予約可能な電気自動車用普通充電器『PLUGO BAR』の真価を探る!

2020年7月21日、株式会社プラゴから事前予約可能なソリューションを備えた電気自動車用普通充電スタンド『PLUGO BAR』の発売が開始されました。スタイリッシュなデザインに込められた思いを、キーパーソンに伺ってきました。

予約可能な電気自動車用普通充電器『PLUGO BAR』の真価を探る!

ホテルやゴルフ場で充電の予約ができるといいのになぁ……

新発売された『PLUGO BAR(プラゴバー)』は、宿泊施設やレジャー施設などの「目的地充電」ニーズを想定して作られたAC電源を利用する普通充電器です。

充電コンセントスタンド『PLUGO BAR』。

まず一見して際立つ特長が、かっこいいデザインです。写真の製品は「木目調」ですが、設置する施設の外観などに合わせて「コンクリート調」や「タイル調」と言った自由なアレンジが可能です。さらに、インターネットによる通信機能を備えており、専用WEBアプリで事前に充電器を予約することができます。

もちろん、普通充電スタンドはいろんな製品がリリースされていますが、従来のメーカーにとっては B to B の「設備機器」という感覚が強いからでしょうか。どうしても堅苦しい印象のデザインがほとんど、というのが正直な印象でした。

また、たとえば宿泊予定のホテル駐車場に普通充電器が設置されていて、フロントに連絡して予約をお願いしようとしても、NCS(日本充電サービス)の認証課金ネットワークに加盟した充電器は予約することができませんでした。現状として、ホテルなどの「目的地」施設には、普通充電器が設置されていても1基だけであることがほとんどでもあり、到着してみなければ「充電できるかどうかわからない」のは、地味にストレスだった、ですよね。

『PLUGO BAR』は、そうしたEVユーザーの「なんで?」を解消してくれる新商品といえます。

壁面型充電スタンド『PLUGO WALL』。

プラゴでは『PLUGO BAR』に先駆けて、壁面型の『PLUGO WALL』という製品をリリースしています。実は、EVsmartブログではこの『PLUGO WALL』に注目して取材をオファーしていたのですが、ちょうど『PLUGO BAR』のリリース計画が進行中。意匠登録などの関係で取材時期を『PLUGO BAR』発表後にすることにして、今回、株式会社プラゴ代表取締役の大川直樹さん、デザインを手がけた山崎晴太郎さん、そして、営業担当のゼネラルマネージャーである髙田亮太さんにお話しを伺うことができました。

【関連ページ】
PLUGO 公式サイト

電気自動車時代の「おもてなし」サービス

写真左から、山崎晴太郎さん、大川直樹さん、髙田亮太さん。

代表取締役の大川さんは、プラゴとは別に『大川精螺工業株式会社』というおもに自動車部品を製造するメーカーの四代目社長でもあります。2017年に日産リーフ(ZE1)を購入したことがきっかけで、日本における目的地充電(宿泊施設やレジャー施設など外出先での普通充電)や基礎充電(戸建てや集合住宅など拠点ガレージでの普通充電)環境の脆弱さを実感しました。

政府などの方針としては経路充電(高速道路SA/PAや道の駅などでの急速充電)が重視されているのですが、実際にそれなりの電池容量を備えた電気自動車を使ってみると、ユーザーとしてはむしろ目的地充電施設へのニーズが高いことに気付きます。自身がオーナーとして電気自動車の魅力は理解していることもあり、「部品メーカーとして自動車産業を下支えするために何ができるか」と思案した末に、自分自身が納得できる普通充電器を提供するというビジネスプランを発想します。

大川さんは、かねて別のプロジェクトでコラボして意気投合していたデザイナーの山崎晴太郎さんに相談。山崎さんも12気筒の名車を愛車にもつクルマ好きで、電気自動車にも興味を抱いており「自分自身が欲しいと思えるようなEVが発売され、自分自身が心地よく使える充電環境があれば」と共感。デザインを受注するだけではなく、山崎さん自身が起業するプラゴ株式会社に出資して、2018年7月、自分たちが納得できる普通充電器メーカーとしてのスタートを切りました。

2人の共感を原動力として起業したプラゴでは、普通充電器を「電気自動車時代のおもてなしサービス」と位置付けています。そのために現在は何が足りないのか。日本の目的地充電における3つの課題を設定して、その課題を解決するための普通充電器作りを目指したのです。

【目的地充電の課題】
●充電予約ができず、目的地で確実に充電できる保証がない。
●EV/PHEVユーザーの特性を想定したスタイルが提供されていない。
●施設側に駐車場管理業務の負担が発生している。


説明資料より引用。

プラゴのデザイナーでもある山崎さんが強調するのは、とくに2つ目の課題である「スタイル」です。現在の電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)のオーナーは、まだまだエンジン車に比べて割高な電動車をあえて購入しているアーリーアダプター。経済的な余裕があって、ライフスタイルにこだわりがある人が多いはずです。ところが、世の中には前述したような課題を抱え、堅苦しいデザインの普通充電器(充電スタンド)が増えつつあります。

「環境を大義名分として、世の中に新たな景観ノイズになるような充電スタンドが乱立するのは残念だと思っていました。電気自動車がまだ黎明期だからこそ、自分自身もEVユーザーになったつもりで、EVの思想に寄り添う、設置環境に調和した価値あるデザインを世の中に発信していきたいと思っています」(山崎さん)

山崎さんは株式会社セイタロウデザインというデザイン会社の代表取締役でもあります。「電気自動車用充電器はデザインのメスがまだ入っていない業界。デザインの力で社会を変えていくことができる価値あるデザインを発信したい」という山崎さん。『PLUGO』の充電器は、そんな山崎さんのそんな想いを具現化したプロダクトなのです。

『PLUGO BAR』の発売で本格的事業展開がスタート!

PLUGO公式サイトより引用。

先行してリリースされていた『PLUGO WALL』の導入実績として、公式サイトで紹介されている『茨城ゴルフ倶楽部』は、2019年5月、渋野日向子プロが国内メジャー『ワールドレディスサロンパス杯』でプロ初優勝、スマイルシンデレラとして人気ブレイクするとともに世界のメジャー初出場初優勝を遂げた全英女子オープン出場に向けて一気に可能性を拡げた舞台です。いち早くこのゴルフ場に設置された経緯は、渋野プロ躍進の一歩となった『ワールドレディスサロンパス杯』開催に向けて駐車場を改装、電気自動車用充電設備の設置を検討していたゴルフ場から、プラゴ社長の大川さんに問い合わせがあったことがきっかけとのこと。

『PLUGO WALL』、『PLUGO BAR』ともに、価格は一般的な普通充電器より少しお高めのよう(導入案件ごとに要問い合わせ)ですが、洗練されたデザインと「予約」という機能を備えることで「おもてなし」としての充電を実現する『PLUGO』のコンセプトは、プレミアムなサービスを提供する施設にふさわしい、ということですね。

充電時にはLEDの演出も!

今回、スリムタイプの『PLUGO BAR』を発売したことで、プラゴの事業が本格的なスタートを切りました。今年4月には営業担当のゼネラルマネージャーとして髙田亮太さんが会社のメンバーに加入。まずは「コンセプトを理解して共感してくれる設置者にお届けしたい。今年度中に10施設20基の導入」を目指しているそうです。

もちろん、「プレミアムな施設だけでなく、個人宅への導入も大歓迎」(髙田さん)です。その場合、予約システムなどは必要ないケースもあるでしょうから、興味のある方は公式サイトから問い合わせてみてください。また、現在の使用では「予約」と「チェックイン(使用開始)」などを管理できる専用アプリに、今後は課金機能を付与することも検討中とのことでした。

日産がアリアを発表し、ホンダは Honda e を発売。さらにこれからレクサスやマツダからもEVの発売が予定されていて、いよいよ日本国内の電気自動車事情も活発になってきました。プラゴのみなさんのように、真摯&実践的に豊かな電気自動車社会の実現を目指している方との出会いには、EVsmartブログとしても勇気づけられる思いです。

「景観ノイズでしかない充電スタンドが溢れて、EVオーナーのユーザーエクスペリエンスがプアになってしまうのは本末転倒です。環境に調和してEV、PHEVユーザーだからこそ得られる体験価値を提供したい」(山崎さん)というプラゴのビジョン。興味のある方はぜひ、プラゴに問い合わせてみてください。

(取材・文/寄本 好則)

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この記事の著者


					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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