元記事:A Quick Guide to Battery Reuse and Recycling by Hanjiro Ambrose on 『Union of Concerned Scientists』
リチウムイオン電池再利用システムの重要性
キックボード、バイク、スポーツカー、スクールバス、トラック、電車、飛行機まで、私達は電動化された交通機関の時代に突入しているようです。これは主に、急激に価格が下がり、パフォーマンスが改善しているリチウムイオンバッテリーによるところが大きいでしょう。より質の良いバッテリーのおかげで、小型から重量級まで幅広い車種のテクノロジーが実現可能になっています。使用されるリチウムイオンバッテリーが増えるにつれ、使用済みになるバッテリーの数も増えるのは避けられません。専門家は、2030年までに年間50万台の車両、もしくは200万トンのバッテリーが役目を終えることになると予測しています。
電気自動車(EV)が自動車市場を占める割合はまだ少ないため、リサイクルのパイロット版に使われるバッテリーの数は少なく、残りはリサイクル用の技術やインフラが改善されるまで保存されています。歴史的に家電ゴミはごみ廃棄場に送られてきましたが、リチウムイオン電池は貴重なメタル等の原料を使用しており、さらにこの原料は取り出して加工し、またバッテリーを作るのに再利用できます。
リチウムイオンバッテリーのリサイクルには、多くの確立された方法がありますが、同時に解決すべき課題が技術、経済、物流、規制などの分野で存在します。Union of Concerned Scientists の Hitz環境部門メンバーとして、これからのバッテリーの再利用に関する課題と機会について見ていきたいと思います。この記事はバッテリーリサイクルの現状をざっと大局的に見た内容で、バッテリー用原料の循環構造を作り、リチウムイオン電池の持続可能な価値連鎖を構築する部分にフォーカスしたものとなります。
バッテリーの寿命は?
電気自動車が事故であれ寿命であれ走れなくなった際には、バッテリーの処理が必要になります。車両での役目が終わった後、EV用バッテリーの余生は他のEVでの再利用、EV以外への再利用(セカンドライフ)、原料の回収(リサイクル)、廃棄という道に分かれます。バッテリーは途中で再利用されるかに関係なく、最終的にはすべてリサイクルもしくは廃棄されます。不適切なゴミ廃棄に起因する環境への悪影響を減らすことや、原料の回収と未加工の原料からの恩恵を受けるためには、リサイクルの機会やその障壁を理解することが不可欠になります。
現在、ひと握りの大規模な施設が高温冶金法や製錬法でリチウムイオン電池のリサイクルを行っています。これらの施設では高温(~1,500℃)で不純物を燃やし、コバルト、ニッケル、銅を取り出します。リチウムやアルミニウムは通常この過程で失われ、スラグと呼ばれる屑物に取り込まれます。リチウムはある程度、再処理を施されて回収できます。しかし現在の製錬設備は高価でエネルギー消費も非常に大きく、有毒なフッ素排出物を処理する必要もあって、原料回収率は比較的低い水準に止まっています。
米国先進バッテリー協会によると、EVバッテリーはセル容量が定格容量の80%以下になった際に寿命を迎えます。しかしEVバッテリーがいつ引退するかについては、知られていない部分が多くあります。例えば、アメリカでは車は平均12年以上走りますが、大きなリチウムイオンバッテリーパックを積んだ現代のEVは市場に出てから8年以下であり、そのうち半分以上が過去2年間に買われたものです。
バッテリーのセカンドライフ
使用済みバッテリーにセカンドライフを与えるのは、バッテリーメーカーと車両メーカーがEVをより買いやすい価格にし、利益を増やす可能性を広げるための魅力的なチャンスです。再利用によりバッテリーの寿命も延びることになり、一カ所に固定されたバッテリーを他の場所に移動(させて再利用)することもでき、バッテリー生産で出る悪影響を全体で減らすことになります。
場合によっては、バッテリーは他の車両ですぐ使うように再生され、多くの自動車システムの需要を延ばします。よって、バッテリーパックが通常より早く寿命を迎えた際には、まだ機能しているモジュールとセルが再度組み合わされて再生バッテリーパックが作られ、他の車両に利用されます。
現代の車両用バッテリーはサイズが大きくハイ・パフォーマンスなため、車での利用からは引退しても、かなりの容量を提供できます。バッテリーは充電、放電を繰り返すことにより劣化します。劣化とは、車両に送るために溜められるエネルギー量が減るということで、言い換えると、車が一度の充電で前と同じ距離を走れなくなるということです。しかし車両用に比べて求められる容量が少ないものに使用すれば、EVバッテリーはセカンドライフを獲得できます。EVは高い電力を必要とするため、溜めた電気はアクセス不可能になるのですが、低出力で固定された形態を取れば、太陽光パネルからのエネルギーを溜めてオフグリッドもしくはピーク時の需要を減らすという使い方をし、6~10年寿命を延ばすことができます。
新しいバッテリーは経済的にもパフォーマンス的にもコンスタントに改善され、それがバッテリー再利用の妨げとなってきました。新しいバッテリーの価格が、パフォーマンスが良くなるほど下がり、使用目的によっては中古のバッテリーよりも安かったからです。現在のバッテリーパックの構造デザインとプロプライエタリ・ソフトウェアも部品の交換に制限を加え、テストと再利用のコストを上げてしまいます。
循環サイクルの構築
バッテリーが再利用されるかに関わらず、最終的にリサイクルと原料回収は必要になります。 リチウムイオンバッテリーの原料を回収することにより、新しい原料への需要やバッテリーのライフサイクル由縁の(環境への)影響が減り、輸入を減らすことによってエネルギーの安全保障を改善できます。ほとんどのリサイクルに関する研究や関心は、構成物の中で最も価値のある鉱物を含む、バッテリーの正極に集中しています。
一般的にバッテリーのリサイクルには3つのステージがあります。まず第1に下処理ですが、メカニカルシュレッディングをし、プラスチック片と鉄を含まない原料を仕分けるのがメインになります。次に化学溶剤を使ってアルミのコレクタフォイルから正極を分離します。最後に浸出用の水溶液を使う(湿式製錬)か、熱と電解反応を使って(乾式製錬)、正極の原料を分解します。
バッテリーを構成するパーツに素早く分解できるようになれば、下処理がより効率的で経済的になるため、オートメーション化が重要な役割を果たすでしょう。バッテリーの構成パーツを仕分けできれば、さらに純度や価値が高い原料を回収できます。イギリスの研究者は、リチウムイオンバッテリーのロボットによる仕分け、分解、貴重資源の回収プロセスを開発中で、これは作業員の電気及び化学傷害のリスクを無くすことに繋がります。
正極原料を回収するための乾式製錬プロセスは、一部の湿式洗練法よりも大きな悪影響を環境や気候に与えます。要求されるエネルギー量の多さと、排出ガスの有毒汚染物質を取り除く必要性からです。いずれかの製錬方法で回収された鉱物は、新しい電極の正極化合物に合成される前に、しばしば再度精製される必要が出てきます。
ダイレクト・リサイクル法では、正極の原料を元の化合物と同じか、似た性質を持つものを使い、化合物は分解されずに使用可能な状態に戻されます。バッテリーの中で最も価値の高い構成物の1つが、合成正極物質になります。ダイレクト・リサイクルでは化合物をそのまま分離し、追加のリチウムと再結合させる(relithiation)方法を模索しています。またこの方法は、大量にエネルギーを必要とする正極化合物の精製と再合成の過程をなくし、バッテリー生産による環境への悪影響を減らすことにも繋がります。
大切な鉱物の回収
リチウムイオン電池は、主に回収して新しいバッテリーに使える稀少鉱物で構成されており、生産コストを低くできます。現在のリチウムイオン電池のほぼ半分は、鉱物のコストになります。バッテリー正極に使われる、最も高価な原料トップ3(コバルト、ニッケル、リチウム)のコストはかなり変動しやすく、1年で300%も上下します。それでも過去10年で電気自動車用バッテリーの価格はトータルで90%以上値下がりしました。さらに稀少鉱物のリサイクルと回収は、ごみ処理場行きになる原料の量を減らすことにもなります。
バッテリー正極の遷移金属の作り方により、エネルギー密度、電力密度、サイクル寿命、安全性、コストなど、バッテリーの特性が変わってきます。さらに正極化合物の選択も、リサイクル経済に影響を与えます。回収された原料の価値が、リサイクル過程にかかる高いコストをカバーするのに十分ではないかもしれないからです。正極用合金の中でも、コバルトは最も高価な物質になります。生産コストが下がるのでバッテリー技術界ではコバルトの分量を減らすのがトレンドになっていますが、そのせいでリサイクルへのモチベーションも同時に減らされています。
リサイクルにより、新しい採掘を減らし、原料の枯渇を遅らせ、バッテリーのバリューチェーンに関わる弱い人々への悪影響を減らすことができます。例えば、世界で供給されるコバルトの60%がコンゴ共和国からきていますが、武力紛争、違法採掘、人権侵害、環境破壊などの問題が付随して起きています。バッテリーをリサイクルして、コバルト濃度を減らした正極を再構築すれば、外国からのソースへの依存を減らし、サプライチェーンの安全性を高めるのに役立ちます。
リサイクルされたバッテリーから取り出された原料は、将来のバッテリー産業にとって重要で環境的にも好ましいソースとなるでしょう。使う原料の内容とその価値のバランスがとれていれば、最適化された正極のリサイクルが利益を生む潜在性を有しているという研究もあります。恐らくさらに重要なのは、リサイクルは未加工の原料から正極化合物を生産するよりもコスト競争力を持ち、環境を鑑みてもより好ましいという点になります。
持続可能なバッテリーのための政策
安全で公正な廃棄方法を模索するのには明確な理由があります。家電ゴミの地球上の動きからの影響は、教訓をもたらしてくれます。回収、ロジスティクス、データシェアリング、標準化、インフラ投資はすべて、バッテリー生産とリサイクルの持続可能な循環システムの妨げになり得るのです。
EV用バッテリーをリサイクルすることにより資源を循環させることは、より良いバッテリーを作るために不可欠なステップです。カリフォルニアでは、州内で売られる電気自動車用バッテリーがすべて必ずリサイクル、もしくは一度寿命を迎えてから再利用されるようにする政策が作られようとしています。ラベリングやデータ用インターフェースの基準、製造者責任の拡大、責任ある調達、コアチャージなどが、上に挙げた主な障壁を軽減するのに役立ちます。
バッテリー原料の二次生産を含む、EV用バッテリーの国内サプライチェーンを築くことは、経済、環境、社会に大きな影響を与えます。バッテリー生産への需要は急速に増えており、1兆ドル規模に近いリチウムイオン電池及びバッテリー原料市場においてリサイクルは重要な役割を果たすでしょう。バッテリー製造とリサイクル用の施設を、環境的に正しく持続可能に構築、運営するためのガイドをするためにも政策は重要です。
使用済みEV用バッテリーの運命の不確実性は、将来の自動車電動化のために克服すべき課題とされてきましたが、すべての懸念が事実に基づいて出てきたわけではありません。バッテリーは現在ある技術で経済的にリサイクルが可能です。未来のシステムにより、バッテリーのライフサイクルにおける環境汚染や有限なリソースの利用を減らすことができるでしょう。
私は、電気自動車用バッテリーのリサイクル及び再利用の機会とチャレンジについて研究しています。バッテリーが配備されてからその寿命を迎えるまでに、稀少鉱物の需要、電池のセカンドライフ、バッテリーリサイクルのための施設に与える影響をより深く理解し、定量化したいと考えています。研究の一環として、これらのバッテリーに関する問題をさらに深く考察するブログポストをあげていきます。 乞うご期待。
(文・翻訳/杉田 明子)
バッテリーリサイクルの記事なので、話題は逸れると思いますが充電の為に発電所の火力発電の比率が高い現状、ガソリンや軽油を燃やして走るエンジンと環境面と経済的問題と自然エネルギーによる発電等への置き換えも考え事も必要かと思います
回収する元素として、埋蔵量の少ないコバルトとニッケルは理解できます。しかし、埋蔵量が充分すぎるほどあるリチウムをわざわざ回収しようとする意図がわかりません。確かにリチウムの価格の乱高下は、需要と供給によって決まっているとは思えないのですが、南米では新たな塩田の開発も進んでおり、さらに言えば、10年後には既にリチウム電池の時代は終わり、ナトリウム電池の時代が来ているはずです。こう考えますと、欧州のニューデール政策でのリチウム回収の意図は、需要と供給の関係というよりは、一部のリチウム輸出国への経済的制裁を意図しているとも考えられます。いずれにしましても、リチウムの適正価格がはっきりしませんので、回収した方が安いのかどうか分からず、ただただ
欧州の政策に追随しているだけのこととしか思えません。
ヒロ様、コメントありがとうございます。
>埋蔵量が充分すぎるほどあるリチウムをわざわざ回収しようとする意図
そういう見方はもちろんあり、正当なものだと思います。恐らく今のリチウム回収や回避(CATLはナトリウムイオン電池を研究・開発しています)に関する動きは、今より資源価格がもっと高くなったら、、という懸念の裏返しではないでしょうか?いくら埋蔵量があっても、採掘にコストがかかったり、温室効果ガスの排出が大きかったりすると、自動車メーカーはリサイクルリチウムのほうを優先する可能性はあると思います。
ご丁寧な返信ありがとうございます。
確かに、国内大手自動車メーカーや電力は、リチウム回収法の研究開発を既に開始しております。しかし、彼らの動機は、欧州のグリーンニューディール政策に対応するためであって、お値段ではないのです。私がわからないのは、まさにそこなのです。
浅学ではありますが、私はこれまで、様々なリサイクルについて調査してまいりました。しかしながら、当初は価格を抑えるためと称して勧められたリサイクルプロジェクトで、結果的に実際安くなった事例を1つの例外を除いて存じません。そこがリサイクルの難しいところなのです。いずれにしましても、リチウムの価格は、10,000ドルから5000ドルにいきなり下がったかと思えば、今度は15,000ドルへと急騰するという、いったい適正価格がいくらなのかが私にはわからない状態にあるため、再処理が安くなるか高くなるか議論することもできないのです。
再処理コストのお話をされましたので、その辺りの情報をいただけませんか。
それともう一点は、ナトリウムイオン電池のお話です。国内某王手自動車メーカーは、安全性研究に既に着手しております。通常、安全性研究というのは、実際物ができてから始めるのが定石で、私が開発試験の話を伺ったのは15、6年前ですから、既に試作品ができていると見て良いと思われます。そうなりますと、10年後にはリチウムに代わってナトリウムが主流になるでしょう。ナトリウムは、それこそ高濃度で海水に含まれておりますので、まずお値段はただと考えてもよろしいかと思います。この時間軸で考えますと、現在溜まっているリチウムは、リサイクルしましても使い道が無くなり、結局はニッケルコバルト以外は必要ないというお話にもなりかねないのです。
EUの自動車政策は、これまでも何度か書き直されており、私的にはまた書き換えられるのではないかと愚考しております。
ヒロ様、再度のコメントありがとうございます!
>しかし、彼らの動機は、欧州のグリーンニューディール政策に対応するためであって、お値段ではない
なるほど、そうかもしれないですね。実際EUは、2030年までにリサイクルコバルト12%、リサイクルリチウム4%をEVバッテリーに使うように検討しているようです。
>当初は価格を抑えるためと称して勧められたリサイクルプロジェクトで、結果的に実際安くなった事例を1つの例外を除いて存じません
現在までは、おっしゃる通りなのでしょうね。
リサイクルで原資源価格を下回る例ってのはほとんどない、というのは良く聞きますね。
https://insideevs.com/news/533378/redwood-materials-100gwh-recycling-plant/
ココが再処理を大規模化して、低コスト化する事業を行っています。
>ナトリウムイオン電池のお話
>10年後にはリチウムに代わってナトリウムが主流に
CATLもかなり投資していますね。
https://blog.evsmart.net/ev-news/catl-tech-zone-battery-day-sodium-ion-battery/
これは、エネルギー密度が低くなりそうなので、CATLはナトリウムとリチウムも両方使う、ハイブリッド型の電池も提案しているようです。今のところ低コストのLFPでは、55-60kWh前後しか搭載できません。テスラは、LFPが70%、ニッケル系が30%と予測していますので、このLFPを超える性能のものがナトリウムでできれば、主流になりそうに思います。
お忙しいところ、再三ご返信頂きましてありがとうございます。
リンク先、読ませていただきまして、ちょっと引っかかりましたので再度コメント上げさせていただきます。
ネバタのリサイクル工場ですが、アノードとカソード材料のリサイクルを目指しているけれども、今のところリサイクルされてくるバッテリーが充分ではないとの記載されています。アノードとカソードの材料のリサイクルと言いますのは、コバルトとニッケルの回収というリサイクルという意味で、リチウムの回収とは異なります。もちろん、アノード材料にもリチウムが含まれておりますが、ニッケル回収過程において、スラグに移行してしまいますので、これまでの技術では、回収不能です。
ただし、ちょっと前に、住友金属鉱山が、可用性のスラグを開発したとのニュースリリースがネットにありましたので、早速電話して、しかるべき方と連絡を取り、サンプルの提供には同意していただきましたので、イオン交換を使うか、炭酸塩にして落とすかすれば、リチウムの回収自体は可能なところまでは話を持ってきましたが、さすがにネバタはそこまでフォローしてはいないでしょう。私が問い合わせをしたのは、ニュースリリース発表の翌々日だったのですが、既にトヨタからは問い合わせが入っている趣旨のお話を聞かせていただきました。国内で住友金属鉱山開発の水溶性スラグからリチウムを取り出せる技術開発に即応できる研究所や大学は国内にないではないですが、いずれも基礎研究でして、今後はメーカーの資金を投入して基礎研究を進める段階に移行したと認識しております。
欧州の自動車についての政策では、ガソリン車廃止に伴うハイブリッド車への移行が打ち出された後に骨抜きになってしまった経緯もあり、以前、旭硝子の知人とも話をしたのですが、やはりリチウム回収の意図はわからずじまいでした。
ヒロ様、コメントありがとうございます!
私がよく知らない分野について、いろいろ教えていただきありがとうございます。今後、ご指摘頂いた部分の情報に関しても、リサーチして記事を増やしていきたいと思います。
テスラもリサイクルの主な目的はニッケルみたいなことを発言したこともありますし、リチウム回収はあまり進展していないのかもしれないですね。
テスラがコバルト回収の話をしなくなってきているとすれば、それはおそらく次世代リチウムイオン電池のカソード材料からコバルトを外す目処が立ってきたからでしょう。
私の現在の興味は、EV の次に来る燃料電池車に使用する水素の製造技術で、海外のファンドを使った基礎研究にありますため、電池の話題はお留守になっております。
安川社長がご講演などなさるときには拝聴させていただきたいので、お知らせください。勉強させていただきます。
よろしくお願いいたします。
劣化したものを、その範囲内で使える場面へ廉価させていくことが果たしてリサイクルといえるのか。そもそもセル落ちしたものを入れ替えて延命させたとして、発火・発熱リスクなどを比較すると、目的外使用は避けられていくことになると思う。
そもそも、ニッケル、コバルト、リチウムの電池自体、現在も開発が進んでおり、組成素材がまだまだ流動的で、リサイクル方法、設備に関しても投資が進まないのではないかと考える。欧州が仕掛けている割にテスラ一人勝ちなのも気がかり。
犬 様、コメントありがとうございます。おっしゃるように懸念点は厳然と存在していると思います。
>劣化したものを、その範囲内で使える場面へ廉価させていくことが果たしてリサイクルといえるのか
この点について、
Natureにも論文が出ており、それなりに技術検証や事業可能性などについて知られています。
https://www.nature.com/articles/s41586-019-1682-5
米国でもスタートアップがセカンドライフのビジネスを立ち上げています。なおご指摘の通り、セカンドライフは厳密にはリサイクルではないですが、当記事ではもう一つの選択肢として、同列上に取り上げています。
https://www.greentechmedia.com/articles/read/car-makers-and-startups-get-serious-about-reusing-batteries
日本でもフォーアールエナジーさんがセカンドライフ製品を作っています。
https://www.4r-energy.com/
>組成素材がまだまだ流動的で、リサイクル方法、設備に関しても投資が進まないのではないか
このあたりについては拝見しているところでは、あまり問題になっていないように思います。
https://www.ft.com/content/e88e00e3-0a0c-469a-986b-1ffda60b6aee
自動車用だけでなく、コンシューマー製品のリチウムイオン電池のリサイクルを行っているRedwood Materialsの取材記事ですが、
Each weekday, two to three heavy-duty lorries drop off about 60 tonnes worth of old smartphones, power tools and scooter batteries.
スマホや電動工具、スクーターなどの電池(もちろん自動車用も)を毎日60t受け入れており、そこから金属を取り出しています。
もう少し詳しく取材した記事も出していますので、よろしければご覧ください。
https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/redwood-materials-on-battery-recycling/
バッテリーを使用するEVが普通になれば、毎年生産される同数の廃車が出てくる。
許容できるのか。
一般家庭で発電した電気で走れればいいが。発電所で作った電気で走るとなると?
人口密度の高い地域では自家用車は維持できない。都市部で共有化が進むと、今ほど生産する必要はない。
あるある 様、コメントありがとうございます!ちゃんとリサイクルを推進する必要がありますね。
>発電所で作った電気で走る
多くの電気自動車は、発電所で作った電気で走行することになると思います。当然、火力発電中心の現状の発電構成であっても、CO2排出はガソリン車やハイブリッド車より少ないので、これについての問題は全くないと思われます。総発電電力量についても調べて、計算式を公開していますので、よろしければご覧ください。
https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/ev-and-fossil-fuel-power-station/
EVは解体するコスト、バッテリーリサイクルに伴うコストを含めたら
とても割には合わないでしょう。リサイクルも酸を使って溶解するとか
現場を見た事のない人には大変さが伝わってこない。
事故時の取り扱いやバッテリーの引火性、酸が発生した際の乗員の被害など
デメリットを全く取り上げられていないのもおかしい。
EVで衝突実験して公開するべきでしょうね。
電気自動車の敗者が増えてきた昨今、使用済みリチウムイオン電池の再生利用事例が増えてきましたね。
リーフ初期型24kWhのバッテリーをオフグリッドソーラーの蓄電池にするYouTube動画を複数見かけましたが、真にリサイクル社会を考え、停電の多いあるいは電気も無ェ地方に住む市民活動家の間では仮に残容量67%まで劣化したものでも16kWh使えれば2日は電力自給するそうです。4kWのソーラーパネル・80A程度のチャージコントローラー・インバーターを使い、リーフのセルパックを7直列しBMSを接続して48Vシステムを構築しているので発火事例はまだ見かけませんよ!?
当然設定ノウハウもBMSメーカーのカタログスペックを見つつUSB経由でPCから設定できるとか。そのうち僕もやりたいです。
実際そのシステムでアイミーブやミニキャブミーブなど小容量の電気自動車なら十分充電できるそうです。検索すればわかると思います。