第43回「日本カー・オブ・ザ・イヤー」をEVが席巻! 日本でもすでに時代は動いてた?

第43回「日本カー・オブ・ザ・イヤー」の選考結果が発表されました。本賞とK car オブ・ザ・イヤーを日産サクラ/三菱eKクロスEVが受賞。インポート・カー・オブ・ザ・イヤーをIONIQ 5、デザイン・カー・オブ・ザ・イヤーをBMW iXが受賞するなど、電気自動車が各賞を席巻する結果となりました。

第43回「日本カー・オブ・ザ・イヤー」をEVが席巻! 日本でもすでに時代は動いてた?

※冒頭写真は、三菱eKクロスEVにしてみました。

軽自動車として初めての受賞

EVsmart&エネチェンジが第1回「Japan EV of the year 2022」の新設を発表した12月8日、第43回となるおなじみの本家本元、「第43回 2022–2023 日本カー・オブ・ザ・イヤー」の選考結果が発表されました。

結果は以下の通りです。

日産 サクラ

【第43回 2022–2023 日本カー・オブ・ザ・イヤー】
日産 サクラ/三菱 eKクロスEV

【第43回 2022–2023 インポート・カー・オブ・ザ・イヤー】
ヒョンデ IONIQ 5

【第43回 2022–2023 デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー】
BMW iX

【第43回 2022–2023 テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー】
日産 エクストレイル

【第43回 2022–2023 パフォーマンス・カー・オブ・ザ・イヤー】
シビック e:HEV/シビックタイプR

【第43回 2022–2023 K CAR オブ・ザ・イヤー】
日産 サクラ/三菱 eKクロス EV

一目瞭然。「テクノロジー」と「パフォーマンス」以外は、すべて電気自動車(BEV)が受賞しました。電気自動車が日本カー・オブ・ザ・イヤー(以下、COTY)を受賞したのは11年前の「第32回 2011–2012 日本カー・オブ・ザ・イヤー」における日産リーフ以来のこと。世界の先進国のなかでEVシフトの遅れが懸念されているニッポンですが、事実上、自動車の主役はEVに置き換わりつつあることを物語る結果なのだと感じます。

日本でも「EVの時代」がすでに始まっているのでしょう。

とりわけ、「日産 サクラ/三菱 eKクロスEV」の日本カー・オブ・ザ・イヤー(以下、COTY)受賞は、軽自動車として史上初の出来事です。それもそのはず、この両車、実際に運転するとICEの軽自動車には特有のもたつきや非力感、エンジンの唸りの騒がしさなどとは無縁ですから。最新のEV軽自動車を仕上げたことへの、輝かしい評価だと感じます。

一般庶民は、どちらを選べば正解なのか?

個人的なことで恐縮ですが、私自身は2010年の三菱i-MiEV発売以来「自分が欲しくて買えるEV」の発売を待ち望みつつ、2013年にEVで日本一周の旅を終えてからはエンジン車への購入意欲をほぼ喪失しています。とはいいつつも、フリーでライター&編集者をやっているといろんな仕事を引き受けるので、パフォーマンス・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したホンダの新型シビックが素晴らしいクルマであることなどは承知しているのですが。長年の歴史を刻んでいるCOTYのあり方に、ちょっとした違和感を覚えるところがあるのです。

象徴的なのが、今回受賞したのが「日産 サクラ/三菱 eKクロスEV」と、メーカーも異なる2つの車種が併記されていることです。サクラとeKクロスEV、普通の人は買えるとしてもどちらか1台だけ、ですよね。そして、日産も三菱もそれぞれ単独の車名でCOTY受賞のニュースリリースを発信(日産のリリースには文末にeKクロスEVとの同時受賞である旨の注記あり)しています。さて、それでは「軽の電気自動車もいいかな」と検討する方は、どちらを選べばいいのでしょうか。

COTYの「受賞理由」にも、「現実的な車両価格でバッテリーEVを所有するハードルを下げ、日本でのバッテリーEV普及の可能性を高めた」など、両車に共通の優れた点が列記されているだけなので、ユーザーにとって選択のヒントはありません。

複数車種併記でのノミネートは今に始まったことではないですが、なんだか、すごくメーカー都合であって、一般のユーザーには不親切だと感じていたのです。

「EV」を、もっとユーザー本位に引き寄せたい

そんなわけで、「Japan EV of the year 2022(以下、EOTY)」では、あえて「日産 サクラ」と「三菱 eKクロスEV」を個別の選考対象車種としています。

日本市場復活を果たしたヒョンデのIONIQ 5(インポート・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞!)が電気自動車であることも、時代の節目を象徴する出来事と感じます。私自身、IONIQ 5には長距離を含めて何度も試乗し、EVとしてとても魅力的であることを実感しています。

ヒョンデ IONIQ 5

そして、この「EVとして魅力的」というのも新しい時代に向けて大事なポイントだと思っています。すでにEVオーナーであるみなさんの多くは、少なくとも私自身は、新たなマイカー選びはエンジン車とEVを並べて比較するのではなく「どのEVにしようかな」と検討するようになっています。だからこそ、新たな基準で社会が求める魅力的な電気自動車を選出するプロジェクトとして、EOTYを新設することにしたのです。

COTYで投票できるのはモータージャーナリストなどの選考委員だけですが、EOTYでは一般投票も行います。「候補車種にまともに試乗もしていない素人に何が評価できるんだ?」という意見があろうことは百も承知ですが、実際にクルマを購入する多くの方は、ジャーナリストのように綿密な試乗などはできないままに大枚はたいてマイカーを購入します。

自動車メーカーが発売した車種の魅力を評価するのは、実は「ユーザー」ではないか。だからこそ、ユーザーの意見を反映できる賞でありたい、というのが、EOTYで一般投票を募集する最大の理由です。

もちろん、EVsmartブログは数少ない(現状はほぼ唯一?)電気自動車情報専門のウェブメディアとして、候補車種の情報発信は行います(車種によって濃淡あるのはご容赦を)し、EV情報に精通し、多くの車種への試乗もこなしている「エバンジェリスト投票」を組み合わせた仕組みとしました。

結果、どうなるかはまだわかりませんが、ひとえに、「EV」をもっとユーザー本位なものにして欲しいという願いを込めたプロジェクトが、第1回EOTYでもあるのです。

EOTYへの一般投票。ENECHANGEがニュースリリースを出して、EVsmartブログで告知記事を出したのは8日の夕方だったのですが。ほんの半日ほど(現在は9日午前4時30分)で、すでに多くの投票をいただいています。

「推薦コメント」必須という投票条件はちょっと厳しいかもと懸念していたのですが、熱のこもった的確な意見を多くいただいていて、感嘆しているところです。

投票期間は2023年1月31日まで。ぜひ、たくさんの投票をお待ちしています。今年を代表する電気自動車を、みんなで選び、応援しましょう!

Japan EV of the year 2022
特設サイト
投票フォーム(Googleフォーム)

(文/寄本 好則)

この記事のコメント(新着順)6件

  1. 毎日自宅充電、1日100キロ以下の足なら高価なLi電池は不要。安いPb電池で事足りる。Pb電池も性能が上がって今はLiの半分程度は出せる。20Kwhを半分にして重量は同じ。10kwhなら価格は10万円程度だ。5年は持つ。5年ごとに10万出費すればいつもバッテリーは新品。急速充電に弱い欠点は2セットをバッチ運用すれば良い。
    実は中国の宏光MINIもPb電池仕様がある。30万円ほど安い。こっちの方が売れている。
    Li電池に拘るのはあえて高額にして利益を出すメーカーの事情と思われる。
    軽自動車EVは鉛電池。これが正解。

  2. こんにちは。まずは…SAKURA/eKXEVのCOTY入賞おめでとうございますm(__)m
    考えてみればこれも当然、理由はおそらく
    「庶民にも買いやすいEVが登場した」
    「日本の道路事情にマッチしている」
    「日本の電力事情にマッチしている」
    以上3点にあると思います。

    以上各要素を深掘りしてみました。
    1.いくら電気自動車の良さがわかっていても一般庶民が買えなければ意味がない。それを何とか一般的なガソリン車価格に近づけたことで買いやすくなり、実際補助金込みで軽ターボ車と大差ない価格にしたことから爆発的に売れているのも納得です。
    2.まだ日本の路地裏は狭いまま。日本の都市計画の立ち遅れというべきか、はたまた少子高齢化で運転技量が落ちたのか、それとも自動運転技術が狭い道路に対応してないのか…もっとも一番電気自動車に向く用途が業務用配送車など狭い路地を通る機会が多く、またガソリンスタンドの少ない地方でも農道や畦道など狭い市町村道が多くあることにも起因してます。それら要素を加味しないと語れないと思った。
    3.これはBtoB電気管理技術者として僕が過去散々語ってきた事実。
    日本の電気事業法規定により低圧受電電力が50kW未満になっており、アイミーブや初代リーフの地点で急速充電能力はすでにその限界に達していました。リーフe+やアリアなどを30分以内に8割急速充電したければ高圧受電設備の設置や電気主任技術者選任(外部委託可能)などのコスト増につながり、さらに負荷率(平均電力/最大電力)が普通充電より極端に悪いことも相俟って急速充電コストが半端なく上がっています。
    人々の急速充電志向が高まった理由に「ガソリン車と同じ使い勝手」を求めたことが敗因やないですか!?…さらに理由を探れば発言者の多くが集合住宅在住者。
    集合住宅の管理人と電気自動車普通充電器の話もしており、あとはデベロッパーや管理組合へアプローチするだけです。それができればENECHANGE社へ一報入れて話を進めたいところ。とにかく「寝ている間に充電できる」普通充電環境を整備することが第一歩なのです。

  3. 個人的には三元系のリチウムイオンバッテリーでは充放電サイクル500回くらいで結構劣化してくるバッテリーが増えてくると思いますのでちょっと心配です
    サクラは70000kmくらいで500回に達するので一日50kmの通勤に毎日使うみたいなオーナーは想定より早く劣化を経験することになると思ってます
    第二のリーフみたいなEV=バッテリーが劣化して使えないみたいなイメージにならないか心配です
    LFPなら心置きなく素晴らしいEVといえたのですが

  4. ヨーロッパなどで賞を取っているテスラYが、なぜノミネートされなかったのでしょう?
    販売台数も輸入EVでは1番でしょうし、街で見かける割合も輸入車EVではダントツです。
    3もノミネートされませんでしたが、既存自動車メーカー中心のCOTYのスタンスを感じます。また、街中の短距離利用を想定した軽のEVの受賞は、まだEVはメインストーリームの自動車と評価していない裏返しのようにも思います。

  5. カーオブザイヤー

    うーん?!
    トヨタさんのbz4xは、とても惜しいね!(笑)

    メーター回りにバッテリー残量を見える様にして。
    変な?バッテリー劣化を抑える為?
    不必要?な、充電制限を解除すれば?
    世界で戦えるEVになるのにね!(^-^)

    BYDね?
    何か、安かろう悪かろうの白モノ家電に見える(汗)

    トヨタさんのEVは、小型EV?のC-PODは論外だが!
    質感は良い!性能では無くて、車格・車としての品質だね!(^-^)

    所詮は、中国BYDは
    新興自動車メーカーだ!(汗)

    考えるにトヨタさんは、本当にEVに自信が無いんだね!(泣)

  6. 今年の日本カーオブザイヤーに日産サクラと三菱eKクロスEVが選ばれたという事は、EVユーザーにとって大変喜ばしい出来事と思っています。しかし反面、世界のEV市場では戦えないガラパゴス化しつつある日本車の現実を如実に示しているとも思っています。欧米では150kWクラスの急速充電器の整備が進み、IONIQ5の様な大容量のバッテリーを積んだ800VシステムEVが市場で高い評価を得ています。恐らく今後数年で、日本の自動車産業は日の丸家電同様、韓国・中国企業に敗れ去る事になるのではないか?と大変危惧しています。

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この記事の著者


					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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