日産リーフとアリアの米国での販売が急成長

アメリカのメディア『CleanTechnica』が、2024年、日産の電気自動車『日産リーフ』と『日産アリア』の販売台数が大きく伸びたことを報じています。はたしてどのような状況なのか。記事内容を全文翻訳でお届けします。

日産リーフとアリアの米国での販売が急成長

【元記事】Huge Growth in Nissan LEAF & Ariya EV Sales in USA by Zachary Shahan on『Clean Technica

リーフの第4四半期販売台数は前年比170.4%増

米国で何やら新しいトレンドが生まれているようです。各メーカーが12月に第4四半期、および2024年の年間販売データを発表する中、EVの販売がまるで春に繁殖するウサギのように急増しており、「EVの販売が減少している」という世論は、エルマー・ファッドがバッグズ・バニーにやられて大爆発するように、完全に打ち砕かれています。(すみません、ウサギの比喩はこのぐらいにしておきますね)

米国は先進国の中でもEVの普及が最も遅い部類に入りますが、フォードや起亜、GMのセールスレポートは、EVの販売が急速に増加していると自慢しています。これはクリスマスの奇跡でしょうか? ただ、あるブランドだけは販売台数が減少しました。このブランドは米国で最大のEVシェアを誇っており、米国内のEV販売台数の約50%を占めているため、市場全体の数値も少し下がりました。しかし、これは他の自動車メーカーにとって気にするようなことではなく、EV市場が減速しているという証拠にはなりません。

そんな中、驚異的なEV販売台数増加を報告するメーカーに新たに仲間入りしたのが日産です。

日産リーフの販売が再び伸びています。アルティマ(ティアナ)を脅かすほどではないものの、第4四半期の台数は前年比170.4%増を記録し、2024年全体でも前年比57%増となりました。第4四半期の台数は3,645台(前年の1,348台から増加)で、2024年全体では11,226台(2023年の7,152台から増加)を販売しました。

アリアは前年比47%増の1万1226台

アリアは成長率ではリーフほどではないものの、販売台数では負けていません。第4四半期の台数は前年比30.2%増で、3,765台から4,901台に。2024年全体では前年比47%増で、13,464台から19,798台となりました。

つまり、日産のEV事業はここ数年スランプでしたが、米国市場で少しずつ復活してきているのです。

もちろん、年間3万台のEV販売は驚異的な実績とは言えず、我々が願っている水準には程遠いです。例えば、テスラは米国で1四半期にモデル3をその2倍、モデルYをその3倍売っています。しかし、小さいながらも、これは確実な一歩前進です。少なくとも日産はEV販売が強い成長を見せています。この調子を維持し、2025年には同等またはそれ以上の成績を期待したいです。日産がEV販売をここから倍増させ、少なくとも米国での自動車販売全体のうち、EVの構成比を10%にすることは、それほど難しい目標ではないはずです。

翻訳/池田 篤史(翻訳アトリエ)

この記事のコメント(新着順)1件

  1. この記事の内容だとなぜ日産のEVの販売が伸びたのかわからない。
    ひょっとして中国と同じで日産が多額のリベートをディーラーに渡して大幅値引きして伸ばしたのではと勘繰ってしまう。伸びた要因が有れば解説して欲しい。

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この記事の著者


					池田 篤史

池田 篤史

1976年大阪生まれ。0歳で渡米。以後、日米を行ったり来たりしながら大学卒業後、自動車業界を経て2002年に翻訳家に転身。国内外の自動車メーカーやサプライヤーの通訳・翻訳を手掛ける。2016年にテスラを購入以来、ブログやYouTubeなどでEVの普及活動を始める。

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