※冒頭写真は東京都世田谷区『ライフ桜新町店』での放電風景。
名古屋では4店舗が実証試験に参加
昨年12月の記事『電動車で放電して「実質3万円GET!」~世田谷区で実証実験がスタート』でも紹介したCHAdeMO規格に対応したクルマで「放電」すると、ポイントが貯まって「Pontaポイント」などの特典を得られる実証試験が、次は名古屋市内でも始まります。
サービス開始は2020年4月中の予定ですが、3月17日(木)には先行して特設サイトが公開されて、実証試験に協力するモニター募集が始まりました。実証試験の期間は半年間と予定されています。
【モニター登録はこちらから】
『電気自動車・プラグインハイブリッド車ユーザー向け新サービス』
先行して同様の実証試験が行われた首都圏では、千葉市内で1店舗、次いで世田谷区で1店舗でしたが、名古屋市内では4店舗が参加。参加するにはモニター登録(審査あり)が必要で、規定の放電回数などをクリアすると謝礼として1万5000円相当の「Pontaポイント」か、「カテエネ」ポイントをGETできます(ともに事前の会員登録が必要)。
【Facebookページもあります】
実証試験の概要
公式の特設サイトにも説明がありますが、実証試験の概要などを紹介しておきましょう。
【参加資格】
①放電可能な車両のユーザーであること。
②実証店舗に無理なく来店可能な方。
③スマートフォンをご利用頂いている方。
④ルールをご理解頂き、本実証にご協力頂ける方。
各店舗にはCHAdeMO規格の急速充電口から放電する機器が設置されます。急速充電に対応している電気自動車でも、輸入車は放電できる仕様になっていないので、具体的には以下の車種が対象です。
・日産LEAF
・日産e-NV200
・三菱アウトランダーPHEV
・三菱i-MiEV
・三菱miniキャブMiEV
・トヨタプリウスPHV(2019年5月以降の発売モデル)
ただし、初代日産LEAFと初代三菱i-MiEVについては、放電可能にするためにソフトウェアアップデート(有料)が必要となる場合があるので、詳細は販売店などに確認してください。
【実施店舗】
実証試験が行われるのは、以下の4店舗です。
●ローソン 緑区池上台三丁目店(名古屋市緑区)
●ローソン 昭和高校西店(名古屋市瑞穂区)
●ヤマナカ 富士見台フランテ(名古屋市千種区)
●ヤマナカ 安田店(名古屋市昭和区)
EVユーザーの多い地域で計200名のモニターを募集!
EVsmartブログでは千葉や世田谷での実証試験についても記事にして紹介してきました。名古屋ではどんな風に実施されるのか、さっそくご担当者にインタビューを申し込み、いろいろお話しを伺ってきました。
まず、世田谷の次に「名古屋」を舞台に選んだのは「EVユーザーが多いエリア」だったから。この実証試験は、太陽光発電や風力発電など、地球環境に優しいけど発電量が不安定な再生可能エネルギーを、電気自動車やPHEV(プラグインハイブリッド車)と連携することで安定供給に寄与。「持続可能な、人と地球環境に優しいエネルギーネットワークへの貢献」を目指してのこと。モニターとして参加したユーザーから、アンケートなどを通じて幅広い意見を募ることも重要なミッションなので、EVユーザーが多くて、環境問題に対する意識、いわば民度が高いエリアとして名古屋市が選ばれた、ということですね。
予定しているモニター募集の数は各店舗50名程度で、合計200名程度。千葉と世田谷では実施時期も異なりそれぞれの実証店舗でしか参加できませんでしたが、名古屋では4つの店舗のどこでも放電できるシステムになるとのこと。
専用アプリも改良作業進行中!
参加するには『caecco』という専用アプリを使用します。このアプリも名古屋用に新たなバージョンを制作中。アプリで表示した二次元バーコードを現地機器のコードリーダーにかざすだけで、放電の開始や終了が行えるようになるそうです。首都圏で使用したアプリではなく、4月上旬公開予定の『tokai caecco』(アイコンが色違い)をスマホにインストールする必要があるのでご注意ください。
なぜ、こんな実証試験を行うのか?
この実証試験は、先に説明した通り「持続可能な、人と地球環境に優しいエネルギーネットワーク」を構築するために、電気自動車による「V2G」を社会に広げるためのチャレンジです。とはいえ、いくら環境にいいことでも、頑張ったり無理して行動するようなことでは、社会に広げていくのは無理。「ポイントGET!」というベネフィットと楽しみを提供して、先駆的なEV・PHEVユーザーへの理解を広げ、モニター参加者のさまざまな「声」を集めることを目指しているのです。
世田谷区での実証試験には、私もモニターとして参加。すでにノルマ回数をクリアして、特典ポイントGET! が確定しています。昨年12月のサービススタートから、実はノルマぎりぎりの3回しか放電してはいないのですが……。
実際に参加してみた感想として、買い物をするわずかな時間放電するだけで「人と地球環境に優しいエネルギーネットワーク」に貢献できている実感は、ありません。世田谷区で放電場所になっているライフ桜新町店は大きなスーパーマーケット。中古リーフ1台が少々放電したところで、家庭用浄水器で皇居のお堀(いや、どこでもいいんですけど)をキレイにしようとしているような無力感すら覚えたのです。
でも、3回目の放電&買い物をしながらようやく気付いたのが「社会が変わるって、こういうことの積み重ねでしかないんだよな」ということでした。誰かひとりがエンジン車からEVに乗り替えたところで、世界全体の自動車によるCO2排出量に変化はありません。でも、多くの人がEVを選ぶようになるのにつれて、少しずつ世界は変わっていくのです。
思えば、私が長く関わっている日本EVクラブには「隗より始めよ」という掟があります。社会を変えるためには、まず自分が始めなきゃ、ってことですね。
EVやPHEVのユーザーであっても、自宅にV2H機器を設置して活用している人の割合はそんなに多くありません。名古屋市、そしてその周辺でEVやPHEVに気持ちよく乗っているユーザーのみなさま。電気自動車に何ができるのか、そして自分たちに何ができるのかを実感するためにも、モニター登録して実証試験に参加してみるのはいかがですか?
(取材・文/寄本 好則)
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拝見させて頂きました…全部名古屋東部の住宅街エリアですね。
ただ自宅から遠いので無理がありますが、これが小牧市など尾張北部へ普及してきたら僕も登録しようと思います。
Pontaカードならローソンのみならず「じゃらんnet」でもポイントが使えるので1泊2日旅行の多い方なら使える可能性大です!これは面白くなってきましたね。
ちなみに日産リーフが売れている地域は愛知県岐阜県など中京圏のソーラー発電量の多い地域と重なってます…トヨタの膝元なのに2019年ポストFIT対策でEV有利だからでしょうか?
ところでVtoHをつけて自宅で蓄電しきれないEV乗りは日本にどれだけいるんでしょう!?そのための啓蒙活動と思えばいいのかもしれませんが。