を分析しており、燃費基準においては各国の燃費基準値が使われています。これはある意味公平に見えるのですが、こと日本においては、アイドリング時間が長く取られており、加減速が少なく、高速走行の含まれないJC08基準はガソリン車に非常に有利です。また道路でドライバーが乗っても、実際にJC08基準値を誰も達成できないのですから、現実的な前提とは言えません。

そこで公平かつ現実的な基準値として、当サイトでも常に用いている米国EPA基準を用いたいと思います。当然ガソリン車も電気自動車も同じ基準を用います。電気自動車の電費の記事でも解説していますが、JC08基準と同様、EPA基準でも、電力は外部から給電した電力量を使用しており、充電・放電ロスは数値に含まれています(=ガソリン車に対して公平)。

今回具体的に車を想定するのは難しいのですが、ガソリン車はせっかくなのでMAZDA 3のSKYACTIV-X搭載、X PROACTIVEのWLTCモード燃費から、試算でEPA燃費を求めたいと思います。WLTCはグローバルで標準化された燃費であり、JC08>>WLTC>EPAの順に、基準が厳しくなっています。

ちょっと待てよ! なんでちゃんとEPAで認定されている数値を使わないのか? 実はこの車両、米国では2.5リッターSKYACTIV-Gエンジン搭載車しか設定されておらず、日本の(より進化した)2リッターSKYACTIVE-Xエンジン搭載車はラインアップされていないのです。WLTC値とEPA値の変換はDavid Roper氏が計算された式があり、WLTC値はEPA値の1.121倍と推定可能です。換算後のEPA燃費推定値は15.3km/lとなります。

電気自動車はと言えば、今回75kWhということでテスラ モデル3 ロングレンジを比較対象にしましょう。EPA電費は26kWh/100miなので6.19km/kWhです。

検証

今回の検証にあたっては、ガソリン1リットルを燃やした場合に出るCO2排出を2320g(出典)と仮定しました。

Well To Wheelでは、原油を採掘・精製してガソリンスタンドまで輸送するために必要な排出、電気を発電するために必要な燃料の採掘・輸送に必要な排出も加える必要があります。マツダさんの論文ではGaBiというライフサイクルアセスメント企業が出しているデータを参照して、これらの排出を計算しているとのことでした。このGaBiのデータは、ソフトウェアで購入したり、Excelで購入することも可能なのですが、ライセンス契約において数値を公開することが禁じられているのです。そのため私も実際に日本におけるレギュラーガソリンと、日本における電力の排出原単位(単位当たりのCO2排出量)を購入したのですが、計算に使ったGoogle Sheetをそのまま公開することはできませんでした。あらかじめご了承ください。

では結果です。(スマホの場合は指で左右にスクロールできます)

走行距離バッテリー容量新車10000km20000km30000km40000km50000km60000km70000km80000km90000km100000km110000km120000km130000km140000km150000km160000km170000km180000km190000km200000km
ガソリン車5,4937,2589,02310,79512,66814,45216,22417,98919,86221,63423,41825,19027,06328,82830,60032,38434,25736,02937,79439,56641,458
電気自動車・マツダ論文前提条件35.8kWh12,25513,26614,27715,28916,40817,43918,45019,46120,58121,59222,62323,63424,75325,76526,77627,80728,92629,93730,94931,96033,099
75kWh19,18020,19121,20322,21423,33324,36425,37526,38727,50628,51729,54830,55931,67932,69033,70134,73235,85136,86337,87438,88540,024
電気自動車・106kg-CO2eq/kWh75kWh13,88014,89115,90316,91418,03319,06420,07521,08722,20623,21724,24825,25926,37927,39028,40129,43230,55131,56332,57433,58534,724
電気自動車・84kg-CO2eq/kWh75kWh12,19313,20414,21515,22616,34617,37718,38819,39920,51821,53022,56123,57224,69125,70326,71427,74528,86429,87530,88731,89833,037

横軸にクルマの走行距離、縦軸で、ガソリン車と電気自動車のWell To Wheel排出量が比較できるようになっています。電気自動車については全部で4パターン。最初の二つはマツダさんの論文の前提通りに35.8kWhバッテリー搭載車と75kWhバッテリー搭載車を比較したもの。その次はマツダさんの前提ではなく、2019年の新しい電池の製造時排出のデータを使った試算で、最も排出量の多い106kg-CO2eq/kWhのパターンと中央値の83.5kg-CO2eq/kWhのパターンを出してみました。
電気自動車については、廃車時に35.8kWhのバッテリー容量を持つ電気自動車については537kg、75kWhについては1125kgの排出を追加してみることを忘れないでください。

どうですか?

背景が緑になっているところは電気自動車のほうがWell To Wheelで排出が少ない走行距離、赤はその逆となっています。よく言われているように新車時は電気自動車のほうが排出が多いですが、マツダさんが前提としているバッテリーの製造時排出値を用いても、9万キロ走行時点で電気自動車のほうが、排出量が少ないことが分かります。

最も現実に近いと思われるIVL 2019の平均値を用いると、


9万キロで、バッテリー75kWhを搭載する電気自動車テスラモデル3ロングレンジのほうが、ガソリン車MAZDA3 X PROACTIVE 2WD(6EC-AT)よりWell To Wheelで排出が少ない

ことが分かります。廃車時のリサイクル分を入れても11万キロ。

結論として、「ガソリン車と電気自動車は、Well To Wheelすなわちライフサイクルでの排出は同等か、9-11万キロ以上走行する場合は電気自動車のほうが少ない」と言っていいのでしょうか?

この検証結果は【現時点では】という但し書き付きです。

当記事の計算ではIVL 2019の中央値86gを用いて計算しました。しかし、Northvoltやフォルクスワーゲン、テスラのように、電池生産に100%再生可能エネルギーを使うとコミットしているメーカーもあります。IVL 2019ではこのような場合、電池の製造時排出は61g-CO2eq/kWhの値を推測しています。これによりバッテリーの製造時排出は27%も減少します。

さらに、電力会社は毎年排出量の削減を図っています。今後各電力会社において再生可能エネルギーの割合が増加し、排出量が低減することにより、ガソリン車が電気自動車のライフサイクル排出量を、Well To Wheelで下回ることは恐らくないものと推測できます。

(安川 洋)

この記事のコメント(新着順)88件

  1. LCAが計算の元になってるんだろうけど、あれって工場建設に関することが何も入ってないんだよね。
    つまりアマゾンの密林を全て切り開いてEV工場作っても環境に良いって式になる。

    まぁ過去の記事に書いても意味ないんだけどね。
    現在ではEV懐疑論は各国で出てるよ

  2. 感覚的で申し訳ありませんが、小生の理解とよく一致すると思いました。ご記載のとおり、エネルギー構成に依存しますので、EVの製造地と利用地によって変わることに留意すべきと思いました。EVをCO2削減カウントの対象とした場合、現行国ごとのカウントになっていますのでどのように算入するのでしょうか。さらにユーザーとしては、9万kmほどが分岐点とすれば、車のはボディやサスペンション等の耐久性を伸ばしてほしいと思います。日本車に比べてボディ剛性が高いと言われているドイツ車でも、10万kmほどでボディバランスが悪くなり、それが主な理由で買い替えてきました。その場合の走行距離は10万kmに届いていませんので、小生の場合EVはあまり意味がないことなりそうです(上記数値に進展がないとした場合)。

  3. 電池交換不要というのは無理があると思います。
    Tesla Model Sは100kWhで日産Leafは40-62kWhという差があり、電池劣化は大幅に大幅に抑えられる一方で製造時のCO2排出量も大きくなります。
    そもそも価格が1000万円近い車種なので現実的な比較だとは考えられません。

    現実的には電池の劣化と不具合が重なった10年落ちの電気自動車は誰も買わないと思います。
    実際にはその時点の性能は1割未満の差でも中古車市場でガソリン車以上に避けられるでしょう。私なら避けます。
    電池の劣化は電気自動車の寿命自体を規定するものと考えた方が現実的で、ガソリン車の方が電気自動車より物理的な寿命や走行可能な総距離数が長いものと考えて計算するのが適切でしょう。

    最後に高速道路や冬の暖房を考えればEVやHEVとガソリン車のCO2排出量の差はさらに小さくなります。
    一方で今後原発再稼働が実現すれば日本での電力におけるCO2排出量は減るものの、政治的な理由でヨーロッパではクリーンなエネルギーと認めないような動きもありそうです。
    この辺りは楽観的な予想に基づくべきではありません。再生可能エネルギー自体の環境負荷もあります(森林や農地を転用したり)。

    いずれにせよ11万キロという走行距離は割と長いです。
    自分の場合はそもそも11万キロに全く届きそうにないので今後の再生可能エネルギー移行を想定してもガソリン車の方が環境に良さそうです。

  4. EVのバッテリー劣化については異論があります
    国産N社のEVは自分自身の経験として7万km走行時点で新車時と比べて満充電時の走行可能距離が約半分となり100km程度しか走行出来なくなりました
    片道にして50km、出先で充電するのに30分以上かけて80%充電
    とても地方在住者には使えたモノではありません

    1. 何事もバランス 様、コメントありがとうございます!
      日産の初代リーフについては、電気自動車一般の課題というより、製品自体の課題だと考えています。実際、そのあとに出荷された新型リーフ(2017年発売開始)は、4年後の今、10万キロで12%程度の劣化という方が1名(業務使用)。通常の使用においては18万キロくらいまで劣化なし、という報告を聞いています。現行の電気自動車は、余程過酷な環境で使用しない限り、20万キロの寿命は充分あると考えてよいと思います。

  5. 10万キロでEVが有利になるとして、世の中の各走行距離の車の排出積分量でもEV化有利に転じるにはもっと長距離走行した車が増えないといけません。
    10万キロは就職時借金が多いが貯金積み立ても多い人の資産額が
    借金が少ないが積み立ては少ない人の資産と並んだクロス点にすぎない。
    それ以降、長く積み立る人が増えないと全員の資産(排出量削減)は悪化する。
    重要なのはクロス点ではなく積分でのクロス点。
     この点に触れない説明が多い。EVも生産時から低カーボンで作るのが最重要。
    2030年までに急いで投資し、EV化すると当面排出量は増加しまくるでしょう。
    いつかは必要なインフラ投資ですが、時系列の最適化をしないと
    この先10~20年の異常気象を悪化させそうです。

    1. 10万キロ乗らないで廃車はだめ!?様、コメントありがとうございます。
      おっしゃるように、もっと車を長く乗ることも低炭素化につながりますね。特に、電気自動車は10万キロ越えても効率が悪化することはないので、排出量が変わりません。

      >EVも生産時から低カーボンで作るのが最重要

      これもとても重要なことだと思います。ポールスターを始め欧州のメーカーは低カーボンで作ることを明言してきています。

      >2030年までに急いで投資し、EV化すると当面排出量は増加しまくる

      これは、誤解だと思います。
      https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/ev-global-life-cycle-co2-emissions-less-than-ice/
      電気自動車は、製造時の排出を含めてライフサイクル全体で見ても、ガソリン車より排出は少ないので、いま一台置き換えた電気自動車は、低排出化に貢献するのです。

  6. 安川様
    分かりやすい検証、大変勉強になります。ありがとうございます。
    世界では地球温暖化の原因がCO2だという説が正しいとしてすべての検討がなされていますが、火力発電所、とくに熱効率の悪い原子力発電の温排水の温暖化効果を考慮しないと、温暖化の評価はできないと思うのですが、いかがでしょうか?
    発電所の熱効率から総発生熱量は計算できると思いますが、それをCO2の温暖化効果と比較する方向が分かれば、計算できそうなのですが、計算方法のアドバイスを頂けると幸いです。

  7. とても参考になりました。
    ちなみに送電ロスやチャージャーロスなどはどのようにこの計算に含まれているのでしょうか?

    1. 土山様、コメントありがとうございます。送電ロスは、GaBiのデータに含まれています。GaBiは、各発電所の燃料から、発電、送電、最終的にユーザー宅における、排出量を集計してくれています。
      充電ロスは、コンセントの外側になりますので、GaBiには含まれません。しかし、当記事では電気自動車の電費基準を使用しており、これに充電ロスが含まれています。電費基準は、車両の燃費計で測るのではなく、満タン法のように車外に電力量計を設置して測ります。

  8. とても参考になる記事でした。
    私自身は内燃機関の車に乗っており、それどころか免許取得以来MT車にしか乗ったことが無いほど個人的に内燃機関が好きです。しかしながらEV化による環境負荷低減の流れは絶対と言っていいほどであり、それに反対するつもりもありません。ですが世の中にはどこかで聞きかじっただけの中途半端な知識で「製造時排出ガー、廃棄時ガー、送電ロスガー、石炭火力ガー」といって拒絶反応を示す人がとても多いですね。
    いまの私のMT車は大事に乗って2035年くらいかなあと思っています。そのころには新車はほぼEVでしょう。最後のMT・内燃機関と思って大事に乗っていくつもりです。

  9. 安川 洋さま

    再エネは打出の小槌ではありません。政府計画を見ても割合的にはあまり増やせませんし、安定電源になりえないことははっきりしています。むしろ原発を使った方がいいのではありませんか?笑

    1. 如月次郎 様、コメントありがとうございます。再エネをどこまで増やせるかですが、例えばルーフトップソーラーを義務化するとかもあり得ます。もちろんできない理由を述べる「仕事のできない人」はたくさんいると思いますが、やるかやらないか、ですからね。。原発は国は使いたいのだと思いますが、世論がどこまで許すかだと思います。

    2. 発電に関しては、福島沖の風力実験が失敗したにもかかわらず、日本海に大規模風力発電建設で、EU並みの発電でEUデータを再現する計画。
      懸念点の台風、嵐、地震など課題有だが、失敗しながらやるでしょう。
      原発は、発電Mix.の観点で過去のレベルに戻すことは必須。
      他にバッテリー材料見直しも効果あり。
      バッテリー容量、航続距離も最適化が必要。
      バッテリー製造が中国に集中し、TTWで計算するEU方式では、BEV普及は加速。いろいろ判断が遅れている日本は、遅れを取り戻すのに必死。

  10. この記事の根本が間違っているのでは?
    マツダの論文は原発稼働ありきの試算らしいですよ
    現在の稼働数では緑の部分は真っ赤ですよ
    再検証お願いします

    1. ねこ 様、コメントありがとうございます。今回使用しているGaBiのデータは震災後で、原発の稼働が非常に少ない状態の、2016年のデータです。
      ご安心ください。

    2. いや、だから2016年に出した、稼働した場合の試算なんですけど
      2016年の稼働数ではないですよ

    3. ねこ 様、もう少し詳しく、説明いただけますか?
      私の試算は、2016年の実稼働データを基にしたもので、それ以降日本では原発は少し増え、再エネも少し増えることにより、電気自動車のライフサイクル排出は、この試算よりもさらに減少しています。
      今後、再エネ比率が増えれば増えるほど、ガソリン車のライフサイクル排出はほとんど変化せず、電気自動車のライフサイクル排出は減少することにより、その差はどんどん開いていきます。

  11. いつも勉強させていただき、ありがとうございます。CO2排出に関してEVの方が優れている点が理解できました。

    この種の議論が至るところで盛り上がっていますが、CO2排出量の観点だけでEVと内燃機関車の優劣が論じられているところが気になります。車の環境問題はCO2排出だけではなく、NOxやPMなどによる大気汚染・アイドリングや走行時の騒音問題もあるはずです。

    EVへの変化に抵抗する人達が、ライフサイクルにおけるCO2排出量という、前提によってはEVより優位に立てる議論に意図的に誘導しているように感じます。

    無味無臭のCO2よりも、排気ガスの臭いや騒音の方が多くの人にとって身近な問題で、EVの優れた点として感じられると思います。

    個人的には車の排気ガスの臭いやエンジン騒音が大嫌いなので、早くEVが社会に普及して欲しいと思っています。

  12. 試算してくれてませんが、この計算だと25km/L以上走る様な小さなバッテリーを積んだハイブリッドが一番Co2排出量が少なくなりそうにも思うのですが、どうなんでしょうかね。

    1. 通りすがりのただの人 様、コメントありがとうございます。
      そうですね、電池が小さく、小型の車なら現時点では、その可能性はあると思います。ちなみに今回はモデル3と比較しましたが、同等のハイブリッド車であるプリウスですと
      https://www.fueleconomy.gov/feg/PowerSearch.do?action=noform&path=1&year1=2020&year2=2020&make=Toyota&baseModel=Prius&srchtyp=ymm
      56MPG=23.8km/lなので、25までいく車は今はもっと小型の車しかないですね。
      記事にもありますように、「今」も大事なのですが、「今後」どうなるか、ということのほうが大事なのです。こちらの記事の最後部分に、今後の見方についても解説していますので、よろしければご覧ください。
      https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/ev-global-life-cycle-co2-emissions-less-than-ice/

  13. 現実にはEVの急速な進化とバッテリー劣化による走行可能距離短縮によって、現在存在する多くのEVは走行距離短縮や性能の陳腐化により10年又は 10万kmに満たない短距離走行でバッテリー交換や廃車されていくのではないかと思います。
    また、私の2017年式テスラ モデルSはメインバッテリー故障により8000kmでメインバッテリーを交換しております。また、初期の85KWhバッテリーは充電環境によっては充電容量が半減しているか個体もあるようです。このような製品の不具合、早期劣化によるバッテリー交換例が各社EVでどの程度の件数、頻度で発生しているか、きちんとデータを把握されているのでしょうか?交換や廃車による実際のバッテリーライフサイクルを考慮しないと「モデルSバッテリーは25万kmで10%の劣化」だからライフサイクルの中でバッテリー交換不要というチャンピオンデータに基づいた仮定は非現実的ではないでしょうか。

    1. champim様、コメントありがとうございます。

      >現在存在する多くのEVは走行距離短縮や性能の陳腐化により10年又は 10万kmに満たない短距離走行でバッテリー交換や廃車されていくのではないかと思います

      こちらはchampim様のご想像かと思います。ガソリン車でも10年または10万kmに満たない短距離走行で、廃車になる車はあると思います。
      同時に、バッテリー製造時の排出の半分は、製造時の電力由来と言われています。この排出も、製造に再エネを使用することにより、半減させることができますし、走行に使う電力も電力会社の低炭素化により、減らすことができます。本文中ではこれらの前提については織り込んでおりません。

      >初期の85KWhバッテリーは充電環境によっては充電容量が半減しているか個体もある

      こちらは現時点では解消していると聞いています。詳細には、かなりテクニカルな記事になりますが、こちらをご参考になさってください。
      https://skie.net/skynet/projects/tesla/view_post/23_Explaining+Changes+post-firmware+2019.16+Regarding+Range+Loss

      いずれにしろ、個別の事象と、全体の統計値や傾向を混同しては考えないほうが良いように思います。

  14. 発電構成によるが10万キロ走行以下ではエンジン車ハイブリッド車、電気自動車で大差無いという事ですね。
    しかしテスラ モデルx モデルsはオールアルミシャーシ、 ボディーで661kgのアルミを使用してます。
    アルミ製品1トンあたり精錬には16トンの炭酸ガス排出と15000kwの電力を必要とします。
    モデルsには小さめのevより0.5トン多くのアルミが使われてますのでそれぞれ半分が余分に排出されます。
    プリウスは1km走行あたり100gも炭酸ガスを出しませんので10万キロ走行分に匹敵するわけですね。
    マツダが言っていることは確かです。

    1. 正義の味方 様、コメントありがとうございます。コメントいただいた内容は、ボディの構造に関するトピックであり、本質と関係ないのではないでしょうか?
      リーフやモデル3のようにスチールを多用した電気自動車もありますし、今後はアルミの精錬にも再エネが使われるようになり、そうなれば鉄より低排出になる可能性もあります。その鉄も、石炭を使う高炉から、再エネの電気を使う電炉へシフトすることで、さらに低排出化が実現できます。

      これらは車体製造に関係する排出で、電気自動車の排出とガソリン車の排出とは何の関係もありません。また電気自動車の排出は、発電所を低排出化することにより、発売済みの車両の排出も減らしていくことができるのに対し、ガソリン車の排出は、販売後は削減することができません。
      これに関するシミュレーションもこちらの記事で行っていますので、ご参考までにご覧ください。
      https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/ev-global-life-cycle-co2-emissions-less-than-ice/

  15. EVに対する各種見積もりの甘さは、記事の執筆者がEV推進派であることを表しています。
    そしてEV推進派の書いた記事の結論はEVが有利なものになるに決まっています。
    そりゃそうです。個人により検証をする手前、労力をかけた以上は自身の思想にとって有利となる結論でなければ多大な時間の浪費に終わってしまいますもんね。
    一応先入観を排して記事を読んでみましたが、やはりこのような結論ありきの検証に価値はありませんね。

    1. 白神様、コメントありがとうございます。

      >>EVに対する各種見積もりの甘さは、記事の執筆者がEV推進派であることを表しています。

      当サイトでは事実とデータに基づいて議論させていただくことを基本にしています。批判や異論は大歓迎です。批判される以上は、具体的にご指摘いただけますか?
      他の読者の方が、白神様のコメントを検証できるよう、お願い申し上げます。

  16. いつも参考にさせて頂いております。
    EV生産時の二酸化炭素排出量は
    どのくらいなのでしょうか?
    (バッテリーを含む)

  17. いつも当ブログを参考しておりますが、初めてコメント致します。
    Youtubeにて、エンジン→電動化車両の制作を趣味にしている者です。
    「トータルで考えたらEVは環境に悪い。ガソリンからEVにするなんて改悪」などとコメントされたためLCAについて調べていたところ、当該記事にたどり着きました。
    長期的にはEVのほうが優勢なのですね。
    個人的には環境云々よりも、純粋にEVのほうが楽しいので作っておりますが、「電動=嫌い!」と言わんばかりの一部の車・バイク好きには閉口させられます。
    そういう反EV派と真っ向から戦うほどの知識と気力は無いので、このような記事は励みになります。

  18. とても勉強になりました!
    ありがとうございます。
    長期的に見た時やはり純ガソリン車のCO2は厳しいのですね。
    一方で現在WLTCでヤリスが35km/l、カローラが30とかですので
    今回の試算の各コンポーネント製造時/走行時の数字を当てはめると
    現時点ではストロングHVが10万キロ時点で圧倒的にCO2少ないことになりそうですね。
    5年10年スパンくらいだとHVが現実的な解なのかなとも思いました。

    1. ディーゼル乗り様、コメントありがとうございます。

      >>現時点ではストロングHVが10万キロ時点で圧倒的にCO2少ないことになりそうですね。

      圧倒的かどうかは分からないと思います。その理由は以下です。
      1. ハイブリッド車のLCAは公開されているデータがないと思います(あったらぜひ教えてください)。そのため、ハイブリッド車のLCAがガソリン車に電池とインバーターとモーターを足すだけか?という仮説は成り立つかどうか分かりません。
      2. ハイブリッド車は、販売された後、排出の低減はありません。電気自動車の排出は来年も再来年も、すでに販売された車も低減されます。発電電力網が低炭素化するからです。
      3. 電気自動車の製造時排出は、電力に由来しているものが多いです。テスラやフォルクスワーゲンは、製造時排出を下げるため、使用する電力の再エネ化を宣言しています。注、実施が完了しているわけではない。
      4. HVが有効なのは小型車まで。車が大きくなるとその効率は下がるのです。
      https://www.fueleconomy.gov/feg/Find.do?action=sbs&id=41917&id=42278&id=42131&id=43413
      ハイブリッド車の、SUV:小型車の比率は0.54。つまりSUVにすると46%燃費が悪化。
      電気自動車の、同比率は0.75。つまりSUVにすると25%燃費が悪化するのです。LCAでハイブリッドが有利だとしても、それは小型車だけだということが分かります。これは、トラックやトレーラーになると更に差が開くのです。

  19. マツダさんの論文のバッテリ生産時の排出量は「現時点」のデータとしてはもはや不適切です。プレジデントにそこを読み落とした記事が出てこれからデバンキングするんですが、手間なので、そこの記述を修正して頂けませんか…(涙)

    1. 櫻井様、ありがとうございます。
      具体的にどう修正すべきでしょうか、もしよろしければこちらかDM/メールにて、ご指導いただけますと嬉しいです!

    2. 例えばバッテリ生産時の排出量について、2010~2013年の文献を参照しているために最近の報告例とかけ離れた値になってます。「【現時点では】」という記述をするには不適切かと思います。論文自体にも、”このデータは古くなってるかも”って注意書きがありますし。
      「10年以上前の条件ならあり得たかも」ぐらいが適切かと…。
      ご検討ください。

  20. 電気自動車使用ならCO2が減り続けるというガバガバ理論。電気自動車が増えることによる発電所増設、30兆円規模の充電インフラ増設によるCO2発生は無視。細かくコンマ数%単位で試算しておきながら電気自動車の暖房使用時の20〜30%の走行距離減を誤差というこれもガバガバ理論。

    1. ま、電気自動車売れなきゃ困る企業ですからね 様、コメントありがとうございます。

      >電気自動車使用ならCO2が減り続けるというガバガバ理論

      実際に減少することを記事では証明していますね。反論いただく場合には、感情的にではなく、データを伴って論理的にお願いいたします。それが、他の読者のためにもなります。

      >電気自動車が増えることによる発電所増設、30兆円規模の充電インフラ増設によるCO2発生は無視

      増設するかどうかは今後の経済規模にもよりますが、ガソリン車が増えれば精油所も貯蔵施設も輸送トレーラーも増やす必要があります。同じことですよね。

      >電気自動車の暖房使用時の20〜30%の走行距離減を誤差というこれもガバガバ理論

      平均電費を用いていますので、暖房時の効果も反映しています。

      いずれにしろ、当論文に基づく計算では、この小型車のサイズでは、電気自動車のほうがライフサイクル排出が少ないということが分かりましたが、これにはまだ先があります。
      まずは大型セダンやSUVについては、これ以上の差が出るということ。ガソリン車は、大きくなればなるほど効率が低下するのです。だから各企業は必至で重量の軽減に努めるのですが、電気自動車はサイズが大きくなっても効率は低下こそすれ、ガソリン車ほどは低下しない。
      https://www.fueleconomy.gov/feg/Find.do?action=sbs&id=41917&id=42278&id=41974&id=43413
      これを見て頂けると簡単に比較できます。eMPGというのは、ガソリンを一定のエネルギー量と仮定して、電気と合わせて比較できるようにした指標。これが大きいか小さいかは単純比較はできないのですが、小型車では電気自動車/ガソリン車のeMPG比が約2.5。しかし大型SUV(米国基準では中型SUV)ではeMPG比は約3.5。つまり、電気自動車のほうが効率が高く、結果として排出もより少なくなるということが簡単に分かります。
      二点目は、将来の話です。今後発電網は低炭素化することが決まっています。結果、電気自動車の排出は、今年より来年、来年より再来年のほうが低下するのです。そして、10年後の2030年ににも、2020年の今年購入した電気自動車の排出は下がるのです。ガソリン車の継続的な燃費改善はとても重要なことですが、残念ながら販売した瞬間から、ガソリン車の排出は低減することはありません。

    2. >残念ながら販売した瞬間から、ガソリン車の排出は低減することはありません。
      ちょっと語弊があるので勝手に付け加えますと、一応バイオエタノールやe-fuelを使うことでCO2排出量を減らすことは可能です。

      ただし、前者は極一部の国で成功例があるだけで100%バイオエタノールにすることは現実的に難しく、日本ではほとんどのバイオエタノール事業は失敗に終わっています。またバイオエタノールは温室効果の高いN2Oの排出量が2倍のため、温暖化対策には不向きなのではないかという意見もあります。その他にもバイオエタノールの生産や販売までのCO2排出量や世界中の全車両分のバイオエタノールを供給できるのか?などに関していろいろの問題がありますが、長くなるので割愛します。

      e-fuelは作る過程のエネルギーをどこから持ってくるかという問題があり、再生可能エネルギーから作るのであれば、実用化していないのでわかりませんが変換効率、設備人件費、輸送費を考慮すると充電したほうが良いと思われます。

      このようにバイオエタノールは作れるには作れるが、自然環境への影響や生産量や効率など、実際にやってみないとわからない部分が多く、安易に舵を切ることは出来ず、e-fuelに関しては効率や価格的にEVに負ける可能性が高いと思われます。

  21. たばたさんへ:温排水に関するブログ見つけましたんで見てください。URLリンク張りましたー!
    2011年の原発稼働停止以降、温排水が減って気温が若干下がったと当時のニュースにあったので気にしてたらこの手の研究をしている方のブログが見つかった次第。
    蓄電技術も直流送電(HVDC)技術が盛んになればより進むでしょ。太陽光発電のパワーコンディショナーも電気自動車の蓄電池もおおむねDC400Vですし、それらを統合したデータセンターも停電に10日以上耐えられるとありますし。さらに大規模蓄電用のレドックスフロー蓄電池も30年以上前から研究されてます(工学部応用化学科の授業で確認した)。
    そういうことを知らへん人に話をしてもあんま相手にされへん…それツライわホンマ。

  22. 素晴らしい検証ですね。今各国で進んでいるEV化の加速の原点確認になっていると思います。しかしながらCO2の発生だけで評価するのはどうなのでしょうか?つまり発電の際のCO2だけでなく、大量の温排水も考慮しないと、地球温暖化の対策にならないのではないでしょうか?
    政府の電力供給計画では古い石炭発電を減らすという記事が出ていましたがグラフをみると原発が3倍となっていました。温排水をCO2と比較するのは難しそうですが、これ考慮した分析は、どこかでされていないでしょうか?

    1. たばた様、コメントありがとうございます。おっしゃる通り、政府は未だに、原発を再稼働させるシナリオをベースに脱炭素を計画しています。私はこの計画に対し、きちんと判断できるだけの知識を持ち合わせていませんが、世論が納得しないでしょうし、原発に今更再シフトしなくても、再エネと蓄電に大規模投資すべきではないか、と思います。特に蓄電設備はこれから世界中のトレンドになるのに、日本に(最近の意味での)大規模工場が一個もないのはどうなのかなとも思います。
      温排水について、私は知識がなく判断できません。

  23. とても論理的かつ詳細な検証がなされていて大変勉強になりました!

    自分は環境問題にも関心はあり、今の社会の仕組みをいくつも取っ払ってでも持続可能な社会を目指さなければならないと強く思っていますが、その一方で大のクルマ好きです。

    クルマ好きですからもちろん電気自動車の滑らかで超レスポンスの良い走りも大好きですが、やはり内燃機関も大好きです。アクセルを踏み込むと、それぞれのエンジンが持つ独特のフィーリングや音を伴って加速していく、、、そんな無限の個性を持つ内燃機関が好きです。

    でも電気自動車がエンジン車を飲み込んで行く未来が、論理的に想定できてしまうし、そうなるべきなのかなと自分も思う。そういうジレンマを強く感じています。

    記事の趣旨と全く関係ないコメントですいません!素晴らしい記事でついつい自分の感情も盛り上がってしまい、、、笑

    自動車メーカーの方には持続可能な社会の実現を目指すとともに、小規模でもいいのでエンジンに魅了された人たちのために内燃機関を磨いていって販売して欲しいです。(そういう事をしそうなのがマツダなんでしょうけど笑)
    このような論文をわざわざ執筆しなくとも、素直にエンジン好きだから作り続けますって言っちゃえばいいのにとは思いましたけどね。

  24. こんにちは。
    EVは一般的にエアコンや暖房を使用すると電費が悪化するかと思いますがその辺は加味されているのでしょうか。
    気になったのでコメントさせていただきました。

    1. A 様、ご質問ありがとうございます。この比較では原論文の前提を検証することが目的のため、公的なデータであるEPA基準値で比較しました。そのため、エアコンを含む電装品の消費電力は含まれていません。
      冷房に関してはガソリン車も電気自動車も、同様にエネルギーを追加で消費します。逆に暖房はガソリン車では本来外に捨てている熱を利用するため、追加のエネルギーはわずかであるのに対し、電気自動車は余熱がほとんどなく、暖房にはエネルギーを追加で必要とします。

      その差がどうか、というのは私も考えたことがあります。私なりの結論は「誤差の範囲」。つまり多少、この計算式上ではガソリン車に有利・電気自動車に不利な計算になりますが、それ以外にも多くのファクターがあるからです。
      例えば2つ例を挙げてみましょう。東京含む都市圏では渋滞が多く、回生ブレーキを搭載する電気自動車よりガソリン車・ハイブリッド車のほうが、EPA値より燃費が悪化する傾向にあります。また、地下駐車場やトンネルなどではガソリン車・ディーゼル車から出る熱がこもる・排気ガスが滞留するのを逃がすため、空調換気システムがビルやトンネルに導入されています。これらは電気自動車の比率が高ければ、必要なエネルギーは遥かに少なくて済むのです。
      熱を作るのはエネルギーを食う、という反対に、熱を捨てるのもエネルギーを食う、という課題もあるわけですね。

      さらに、10年後の2030年、日本の発電電力構成比は変わり、排出は東電で比較すると現在の455gから、エネ庁目標の370gまで18%減少します。今年買った電気自動車は、10年後、18%も排出が減少するわけです。
      上記の議論がある程度誤差の範囲に収まることは、おおよそ想像いただけるかと思います。

  25. YasukawaHiroshi様
    面白い検証記事ありがとうございます。
    ただ、どの市場を評価しているのか読んでいて混乱しました?

    日本語の記事なので、日本の市場のことを書かれてるのだと思いましたが、米国EPA基準をあえて使うことに違和感を感じました。私はアメリカに住んでいたこともありますが、アメリカは、一般道でも時速60-65マイル(時速96キロ-104キロ)まで加速します。自動車雑誌で0-60マイル加速が取りだたされているのは、一般的に市場の人々が性能を感じるシーンだからです。またHWYの比率が高いのも米国の特徴です。
     
    日本には、そのようなシーンは加減速があると思えませんし、高速道路も有料の上に土地がないので米国ほどネットワークがありません。JC08の方がさすがに日本の市場の条件に合ってると思います。アイドリングが長く、加減速が少ないのが世界の中で日本の道路事情の特徴です。道路が狭く、車線が少なく、速度が遅い。

    米国と日本で条件を分けて算出された方がフェアだと感じました。
    米国市場の評価として上記を理解しました。日本市場版も算出しないのでしょうか?
    その結果も見てみたいです。

    あと、3つ上くらいで反論されてますが、その有利な米国市場でも税金を大量投入してEVを販売しています。1台当たり、7500ドルのインセンティブが国から入り、カリフォルニアだとさらに2500ドル。合計で100万円以上の税金が投入されています。
    それでも対して売れてないですよね。。。

    結局、日本市場の話をしてるのか、アメリカの話をしてるのかが入り混じってて、読んでて????でした。

    1. たかのぶ様、コメントありがとうございます!

      >>JC08の方がさすがに日本の市場の条件に合ってると思います。

      JC08で、一度達成できるかどうか、試されてはいかがでしょうか?ほぼ、不可能だと思いますよ。

      EPA基準は、米国では達成難しいですよね?なぜかというとハイウェイの平均速度は70mphを超えるからです。日本では、このEPA基準、ガソリン車でも電気自動車でも、高速道路をある程度含めない限り、達成するのがギリギリな感じになります。
      また燃費基準と、この論文の正誤は関係ありません。当論文は、バッテリーを無理に交換するシナリオにしている点、そして将来的に電気自動車の排出は毎年減少していっている点を失念している点で、ある程度化石燃料車にバイアスがかかっていると判断しています。

      当記事の目的は、元の論文の前提が適切でないことを指摘することが目的です。そのため、論文の結論は鵜呑みにすべきではない、というのがポイントです。海外での排出源データを用いた比較については、こちらの記事にまとめていますので、よろしければご覧ください。
      https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/ev-global-life-cycle-co2-emissions-less-than-ice/

  26. 以前お電話でお問い合わせを頂いたときには、ここまでしっかりとした検証をされる予定とは思っておりませんでした。私どもにとっても勉強になりました。ありがとうございます。

  27. こんにちは、たまに現れては批判的な書き込みして嫌われ者で無ければよいですが(笑)

    個人的な結論は自動車という便利な道具を使用する以上CO2排出というものは内燃機関だろうがEVだろうが大した差は無いって事ですね。

    これからEVは自動車の一つの選択肢となり普通に増えて行くとは思いますよ、ただ今は売れないEVを税金を使って強引に売るのはどうなんでしょうか?何だか腑に落ちない・・
    大事なのはこれからも何十年主流として売れ続ける内燃機関の更なる性能(燃費)向上こそ重大な課題でしょうに・・

    ところで世の中温暖化だの排ガスだの気にしてクルマを購入するのはエコヲタクのみであり、普通の方は財布に優しければガソリンだろうがEVだろうが構わないのです。
    2010年ごろから電気自動車は次期自動車として期待されており、2020年ごろには20%普及なんて記事も見かけます、CD、デジカメのように新たな価値があり、便利なものは自然と急激に普及します、EVは価値は内燃機関と変わらない(静か等は趣味の領域)、不便だから普及しない、それが実態であり現実です、多分10年後も同じような状況だと自分は思いますがね。

    1. そえとも 様、コメントありがとうございます。批判的な書き込みをされるのはありがたく、感謝いたしております。ただ私から反論させていただいた場合、きちんとエビデンスの提示や反証がないことが継続されるなら、今後コメントを掲載できなくなる可能性もありますので、ご注意いただければと思います。

      >個人的な結論は自動車という便利な道具を使用する以上CO2排出というものは内燃機関だろうがEVだろうが大した差は無い

      結論部分をお読みいただきましたか?
      ガソリン車は今後10年後も、排出量は変わらない。
      電気自動車は2009年発売の電気自動車ですら、毎年排出は減少し続ける。
      「現時点で最新の車両でかつ発電ミックスが変わらなければ」というあり得ない条件のもと、比較した場合、若干電気自動車のほうが排出が少なく、マツダさんの出している結論は誤っていた、というのがこの検証の結果です。
      そのうえで、10年後、本日発売されたガソリン車の排出が減少する可能性があるなら、またそういう技術があるのであれば、ぜひ教えてください。

      >今は売れないEVを税金を使って強引に売るのはどうなんでしょうか?何だか腑に落ちない・・

      そんなことをしている人・企業があるのですか!?
      買いたくなければ買わなければいいだけではないでしょうか。別にそんなに安いわけでもないですし。
      事実の検証と、好き嫌いを混同されないほうがいいと思います。

      >大事なのはこれからも何十年主流として売れ続ける内燃機関の更なる性能(燃費)向上こそ重大な課題

      その、10年後の燃費削減目標=排出削減目標は、どの程度なのでしょうか?
      ご存知かとは思いますが、排出削減は、パリ協定で、日本を含む187か国(団体)が批准しています。そのあたり、国民の法的な義務になっていることは了解されていらっしゃいますよね?

    2. すばらしい
      それが実態
      たとえば、DVDは優れているから20年以上も愛されている
      CDも、然り
      スマホは2005年には、まだ一般的では無かった
      当時、スマホのような携帯電話、スマホのようなパソコン・タブレット
      さえ一般的では無かったが、2010年から2015年という短いスパンで
      現在の成熟した?スマホに移行してきた。

      仮に、EVが環境に対して・ユーザーに対して、優れていれば
      おのずと、急激にEVへとシフトするはずです。

      環境は、そこに生活する人間が壊してきたけど、良い方にも移行する。

  28. ご返信ありがとうございます。私も投稿してから改めて調べてみましたが、テスラの新しいモデルは確かにバッテリーの減耗率が大変低く、急速充電を多用しても交換に必要な程の劣化に至るケースが無さそう(どうやら不良交換はユニットごとにできるようですし)のが分かりました。…個人的に言えば実質無限の航続力を持つ内燃機関からすれば不便であることに変わりはありませんが。

    しかし、そこで気になるのがテスラの減耗率が現在の標準的なパワー型リチウムイオン電池の標準的な減耗率より遥かに少ないと言う事実です。テスラは水冷の冷却装置と大量のバッテリーを運用することによる充電サイクルの少なさから達成できているものと考えられます。水冷冷却はテスラ以外での使用は少なく(恐らくマツダの論文時には唯一)、又マツダの論文で比較されたのは旧マツダ3と同等のクルマとのことですので恐らくリーフでしょうから空冷です。又、バッテリーも容量が少ない為充電サイクルが短く、減耗率も高いでしょう。実際のレポートでもそれなりに減少しています。もしリーフを内燃機関車並みの年数使用するとした場合、通常のリチウムイオンバッテリーの減耗率と考えるのが妥当であり、交換を視野に入れるのは当たり前でしょう。

    テスラの数値は全EV(2019年の世界のEV販売台数予想515万台、テスラ36万5000台)からすれば少数派かつ最高級レンジの特殊な数値ですので、マツダの論文がそれほど恣意的なモノではないといえないでしょうか?又、邦貨で倍近い価格差のクルマを比較するのは流石にやりすぎでは?やはり比較するなら累計生産数が多く、価格も近いリーフと比較すべきでしょう。

    EV業界は進歩が速く、何れ内燃機関を凌駕することは濃厚です。ですが、その上向きの空気に当てられて有象無象のメーカーが無差別で出せば、悪貨が良貨を駆逐することもあり得ます。マツダのLCAの論文は、リサイクル、適正容量、規格標準化等を踏まえた正しいEVの進化を促す基準作りに役立つとは思います。

    1. 廣常様、コメントありがとうございます。

      リーフの発売は2010年、テスラモデルSの発売は2012年で歴史としてはもちろんリーフのほうが古いのですが、
      http://www.ev-volumes.com/country/total-world-plug-in-vehicle-volumes/
      数で見ると、ここ1-2年で出すレポートとして、バッテリー冷却システムのない車両を例に上げるのはちょっと無理があるように思います。
      またこのあと、バッテリー冷却システムを装備していない車両は私の知る限り販売されていません。

      またLCAを語る際、問題となるのは10年後までの総排出量の合計です。日産以外のすべてのメーカーがバッテリー温度管理システムを導入する現在、これ以降、バッテリー冷却システムなしに電気自動車が市場に投入されることは、考えにくいのではないでしょうか?

  29. チキュウオンダンカがペテンである以上二酸化炭素などどうでも良い事。効率よくエネルギーを使用すればユーザーのお財布に優しい、それだけの事。
    電気自動車はインフラ整備時にエネルギー(資本)を使用し、送電時充電時のロスがどれ程になるかがすっぽり抜け落ちている。
    再生できるエネルギーなど存在しないし太陽光パネルは廃棄問題があり、原子力は未完成を無理に使った事でフクシマの惨劇を生み廃炉についてどれほどエネルギーを使うのか試算も出来ない。
    こした論議が出来るようになったのはマツダのエンゾニアリングへの誠意のおかげ。他メーカーも工学系の人は心の内でマツダに拍手を送っている。チキュウオンダンカペテンの空気を打ち破ったマツダはエライ!

    1. 鉄瓶二十八号様、コメントありがとうございます。

      >>電気自動車はインフラ整備時にエネルギー(資本)を使用し、送電時充電時のロスがどれ程になるかがすっぽり抜け落ちている。

      ??それを計算して検証したものが、当記事です。マツダさんの論文は、ミスリーディングであるという結論です。あと石油インフラはなんか開発が必要なくて、太陽光発電みたいに自動で原油が湧き出てくるような間違った印象をお持ちではないですか?
      原油は毎月毎年、新たに井戸を掘り、採掘し続ける必要があります。
      また送電時、充電時のロスは、すでに私の記事の計算に入っています。

      >>他メーカーも工学系の人は心の内でマツダに拍手を送っている

      当サイトは、論理的でないか、または他の読者の方の役に立たないような、ほんの一部の書き込みは掲載していませんが、多くの反論はそのまま掲載した上で、議論することを推奨しています。
      もし当記事に反論がある方がいらっしゃるなら、なぜ反論が書き込まれないのでしょうか?

      盲目的に大会社のおっしゃることを信じず、公開された場で検証する態度こそが重要ではないでしょうか?

  30. 論文とは筋違いですが、EVは一軒家でセカンドカーじゃないと現状では厳しそうです。
    うちのマンションも充電設備の設置は住民の多数決で完敗しましたし、商業施設に行くと、充電完了してるから早く退かせ的な館内放送がしょっちゅう流れているし、日産もランニングサポートのハードル上げたし…。

    昔、僕が小学生の頃よく遊んだタミヤのラジコンカーのように、電池パックを交換して、即、継続走行とかできるようにならないですかね?

    1. 松田さん 様、コメントありがとうございます。

      >>EVは一軒家でセカンドカー

      一軒家ならまず問題ないでしょう。おっしゃるように集合住宅では、まだ理解が得られにくいところが多いと思います。
      しかしながら一部の分譲マンションや賃貸住宅でも、充電器の設置が進んでいます。今後もこのような記事を取材して増やしていく所存です。
      https://blog.evsmart.net/home-charging/

  31. テスラが一般的な電気自動車かどうかわかりませんが
    テスラの充電制御は特殊です。
    大量の円筒形セルを監視して温度を上げないようまんべんなく充電することで劣化を防ぐみたいな内容だったと思います。どこかに記事があります。(モーターファンだか日経だったか…)
    なのでフレームから電気自動車専用に考えて作られているモデル3とリーフを比較するのは酷だと思います。
    あと急速充電は劣化には影響が少なく充電時の温度が関係するってQualcomm(半導体会社)が記事を書いています。

    1. テスラ、良い車だと思うのですが高いですよねー。
      18650を何千個、一個千円だとすれば何百万円のバッテリー。
      できれば庶民的な話も聞きたいですよねー、リーフより売れてる中華EVの話とかは出てこないのだろうか?

    2. e-nv200を再販してくれ 様、コメントありがとうございます。
      当サイト、右上の方に虫眼鏡アイコンがあります。そこで検索ができますので、そこに「中国 電気自動車」で検索してみてください。
      今後も中国のニュース含め、海外からのニュースを積極的に配信していきたいと思います。

  32. テスラが25万キロ走って10%の劣化って、実測値ではなく推測値ですよね?
    ちょっと甘く見積もり過ぎな気が

    1. かみ 様、コメントありがとうございます。
      推測というか、実際にプロットされている実データも見えると思いますので、統計による推測値ですね。実際にこういう例はあります。
      https://blog.evsmart.net/ev-news/tesloop-480k-km-battery/
      48万キロ走行で12.6%劣化とのことです。この会社は今はビジネスモデル変えてしまいましたが(昔は急速充電、ビジネス利用でも無料だったのです)、毎日1000km以上走行させるような走らせ方を複数台でしていただけでなく、それらのデータも公開しています。

  33. 二点伺いたいことがあります。
    1、再生可能エネルギー設備(日本では太陽光パネル)のCO2w-wはどのように考えてますでしょうか?
    ちなみに日本に多い、山間部等に設置した場合、本来森林であればそこのco2を減らせることも考慮していただければと。

    2、本旨とはずれて申し訳ないのですが、EV車が増えた場合の日本の発電量についてはどうお考えでしょうか?
    個人的にはいわゆる原発が多数再稼働+新設するか、核融合が出来ない限り、EV比率はある程度まで抑える必要があると考えております。

    1. りく 様、コメントありがとうございます。

      >>1、再生可能エネルギー設備(日本では太陽光パネル)のCO2w-w

      私は当記事ではGaBiの電力あたりのWtW排出しか取得していませんので、GaBiと契約しない限りWtWでの太陽光発電の排出原単位は分からないと思います。

      >>EV車が増えた場合の日本の発電量についてはどうお考えでしょうか?

      https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/ev-and-fossil-fuel-power-station/#title03
      こちらで計算していますが、現時点ですべての乗用車を100%電気自動車に交換するとしたとして、総発電電力量は10.1%増加する必要があります。

  34. 現時点の試算として走行距離が9万キロでガソリンとEVが逆転という事ですが、
    新車で手に入れて短期間で9万キロも走る車は過走行車ですし、
    例えば一般的なカーリースや残価設定ローンを参照すると5年契約だったり、走行距離に5万キロ程度の上限がある場合があります。

    毎日通勤で使っているといった場合は、走行距離が延びると思いますが、9万キロの分岐点が当てはまる使い方の人ばかりではないのでは?と思いました。
    5年5万キロで乗り換えてしまえば、内燃車との差が開く一方ですよね?

    1. れい 様、コメントありがとうございます。地球温暖化を気にするからライフサイクル排出が気になるというわけで、そのためには、いくつかの経験値から全体を推測するのではなく、平均値などの数字を用いて試算したほうが良いと思います。
      日本国内での乗用車の平均使用年数は13年、貨物車は17年です。
      https://www.airia.or.jp/publish/file/r5c6pv000000ogyc-att/(3).pdf
      また、おっしゃっている9万キロ、というのは現時点での、電力網の排出がそのまま維持されたら、という前提のもとに試算したものです。電力網は低炭素化することを法律で義務付けられており、2030年は370g-CO2/kWh程度を目指すとしています。これはWtWの値ではなくて発電所のものですが、同等のデータの2016年(当記事のデータも2016年のものです)は516gですから、電力の排出原単位(WtW)も10年後には約28%減になると推測できます。電気自動車は10年間で28%減、しかも、2009年に販売された電気自動車も、この低排出の恩恵を受けられ、排出が低下します。
      そういう意味で、電気自動車は常に内燃機関車より低排出で、その排出量の差は(電気自動車が少なくなる方向に)開く一方です。

    2. 横から失礼しますが、れいさんの言うように5年5万キロで乗り換えたとしても、その車両は普通廃車にはなりません。中古市場にでてまた誰かが乗っていくことになります。5年5万の時点で比較することは間違っています。

  35. テスラの車両のバッテリーの劣化率ですが、確かテスラはバッテリーにリミッターを付けて、フルに使用しないようにしていたはずです。フロリダの台風の時にユーザーの電欠対策の為にリミッターを外して使用領域を広げたことがあります。つまりテスラのバッテリー劣化率は使用負荷を下げて運用している為の数値ではないでしょうか。

    又、急速充電を多用した場合、劣化率は上昇すると考えられます。今の電気自動車の充電時間はガソリン車とは比較にならない程遅いので、ガソリン車に対抗するならば、ほぼ急速充電にしないと公平性がありません(それでも圧倒的に遅いのですが)

    結局今のEVは恵まれた環境を持つアーリーアダプターが使用したシチュエーションであり、もう少し厳しい使用方法・環境を想定しないと公平性に欠けると思います。そういう意味ではマツダもそこまで突っ込んではいないので本論の内容とは筋違いなのかもしれませんが。

    因みに、以前会社で使用していたEVは冷暖房を使用すると驚くほど電費が悪化し、ヒヤヒヤしながら使用していた記憶があります。

    1. 廣常敦雄様、コメントありがとうございます。

      >テスラはバッテリーにリミッターを付けて、フルに使用しないようにしていたはず

      いえ、そのような国内メディア()の記事がありましたが、それは残念ながら間違いです。リミッターが付いているのは、40kWhモデル、60kWhモデルの一部のみ。当該該当車両のみ、制限されているバッテリー容量を、災害時に開放したのです。私の車両はTM-Spyを使えるようにしてあり、
      https://blog.evsmart.net/tesla-model-x/using-tm-spy-via-tesla-diagnostic-connector/
      電圧を測定できますが、満充電では4.20V程度まで充電されます。これはNCAのリチウムイオン電池の最大充電電圧であり、完全に限界まで使用していることが分かります。逆に、国産の電気自動車では、100%充電しても4.20Vまで充電されることはありません。

      >急速充電を多用した場合、劣化率は上昇すると考えられます

      恐らくそうなると思います。
      急速充電ばかりしている車の統計、というのは私の知る限りないので分かりませんが、一点出てきているデータがあります。
      https://blog.evsmart.net/ev-news/tesloop-480k-km-battery/
      この車は毎日ハイウェイを500-1000km、急速充電のみで走行するという運用を行っており、それでも48万キロ走行後、12.6%しか劣化しなかったというデータです。

      >以前会社で使用していたEVは冷暖房を使用すると驚くほど電費が悪化

      いまはそんなことはないですよ。ご安心ください。特に冷房ではほとんど変化はありません。暖房時は航続距離が減少しますが、現時点で販売されている電気自動車は300km以上満充電で走行できますので、2-3割程度減少したところで大して問題にはならないんです。

  36. この記事ではバッテリーに焦点があてられてますが、モーターとインバーターについてもマツダ論文はいい加減なんですよね。エンジンや変速機よりはるかに軽く、材料を使っておらず、部品点数も少ないのに、生産時CO2をエンジンと変速機同等としてるのは杜撰極まりない。
    その他に、年々発電時のCO2も減ってるのに、2013年辺りでずっと固定しての計算など、つっこみどころありすぎです。

    これらを全部加味したなら、1、2万㎞でEVが逆転しますよ。

    1. はっち様、コメントありがとうございます。
      おっしゃる点ですが、モーターとインバーターについては以下の論文が根拠になっていますね。エンジンと変速機同等としているわけではなかったです。
      https://doi.org/10.1111/j.1530-9290.2012.00532.x

      発電時の排出については、確かに彼らのGaBiの値は2013年ベースでしたね。私の試算では、2016年度の値を使っています。これが現時点で入手できる、最新のGaBi排出原単位データとなります。
      https://www.fepc.or.jp/resource_sw/20_environment_01.gif
      このグラフを見る限り、2013年の値を使うとガソリン車に有利になるかもしれませんね。なかなか面白い点のご指摘ありがとうございます。

  37. まあ正直、思いっきり利害関係者が書いた論文って時点で
    中立性も公平性もないし、それは論文といえるのか?
    エンジン派の主張であるということはいいのだが

    (実はトヨタは、昔「現状の石炭火力発電を多く含む米国の電力構成であっても、PHVとEVはCO2削減に有効という試算を公表したことはある)

    >ドイツは現時点ですでに総発電電力量の46%をも再生可能エネルギーで発電しています

    問題はそのほとんどがドイツ北部の安定した風量を生かした風力であって太陽光ではないこと
    残りの半分のうち、石炭の中でもさらに二酸化炭素退出量が多い褐炭を燃料にする発電所が多いこと

    1. ando様、コメントありがとうございます。

      >問題はそのほとんどがドイツ北部の安定した風量を生かした風力であって太陽光ではないこと

      でも別にドイツが特異点なわけでもないと思いますよ。ちなみに、ドイツでは、再生可能エネルギーのうち、太陽光の比率は19.3%、風力の比率は51.9%です。
      https://www.agora-energiewende.de/fileadmin2/Projekte/2019/Jahresauswertung_EU_2019/172_A-EW_EU-Annual-Report-2019_Web.pdf
      EU全体でも34.6%に達しています。データを見ると、EU28か国のうち再生可能エネルギー率が30%を超えているのは17か国もあります。またドイツも太陽光発電/再生可能エネルギーの比率は20%近くあるわけですが、他にイタリア、ギリシャ、ベルギー、オランダなども20%を超えています。

      >残りの半分のうち、石炭の中でもさらに二酸化炭素退出量が多い褐炭を燃料にする発電所が多いこと

      褐炭の発電は上のリンクした表ではLigniteとして表記されていますが、Table 3でEU-28の欄のLigniteはマイナス48.8%ですから、ここ1年で半減しています。ドイツ国内でもマイナス32%となっています。

  38. C02排出のシミュレーションって前提条件で変わるし、販売台数が変われば総排出量も変わるので、ガソリン車もEVもほぼ同じということでいいのではないでしょうか。また、今後ガソリン車1台あたりのCO2排出が大幅に下がることもないでしょう。そんなところに投資するなら、EVに転換したほうがいいと思います。
    それよりも、石炭や石油の消費を減らすにはどうしたらよいかを考えたほうがいい。仮にガソリン車がすべてEVに変わったら、確実に石油消費が4割減ります。電気作るのに石油が必要だと言われても、電気は再生可能エネルギーや原子力でも作ることができます。
    原油の使いみちは、化学製品が2割、自動車の燃料が4割、残り4割が電力、工場等の燃焼用、大型輸送機の燃料、家庭、事務所の暖房です。この中で大幅に原油消費を減らせるのは、自動車の燃料です。他は簡単には減らせない。自動車のEV化しか道は残されていないのです。

  39. とはいえ勤務先で過去に営業で使っていたリーフは結構いいペースでセグメント(フル充電位置計)が減っていって、最後は9セグメントくらいになっていて使い物にならなかった。感触的にここが使用終止容量、年間3万㎞程度で5~6年使ったのかな?
    この記事のテスラって米国の郊外道路みたいにストップ&GOがあんまりない地域の車なんじゃないかなー。日本って30mごとにStop&Goがあるシビアコンディションなので
    結構頻繁に急速充電してた経験がある=バッテリーの充放電サイクルが頻繁だったから?なんかセルが均等に劣化せずに一部劣化で全体に影響してるみたいな説明だった。
    スマホと同じだねーなんて同僚と話してた。でバッテリー交換に70万円します。ってなって、会社から消えた。記事みたいにそんな長い距離バッテリー交換無しで行けるとは思わないけどなー

    1. Hyse様、コメントありがとうございます。
      そのリーフの充電状態はいかがですか?常に満充電で放置ではないでしょうか?初期型は、多分普通充電だと100%まで充電してしまうので、タイマーで切らない限り劣化一直線だと思います。これ自体は設計の問題とも言えると思いますが、今ではすべて解決されていると思います。
      テスラのデータについては、世界中の車が登録されていますので何とも言えないですね。逆に、Stop&Goが多いと、バッテリー寿命に影響するという理由は何でしょうか?通常、バッテリーの業界では、温度が高い状況で劣化が激しくなると言われており、リーフの事例でもテキサス州などで問題が多かったと聞いています。例えば
      https://blog.evsmart.net/ev-news/tesloop-480k-km-battery/
      この車両などは毎日砂漠の中を急速充電だけで過ごしており、48万キロ走行で12.6%しか劣化していません。以前私が乗っていた車はこんな感じ。
      https://blog.evsmart.net/tesla-model-s/battery-degradation-after-2-years/
      実際のデータに基づいて判断すると、今後発売される電気自動車では恐らく、電池寿命は問題にならないと推測できると思います。逆にもしテスラより劣化する電池を使っているメーカーがあったら、そのメーカーの車は売れなくなるのではないでしょうか?そんなことがあるはずがありませんよね。

  40. こういう検証記事は素晴らしいです、ぜひ論文になってほしいくらいです。
    ライフサイクルアセスメントはここ10年くらい言われているけど、まだまだ微妙な感じがしていたので、今以上に議論が活発化すべきと思っています。

    全く話は変わって、EVじゃなくてもLCA的には電車もかなりCO2を出すと思うんですがこういうのとEVを比較するとどうなんでしょうか(レールを交換するたびに大量に鉄を使い、大量に鉄を使う関係で大量にコークスを使い、さらにはコークスは莫大なエネルギーを使って石炭から作っているので…)。あまり調べてもまじめな内容が出てこないので気になります

    1. たかてぃ様、コメントありがとうございます。
      電車ですね、、これについてはあまり調査を見たことがありません。電池を搭載していないので主にレールと電力かと思いますが、消費電力は私も確実なデータは手に入れたことがありません。多分電鉄会社さんなどは自社のデータはお持ちだと思います。何キロワット時使って何キロ走行したかなど。。ただちょっと検索した限りでは、まず1kWhあたりの消費電力では満員時は明らかに電車の勝ちだと感じました。問題は半分乗車でもまだ低排出なのか(私見ではこのくらいならまだまだクルマよりは低排出)、じゃ過疎地域のような場合にラッシュ時もそれほど満員にならない場合、電気バスに置き換えた場合などの試算はいずれ必要になると思います。
      レールは耐用年数が長いというのもあり、1km走行あたりの排出は少ないのではないでしょうか。

  41. 解説どうもありがとうございます。
    なるほど。マツダの論文はちょっと前提がずれているように感じますね。
    ただ、EVってCO2排出削減の切り札で、なんとなく排出量1/2、1/10というオーダーをイメージしてましたので、-17%でも正直あまり印象は変わりません。

    35.8kWhの場合、航続距離の実用性や充放電回数増によるバッテリー劣化が気になります。似たようなオーダーならハイブリッドの方が普及が早くて実用的なので良さそうですが、近年のヒステリックなCO2削減圧力に対しては団栗の背比べですね。

    再生可能エネルギーは2016-2030年の間に2.1~3.1倍の成長を見込んでいるそうで、発電資源に占める割合は5.7%から、ざっくり15%くらいになって、CO2削減は1割ほどでしょうか。15年費やしての伸びとしては小さいと感じます。
    それでも技術の進歩への期待はありますし、状況は年単位で変わっていくでしょうね。

    1. kii様、コメントありがとうございます。

      >なんとなく排出量1/2、1/10というオーダーをイメージしてました

      実際に2030年にエネ庁が言っているような電源構成になると仮定すると:
      https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/tokushu/ondankashoene/co2sakugen.html#topic02
      先ほどの、35.8kWhの電気自動車とガソリン車の比較では、-30%くらいになると思います。厳密な計算ではありませんが、大体そのくらい。もちろん、石炭火力が足を引っ張っています。もし日本がこの2030年の電源構成を実際に実現したら、先進国では最も低炭素化が進んでいない国になるかもしれません。低炭素化後進国ですね。。

      >再生可能エネルギーは2016-2030年の間に2.1~3.1倍の成長を見込んでいるそうで、発電資源に占める割合は5.7%から、ざっくり15%くらい

      上記資料から20-22%と推測されているようです。私の、-30%の見積もりは再生可能エネルギー比率21%で計算しました。
      いずれにしろ、カリフォルニア州では2045年に再生可能エネルギー発電100%を目指していますし、ドイツは現時点ですでに総発電電力量の46%をも再生可能エネルギーで発電しています。日本が10年先の2030年時点で「22%くらいしかできないんだよー」というのは、かなり政策が弱い(=国民全体の興味も、ですよね)と言わざるを得ないと思います。
      カリフォルニア:https://leginfo.legislature.ca.gov/faces/billNavClient.xhtml?bill_id=201720180SB100 法律なので読みづらいですが、”California sb 100″で検索いただければ解説記事等も出てきます。
      ドイツ:https://www.reuters.com/article/us-germany-power-outputmix/renewable-energys-share-of-german-power-mix-rose-to-46-last-year-research-group-idUSKBN1Z21K1

  42. 興味深い記事ありがとうございます。
    なかなかこういう試算を目にする機会が無く、参考になりました。
    算出頂いた数字のみを見ると、ガソリン車とEVのCO2排出量は思ったほど差が無いですね。84kg-CO2eq/kWhで10万km時で3%、15万kmまで引っ張って14%削減くらいですか。EVはもっと劇的なものだと思っていました。
    温暖化を気に病むなら、ガソリン車とEVどちらも有害という印象です。
    この程度ならSUVのような大型車や過剰な動力性能の乗用車を規制する、または効率的な交通網に投資するほうが先かなと思います。

    Skyactiv Xは・・うーんという感じですね。過給機にマイルドハイブリッドまで入れて、ずいぶん大柄で高コストに見えます。普及価格帯の車には展開が難しいでしょうね。

    1. kii様、コメントありがとうございます。
      ちょっと表の見方が違います。今回はマツダさんの論文の前提が(恣意的に?)古くガソリン車に有利なデータを使用していることにより、結論が現実と大きく乖離している点を指摘していました。
      実際には同格の車両で比較した場合、バッテリー容量は35.8kWhとのことですから、10万km走行時点でEVはガソリン車に対し-17%の排出となります。
      別の方へのコメントでも書きましたが、この-17%、毎年少しずつ広がっていくのです。ガソリン車の燃費は、販売したらもう変わりません。しかし、EVの排出は毎年、自動的に減っていくのです。

    1. d様、コメントありがとうございます。
      残念ながら間違いです。当比較の現時点では、MAZDA 3 X PROACTIVE 2WD 6EC-ATとテスラモデル3ロングレンジを比較して9-11万キロという値を出しましたが、これはバッテリー容量も75kWhと大きく、性能も:
      ガソリン車:4460x1795x1440, 132kW/224Nm
      電気自動車:4694x1933x1443, 192kW/430Nm
      と、電気自動車のほうが性能は圧倒的に上回っています。そして、重要なことは、来年以降、毎年、ガソリン車の排出は走行距離に応じて増加するのに対し、電気自動車の排出は電力会社の低炭素化によって、毎年少しずつ減少し続けるということです。ガソリン車を使う限り、低炭素化を進めるには、低燃費化しか方法がなく、限界が近づいています。再生可能エネルギーの比率が高まることにより、電気自動車のライフサイクルでの排出は半減させることすら可能です。最後の結論のところにまとめてありますので、よろしければお読みください。

  43. 暖房用に使われる原油のほうが、原理的には代替すべきですけどね…

    電熱線はさすがに非効率ですが、ヒートポンプや太陽熱やその他でも電力より熱のほうが容易です。移動が難しいので近くで利用する必要がありますが

    航空機や船は、特殊なものを除いて、人や物資の輸送に使う旅客機や大型貨物船を電気で代替するのにはまだ技術的ハードルは(EVよりも)高そうです

    航空機はバッテリー含めたパワーウェイトレシオが、船は単純にサイズが大きければそれだけバッテリーも必要になるのでコストが問題になる。(船舶用超大型ディーゼルエンジンは自動車用より変換効率は良いから比較優位の問題もある)

  44. この手の議論は飽きた。わざわざCO2を持ち出さなくても、原油が限りある資源であることを考えるならば、代替できるものは代替したほうがいい。原油は、自動車の燃料だけに使用されているわけではない。自動車の燃料以外に6割以上使用されているので、そちらに回したほうがいい。ガソリン車とEVのCO2排出量がほとんど同じで、排気ガスが大気汚染を引き起こすのならなおさら。持続可能な社会を作りたいなら、ガソリン車は止めるしかない。

    1. 燃料以外に使われてる成分は燃料に代替できないし、燃料に使われてるガソリンもその他の用途には使えません。
      合成繊維や合成樹脂、塗料などといったものに使うためにガソリン、軽油や灯油も精製物として出てきます
      それぞれの用途で使い切らないと溜まってしまう一方になります。
      大気汚染は自然に希釈・分解される限界を超えるから問題なわけで、それ以下で使う分に問題はありませんし、その恩恵で今の文化的生活が成り立ってるわけです。日本の大気は汚染されてません。ディーゼルの黒鉛もメーカーの努力の結果綺麗なものになりました。もっと冷静に考えましょう。

    2. 時々ウォッチャー様、コメントありがとうございます。

      >>燃料以外に使われてる成分は燃料に代替できないし、燃料に使われてるガソリンもその他の用途には使えません。

      実はそうでもないんです。そもそも原油というのは一種類ではありません。軽いものから重いものまで。
      https://imazeki-shokai.com/blog/%E3%80%90%E5%8E%9F%E6%B2%B9%E3%81%AE%E8%A9%B1%E3%80%91%E8%B3%AA%E3%82%92%E6%B1%BA%E3%82%81%E3%82%8B%EF%BC%93%E3%81%A4%E3%81%AE%E5%9F%BA%E6%BA%96%E3%83%BB%E4%BE%A1%E6%A0%BC%E3%82%92%E6%B1%BA%E3%82%81-1326.html
      そしてガソリンなどの軽質油が要らないなら、もっと価格の安い重質な原油を輸入すればいいのです。また重質な原油からも、フラッキングという手法によりガソリンや軽油を作ることが可能です。

      >>大気汚染は自然に希釈・分解される限界を超えるから問題なわけ

      残念ながらそれは国際的な解釈と異なります。少なくとも、温室効果ガスについては一定量を排出していいわけではなく、送料を減らす必要があり、各国は低炭素化にコミットするような政策を取っています。日本でも、運輸部門の低炭素化は目標が設定されています。
      また最近、車が排出するPM2.5は花粉症の原因になっているというレポートがあります。
      https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5941124/
      ↑米国国立衛生研究所サイトに掲載されている論文です。

    3. 工業化学専攻の僕が来ました。安川さんの言われる通りクラッキング等で原油の成分を変えることは可能です。
      石油の成分は専門的に言えば炭素鎖の数で決まり、ガソリンはオクタン(化学式C8H18)になりプロパン(C3H8)の約1/3。ディーゼル燃料の軽油はセタンでC16H34なので仮に軽油が余れば等分割でオクタンになりますよ。重油が余るなら分割して軽油やガソリンにすればいいだけ。設備費がかかっても需給バランスを考えて生成する構造になってますよ!?
      30年以上前の講義で教授が「石油を燃料だけに使うのはもったいない」「原料として残すべきだ」と言ってたのを今も覚えてます。永続可能社会を目指すならマストかと…そしてオイルショックで痛手を被った過去を繰り返さないためにも、電気自動車は必要なのです!!

      あとエンジン車が犯してきた罪として、酸性雨・呼吸器系疾患・大気汚染・光化学スモッグ・温室効果ガス激増・熱波(地球温暖化の表記では生ぬるい!!)…数えればきりがありません(爆)
      人類滅亡を避けるならエネルギーは地産地消にすべきです…いちいち海外から原油を運んで生成したり海辺の発電所から長い送電線を引いて電気を使うより自宅のソーラー発電電力を電気自動車や家庭用蓄電池に蓄電して使ったほうがよほどマシ。逆に現在のシステムが永続不可能であることは災害時のインフラ破損で痛いほどわかっているじゃありませんか!?

      …最後は某相撲評論家ふうにまとめます:「今はそれでいいかもしれない…だがこれが我々悪魔からの諸君たちへの最後の警告だ!再生エネルギー利用者の我々に従うがよい!…さもなくば汝らはもはや生きてゆけないだろう」

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この記事の著者


					安川 洋

安川 洋

日本アイ・ビー・エム、マイクロソフトを経てイージャパンを起業、CTOに就く。2006年、技術者とコンサルタントが共に在籍し、高い水準のコンサルティングを提供したいという思いのもと、アユダンテ株式会社創業。プログラミングは中学時代から。テスラモデルX P100Dのオーナーでもある。

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