ポルシェ「新型カイエン E ハイブリッドの予約受注を開始」に電動化の潮流を実感

2019年6月7日、ポルシェジャパンは、プラグインハイブリッド車の新型カイエン E ハイブリッドの予約受注を開始したことを発表しました。先代のカイエンEハイブリッドとはシステムを一新。パワーが上がっただけでなく、電池容量を10.8kWhから14.1kWhへと増やし、電気モーターで最長44km(NEDCモード ※EPA基準では推定約37km)を走れます。

ポルシェ「新型カイエンEハイブリッドの予約受注を開始」に電動化の潮流を実感

日本国内の発売日はまだ未定ですが

はじめまして。フリーランスでライターをしている木野と申します。このたび縁あって、EVsmartブログチームに加入させていただきました。電気自動車関係の取材は長いものの、最近少し疎遠になってしまっていたので、初心に戻って調べ物をしていきたいと思います。温かく見守ってくださいませ。よろしくお願いいたします。

さて、今回予約受注が開始されたカイエンEハイブリッドは、超高性能な918スパイダーのコンセプトを踏襲。高出力になる「スポーツモード」、「スポーツプラスモード」のほか、バッテリーへの充電を優先する「E-ホールドモード」、「E-チャージモード」のどれを選んでいても、常に電気モーターによるアシストが働いて走行性能を向上させるシステムになっています。ハイパフォーマンスを実現するための電気モーターの出力は最大100kW(136馬力)。場合によってはモーターだけで時速135kmまで加速することも可能です。

エンジンとモーターを合わせた出力は340kW(462馬力)で、公式データでは最高速度は253km/hとなっています。そして、これだけの性能を発揮しながらも、1リットルあたり31km以上(NEDC)という燃費を併せ持っているのは、プラグインハイブリッドならではと言えます。

そして、当然というか、ここまで高性能な車なのでお値段も上級グレード。日本での価格は消費税込みで1216万円(ポルシェジャパンウェブサイトにリンク)になっています。

ポルシェのハイブリッド車では、2017年に欧州で発売されたパナメーラ 4 ハイブリッドが、パナメーラ全体の販売台数の約60%を占める人気モデルになっています(パナメーラのプラグインハイブリッドへ高い需要 ※ポルシェのプレスリリースにリンク)。となると気になるのは、受注開始から1か月が経った新型カイエンEハイブリッドの、日本での評判です。先代と比べてどうなのか、何がユーザーを引き付けているのかなど、好奇心が疼きます。

またポルシェジャパンは、2019年内に日本でも発売予定のフル電気自動車、タイカンの導入に先だって、日本国内に独自の急速充電器網を整備することを発表しています。

【関連記事】
「ポルシェジャパンがABBと150KW以上の急速充電器を共同開発、に突っ込んでみた」

さらに、ドイツのポルシェAGは2022年までに、電気自動車やプラグインハイブリッド車に関して60億ユーロ(1ユーロは約122円で約7300億円)を超える投資を行うことを発表しています。このうち5億ユーロを電動化計画のキモになるミッションEやその派生モデルの開発に、10億ユーロを既存モデルのハイブリッド化などに、7億ユーロを新技術や充電インフラなどに振り分ける予定です。

【プレスリリース】
『ポルシェは2022年までにE-モビリティに60億ユーロを超える投資を計画』

もともとポルシェは、創設者のフェルディナント・ポルシェ博士が1900年に世界初のハイブリッド車や、ホイールのハブにモーターを組み込んだ電気自動車を開発するなど、電気駆動とは縁が深い会社ではあります。それでも、ポルシェ博士の電気自動車から100年以上の時をまたいだ今、改めて本気で電動化に取り組む姿勢には、素直に感心してしまいます。

広報ご担当者に聞いてみた! けど時期尚早……

というわけで、ポルシェジャパンに、カイエン E ハイブリッドへの反応や、独自の充電網まで整備する真意を聞いてみました。

が、聞いた時期が早すぎたようで、「いただいたご質問ですが、まずカイエン E ハイブリッドについては、まだ日本に導入されていないためマーケットの反応などをお話しするタイミングではないと考えています」という回答にとどまりました。残念。

また、独自で整備を進めている充電器網についても、EVsmartブログで4月に掲載した「ポルシェジャパンがABBと150KW以上の急速充電器を共同開発、に突っ込んでみた」の時から進展がないかと思って質問してみましたが、回答は、「ABBに関しては以前のお問い合わせ以降で発表できるものはありません」でした。そういえば、4月の取材時も質問が時期尚早だったようで、いくつかの質問への回答をもらうことができませんでした。ポルシェジャパンの広報担当者の皆さま、せっかちですみません。

世界各地でタイカンのデモ走行を実施

さて、回答はもらえなかったのですが、ポルシェのEV計画に関する新しい話題があるので、こちらをお伝えしたいと思います。

2019年7月、ポルシェは中国、英国、米国の3カ国を3週間でまわって、タイカンのデモ走行をする「ポルシェトリプルデモラン」を実施。その皮切りに、7月2日に上海でプロトタイプがお披露目された後、7月4日~7日には英国で開催されたエンスージアストの祭典、「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」に参加しました。

グッドウッドでステアリングを握ったのは、元F1ドライバーのマーク・ウエーバーでした。ヒルクライムアタックをしたマーク・ウエーバーはタイカンについて、「パワーの出方は恐ろしいくらいだ」「まだプロトタイプだけど、素晴らしい車だ」などと話しています。

その様子はYouTubeでも公開されていて、ウェーバーは「絶対に、間違いなく、これはポルシェだ」ともコメントしています。

『Porsche Taycan prototype visits Goodwood Festival of Speed 2019』(YouTube)

公表されているタイカンの性能は、最高出力600馬力(440kW)以上、0-100m加速は3.5秒以下で、1回の充電での航続距離は500km以上となっています。超高速充電を可能にする次世代CHAdeMO規格(出力150kW)の充電器を使えば、30分で80%の充電が可能です。

もっともこの超高速充電器は、日本ではまだひとつもありません。この充電器を使うことができるEVも限られています。だからこそポルシェジャパンは、独自の充電器網を整備する必要があると考えているのでしょう。

と、そんなことも聞きたかったのですが、それはまた、次の機会にしましょう。9月には、ポルシェの地元ドイツでフランクフルトモーターショーが開催されます。その時にはさらに新しい発表があるかもしれませんし。

ところで、ポルシェはグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの直前、テムズ川沿いにあるロンドン名物の観覧車、ビッグアイを使って、こんなメッセージを発信していました。

Hey Porsche, get me out on the road.
Love, electricity

ねえポルシェ、私をどこかに連れてってよ。
電気より、愛を込めて

こんなメッセージを拡散させる自動車メーカーから、目が離せなくなりそうです。

(木野龍逸)


5 thoughts on “ポルシェ「新型カイエン E ハイブリッドの予約受注を開始」に電動化の潮流を実感”

  1. 興味深い記事をありがとうございます。ポルシェからは目が離せませんね。
    一点だけ重箱の隅。”Love, electricity” は「電気より、愛を込めて」では無いでしょうか。

    1. 櫻井啓一郎さま、コメント、ご指摘ありがとうございます。
      英語に堪能なEVsmartブログチームメンバーに確認して、ご指摘の通り「電気より、愛を込めて」ですよと笑われました。m(_ _)m
      修正します!

      編集担当:寄本

  2. 櫻井さま
    ご指摘、ありがとうございます!
    ですよね。。。
    いちおう確認していたのですが、迂闊でした(>_<)
    引き続き、当ブログをよろしくお願いいたします。

    木野

  3. カイエン E ハイブリッドは急速充電には対応していません。
    見積もりとったので間違いないです。
    欧州のPHEVは急速充電対応車ってまだないのでは。

    1. まささま、ご指摘ありがとうございました。
      新型カイエン E ハイブリッド、ご指摘の通り急速充電には対応していないにも関わらず、冒頭に対応している旨の誤記があり、修正いたしました。
      おっしゃるとおり、欧州メーカーのPHEVで急速充電対応車はまだ存在していないと私も認識しています。

      今後とも、正確な情報をお届けできるよう努力して参ります。ありがとうございました。

      編集担当/寄本

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