「充電インフラ整備促進に向けた指針」パブコメ用アンケート結果~原則を約94%が支持

電気自動車(EV)普及に向けて、経産省が策定中の「充電インフラ整備促進に向けた指針(案)」について実施した読者アンケートでは、93.8%が方針の原則を「支持」する結果になりました。賛否を含めたご意見をまとめ、EVsmartブログからのパブリックコメントとして提出しました。

「充電インフラ整備促進に向けた指針」パブコメ用アンケート結果~原則を約94%が支持

※冒頭写真は新東名浜松SA下り線の充電スポット。

EV充電インフラの未来に向けた重要な方針

「充電インフラ整備促進に向けた指針」(案)は、「2035年までに乗用車新車販売で電動車100%」という日本政府の目標達成に向けて施行されている「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金(充電インフラ補助金)」を所管する経済産業省が策定中の施策です。

充電インフラの利便性向上はEV普及にとって最重要課題のひとつであり、経産省では「充電インフラ整備促進に関する検討会」を設けるなど、EVユーザーや充電サービス事業者、関連業界の意見を丁寧にヒアリングしながら、指針策定を進めています。

具体的には、最終的に決定した指針に沿って、今後の充電インフラ補助金運用のルールが決まっていくことになります。

6回の検討会を経て指針案がまとまり、パブリックコメントの募集が行われたのは既報(関連記事)の通り。EVsmartブログでは、より多くのEVユーザー、そしてEVに興味を抱くみなさんのご意見を集約すべく読者アンケートを実施。EVsmartブログとして、今回記事の内容をパブリックコメントの様式に合わせて提出しました。
(パブリックコメントの受付締切は、9月28日17時)

アンケートの有効回答数は「343」でした。属性などは記事末で紹介します。ご協力いただいた読者のみなさま、ありがとうございます!

「基本的な考え」は約94%が支持

アンケートでは指針案のポイントを挙げながら、賛否とご意見を質問しました。「充電インフラ整備に向けた基本的な考え」は93.8%の方が「支持」するなど、指針案は広くユーザーの支持を得られる内容になったと評価できます。

アンケートの設問では、指針案のポイントについて、支持するかどうかを「強く支持する」「どちらかといえば支持する」「どちらかといえば支持しない」「全く支持しない」「わからない」の選択肢で回答。記述式で理由やご意見を伺いました。

充電インフラ整備に向けた基本的な考え

今回指針では、充電インフラ整備に向けた基本的な考えとして「ユーザーの利便性向上」「充電事業の自立・高度化」「社会全体の負担の軽減」という3つの原則を示しました。ひとつめの設問では、この原則についての賛否を問いました。

【EVsmartブログの見解】

回答者の約94%はEVもしくはPHEVといった外部充電可能(充電インフラが必要)なプラグイン車オーナーでした(※エンジン車との複数台所有を含む。記事末の属性をご参照ください)。指針が明示した「原則」については、EVオーナーのほとんどが支持しています。ぜひ、第一の原則として示された「ユーザーの利便性向上」が実現することを願います。

一方で、補助金頼みの充電インフラとなって維持管理などがおろそかにならないよう、事業の透明性を確保などが重要と指摘する意見もありました。

続いて、選択の理由として記入いただいたコメントを抜粋(表記統一など一部調整しています。※以下同)して紹介します。提出したパブリックコメントにも、読者のみなさんのご意見をほぼこのまま盛り込みました。

【読者の意見】

「上記3項目を同時に達成していかないと持続可能なEV社会を実現できない。受益者負担は当然なので、それに基づいた収益を確保させつつインフラを拡大、充実させる施策を実施して欲しい」(支持/埼玉県/60代)

「今までの充電器を普及させる段階から次の段階へと進んでいる現状、ユーザー、事業者の利益となるようなバランスを取る必要があると考えるため。すでに議論されていますが、充電の課金を時間から充電量にする等の改善も必要であると思います。だたし、ガソリンの様に高額となったり、税金まみれになる様であれば普及させる意味はないと思うので、その点は監視する必要があるかと」(支持/静岡県/30代)

「社会インフラの整備は重要なので推進すべきと思いますが、一方で、補助金ビジネスでしか進まない形(例えば補助金がなくなると急速充電器が更新できない状況)にならない出口戦略が必要かと思っています」(支持/三重県/50代)

「おおむね支持するが、非EV利用者に「社会全体の負担低減」の理解を得るのであれば相応の説明周知と公益に資する事業の透明性確保が必須であると考える」(支持/栃木県/40代)

「EV車がほとんど出回っていない現段階から採算が取れることを前提に設計しようとすると、どうしても保守的なこぢんまりとした計画にとどまらざるをえないため。全方位にいい顔をしようとすることで結果的に後々誰も得をしない状況に陥る気がします」(不支持/神奈川県/30代)

(1)世界に比肩する目標の設定

ここからは、指針内容の具体的ポイントをピックアップした設問です。今回指針では従来の15万基から30万口へと設置目標数を倍増。具体的には「2030年までに経路充電3万口を含む30万口を設置」「総出力約400万kWを確保(現在の約39万kWの約10倍相当)」とした目標について問いました。

【EVsmartブログの見解】

経路充電に関しては、現在の高速道路SAPA数が884カ所、道の駅は1004カ所であり、この約2000カ所に4口ずつ網羅しても8000口ですから、3万口が実現すれば十分にEVユーザーの利便を満たすインフラとなるでしょう。

一方で、日本政府が掲げる「2030年にプラグイン車20〜30%」という目標があり、日本の乗用車新車販売台数は約400万台、20%としても新車だけで80万台となることを考えると、基礎充電の目標数が10〜20万口というのはまだ不十分な数字です。別途、新築集合住宅や戸建など、今回の充電インフラ補助金の枠外となる充電設備設置の促進策が必要と思われます。また、目的地充電も適切な施設に複数口の充電設備が整うためには、今回目標の10〜15万口より、さらに上乗せした数が必要になります。

また、経路充電インフラ(急速充電)については、北米を中心に採用決定が進むNACS(北米標準充電規格=テスラ規格)への対応についての提言もありました。実際、重要な検討課題です。とはいえ、充電規格の選択はEVを発売するOEMの判断となります。今回検討会に自工会などの業界団体は参加していたものの、個別のOEMは深く関与していなかったのが残念です。

【読者の意見】

「経路充電器が充実することは、航続距離のために無駄に高い容量の大きい車(100kWhとか)はプレミアムなお客に売ればよく、みんながみんな大容量タイプを選ぶ必要がなくなる。50kWhの車ぐらいがボリュームゾーンとして普及していくのがおおむね健全と思われる」(支持/神奈川県/30代)

「数も大事ですが、適切な配置箇所に経路充電が複数口、ユーザーの行動場所に目的地充電が余裕を持って配置されるように、工夫していってほしいです」(支持/兵庫県/50代)

「現在の充電環境は10年前のEVに対応したもの。継続的なアップデートが不可欠だから」(支持/広島県/40代)

「まだまだ少なすぎる。東京都のように新築戸建や集合住宅に充電器の設置を義務付けるべき。また、既存住宅や賃貸マンションであっても、希望者がいれば原則充電器を設置するように努める法整備をすべき。さらに、経路充電を気軽に出来るように、店舗の規模によって充電器の導入台数を義務付けるべきだ」(支持/福岡県/30代)

「努力目標と必達目標を設定してほしい。必達目標はいざという場合、公共施設・国費で実施する目標。通常2年前くらいになれば目標達成の可否はわかるため、その際に必達目標に達しない場合は公共事業として実施してほしい」(不支持/愛知県/30代)

「経路充電での急速充電よりも、低出力の目的地充電の整備がポイントと考えているためです。マンションでの基礎充電だけでなく、旅館、レジャーパーク(ゴルフ場、温浴施設)、ショッピングモールなどの長時間滞在場所での、安価、低出力の目的地充電の整備が大切と思っています」(不支持/三重県/50代)

「設置後将来5~10年スパンのインフラとして今後将来求められる充電スピードの需要を考えると目標案の段階で目標数値が低い気がします。数値をまだ引き上げていいと思います」(不支持/岩手県/40代)

「商用車を運用する物流事業者向けのEV化のコンサルを生業としております。事業者さんにお伺いすると、会社のロゴの入ったトラックで、一般利用者も使う可能性がある公共充電器で経路充電することは、順番待ちやクレームにつながる可能性がある為、現状考えづらい。ガソリンスタンドのように、充電をする為の専用施設であれば、会社のロゴが入ったトラックで経路充電を行うことも問題ない、という複数の声を頂いています。一般利用者も利用可能なパブリック充電器を増やしても、商用車のEV化促進には効果が限定的だと考えています」(わからない/東京都/30代)

(2)高出力化

急速充電器(経路充電)の高出力化について「高速道路では90kW以上として150kWも設置」「高速道路以外でも50kW以上を目安にし、平均出力を倍増する(40kW→80kW)」と明示した点への設問です。

【EVsmartブログの見解】

公共用急速充電器の平均出力を40kWから80kWに倍増するといった「高出力複数口化」を明示した方針には全面的に賛同できます。

最大90kW出力の急速充電器で、適切な急速充電性能を備えたEVを30分間充電すれば、おおむね200km強を走行できる電力量を補給できます。高速道路SAPAでは最低でも90kWで充電できるインフラが整えば、ほとんどの長距離ドライブで不便を感じることはなくなるでしょう。

ただし、EVユーザーの利便性を本当に高めるためには、30分制限の見直しや従量課金、認証方法の簡素化、充電終了後放置への懲罰課金といった課題をトータルで解決していくことも必要です。150kW以上のさらなる高出力化については、NACS問題同様にEVの性能次第となる要素が大きいので、しっかりとOEMも関与して検討を重ねるべきポイントだと思います。

【読者の意見】

「高速道路は、全SAで複数口かつ150kW以上、全PAで複数口かつ50kW以上とすべき」(支持/神奈川県/70代以上)

「高出力だけでなく、中~低出力のものも合わせて、設置箇所、台数を増やすことをもう少し重視してほしい。PHEVなど実際は少ししか入らない車を、長時間停めて充電しているなど、マナー向上、普及啓発のほうが、利便性向上には鍵だと思う」(支持/埼玉県/60代)

「増えるのはありがたい事だが、課金方法を見直し、差別化が必要かと。高額な高出力機(90kW以上など)、標準価格の中出力機(44kWや50kW)など価格に差異を設け、例えば90kW5口設置より、90kW3口、44kW4口など口数の確保と、選択肢が有って良いと思う」(支持/神奈川県/40代)

「自分の利用状況に当てはめて申し訳ないが、サクラなので高出力化の恩恵には受けられないので難しいところではある」(支持/秋田県/50代)

「高速道路上では最低出力性能(複数口のものはシェア後の出力)として、90kW以上が必要となると考えます。10分で10kWh以上充電できなければ、長距離移動をするために短時間休憩で繋いでいく事が難しい」(不支持/神奈川県/30代)

「向こう10年を考えると能力不足。貴重な税金を投じるのだからムダ遣いにならないようにしてもらいたい。経路充電では高出力機を置くほど、同じ場所にたくさん設置するほど得をするような仕組みにしてもらいたい」(不支持/千葉県/50代)

「2030年までと言う将来の計画で急速充電を最大で150kWとしたのでは明らかに役不足。既に陳腐化しているCHAdeMO規格を前提に数値目標設定すべきではない。Chaojiを採用するのかNACSを採用するのかと言う選択肢も含めて目標見直しすべき」(不支持/京都府/50代)

(3)効率的な充電器の設置

「充電事業の自立・高度化」といった原則を踏まえ、「限られた補助金で効果的に設置を進めるため、費用対効果の高い案件を優先(≒入札制の実施)」という内容が盛り込まれた点についての設問です。

【EVsmartブログの見解】

この点についてはEVsmartブログ編集部としても「入札制」の内容が不明であるなど、ややわかりにくい印象がありました。とはいえ、限られた補助金で効率的に利便性の高い充電インフラ整備を進める大枠にはもちろん賛成です。

2013年〜2015年ごろに施行された補助金では、1カ所に1基だけの低出力な急速充電器など、「使い勝手が良くない」「充電待ちの可能性が高い」「利用頻度が低くメンテナンスが悪い」といった「使われない充電設備」が多くなってしまった一面があります。過去の失敗例に学び、賢明で効率的な充電インフラ整備が進むことを願います。

読者からは「効率を重視して過疎地域などへの整備が置き去りにされるのでは」と心配する意見が多くありました。とはいえ、高速道路SAPAや道の駅の経路充電設備、観光地などの目的地充電設備設置が進めば、本当に「空白地帯」になってしまうエリアはそれほど多くはないでしょう。ことに過疎地域において、基礎充電代替のために「無料の急速充電器を我が家の近くに設置してくれ」なんていうような1ユーザーのわがままに社会が応える必要は、まったくありません。

地方自治体のご担当者には「急速充電器は適切な場所に複数口あるのが使いやすい」といったEVユーザーのリアルをわかった上で(ホントはご自身もEVユーザーとなって)計画を立案いただきたいものです。

【読者の意見】

「設置場所を真剣に考えるから」(支持/三重県/50代)

「目的地充電の利便性の基準を、明確にしないといけないと思う」(支持/京都府/50代)

「ある程度は空白地帯での充電器の整備は必要だと思うが、それ以外の場所については費用対効果を重視して空白地帯の赤字をカバーできる様にしてほしい。空白地帯は公共機関が責任を持って管理した方がいいと思う。充電性能や電池性能が向上したら不要になるかもしれないので、必要に応じて公共機関の関わり方を見直したらいい」(支持/静岡県/30代)

「北海道や東北地方などの人口過疎地帯を冷遇するという極端な効率重視ではないという条件は付けさせていただくが、効率を求めるのは自然なことであるから」(支持/北海道/50代)

「不透明かつ不公平の解消には必要。癒着や既得権益主導とならないよう、更に制度の整備と情報公開を求めたい」(支持/神奈川県/50代)

「地方が切り捨てられないか? そもそも社会インフラの構築という方針に対して費用対効果の考えは逆に作用しないか不安」(不支持/愛知県/30代)

「補助金ありきでなく、設置基準の緩和などの法改正により装置の低コスト化、受電契約容量のそもそもの値下げ(充電器については例外措置として安価とするなど)などの政策を期待します」(不支持/東京都/30代)

「効率的にはしてほしいですが、僻地など山間を越えるようなところだと、採算がとれるわけがないので、十分に安心感のあるようなものを国が用意してほしいです」(わからない/兵庫県/50代)

「充電器設備設置業者の入札と補助金の関係性がわかりません。充電インフラのこれまでの設置状況をみると、普通充電器を4097機余り自動車ディーラーに設置している実態があるが、これ誰特の施策だろうか? 営業時間中に基礎充電目的で利用時間制限がある場所にこれだけの普通充電器を設置したのか? 疑問が残ります」(わからない/神奈川県50代)

(4)規制・制度等における対応

「充電した電力量(kWh)に応じた課金について25年度からのサービスの実現」や「ユーザー・事業者双方にとってより持続的な料金制度を実現」、また「エネマネにより商用車の充電に伴う負荷を平準化・分散化」などを明示した目標についての設問です。

【EVsmartブログの見解】

従量制課金をはじめ、認証課金システム、電力規制や普通充電出力の規格引き上げなど、細かな点にまで踏み込んで方向を明示した指針の内容を評価します。

具体的に、より利便性が高い充電インフラを構築していくのは充電サービス事業者の重要なミッションでもあり、「充電ビジネスの自立」や持続的な料金制度にまで言及している点も支持できます。

はたして、どのように実際のインフラに反映されていくか。充電サービス事業者の適切なビジョンと前向きな取り組みに期待します。

【読者の意見】

「課金は専用カードではなく、より簡単な認証と実用的な課金が出来ることが最重要課題です。一方で従量制課金実現の目標も重要です。日本では軽EV がこの 1年で普及しており、私も乗っていますが、受入が30kWまでなので時間による課金は不利と感じています。目標に掲げている内容はより早く実現して欲しいです」(支持/岡山県/40代)

「電力量による課金とともに30分ルールも撤廃して頂きたい」(支持/兵庫県/60代)

「従量課金がユーザの望む姿。一方、事業者としては設備の専有時間で課金したい思いもあると思うので、柔軟性がある、時間課金+従量課金がミックス可能な制度として欲しい」(支持/千葉県/30代)

「事業者としては受電容量の少ない軽EVや旧式のEV、PHEVで時間課金をしたほうが利益が出るのが実態では? kWh課金にして時間制限を廃止したほうがよい場所もある。季節によって車両の充電速度が変わったりするので、kWh課金は合理的な感じもするが、ある意味、充電器や車両の進歩を止めてしまうかもしれません」(支持/群馬県/50代)

「今までの時間課金の考え方がおかしい。ケーブルを挿しっぱなしにする人に罰則的課金も考えるべき」(支持/香川県/40代)

「BEVの車種も増え、車種毎の受電速度上限の開きが出ていきており、今後も開きはまた大きくなる。充電器の高出力化で時間課金では車種によるユーザーのメリット差が開くばかり」(支持/神奈川県/50代)

「充電時間に応じた料金は不公平だから。ただし、充電電流が低くなった場合、ダラダラと充電されると後がつかえるので途中で時間課金に切り替わっても良いかと思う」(支持/北海道/60代)

「電力量(kWh)に応じた課金だけだと、電池が劣化している車両や残量が多い時などで充電電流が小さい時はほとんど課金されないので充電器に居座る利用者が増え、充電待ちが長引く原因になる。電力量(kWh)で始まっても50Aを下回る又は一定時間後は時間課金に変更して充電待ちが短くなる仕組みでないと支持できない」(不支持/兵庫県/50代)

指針案や経済産業省への意見など

指針案の具体的なポイントについての設問は以上です。

読者アンケートではさらに、「指針案はユーザの利便性向上に寄与すると思いますか?」という総括的な質問を設けました。おおむね「寄与する」という回答が多かったものの、基本的な考えを約94%の方が支持したのに対して、「寄与する」を選択した方の割合は86.8%とやや下がっています。目指す方向はいいけど、実現できるのか? と不安を感じている方も少なくないということでしょう。また、経済産業省へのフィードバックについても伺いました。

「寄与すると思うか」への回答理由やフィードバックへの記述式回答の中から、視点として抑えておきたいと感じるご意見を紹介します。

【読者の意見】

「世界中でCHAdeMOが排除されつつある現状、海外自動車メーカーは日本のためだけにCHAdeMO対応を行っている。これは相当なコストアップ要因になっている上に(中略)CHAdeMO対応によってほぼすべての海外メーカーのEVの充電性能をダウングレードされた上で日本に入ってくる。CHAdeMOだと中古車も海外だと売れなくなるので総合的な車両寿命が短くなり、リセールバリューも下がってしまう。以上のことを考えるとCHAdeMOは早急に排除するべき存在であるが、それにもかかわらず『したがって、CHAdeMO協議会が中心となり、充電事業者やOEM等の意見を取り入れたガイドラインの作成を行う』などと書かれた案は支持できない」(寄与しない/東京都/40代)

「今現在EV車に乗っている方たちは2027年から2030年に乗換える方が多いと思われるが、その方たちが次回利便性が向上し安心してまたEV車を購入したいと思う環境が整備されることを期待する」(寄与する/静岡県。50代)

「CHAdeMOではなくNACSだとすでに実現していることも多く、海外ではNACSの採用率もどんどん上がってきています。ユーザーがNACSを求めていることも多いと思われますので、ぜひそちらも取り入れていってほしいです」(寄与する/兵庫県/50代)

「現状の問題点の提起が的を得ている。これに沿って改善していけば日本の充電環境も良くなる」(寄与する/広島県/40代)

「経産省がお役所仕事ではなく、市場(ユーザーや充電事業者)や社会全体を見て全体最適を指向しているため」(寄与する/千葉県/40代)

【経済産業省へのフィードバック】

「正直商業施設には急速充電は不要。それよりも6kWの普通充電器の普及を目指してほしい。そうした商業施設や高速道路では、急速充電が終了しているのに、移動してくれない車対策が全く練られていないのは大問題である。インフラを整えてもそうした理解のないユーザーに対するペナルティを設けないことにはどれだけネットワークを整えようと無駄」(神奈川県/30代)

「関係者の皆さん本当に大変だと思いますし感謝しています。しかし、EVの利便性で海外に負けたくない、EVを社会、エネルギーインフラへ組み込んで頂きたいと思います。EVを移動するだけの道具に使うのは大変もったいないとおもいます」(三重県/50代)

「大型の商業施設やリゾート施設など滞在時間が長い場所に普通充電器の設置義務化や短時間の利用の施設での急速充電器の設置義務化などをやっていただきたい。(中略)充電設備を設置しても、劣化で液晶が見えなくなったり、充電不良で使えなかったりするので設備場所も工夫が必要だと思うし、設置後のメンテナンスコストを少しでも減らす為に検討をして欲しい。補助金で数を増やしても、何年もしたらメンテナンスコストで立ち行かなくなると思うので、設置する段階でメンテナンスに負担をかけにくいような設備の設置方法に対しても補助金を有効活用して頂きたい」(岐阜県/30代)

「URの賃貸住宅の駐車場ですら、未だ充電器が設置されていない。自治会等で問題提起しても、家賃の高騰につながるのであれば、適切ではないと門前払い状態。(中略)また、バス、タクシーの他、国や県、市町村の公用車ですらEV化が遅れている。せめて、大臣の公用車、県知事、市町村長の公用車をEV化し真剣に使っていく取り組み等ビークルになるものを作るべきではないか。このままでは、自動車業界の自己都合だけが優先されてしまい、推進できないのではと感じています」(神奈川県/50代)

「地方の充電インフラを強化してください、東北地方は特に充電施設は壊滅的です。EVの買い控えが起きております。地方の脱炭素重点対策実施地域に選ばれた箇所からでも良いのでインフラ強化をして欲しいです。東北地方はインフラ促進と言っても未だに第一歩も無いです」(岩手県/40代)

「現在 京都府では初期に設置された充電器が次々と故障して使用できなくなっています。京都府によると機器が古く部品が無い。又は取り替えの予算が無いとの理由で今のところ取り替えの予定すら無いとの事です。個人事業主ならともかく都道府県レベルでこの様な事ではインフラ整備にブレーキをかけているようなものです。(中略)もう一つは道の駅の認証に充電器設置必須とされてはいかがでしょうか? 一般道で充電に立ち寄る先として道の駅を探す事が多いです」(京都府/50代)

「高速道路SAには少なくとも6台以上の充電設備設置を義務付けて欲しい。そのためのEVオーナーを対象とした増税であれば受け入れる」(千葉県/30代)

アンケート回答者の概要

アンケートでは最後に「ENECHANGEへのフィードバック」を質問していますが、本記事では割愛します。

最後に、回答いただいたみなさまの属性などについて紹介しておきます。

所有している乗用車(複数所有もあり)

文/寄本 好則(EVsmartブログ編集長)

この記事のコメント(新着順)2件

  1. まず充電サービスがビジネスとして成立するよう充電代金の是正適正化が必要です。
    現状の利用料に加えて5分あたり100円程度の時間利用料を課すようにすれば充電が終わった後も放置する迷惑車の対策にもなります。
    充電場所に有料駐車場の仕組みを導入すれば良いだけなので実現も容易です。

    1. ご指摘の放置車両対策だけでなく、充電器の出力別に30kw以下、50kw以下、90kw以下、150kw以下で駐車枠使用単価(円/分)を変えることで、適切な充電器で適切な車両が充電することに繋がると考えます。
      これに従量単価制(円/kwh)を組み合わせるのが個人的にはベストではないかと考えます。
      従量単価は比較的安めで、駐車枠使用料を高めにして稼ぐ。
      急いでる方が超高速充電器を高いお金を払って使う。急いでない方は安い充電器を使い時間で解決する。これが本来あるべき姿ではないでしょうか。

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					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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