トヨタ『bZ4X』東京ー青森長距離走行で実感した「疑問」について考えてみる

最新EV4台で東京ー大間崎を走った動画レポート。トヨタ『bZ4X』で走ったEVsmartチームのテスカスさんが実感した疑問について、トヨタからメールでいただきいた回答を紹介します。はたして「魅力的なEV」にユーザーが求めているのは何なのか。考えてみたいと思います。

トヨタ『bZ4X』東京ー青森長距離走行で実感した「疑問」について考えてみる

確認しておきたかった4つの疑問点

12月14日の記事でご紹介したのが「最新電気自動車が大集合! みんなで大間のマグロを食べに行こう! チキチキ東京-青森間キャノンボール対決!」という、EV4台による長距離充電レースの動画レポートでした。

EVsmartチームのテスカスさんがトヨタ bZ4X、石井さんがヒョンデIO0NIQ 5で参加。テスカスさんとはかねてからテスラオーナー&ユーチューバー仲間であるEV Life Japanさんが日産アリア、僕テス(トシさん)がテスラモデルYで参加して、同時に千葉県浦安市のディズニーランドを出発。本州最北端の大間崎までの約800kmを一気に走り、到着順位を競うチャレンジでした。

「キャノンボール」なんて銘打つと、早く到着するのを競うだけの印象が強いですが、法定速度を守ってきちんと休憩を取るのがルール。そして、これは「充電レース」です。途中で行う急速充電の効率や車両側の充電性能が最も重要な勝負を分けるポイントになります。

結果はチャデモ充電器のパワーをフルに引き出す急速充電性能をもったIONIQ 5が1位となりました。ちなみに、八戸とか三沢あたりにテスラスーパーチャージャーが開設されたら、テスラ車が圧勝することは想像に難くありません。

1位/ヒョンデ IONIQ 5(12時間23分/充電回数4回/充電時間150分)
2位/テスラ モデルY(12時間36分/充電回数3回/充電時間113分)
3位/日産 アリアB6(13時間43分/充電回数6回/充電時間178分)
4位/トヨタ bZ4X(14時間37分/充電回数6回/充電時間225分)

1位のIONIQ 5と最下位となったbZ4Xの差は2時間14分(134分)で、充電時間の差が75分(回数も2回多い)もあるので、充電に多くの時間が掛かってしまったのがテスカスさんの大きな敗因になったことがわかります。

でも、これはテスカスさんの充電計画や方法が悪かったのではありません。充電回数が増えて時間が掛かってしまったのは、3回目(おかわり入れると4回目)の急速充電以降、bZ4Xの充電受入出力制限が発動し、充電器側の性能としては100〜125A(40〜50kW)の電気が流れるべきところ、ある程度のSOCに達すると50数A(20数kW)程度にまで制限されてしまったのが原因です。

さらに、bZ4Xはメーターなどで正確なSOC(%)表示をする機能がなく、あまりアテにならない航続可能距離表示だけを頼りに、深夜の下北半島で急速充電を繰り返し、へとへとに疲れ果てていく様子がレポート動画で生々しく報告されています。

bZ4Xはトヨタブランドで初めての市販BEVとして注目の車種であり、EVsmartブログ編集部としても気になるところ。そこで、テスカスさんが今回の長距離ドライブを敢行しつつ実感した「疑問点」をピックアップして、トヨタ自動車広報部に質問してみました。

【今回質問した4つの疑問点】

●急速充電制限の発動条件がわからない。
●SOC表示がないのは、なぜ?
●充電中も出力などの情報がないのは、なぜ?
●FWDモデルだけど、電費が良くない。

トヨタからの回答です

ご担当者にメールで質問を送って3日後(迅速に対応いただきありがとうございました!)、技術部門に確認もしていただいた上で、以下のような回答をいただきました。トヨタからの回答と、EVsmartブログ編集部としての見解を紹介します。

●急速充電制限の発動条件がわからない。

<回答>
お客様に安心して長くBEVをお使いいただき、また安全には万全を期すために制限を行っています。
急速充電の出力制限については、公式サイトの「BEV実用情報」で以下のような説明をさせていただいております。
▽外気温の条件による、急速充電の抑制
▽80%以上に充電する場合の充電量の抑制
ただし、お客様にはわかりにくい部分もあるかと存じます。そこは今後改善してまいります。

<EVsmartブログとしての見解>
「外気温が低温」と「80%以上の急速充電」が条件となっていますが、今回の出力制限はSOC30%程度(アナログ残量計の目分量ですけど)でも発動していました。また、どんな条件で、どの程度の出力(kW)、もしくは電流(A)に制限されるのかという情報がないと、ユーザーは充電に掛ける時間を予測することもできません。今後の「改善」に期待しています。

●SOC表示がないのは、なぜ?

<回答>
お客様にとって最も重要な情報は、航続可能距離と考えています。また電池は外気温により性能が変化するため、現状の電池の状態(SOC)が必ずしも航続可能距離とは紐づきません。この考え方に基づき、お客様が混乱しないために、航続距離のみの表示としております。
ただし、お客様からのご要望が大変多いため、今後、SOC表示の追加を検討しております。

<EVsmartブログとしての見解>
テスラ車以外のEVのメーターに表示される航続可能距離は、走行ルートの勾配や走り方で、頻繁に大きく変わります。EVユーザーの多く、少なくとも私自身は、メーターに表示される曖昧な後続可能距離はあまり重視することなく、SOCから到達できる距離を計算しながら走ることがほとんどです。
EVが表示してくれる航続可能距離が重要とするなら、せめて、テスラのような残量予想グラフなど、ルートの勾配まで勘案した正確な情報を提供する必要があると感じます。SOC表示は追加を検討中とのことなのでまずは一安心ですが。世界のトヨタとして、テスラの残量予想グラフに匹敵、もしくは凌駕するユーザーに優しい情報提供をお願いします。

EVsmartブログ編集部がモデルYで新潟遠征した際のバッテリー残量予想グラフの表示例。

●充電中も出力などの情報がないのは、なぜ?

<回答>
車両から離れた場所では、スマホアプリで確認できるようにしています。
車両にお戻りになられたときは、充電器表示での確認を想定していましたが、車内で待機される方に対する配慮が欠けていました。ご指摘ありがとうございます。
また、ドア開閉時、マイルームモード時にメーター上に、SOC、航続可能距離の表示の追加を今後検討しております。

<EVsmartブログとしての見解>
今回、EVsmartチームが乗ったbZ4Xは、トヨタのカーシェアサービス「TOYOTA SHARE」で借りたものでした。充電出力はEVユーザーにとってすごく重要な情報なので、カーシェア車両利用時にアプリをインストールしたスマホを一緒に貸し出してくれる(もしくは利用者のスマホでも情報を得られる手段を提供してくれるとか)といいのになと感じます。
ちなみに、テスカスさんに確認したところ、TOYOTA SHAREでbZ4Xを借りるためにインストールしたアプリでドアロックの解錠&施錠はできたものの、充電出力などは確認できなかったということでした。また、ドアロック&アンロックがこのアプリでしかできない(普通のキーなどは付属していない)のが「ちょっと面倒だった」という感想もありました。

●FWDモデルだけど、電費が良くない。

<回答>
基本的には各車で走行条件を極力そろえていただいての走行ではあったと思いますが、現状頂いている情報の範囲内では何とも言えない部分がございます。一般的には、加減速の強さ、車速(定常走行車速の高さ)、走行以外の電力消費(空調、オーディオ、外部電源供給)等により影響をうけます。特に空調に関しましては ECOモードのご使用、もしくは直接暖房(シートヒータ、ステアリングヒータ、輻射ヒータ)のご利用をお勧めしたいと思います。

<EVsmartブログとしての見解>
質問時、細かなデータは提示していませんでしたが、テスカスさんの動画内(上に結果一覧画像も)でも紹介しているように、電費としてはモデルY(6.5km/kWh)、IONIQ 5(5.6km/kWh)、アリア(5.1km/kWh)、bZ4X(4.8km/kWh)という結果でした。
今回のドライバー4人はみんなEVには乗り慣れており、今回の充電レースではとくに電費に配慮した運転をしていました。また、テスカスさんはほとんどエアコンは使用せず、シートヒーターやbZ4Xの特長的な装備である輻射ヒーターを積極的に活用していました。一方、モデルYやIONIQ 5は21℃設定で、アリアの設定温度は未確認ですが、ほかの3車種はずっとエアコンを使用しての結果ですから、もし、bZ4Xでもっとエアコンを使用していたら、さらに電費の差が大きくなったと思われます。
結果として、bZ4Xの電費性能にはまだまだ磨き上げる余地があるのではないかというのが率直な感想です。ここもまた、今後のトヨタに期待です。

開発ご担当者自身が最も厳しいEVユーザーになるべき

bZ4Xについて、結論としては「今後の改善に期待!」ということになりますが、トヨタの、いやトヨタに限らずこれからEVを開発して発売する自動車メーカーのみなさんには、ぜひ、ご自身でも日常的にEVを活用していただいて、ユーザーにとって魅力的なEVって何? ということに対して、うれしい答えを出していただけることをお願いしたいところです。まして、EV開発を直接担当される方は、ぜひマイカーをEVにして徹底的に活用し、自らが最も厳しいEVユーザーとなって開発を進めるべき(すでにこんなことは常識であって欲しいですが)ではないかと思います。

動画の中でテスカスさんは、私が質問としてピックアップしたポイント以外にも、EVユーザーとしてbZ4Xについて感じたこと(長所も短所も)に関していろいろと言及しています。テスカスさんの動画だけで約1時間20分、ほかの3名の動画を合わせると約4時間という超大作になってしまいますが、EVユーザーのリアルを疑似体験できる有意義な動画です。ことにトヨタでEV販売に関わるみなさまには、せめてテスカスさんの動画だけでも「しっかりと全部観る」ようお願いしておきたいと思います。

ひとつ、EV普及を応援するメディアとしてとても残念なのは、こうしたEVによる長距離ドライブの検証を行って、遭遇したトラブルや苦労をレポートすると、どうしても「EVはまだ使い物にならない」といったネガティブなコメントをいただいてしまうことです。

EVに慣れてしまえば、自分が乗るEVのバッテリー容量や電費性能、充電性能を理解してチャレンジするロングドライブは、急速充電のプランを考えることさえゲーム感覚で楽しいものです。70kWh以上の大容量バッテリーを搭載し、最大150kWの急速充電性能をアピールしているbZ4Xは、本来、1日で800kmくらいは楽しみながら走りきれるグランドツアラーであって欲しいと感じます。

出力制限は「長くBEVを使う」ためということなので、急速充電の発熱による劣化防止が主な理由だと思います。でも、独自のスーパーチャージャーで最大250kW級の超高出力急速充電が可能なテスラ車は、『25万7千キロ走っても、テスラのバッテリー劣化は10%以下』という記事などで紹介しているように、徹底したバッテリー温度マネジメントシステムや、ディスプレイを通したユーザーへのアドバイス機能などを備えていて、たとえば「数年で航続距離が短くなって使えない」といった例はほとんど聞いたことがありません(もちろん、テスラ車のバッテリーも長年&長距離乗ればそれなりに劣化はするし、SOHが低下した場合の保証もあります)。

最後に、テスカスさんの動画を改めて埋め込んでおきます。なんと、公開から12日で22万回(12月16日現在)も視聴されてます。やはり、bZ4Xへの注目度は抜群ですね。

取材・文/寄本 好則

この記事のコメント(新着順)26件

  1. 電気自動車を使ってみたいなあ,と思っている一般人です。
     ●●皆様のいろいろなご意見を拝読しましたが、このキャノンボールは、大変貴重なレポートだと思います。●●
     一般のドライブ好きのユーザーにとってガソリン車の様な成熟した利用環境でのカーライフが当たり前であって、電気自動車の使い勝手がこの狭い日本でもまだまだ非常に悪い事を示してくださいました。
     長距離を走ることが出来る電気自動車自体の性能として
    、日本の環境で1充電で500km、600km走れないということが第一の問題だと思っています。
     現在達成できないとしてもそれを補うべき充電環境、充電性能が無いことも電気自動車の将来性がうたがわれます。
    トヨタ車に至っては電気自動車商品として全く魅力なしですね。醜い充電制限。
     

  2. 寄本様
    私はプリウスphvに5年、ほぼ毎日すべてEV走行(市街地の通勤)のみで運用しています。EV走行は快適で、次はトヨタのBEV購入をと考えていましたが・・・・

    本文中の、今回質問した4つの疑問点 動画を拝見して私も同様に感じます。
    特に、●SOC表示がないのは、なぜ?
    についてのEVsmart様の見解に、120%賛成です。phvでもEV走行可能な距離表示されてはいますが、全くあてにならず表示の距離ほど走れません。ただ、設定でSOC%表示に変更は可能です。
    寄本様のお立場のような方が、トヨタに意見して頂ければ、トヨタも改善に動くしかないでしょう。今後もよろしくお願いします。

    >bZ4Xの出力制限が発動し、
    については、なんらの違和感ありませんでした。高電圧が流れてるとか聞くと違和感を感じる人間です。
    私の認識では、車(bZ4X)が急速充電器に対して都度、出力電力をリクエスト、命令しているもんだと思ってます。ですから、bZ4X、出力制限発動 と聞いても違和感ありませんでした。ま、どうでも良い事すが。
    phvだと急速充電MAXは、50Aより低い電流値。それが冬場だとさらに低下し30A程度に低下するようです。時間かけて急速充電しても高速道路での高速走行はEVでは30分もできません。走行ノイズも大きくなりエンジン音も気にならないので、高速道路走行時はHV走行での運用です。ま、これもどうでも良い事ですね。失礼しました。

    1. なまいきY さま、コメントありがとうございます。

      >次はトヨタのBEV購入をと考えていましたが・・・・

      私も、トヨタからの魅力的な大衆車EV登場を本当に期待しています。

  3. お疲れさまでした。
    充電速度に関しては、各メーカーのバッテリー寿命への配慮が反映されていると思います。
    当然高速で電気を流し込めばバッテリーは痛みます。アメリカの富裕層の2台目や3台目のテスラは、使い捨てされる前提のクルマ。日本車はバッテリーの寿命にも大きな保証を付けるという考え方ですから、そこに足かせが有るのかと。
    まぁ、浦安から大間を一気に走るのは一般的な使い方ではないので、自分に合ったクルマ選びが出来ると良いですね。

  4. ブログと、youtubeの動画も拝見しました。
    大変、参考になりました。
    今回、初めて電気自動車への乗り換えをします。
    今週末bz4xが納車される所、興味深く拝見し、かなりショックを受けて居ります。
    トヨタなので、購入ではなく、リースになりますが。
    ご存じの通り、契約完了後、解約も販売も出来ないので、乗り続けるしかないのですが、不安が大きいです。
    年末年始は田舎へ帰省しようと考えて居りましたが、東京から京都までの道のり500kmほどの工程なので、大間迄の距離よりは短いですが、急速充電の制限や、電池残量の表示についてディーラーへ質問してみましたが、こちらのブログ・動画にある通りの回答しか貰えず、やはり、開発者の方はEVユーザーでは無いのだなあと言う感想です。
    どんな商品でも開発する人間はその商品のヘビーユーザーで有るべきだと自分は考えて居たので、凄くガッカリしました。
    10年間乗るつもりなので、納車されたら、色々検証していきたいと思っています。
    何かご協力できることが有れば、ご連絡頂ければと思います。
    これからも、EVユーザーに有意義なブログ・動画を期待しております。
    納車前に知れて大変為になりました、ありがとうございます。

    1. 恐らくトヨタのEVはソフトウエアの変更によって今後改善されていくと思うので、余り心配されなくても良いと思います。ご自宅で充電可能であれば、日常の使い勝手では急速充電器を使う事は殆ど無いです。EVの特性に慣れるまで、なるべく遠距離走行は控えた方が良いと思います。現在普及しているチャデモDC充電器(〜50kW程度)では、bZ4Xの様な大容量バッテリー(71.4kWh)を急速充電するには能力が低過ぎます。欧米の様に、90〜150kWクラスの急速充電器が高速道路SAに設置されないと、EVでの高速連続運転は難しいです。

    2. ゆう さま、コメントありがとうございます。
      bZ4X納車とのこと、おめでとうございます。

      >かなりショック

      EVsmartブログ編集部としては、日本の自動車産業隆盛を続けるためにもトヨタのBEVへの期待は大きく「こうなって欲しい」旨の指摘が多くなります。

      動画や記事中で指摘している「留意点」があることをご承知おきいただいて、急速充電の回数や航続可能距離に注意していれば、bZ4Xでの長距離ドライブ、とても快適に楽しめると思います。

      どんなEVであれ、さらにはエンジン車であっても「制約」はあって当然。具体的な車種のレポートなどを通じて、これからも有意義な情報提供をしていけるようにと思っています。

      ゆうさんならではのbZ4X使いこなしテクニックや、なにか「気付き」などありましたら、ぜひ編集部にお知らせください。取材に飛んでいきます。

      EVライフ、お楽しみください!

  5. 青森は羽田から飛行機で行きレンタカーを借りるのが普通の判断。今回のように時間に余裕があるよであれば、フェリーでも。
    車で千葉から青森は10代でないと行かないよね。

  6. ドライバーの運転方法を疑っているようですが、EVの場合には高速道路で制限速度を守るような運転では電費を意図的に下げるような運転は難しいと感じます。(私もEV乗りです)

    市街地のようにゼロからのStop&Goのような急加速・急減速も出来ませんし、内燃車のようにギアを落として回転数を上げるような事も無いでしょうし、アクセルワークも速度と回転とのラグがほぼありませんから、一定のアクセル開度になると思われます。

    また普通に考えれば800kmの走行ではクルーズコントロール(ACC)を使うでしょうから、その点でもマシンの標準的な特性が出てくると思います

    以上の点から今回の結果は純粋に一般的なドライバーが普通に運転した結果だと感じます

    もちろん個体差はあるでしょうからこの結果が全てのBZ4Xに当てはまるとは言えませんが、一つの参考データーとしては大変有意義であると思います

    1. 私もJames様と同様に考えます。
      (只、私は高速道路でACCは使いませんが。)
      ところで、電費の評価についてですが、気になる点があります。
      今回の電費の評価は、各車の車のコンソールに表示される値での評価。走行距離と給電電力量の総量から計算された、評価値でありません。
      ガソリン車の燃費イメージだと走行距離とガソリン満タン給油量計算値での評価と車表示の燃費とズレがあるイメージと同じです。(正確にはEVでは、充電時に電気ロス分あるんでさらに複雑。)
      さらに、EVは回生充電します、回生充電が大きくできれば電費は向上します。ただ化学反応である電池回生充電量を正確に評価できるものなのか?
      私のPHVでは、回生充電量ガ大きくなる長い下り坂では、表示の電費の誤差が大きくなります。
      短文での説明では、理解が難しいと思います、すみません。
      要は、検出部品、精度が異なる、各車の表示の電費を、盲目的に信じて比較する事、ちょっと違和感あります。
      横から失礼しました。

  7. テスト(試験)としての要件を満たしていないというご指摘もございますが、正確性はともかく興味深い試みだとは感じました。お疲れ様です。

    私は5年前に5年落ち10seg.のLEAFを購入して真夏に宇都宮↔函館を敢行、7seg.になった今年は酷暑を避けて5月の連休に再トライしておりますが、現在の新型車でも平均速度としてはそれほど変わるものでもないなという印象です。
    長距離は充電速度(電力)が支配的なので当たり前と言えば当たり前なのですが。

    2点、用語について改善要望がございます。
    ・「充電効率」(本文では「急速充電の効率」)という単語を「単位時間当たりの充電量」の意味で使用するのはやめていただきたいです。充電1回で獲得できる電力量で表現が可能ですし、単位時間当たりの充電量とするならば、「平均電力」です。
    ・「bZ4Xの出力制限」は、「bZ4Xの充電電力制限」または「bZ4Xの受入電力制限」が良いと思います。bZ4Xの出力制限では、モーター出力が下がってしまう意味になってしまいます。
    よろしくお願い致します。

    1. ゆきぼん さま、コメント&ご指摘ありがとうございます。

      >・「bZ4Xの出力制限」
      語感として慣れてしまっていたのですが、ご指摘の通りですね。初出部を「bZ4Xの充電受入出力制限」と修正しました。

      >・「充電効率」(本文では「急速充電の効率」)
      受入出力を大きく長く維持できるほど「効率」よく先へ進める、という意味でご理解ください。

      ありがとうございました。

  8. Twitterでもリプしましたがこちらにも改めてコメントを残します。改めて文章を推敲したので一部表現など変わってます。

    メディアとしてもテック系として矜持を疑う文章でした。
    理由は以下です。

    ■電費とテスト条件
    今回のテストのbZ4xの電費は4.8km/kWhとたしかにかなり悪い数値です。
    これがテスカスさんのアクセルワークに問題が無く、平均や中央値と主張されるならワーストケースだと3km/kWh台。
    そこからAC使用2km/kWh台という数字が報告されきてもおかしくない数字です。
    はっきり言ってこれは異常であり、まずドライバーを疑います。自覚無くやっていたらテスターとしての資質不足。自覚ありだったら論外です。
    ちなみに私はIONIQ5ユーザーですが、IONIQ5の電費も5.6km/kWhと良くはない。正直漫然と運転したらこうなるよな。と推察します。

    以下引用
    【「キャノンボール」なんて銘打つと、早く到着するのを競うだけの印象が強いですが、法定速度を守ってきちんと休憩を取るのがルール。
    そして、これは「充電レース」です。途中で行う急速充電の効率や車両側の充電性能が最も重要な勝負を分けるポイントになります】
    引用ここまで

    充電性能が最も重要とは限りません。動画のまとめでは所要時間、充電時間、充電代が挙げられていましたが全てに係るのが電費です。
    電費が良ければ充電回数は少なくなり、充電制限の影響は軽減し、充電代も削減できます。

    電費を上げるためには巡航速度を下げるのが有用ですが、速度が下がっても充電回数が減るので所要時間は必ずしも不利に傾くことはありません。
    ウサギと亀の寓話と同じで、ドライバーの見極めが必要でしょう。

    ただこれはキャノンボールテストなのでウサギで行くのか、亀で行くのか事前に定義する必要はあります。
    TOYOTAの回答で「基本的には各車で走行条件を極力そろえていただいての走行ではあったと思いますが」と但し書きがあったように、
    運転テストで運転条件(巡航速度、エアコンの有無など)やルートを共有化したり仕様書を作るのは必須。

    ですがそれらを作成し遵守した様子も無くテスト条件を揃えていないのは、エンジニアリングや学術の世界だとその時点で排除されるものです。
    正直に申し上げてエンジニアリングに対する理解が圧倒的に不足しているのではないでしょうか。そして他人のエンジニアリングに対するリスペクトも欠落しているとしか言えません。ほかの方の言葉を借りるとドキュメンタリー風のバラエティ動画です。と宣言すれば問題なかったでしょうが、今回の文章を見るとそうではないようです。
    ※余談①電費テストとして複数人で当該車両を運転し、一番数字が良かったドライバーのテクニックを紹介し、EVsmartブロガーの中で共有化したら何も問題なかったと思います。
    ※余談②トヨタの規約では事業者の承諾なくテストに使用できることは不可となっています。承諾は取れているのしょうか。もし取れていたら杞憂として流してください。

    ■目的地充電
    動画を拝見すると、目的地充電をしないまま出発したそうですね。
    EVユーザーとしてはありえない選択です。
    EVsmartでも宿泊先での充電を推奨した記事を出していたのに、ダブルスタンダードと言わざるを得ません。

    総じて「煽れればそれでいい」というイエロージャーナリズムに汚染されているとさえ言っても過言では無いでしょう。
    そんな姿勢が垣間見える文章と動画(特にサムネ)でした。
    正直現状、【有意義な電気自動車情報メディアとして姿勢が問いかけ続けます。】
    とした宣言からかけ離れていると思います。
    繰り返しになりますが、大変残念な文章でした。猛省を促します。

    1. たびお さま、コメントありがとうございます。

      この記事は、カーシェアで借りたbZ4XとIONIQ 5、マイカーのモデルYとアリアを使った動画によるユーザーレポートを元に、結果から感じた「疑問点」に対するトヨタからの回答をご紹介したものです。
      厳密な「テスト」ではありませんが、記事冒頭に記したように、「はたして「魅力的なEV」にユーザーが求めているのは何なのか」を示唆するチャレンジであり、見解を含めてご紹介することは有意義だと思っています。

      大間崎での目的地充電。4人はそもそも車中泊前提の計画だったようですが、残念ながらまだ大間には充電できる宿などはないですね。目的地充電設備拡充の必要を訴求するのも、EVsmartブログの大切な役割だと肝に銘じてまいります。

    2. 米国ではコンスマーレポート(https://www.consumerreports.org/cars/)という非営利団体が、独自の視点で各社の自動車を評価し、消費者に情報を提供しています。必ずしも学術的、エンジニアリング的には評価していません。今回のEVスマートブログでのテスカスさんのbZ4X評価は、日本でのコンスマーレポートとして大変優れていると思います。これからEVを日本に定着させるには、クルマのバッテリー容量や急速充電性能というエンジニアリングスペクで判断するのでなく、(貧弱な)国内の充電インフラ状況下で、クルマの使い勝手やユーザービリティーがどうであったかというユーザー視点で評価した方が良いと思います。

  9. この動画興味深く見せてもらいました。
    空調関係の仕事をしている私は「輻射ヒーター」に注目しましたが、なんとドライビングポジションだとハンドル沿いのセンターにしか配風(この場合は、配熱でしょうか)しないことに驚きと呆れを禁じえませんでした(笑)
    そりゃぁ暖かくないですよ(笑)どんなチューニングをしてテストドライバーの承認を得たのでしょう?個体差ですか?暖かさを感じたいなら「内またでドライブしろ!」はないでしょう(笑)
    EV乗りなら電費を考えてヒーター類に切り替えるのは、当然なのですが、こんなヒーターなら意味がないです。

    どうもbZ4Xはちぐはぐ感が否めません。

    テスラのヒートポンプは、この冬の時期、ICE車の水温が上がるのを待つ必要もなく、かなり「立ち上がりが早い」のに驚かされますし、その際の消費電力も温水・空気式PTCヒーターなどに比べれば小さいことは承知していましたが驚きます。
    ディーゼルのICE車だと水温が暖房に使えるまでの温度に達するのに更に時間がかかります(日頃M社のディーゼルに乗ってます)。
    (もちろん12V用空気式PTCヒータを積んで低温時の暖房を補助する車両もありますが)
    またテスラモデル3は、デフォルトの温度設定が21.5℃に設定されており、普通のICE車ならセンター温度は、日本では25℃、ヨーロッパで22℃、北米で75Fに対し「低すぎるだろ?」と疑問を持ちましたが、実際23℃にすると熱いぐらいです。
    これは、配風が普通の暖房ならフット(足元)のところ、バイレベル(顔と足元)にしているようで、さらに分配は顔よりの配風のようで、独特のチューニングがされているように感じます。
    体感上「暖かい」を演出し、その後ユーザーがフットに割り振るチューニングかと…でもフット専用には振り切れないところが、ハード的配風の癖に思えますが。
    この辺りは、やはりEVを作りこんだチューニングのなせる技かと感じました。
    従来のICE車の配風常識でないところ、トヨタさんももう少し研究された方がいいですかね(笑)

  10. 具体的かつ詳細な検証お疲れ様でした。想像以上に国産車の駄目なこと明確に解りました。豊田章一郎社長は内燃機関が好き(正確にはオイルの臭いとエンジン音)とハッキリ言っており、全方位戦略とは言いながら、BEV にはそれほど力を入れていない気がしてならない。特にbatteryの残量表示など、通常の内燃機関車からスムーズに乗り換えができるよう敢えてデジタルをやめて感覚で分かれば良いと考えたようにしか思えない。雇用問題も大切だが、トヨタ本体が転けたら基幹産業がなくなることになる。危機感をもってほしい。それと、ミライの水素燃料車や現在開発中の水素エンジンはBEV が、現在抱えてる充電時間、冬場の極寒地における大幅なbattery能力の低下問題等よりも、かなり水素燃料の例えばガソリンスタンドでさえ廃業が進んでる状況で設置が進むとは思えないこと、更に液化の場合の極超低温タンクをどうするか、更に気体の場合のタンク容量等、クリアすべき課題のハードルが高いと考える。危機感をもってほしい‼️

  11. 動画拝見いたしました。
    トヨタにはBEV後発メーカーになってしまったという自覚が足りないようです。25年位前にRAV4EVを販売したことや、HEV・PHEVは“たくさん”作ってきたという自負があるのかもしれませんが、現状で今どきのBEVとしては後発メーカーなのは事実ですから、後発メーカーらしく他メーカーの評価されている機能は取り入れる必要があったと感じます。BEVはいつでも開発できると豪語していたのですから、開発期間が足りませんでいたという言い訳は通用しませんし…。本気で売るつもりがない商品かもしれませんが、メーカーとしての姿勢に疑問を感じる結果となってしまっていますね。
    充電制限については充電中の電池温度が大きな要素だと思います。急速充電中に一度閾値を超えると、それ以降(12時間程度?&急速充電中に温度超過しない状態が2~3回継続するまで?)は急速充電の受け入れ性能を半減させるようなプログラムになっているのではないでしょうか?
    急速充電電流の制御が始めるSOC値が半減しているような動作に見えましたので、そのような予想をしてみましたが、電池の寿命を長く保つ目的というメーカーからの回答から考えても、おそらく電池温度がトリガーのような気がします。
    “おかわり充電”をせずにSOC30~70%を利用して、SA・PAを80km~100km間隔で各駅停車のように充電して走行するのはいかがでしょうか?
    走れるだけ走って長時間充電するのはICVの発想であると感じます。使い方を考え、工夫することも必要でしょう。
    “おかわり充電”もできないi-MiEV(M)ユーザーのちょっと長い感想でした…。

    1. Y.Hishinuma さま、コメントありがとうございます。

      >SOC30~70%を利用して、SA・PAを80km~100km間隔で各駅停車のように充電して走行するのはいかがでしょうか?

      個人的には、それもアリだと思います。
      だとすると、そういうEV車種を発売するメーカーは、充電性能についてきちんと説明(サクラ&eKクロスEVのように)し、車両価格を抑え、その意図をアピールする必要があると思います。

      一方で、bZ4Xでは大容量バッテリーとWLTCモードの長大な航続距離や、最大150kW対応という急速充電性能が訴求されています。

      実際、テスラ車や欧州メーカーの高級SUVと競合するのであれば、そうした性能が必要でしょう。とすれば、公表している性能は実現しなければいけないのではないか、と考えています。
      QC出力制限を導入することも否定しませんが。公表されている性能を信じて購入(利用)するユーザーには、せめて発動条件やどのような制限がかかるのかといった情報を提供することが必要ではないでしょうか。
      このあたり、先行する日産リーフでも説明が十分ではなく、EV普及にとって悩ましい課題だと感じています。

  12. 今回のテスカスさんらによる一連の動画は、実際に家庭のメイン車として普段使い~遠出にEVを使う人にしか実感の難しい「EVの現実」を良い点・悪い点バランスよく伝えてくれていると思います。

    アメリカでテスラをメイン車として使う私の視点では、いつも助けられているテスラの予想充電残量の正確さの有り難みを再発見出来たことと、日本の充電環境の貧弱さがまるで10年前のアメリカを見るかのような停滞ぶりなことへのガッカリ感です。

    車体側の課題は、多くのメーカーがとても実用レベルで使える商品をだしてきているので心配はしていません。トヨタさんもきっと大きな改良をすぐにいれてくることと期待を込めて。充電ネットワークの課題の方が日本は大きい感じですが、パワーエックス社のような新勢力に救世主的な役割を期待しています。

  13. 残念ながら日本の自動車メーカーは昨今のEVの急速な進化に追いついていってないのです。これから国を挙げて日本製EVの遅れを挽回していく取り組みが必要だと思います。そうしないと自動車大国である日本の地位は守れないと思います。トヨタは今回の検証結果を、真摯に受け止める必要があると思います。

  14. ロケ参加の皆様、お疲れさまでした。

    bZ4XのUX/UIはICEベースでの設計が多い影響なのか、相当な改善点が多いですね。
    設計したら、「ハイ完成」で終わらせるのではなく、携帯電話のように日々の顧客によるデータの収集→アップデートを常にし続けなければいけない時代が車にも入っていいかもしれないですね。

  15. EVを知らない人からすると、どの車両も満充電で500km前後の航続距離(WLTC)があるのに、なんで約800km走って3〜6回も充電するのかという疑問を持つでしょう。ほぼ満充電でスタートしているようなので、ふつうに考えれば1回、せめて2回で到達するのが当然だと考えてしまいます。検証は大切ですが、この検証はEVは長距離走行が不得意であることを証明しているようなものです。もっと近距離利用の快適さを強調したほうが、EVのよさが伝わると思います。

    1. 今回の4台はバッテリー容量が比較的多く、バッテリークーラーも備えた
      長距離走行が得意な車種ですが、この充電回数が必要なのは現状のEVと
      充電環境が長距離走行には向いていないことが解る内容でした。
      深夜の走行で充電待ちもなく、お代わり充電も可能な良い条件であったにもかかわらず。

      bZ4Xのネガな部分がクローズアップされていますが、40Kwリーフが
      日中走行すれば、もっと悲惨なことになっていると思います。
      seijimaさんのおしゃるとうり、もっと近距離利用の快適さを強調したほうが良いと思います。

  16. なんか、トヨタ開発側とEVsmartさんが側の双方がミスをしているような気がする。決してbz4xが称賛できるBEVではないのだけど、トヨタ側の開発思想(彼らが、開発当時に考えてた最大多数の最大幸福)が現時点のメディアにきちんと伝えられていなく、EVsmartさんはトヨタが作るBEVが万人が満足するはずのBEVであると前提にしてしまっているように感じる。双方のミスがないのが、日産サクラの例だと思う。

  17. アリアのエアコン設定温度の情報が足りなかったようですのでコチラにコメントさせていただきます。
    アリアのエアコン設定は22度〜23度でした。
    運転席側が22度で、助手席側が23度の設定でした。
    仙台手前ではバッテリー残量が足りなくなった為、エアコンを一時的にオフにしましたが、それ以外はずっとオンでした。
    言い訳になりますが、アリアは仙台で渋滞にハマってしまった為、その為電費も落としてしまってます。
    渋滞の間、30分以上エアコン使い続けて走った距離が5kmとかなので。。
    参考までに。。

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この記事の著者


					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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