EV関連の最先端情報を知る世界有数のカンファレンスが、実は日本で開かれています

V2Hが実用化・市販化されているのは世界で日本だけですが、それに加えてEVとそれを取り巻く技術など最先端の情報を知ることができるのが「EVOCカンファレンス」です。今年も9月15日(日)に神奈川県箱根町で開かれます。参加締め切りは8月31日です。

EV関連の最先端情報を知る世界有数のカンファレンスが、実は日本で開かれています

日本で電気自動車(EV)の市販が始まって10年ですが、今年で7回目を迎える「EVOC(イーボック=EV Owners Club)カンファレンス」が、神奈川県箱根町の芦ノ湖沿いにある「箱根町総合体育館『星槎レイクアリーナ箱根』」で開かれます。主催は「EVオーナーズクラブ(略称:EVOC)」です。(「星槎」は「せいさ」と読みます。)

市民主催のイベントであり従来のマスコミでは報じられていませんが、今起きていることを知ることができる、貴重な機会だと言えます。

日産自動車の日本EV事業部部長 小塚功子氏による「日産が推進するEV事業 〜 バッテリーの再生利用について」のプレゼン。日産ではバッテリーのリユースのために専用の工場を建設して運営しています。悩みなのは、中古EVが売れてしまって、リユース・リビルドしたいバッテリーが入って来ないこと。従来のマスコミでは全く伝えられていない「今ここにある現実」です。EVOCカンファレンスに参加した人だけが知れた事実です。
日産自動車の日本EV事業部部長 小塚功子氏による「日産が推進するEV事業 〜 バッテリーの再生利用について」のプレゼン。日産ではバッテリーのリユースのために専用の工場を建設して運営しています。悩みなのは、中古EVが売れてしまって、リユース・リビルドしたいバッテリーが入って来ないこと。従来のマスコミでは全く伝えられていない「今ここにある現実」です。EVOCカンファレンスに参加した人だけが知れた事実です。

締め切り間近なので、参加をお考えの方はEVOCサイトをご覧くいただき、お早めにお申し込みください、とのことです。

EVOCとは

EVOCは、EV Owners Club の略称で、2012年9月15日に日本で初めて結成された市民有志の集まりです。ボランティアでEVオーナー・EV潜在購入者の交流を助け、EVと再生可能エネルギーの正しい理解と啓蒙を目指す活動をしています。

2013年2月3日からは、開設したEVOCサイトを通じて、ネット上で、EVにすでに乗っているEVオーナー/ユーザーが体験談を発信したり、EVの購入を検討している潜在購入層の人たちの質問にEVオーナーが答えたり、メーカーなどに働きかけて回答を引き出したりして、EVに乗り始める不安を和らげて垣根を低くする活動をしています。

「EVOCカンファレンス」は、2013年4月28〜29日に初めて開かれました。場所は今回と同じ箱根町のレイクアリーナでした。最初は「総会」でしたが、次の会からはメーカーを招いてのワークショップに発展し、途中に小田原市を会場とした開催なども含め、現在に至ります。

【関連情報】
カンファレンスとしては初回にあたる2014年のようす

なお、今回(2019年)のカンファレンスのご興味をお持ちの方は、昨年のようすがEVOCサイトで詳細に報告されているので、こちらをご覧ください。今回の内容もこれを上回る「濃さ」が予想されます。

●前回(2018年)のカンファレンスのようす[午前の部]
●前回(2018年)のカンファレンスのようす[午後の部]

オフラインでの啓蒙・貢献活動

また、オフラインでは、毎年行われる神奈川県や小田原市などの環境関連のイベントに協力したり、先日、「テスラ・オーナーズクラブ・ジャパン(TOCJ)」が主催した「ゼロエミッション車通行可能!! フェス in FUJI SUBARU LINE」にも協力するなど、様々なイベントに積極的に関わっています。

ワークショップを開いたり、自治体のディスカッションにパネリストとして参加するだけでなく、さまざまなEVの試乗会を行って、EVの普及を協力に後押ししてきました。横浜の赤レンガ倉庫で、EVOCの協力する試乗会に出くわした方もいらっしゃるのではないでしょうか。過去には長野県の松本市、埼玉県さいたま市、兵庫県、茨城県鉾田市のイベントなどにも参加して、EVの試乗会などに会員のEVを提供してまで協力してきました。日産リーフや三菱MiEVシリーズ・アウトランダーPHEV、メルセデスのスマートED、BMW i3、フォルクスワーゲンのe-GOLFとGolf GTE、そしてテスラモデルS・モデルXなどに試乗された方も大勢いらっしゃいます。

先日も、EVOCが主催したV2Hセミナーの大阪会場に参加した際、以前EVOCが兵庫県・淡路島に協力して行っていた環境関連イベントでminicab-MiEVに試乗された方がその後実際に購入され(しかも、ご夫婦で2台も!)、その時のお礼を言いにわざわざ駆けつけてくださったことがありました。

【関連記事】
「テスラ モデルXで2019 富士スバルラインEVパレードランに参加」

EVOCカンファレンス 2019 in Hakone のプログラム

EVOCカンファレンスのプログラム案は以下の通りです。記事執筆時点での暫定的なものなので、今後変更があるかも知れませんが、ほぼこうした内容で行われると思われます。

左から三菱自動車の百瀬さん、日産自動車の小塚さんと佐々木さん。世界の市販EVの専門家が、参加者の質問に答える、世界的にも最先端のEV経験がここに!
左から三菱自動車の百瀬さん、日産自動車の小塚さんと佐々木さん。世界の市販EVの専門家が、参加者の質問に答える、世界的にも最先端のEV経験がここに!

9:30 受付開始・入場
10:00 オープニング
10:30 自治体による取り組みの紹介

 神奈川県、山梨県、小田原市、さいたま市
 (交渉・調整中を含む)
11:30 EVsmart代表 安川洋氏によるプレゼン
 「テスラオーナーズクラブと世界のEV情勢」

12:00~12:45 昼食(事前注文者に弁当配布)

12:45 フォーアールエナジー(株)
 代表取締役社長 牧野英治氏によるプレゼン

 「マルチ超急速充電器について(仮題)」
13:15 日産自動車ご担当者によるプレゼン
 「日産インテリジェントモビリティについて、ほか(仮題)」
14:15 CHAdeMO協議会 会長 姉川尚史氏プレゼン
 「これからの急速充電について(仮題)」
14:45 三菱自動車ご担当者によるプレゼン
 詳細未定
15:00 ユアスタンド株式会社
 代表取締役社長 浦伸行氏によるプレゼン

 「集合住宅におけるEV充電の課題」
15:10 メーカーとEVオーナーによる座談会
 テーマ1:「大容量EVへの対応と
       バッテリー劣化の評価の基準」
 テーマ2:「EVオーナーの要望点とメーカーの対応」
16:30 質疑応答、写真撮影
17:00 懇親会(希望者のみ)開始
19:00 懇親会終了

2019年のカンファレンスの注目点

毎年参加いただいている日産自動車さんと三菱自動車さんからは、いつもコアな濃〜い話題や情報が出されています。従来の紙メディアはもちろん、Webメディアでも書かれていないような情報が飛び出すこともよくあります。貴重な話を聞くチャンスです。

また、EVだけでなく、関連するV2Hの技術や話題などがまとめて聞けて、メーカーの担当者や設計者の方々に直接質問できてしまうのも魅力です。

今回とくに注目されているのは以下のプレゼンテーションです。

CHAdeMO協議会 会長 姉川尚史氏プレゼン
「これからの急速充電について(仮題)」

フォーアールエナジー(株)
代表取締役社長 牧野英治氏によるプレゼン
「マルチ超急速充電器について(仮題)」

ユアスタンド株式会社
代表取締役 浦伸行氏によるプレゼン
「集合住宅におけるEV充電の課題」

どれも、他ではなかなか聞けないプレゼンテーションばかりです。

おわりに

これだけのEV関連の情報を1ヶ所&1日で知ることができるワークショップは、世界を見渡してもここだけだと言っても過言ではないと思います。いずれ英語も加えた運営や、海外への発信も必要となってくることでしょう。

なお、EVOCではこのあと、11月9日(土)には小田原市のスマート・シティフェアに試乗会も含めて参加します。また11月17(日)には神奈川県のエコカー試乗会に協力する予定ですので、EVの試乗にもぜひお越しください。
(著者は11/17の横浜では、フォルクスワーゲンのBEVであるe-GOLFを会場に持ち込む予定です。もちろん、試乗もできます。)

座談会では、実際のユーザーと潜在ユーザーからの質問を、世界最先端のEVメーカーの担当者が忌憚なく答える。ノルウェーやオランダ、カリフォルニア州の人たちにも参加してもらいたい場面です。
座談会では、実際のユーザーと潜在ユーザーからの質問を、世界最先端のEVメーカーの担当者が忌憚なく答える。ノルウェーやオランダ、カリフォルニア州の人たちにも参加してもらいたい場面です。

残暑の町を離れて、箱根の爽やかな空気のなかで9月15日(日)には、皆さんもぜひ「世界最先端」に触れてみてください。老婆心ながら、申し込みは2019年8月31日締め切りです。

なお、当ブログチームのリーダーである安川さんのプレゼンは毎回データが散りばめられて説得力があり、「目からウロコ」の楽しさです。また、著者も司会を拝命しております。当ブログの読者の皆さんは、お越しの際は、お気軽にお声をお掛けください。

(箱守知己)

この記事のコメント(新着順)6件

    1. 増永信彦様、
      コメントありがとうございます。すでに締め切ったと聞いておりますが、念のため記事の中のEVオーナーズクラブにメールで問い合わせていただきたいと思います。

      残念ながら参加できない場合でも、EVOCサイトで必ず詳細な報告が行われますので、そちらをご参考にお読みください。

    1. 今井様、コメントありがとうございます。遅くなってすみません。

      EVOCとしては、もちろん学生さんも大歓迎、EVにまだ乗っていない方も大歓迎とのことです。

    1. 渡辺謙聖様、コメントあがとうございます。
      EV乗ってなくても、全然問題ありません。興味がある方でしたら、どなたでも大歓迎です!
      すでにEVに乗っているユーザーから、忌憚ない意見・貴重な経験談がたくさん聞けますので、ぜひおいでください!

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この記事の著者


					箱守 知己

箱守 知己

1961年生まれ。青山学院大学、東京学芸大学大学院教育学研究科、アメリカ・ワシントン大学(文科省派遣)。職歴は、団体職員(日本放送協会、独立行政法人国立大学)、地方公務員(東京都)、国家公務員(文部教官)、大学非常勤講師、私学常勤・非常勤講師、一般社団法人「電動車輌推進サポート協会(EVSA:Electric Vehicle Support Association)」理事。EVOC(EVオーナーズクラブ)副代表。一般社団法人「CHAdeMO協議会」広報ディレクター。 電気自動車以外の分野では、高等学校検定教科書執筆、大修館書店「英語教育ハンドブック(高校編)」、旺文社「傾向と対策〜国立大学リスニング」・「国立大学二次試験&私立大学リスニング」ほか。

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