京都市がマンション向けEV用充電設備導入無料相談会開催/補助金が潤沢な今がチャンス

京都市が市内のマンション管理者向けに「EV用充電設備導入・無料相談会」を開催しました。EV普及が本格的に始まろうとしている現状とともに、潤沢な国の補助金を活用して低負担で設置可能なことを説明。充電サービス事業者の特長が紹介されました。

京都市がマンション向けEV用充電設備導入無料相談会開催/補助金が潤沢な今がチャンス

2024年6月1日、京都市環境政策局が京都市内におけるEV充電設備の普及拡大を進めるため、充電設備導入に関心のある市内のマンション管理者を対象とした「EV用充電設備導入・無料相談会」を開催しました。京都市では昨年も同様の説明会を開催しており(関連記事)、2回目の今年はオンライン視聴可能なスタイルで実施されました。

オンライン視聴も可能だったためか、会場参加者は昨年よりちょっと少なめでした。

相談会の第一部では、まず京都市の担当者が「EVと充電設備普及の現状や今後の動向」について説明。日本では新車販売シェアも停滞気味でEV普及の実感があまり感じられないものの、世界では着実にEV普及の流れが加速していることを紹介。マンションなど集合住宅の資産価値維持向上のためにも、EV用充電設備導入を進めるべきであることが説明されました。

また、国が掲げる2030年までの充電器設置目標を従来の15万口から30万口に倍増されたこと。2022年度には65億円だった充電インフラへの補助金が、2023年度には175億円、さらに2024年度は360億円と大きな金額になっており、潤沢で充実している国の補助金を上手に活用してマンションなど集合住宅へのEV用充電設備導入を進めるできであるという見方が示されました。

参加した充電サービス事業者のアピールポイント

京都市環境政策局地球温暖化対策室エネルギー事業推進課の山田淳平課長が冒頭挨拶。

とはいえ、マンションの駐車場への充電設備導入を進めるには「どんな充電器をどのように設置すればいいのか」、「管理組合の総会での決議はどのようにまとめればいいのか」、「補助金申請はどうすればいいのか」といった難題が待ち構えています。

こうしたハードルをクリアするには、計画立案や補助金申請をサポートしてくれる充電サービス事業者を活用する方法を紹介。集合住宅駐車場への充電設備設置には、共用部などの充電設備を複数のEVで共有する「シェア型」と、契約駐車場の各区画で利用できるようにする「個別設置型」があることを説明した上で、充電サービス事業者各社では得意分野が異なるので、相談会を設置検討に役立ててほしいとする意図が説明されました。

相談会には、京都市が「実績豊富」として選んだ充電サービス事業者4社が参加し、それぞれが自社の特長などをアピールしました。

各社のプレゼンテーションのポイントをピックアップして紹介(プレゼンテーション順)します。

ユビ電株式会社(WeCharge)
●福岡県福岡市や東京都葛飾区における大規模駐車場への全区画設置事例を紹介。
●伊丹空港の予約駐車場全184区画への設置事例を紹介。
●分譲マンション大手デベロッパー「大京」の新築マンションに採用された実績を紹介。
●機器コストが安い200Vコンセントを中心としたサービスであることをアピール。

ユアスタンド株式会社
●マンション基礎充電設備設置の500を超える豊富な実績が強みであることを紹介。
●アプリでの予約や来客駐車場、洗車など共用区画を多様に活用するなど利便性の高いサービスであることを紹介。
●充電料金は設置者(管理組合など)が決定する仕組みであることを紹介。
●物件ごとに最適の設置方法や仕組みを提案し、実現してきたことをアピール。

ENECHANGE株式会社(EV充電エネチェンジ)
●EV充電だけではないエネルギー関係の事業展開が特長。
●目的地充電、充電スポット検索アプリDL数などがNo.1であることを紹介。
●ルートイン、星野リゾートなどの設置実績、同じアプリで数多くの目的地充電スポットも便利に使えることを紹介。
●エネチェンジEVサポーターズなどユーザーとの繋がりを深め、アップデートなど利便性改善に注力していることをアピール。

Terra Charge 株式会社(テラチャージ)
●基礎、目的地の普通充電に加え、急速充電器も含めた「全方位展開」でシェア獲得に尽力していることを紹介。
●今年度補助金が安価な案件が優先される入札制であることを紹介。多くの補助金を獲得していることをアピール。
●新たにコールセンターを設置。電力の新規引き込みを無料で提供することを紹介。
●多くの充電サービス事業者がある中、生き残る事業者選びが大切であることをアピール。

プレゼン終了後は各社ブースで「相談会」を実施。

岡山県のご担当者と会場でご挨拶

各社それぞれ、10分程度の短時間ではありましたが、熱のこもったプレゼンテーションが展開されました。いくつか解説したいポイントもありますが、今回記事では話がややこしくなるので控えておきます。

マンションの「基礎充電」ということは、利用するEVユーザーにとっては最も関わりが深いEV充電サービスということになります。何はともあれ、実際に話を聞いた上で、信頼できる事業者を選ぶことが大切ですね。

唐突に話が変わりますが、京都のど真ん中、河原町御池交差点近くの相談会会場で「岡山県充電環境整備ビジョン」の策定ご担当者である岡山県環境文化部脱炭素社会推進課の藤原章男さんと遭遇しました。

【関連記事】
EV普及に向けて全国で模範にしてほしい!「岡山県充電環境整備ビジョン」策定(2024年3月23日)

ビジョン策定に向けて何度かオンライン会議に呼んでいただき話したことはあったのですが、リアルでは初対面。岡山県でもこのような説明&相談会の実施を考えていて、視察に来たということでした。

岡山県脱炭素社会推進課の藤原章男さん。

集合住宅へのEV充電設備拡充に向けて、自治体ご担当者である藤原さんの熱意が素晴らしい。EVsmartブログで、こうした自治体の説明会を紹介したことがあるのは、東京都(関連記事)と京都市の2例だけ。岡山県はもとより、多くの自治体で集合住宅向けの説明会が開催されるといいですね。

集合住宅のEV充電設備と、自治体ご担当者の熱意が、全国各地へますます広がっていきますように。

取材・文/寄本 好則

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この記事の著者


					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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