アマゾンがリヴィアンへ7億ドル投資、シェルはゾンネンを買収 — EVと再生可能エネルギーを中心に既存ビジネスが転換期

「第2のテスラ」と称されるEVベンチャーのリヴィアンに対し、米・アマゾンが主導する7億ドルの投資が発表されました。石油メジャーのシェルは欧州の蓄電池最大手、独・ゾンネンを買収します。電気自動車と再生可能エネルギー関連を中心に、世界の既存ビジネスが転換期を迎えています。

アマゾンがリヴィアンへ7億ドル投資、シェルはゾンネンを買収 — EVと再生可能エネルギーを中心に既存ビジネスが転換期

ニュース通信社ダウジョーンズと米大手テレビ網のひとつNBCが共同設立したニュース専門放送局「CNBC(2019年2月15日)」などが伝えたとことによると、世界初の電気自動車版ピックアップ・トラックなどを2020年に発売すると昨年発表して話題となっている「リヴィアン・オートモーティブ(Rivian Automotive Inc.)」に対し、通販大手の「アマゾン(Amazon)」が主導する7億ドル(およそ775億円)の投資ラウンドを受けると発表しました。リヴィアンについて詳しくは、当ブログの過去の記事を参照ください。

また、イギリスの経済紙「フィナンシャル・タイムズ(同年2月15日 ※個別記事を読むには要登録)」などの報道によると、石油メジャーの「シェル(ロイヤル・ダッチ・シェル:Royal Dutch Shell)」はドイツの再生可能エネルギー関連の蓄電池企業「ゾンネン(Sonnen)」を買収し完全子会社化すると発表しました。世界の大手既存ビジネスが、地殻変動期を迎えているようです。それぞれの事情と意図などを見てみましょう。

通販のアマゾンがEVに望むことは?

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話題の電動ピックアップ・トラック「R1T」と同時に発表された電動SUV「R1S」。R1TだけでなくR1Sにも3つある電池容量のうち最大のものは、テスラの最大量100kWhの2倍近い180kWhを搭載する。Rivianの公式サイトより転載。

2018年11月末に開かれたロサンゼルス・モーターショーのブースと、その直前のRivian社によるリリースで発表された「完全電動ピックアップ・トラック『Rivian R1T』」は大きな話題になりました。それまで、大型でパワーを必要とするヘビーデューティーなピックアップ・トラックは、電気自動車のメカニズムでは電池ももたないし実用に耐えられないと考えられてきたからです。

さらにこれは、既存の内燃ピックアップ・トラックの巨人であるGMとフォードに対しての挑戦であると同時に、EV先駆者企業であるテスラへの挑戦でもあります。テスラも電動ピックアップ・トラックの実現に向けて動き出していることが明らかになりましたが、ロサンゼルス・モーターショーでのR1Tの発表により、風向きが変わりました。

そんなRivianが、Eコマース(e-commerce)の巨人アマゾンの主導する7億ドルの投資ラウンドを受けると発表したのですから、驚きが広がりました。今回の投資には、かねてから噂されているGMは直接的には入っていないようですが、このことが「GMはリヴィアンとは与しない」ことを判断するのは早計かも知れません。完全に否定はされていないようです。

今回、正確な投資内容は明らかにされていませんが、このところアマゾンは複数のベンチャーと組んで、たとえばオーロラ(Aurora=自動運転関連のスタートアップ企業)に投資するなどの動きを見せていましたから、既存投資家からのものも含む今回の投資も、大半をアマゾンが出すものと推測されます。

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Rivianが「Skateboard」と名付けている「共通シャシー(chassis)」。バッテリーはもとより、操舵系もサスペンションも駆動系も全て装着されている。Rivianの公式サイトより転載。

アマゾンの狙いは、ズバリ「電動化(electrified)」と「自動運転化(autonomous)」されたモビリティー(mobility:車社会)です。アマゾン自身今はまだ「アメリカ合衆国郵便公社(USPS)」や民間の貨物会社「UPS」に配送を依存していますが、いずれは「ドライバーレス(無人の自律運転)」による配送を目指しています。

そうした流れのなか、電動化と自動運転は相性が良く、リヴィアンの開発した「スケートボード」と名付けられた電動プラットフォームの持つ柔軟性と可能性もアマゾンには大きな魅力と映っていることでしょう。アマゾンのワールドワイド・コンシューマー担当のCEOであるジェフ・ウィルク氏も「リヴィアンの電動化された輸送形態に対するビジョンに触発された」。また、R.J.スカリンジ氏は「先進的な製品群とそれを可能にする技術を持って驚くべき組織を作り上げた」と評価しています。

リヴィアンの創業者でありCEOでもあるR.J.スカリンジ氏はさらに、「今回の投資は、リヴィアンにとっても、また、社会が持続可能な車社会(サステイナブル・モビリティー)へ移行する意味においても、重要なマイルストーンと言えます。単に、電気自動車の性能や効率に対する妥協を廃するだけでなく、私たちの顧客全体に革新的経験をもたらすことができる点で、アマゾンは最適なパートナーです」と述べています。

いずれにせよ、リヴィアンの「400マイル以上走れる」ピックアップ・トラックR1TもSUVのR1Sも、米国内でのローンチは2020年の予定ですから、2021年早々には予約した購入者の元に届けられることでしょう。さらに米国以外へのローンチは2021年、デリバリーは2022年頃までには開始されることでしょう。

ゾンネンはシェルに買い取られたのか、自ら傘下に入ることを選んだのか?

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石油メジャーのシェルも、再生可能エネルギー方面を盛んに研究している。当面は不安定な再生可能エネルギーのバックアップとして、石油関連のエネルギーは存在感を示し続けるかも知れない。シェルの公式メディアサイトより転載。

今回のシェルによるゾンネンの完全子会社化は、はたしてゾンネンがシェルに買い取られたのか、それとも自ら傘下に入ることを選んだのでしょうか? 各方面で伝えられるところによると「後者」であることが分かってきました。

ドイツ国内や欧州内に限らず、世界で多くの企業と競争するためには、ゾンネンは巨大な資本・資金を持つシェルの傘下に入ったほうが有利と判断したようです。ゾンネンの創業者クリストフ・オスターマン氏は2月15日に「ゾンネンが新たな市場に乗り出す際、シェルは完璧なパートナーです。ゾンネンが新たなレベルに成長するのを後押ししてくれるでしょうし、エネルギーシステムの変革を加速してくれるはずです」と述べています。

シェルは再生可能エネルギー関連の事業から一度撤退しましたが、近年では再参入の動きを見せており、2018年5月にはゾンネンに資本参加していました。シェルとしても好都合な流れだったわけです。シェルの「新エネルギー」部門を率いるマーク・ゲインズボロー氏は、「ゾンネンは、エネルギーを賢く貯蔵・利用できる機器を提供している点と、顧客に応じたサービスを提供している点で、世界でもトップ企業のひとつと言えます。ゾンネンを100%子会社化することで、信頼性が高く、価格も妥当で、よりクリーンなエネルギーを求める我々の顧客に対し、シェルはより幅広い選択肢を提供できるようになるでしょう」と述べています。

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ゾンネンの蓄電池。室内置きのタイプで、テスラに負けないくらいスタイリッシュ。ゾンネンの公式サイトより転載。

ゾンネンはドイツの企業で、太陽光発電などの再生可能エネルギーとリチウムイオン蓄電池を組み合わせることで急激に売り上げを伸ばしてきました。いわばテスラやサムソンのライバルです。これまでに40,000ものバッテリー・パックを納入しており、これらはドイツ国内とオーストラリア、それにアメリカにある3つの工場で生産しています。創業当時、ゾンネンの蓄電池は25,000ユーロ(およそ314万円)していましたが、2017年までに5,000ユーロ(およそ63万円)と5分の1ほどにまで低価格化を達成(編集注※比較している蓄電池の容量は不明)しています。

一般にヨーロッパでは、太陽光発電パネルを家庭に設置しただけでは家庭で使う電力のおよそ半分をまかなう程度であると考えられていました。ゾンネンはそこに蓄電池を追加することで家庭使用電力の80%程度までをカバーしようとしてきました。そうした努力が実を結び、2010年の創立から短期間に欧州一の蓄電池メーカーへと急成長したのです。2017年には売上高は前年比でおよそ60%増の6,500万ユーロに達し、2018年も引き続き30%台半ばの成長を維持しているようです。

ゾンネンが成功した要因は、単に質の良い蓄電池を供給したことだけではありません。同社の製品は仕様がフレキシブルで、様々なサービスの追加を可能にしています。独自のソフトウェアを開発し、それを基に太陽光発電・蓄電池のネットワーキングを行ったことが、同社に大きな成功をもたらしました。

たとえば2015年に同社が立ち上げた「sonnenCommunity」というサービスでは、20ユーロ(2,500円程度)の月額を払って会員になれば、同じように太陽光発電と蓄電池を持つ会員同士で余剰電力を割安な価格で売り買いできます。さらに、会員内で電気が使い切れずに余ればゾンネンが電力会社に売却してくれます。また、ゾンネン製の家庭用蓄電池を月額などの費用支払い無しでつないで、「仮想発電所(VPP: Virtual Power Plant)」として運用できる「sonnenFlat」というサービスを提供しています。

ゾンネン(sonnen)の蓄電池
リビングルームに設置されるゾンネンの蓄電池のイメージ。室内にあっても必要以上の存在感は主張しない。操作盤は液晶ディスプレイに集約されている。ゾンネンの公式サイトから転載。

今回のシェルの動きの背景には、再生可能エネルギーによる電力の効率的利用と顧客への供給の後ろ側に、まだまだ不安定な自然エネルギーによる電力供給のバックアップとして、同社が従来から得意とする化石燃料によるエネルギー供給を据え置こうとする意図が垣間見えます。シェルのほか、欧州の石油メジャーであるトータルやレプソルも、発電から電気自動車への充電に至る業態を模索しており、さらに家庭への電力供給といったサービスに参入する構えも見せています。シェルが2018年にイギリスの電力会社ファースト・ユティリティー社を獲得したのも、家庭へ直接電気を売る業態を目指しての動きでしょうし、欧州の電気自動車充電サービス提供企業の一つであるニュー・モーション社を買収したのも、電気自動車ユーザーと直接つながる意図があるものと思われます。

こうした動きを見るにつけ、高度な技術が各分野に揃っており、風力・波力・地熱・太陽光・小水力といった再生可能エネルギー源が世界的に見てもきわめて潤沢な日本が、「太陽光発電で出来た電気を単にFIT利用で売電している」個人をつないで効率よい電力の供給・利用、そしてそれを基にした「地球に優しいモビリティー」の実現にまだそれほど手を付けていない現実や、仮想発電所の実現もいつになるか分からない現状には、歯がゆい思いを禁じ得ません。電気事業法を含め、抜本的な変革が急務であることは言を俟たないでしょう。

(箱守知己)

この記事のコメント(新着順)9件

  1. 360ccの軽自動車をEVで復活!…いいですねぇ(笑)
    スバル360に限らず、スバルR2・サンバー、ホンダZ(水中メガネ)・ステップバン、ダイハツフェローマックス・ミゼット(オート3輪)、スズキフロンテ・マイティボーイ・三菱ミニカダンガン、マツダキャロル(初代)…可能性はそれこそ大有りでしょう!
    電池はそのうち大量廃車となるであろうスズキワゴンRのエネチャージ用SCiB(劣化しにくい)中古を流用してBMSを新規構築すれば町工場レベルでもイケると思われます…ただ大量に集めるのは大変でしょうが(10000台から捻出してもi-MiEV(M)換算で200台分にしかならない)。
    それにコンバートEVは電池置き場も問題。スペースが足りないので2人乗りになる問題もあります(スズキアルトバンをコンバートしたケースも2人乗り,Youtube動画参照)。
    個人でできることからコツコツとやらないといけない、そこが日本人の気質にうまくマッチするかどうかですね…個人ではうまくいっても会社組織やお役所が首を縦に振りにくい現状が最大のネックです!!(爆)
    ※イノベーター・アーリーアダプターが海外の事例を参考にしているのが何よりの証拠ですが!!

  2. ヨリモトさん、箱森さん、熱いコメント有難う御座います!
    中国製のパーツ各種や日本製でも廃車EVからの部品調達を検討すべき時代に突入したのはよく判りますww
    ただ個人的にCHAdeMO企画対応は必須と考えますので充電装置は日本製にするべきですが…いっそチャデモ協議会にコンバートEVへの対応を聞きたいです!(もっとも知らない可能性大ですが)
    車体に愛着が沸いているもエンジン部品がなくレストアできない!(T_T)..と泣いている方への福音としてコンバートEV製造パーツの提供はマストだと思います。
    ただ現在流通しているコンバートEVパーツは電池の関係でDC100V前後が多いとか…それでは話にならないでしょう。
    一方で日産リーフの中古車が千台以上あるし、電池がダメになって解体されたリーフやアイミーブなどから外されたパーツがヤフオクなどで結構売られていますので、その流用でCHAdeMO対応のコンバートEVが作れなくもなさそうです。

    しかもタイミングよく、東芝製SCiBを利用した携帯バッテリー「ホビー用電池パック」を開発中のベンチャー企業もあります。
    https://kibidango.com/814
    これが製品化されたら大量購入して、電池の心配の少ないEVにすることも技術的に不可能ではないと思いませんか?..BMS(バッテリー制御システム)の自主開発は必要ですが、それがあれば理想のEVが作れなくもないですよ?!
    たぶん初代リーフのバッテリーをアフターでSCiB化して試すのが先決ですが、それが成功すれば一気にコンバートEVの世界が広がっていくと考えられます。
    それに手をつけるベンチャー企業が出現すれば多くの旧車が蘇るはず。

    あとはコミュニティバスとして10人乗りハイエース・キャラバンなど「働く車」のコンバートEVを作っても良さげです。大学の研究室と連携してリーフのパーツでEVバスを作ったりもありますので。
    個人的にバスオタでもあり、富士重工製のバス車体が大好きですがエンジン部品などの老朽化で今や珍しくなりました…バスならば大容量バッテリーを載せやすいし、走る蓄電池としての価値も高まるので市町村など自治体の災害対策にも使えます。絶版車というとそんな話も出せますよwwwwww
    …こんなこと書いていると今度は鉄道(富士重工製レールバス)へも話が行きそうですが鉄道系ブログでないので割愛します。

    1. 廃車利用のチャデモ対応コンバートEV。すごくありです。というか、あります。ただ、コンバートをあまりに安易に考えて手を出すといろいろ危ないので「ちゃんとやろうね」っていうことに取り組んできたのが、私の、というか、日本EVクラブの25年でした。w

  3. コメント追加します。
    旧車のレストアいいですね…特に人気の高いカルチャー系車種なら尚更です。

    かつて映画「バックトゥザフューチャー」に出てきた名車「デロリアンDMC-12」がその典型です。30年以上前のクルマを再生産しようにもそのままでは排気ガスや車両保安基準などに触れるため、いっそ映画の想定とおり電動車にしてしまうとか。
    価格が高すぎて手が出ませんが(1千万超)、カルトカー好きが金に糸目をつけずに買おうとしているらしいですwwもうそこまでいけばオタクの世界でしょうか。
    …あったらコワイ、EVデロリアンが街中を跋扈するシチュエーション!(自爆)

    以上お目汚し失礼しました…しかしデザインが古くても夢のある・愛着を持てるクルマってなかなか捨てられませんよね?
    ミニクーパー、ワーゲンバス、フィアット500、シトロエン2CV、スバル360…など、人を和ませるデザインは決まって「古くても新しく感じる」ものです!
    その手のクルマ好きにはEVコンバートの世界が適解。自分が見つけた限り、町工場でEVコンバートキットを導入してスズキ・マイティボーイを電動化した動画がYouTubeに出ていますよ!航続距離が短い問題は鉛蓄電池ゆえなので大容量リチウムイオン蓄電池が市販されてくれればいいのですが…ラジコンで言う田宮のバッテリーみたいな汎用蓄電池が欲しいですwwwwww

    1. コンバートEVの話題になっているのを拝見して、我慢できずに割り込み失礼します。
      日本EVクラブで20年以上コンバートEVが面白い!と言い続けて(僕はEVレーシングカートを1台作って最初に売ってしまったので控えめに)きましたが、パーツや二次電池はアメリカや中国のものを使うしかありませんでした。最近、クラブの会員でもあるOZモータースの古川氏が頑張っていたり、各地の支部でいろいろユニークなチャレンジを続けている人(EVデロリアンの藤井さんとか、熊本の上田さんご夫妻とか)がいて、時流を作るのは個人の活躍の積み重ねってことを感じています。東芝やパナソニックはじめ、日本のEV関連パーツメーカーの関係者にも、コンバートEVへの熱を共有いただけるといいなぁ、と。
      また、EVシフトへの気運が盛り上がることで、コンバートEVへの注目度も高まり、旧車コンバートが広がることで、20世紀の自動車文化が受け継がれていくことにも繋がるんだろうな、と感じています。
      個人が自動車を愛し、楽しみ続けるために、EVシフトが必要だってこと、なかなか、理解してもらえないんですよねぇ。(愚痴)

    2. ヒラタツ様、さらに脱線しますが、戦後の貧しい時代にドイツのモビリティーの最底辺を支えた「バブルカー(Kleinwagen)」も、私は気になっています。
      https://www.swr.de/geschichte/goggo-lloyd-minis-tolle-geschichten-von-kleinen-autos/-/id=100754/did=16507640/nid=100754/9z65jp/index.html
      「メッサーシュミット」や「(元々はイタリアの会社、後にBMWが製造した)イセッタ」が有名ですが、「(ドイツ空軍の高速爆撃機He111で有名な)ハインケル」や「ゴッゴモビル」など、小さくて可愛いクルマがたくさんありました。これらは電動化すれば、現代の少人数のモビリティーに結構合うと思います。個人的にも欲しいところです。日本の「ダイハツ・ミゼット」や360cc時代の軽自動車と同じ思想で作られたクルマたちす。

  4. 以前読んだ本に「いままではやむなく使っていた蓄電池も、これからは蓄電池が主役の世界になる」と書かれていたのを思い出しました。
    「走る蓄電池」の電気自動車もその真っ只中にあるでしょう!
    要するに我々EV乗りは時代の最先端を走っているようなもので。

    IT会社のEV参入は自動制御絡み、石油産業はエネルギー運用の効率化が主な目的ですよね。アマゾンもモビリティ活用や無人配送などを考えてのことでしょうし、実際宅配会社の運賃値上げなどで悩まされた苦い経験があるから判りますが。
    シェルは太陽光発電もやっていた経験から蓄電池とのリンクは以前から考えていたと思われます。
    石油業界はオイルショックの経験などで原油枯渇や環境問題に思うところがあるのか?結構多角的に物を考える人が多いようです。それが地方のガソリンスタンドにしてもコンバートEV(市販車の電動化)への改造を請け負っている店もあるなど、世間の流れには敏感ですね。

    仮想発電所(VPP: Virtual Power Plant)機能は近日発売のニチコン VtoH(Vehicle to Home) 上位機種に搭載されるとあるので期待しています。
    仮に下位機種であっても自宅ソーラーがFIT切れになる家庭なら電気自動車でほぼ全量吸収できるのでそれをアピールすれば相当売れるのではないでしょうか?

    いずれにせよ日本は旧態依然姿勢の行政や法律が足を引っ張るもの。ただ国民一般が行政の悪態を突きまくれば変わる可能性はあります。電気事業法の規定など既に時代遅れなのでそれをEVオーナー同士で論議しあってもおかしくはないのかもしれませんね。
    かくいう自分は現業の電気技術者なので仮に主任技術者制度が廃止になると困りかねませんが、そのときに備えてモビリティやVtoHなどの基礎知識を今のうちに吸収し、これからの変革に向けて準備しています。
    イノベーター・アーリーアダプターになることが最大の保身術!ゲームでいうなら「攻撃は最大の防御」です。

    1. ヒラタツ様、いつも参考になるコメントをありがとうございます。

      蓄電池が主役のご意見ですが、確かにそう感じます。本ブログの去年の記事ですが、サウス・オーストラリア州の風力発電所に併設してグリッドの安定化を目指したテスラの蓄電池が、グリッドで使われる総電力量のわずか数%しかない小容量にもかかわらず、グリッド安定化はもちろん、もの凄い効果を上げたことでも明らかですよね。再生可能エネルギーと最も相性の良い電気ですから、地産地消を突き進めたいですよね。もう、町内の電力をグリッド管理したいくらいです。町内の集会所・会館にEV蓄電池の「お古」を使ったスタックを設置、町同士で電気を融通しあうとかも面白そうです。送電によるロスは、今の時代愚かすぎますしね。

      コンバートEVに関しても、私も気になっています。日本の企業は安全性や機密を優先するあまり、個人や小企業向けには蓄電池を出そうとしませんが、それなら蓄電池企業・モーター等の企業・制御機器の企業が合同して、「コンバート・キット」を出せば良いと思います。研修を受けた、ある程度技術力のある工場を認証して、そこでコンバートをすれば良いのです。東芝SCiBや明電舎のモーターを使って、軽自動車や大衆車、さらには旧車をコンバートできたら素晴らしいでしょうね。(かく言う私も、親の形見のminiを保存しており、いずれコンバートEVにしようと狙っています。)

      EVオーナーは、機会をとらえて、諦めずに声を上げていくべきだ!と私も思います。

    2. 箱守様コメント有難う御座いますm(__)m
      一介の電気技術者かつEVオーナーとして真摯に語れる仲間が欲しくてこの部ログにお邪魔しております。
      所属会社が電気設備保守系統ですが生憎EV乗りが他に居らず、いつも浮いた存在になっていますが…後輩がPHEVを買う予定なのでいろいろアドバイスしているところです。

      ※蓄電池が主役※
      >町内の集会所・会館にEV蓄電池の「お古」を使ったスタックを設置、町同士で電気を融通しあうとかも面白そうです。
      自分もそれは考えています…公民館とか集会場に中古蓄電池を集めるとか。
      そうすればコミュニティバスの自主運行化・EV化に道筋がつくかもしれませんね。
      自分の住む岐阜県は小中学校の廃校も各地にあり、その跡地利用が課題となっていますが…そこに中古EV・VtoH・ソーラー発電を組み合わせればかなり先進的なエコ対策ができると踏んでいますもので。

      >送電によるロスは、今の時代愚かすぎますしね。
      送電ロスも以前から疑問視していましたが、昨年の配電線長期停電がトドメで配電線不信になりました!(自爆)

      >コンバートEVに関して「コンバート・キット」を出し、ある程度技術力のある工場を認証して、そこでコンバートをすれば良いのです。
      >東芝SCiBや明電舎のモーターを使って、軽自動車や大衆車、さらには旧車をコンバートできたら素晴らしいでしょうね。
      そもそも世界初の量産電気自動車「アイミーブ」自体、三菱アイを母体としたコンバートEVですよね(笑)
      東芝や明電舎など電動機制御を得意とするメーカーの部品を購入し、コンバートEVをプロデュースするベンチャー企業が現れればかなり強いです!
      問題はプロデューサーのカリスマ性・手腕・宣伝力、でしょうか。
      ゲームでいうなら「アイドルマスター」みたいに、できる素質を持った女の子を一人前のアイドルに仕立てる話です…実際三菱アイ(ガソリン車)は剛性の高さとセンタータンクレイアウトというEV化に相応しい素質を備えていたからアイミーブ誕生となった訳で。
      それこそコンポーネンツが揃えばホンダのN-VANをカスタマイズしてEV化するベンチャー企業が出てもおかしくないと思います。

      >EVオーナーは、機会をとらえて、諦めずに声を上げていくべきだ!と私も思います。
      そうそう、EVに対する愛や希望があるなら、ツイッター・Facebook・インスタグラム等、SNSでもドンドン発言していくべきですよ!現に自分もその手の発言が多くなっていますし。
      ※愛よ勇気よ希望よ今こそ~ミラクルパワーをちょうだい~ホーリーアップ!←昔のアニメ主題歌にヒントがあります。

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この記事の著者


					箱守 知己

箱守 知己

1961年生まれ。青山学院大学、東京学芸大学大学院教育学研究科、アメリカ・ワシントン大学(文科省派遣)。職歴は、団体職員(日本放送協会、独立行政法人国立大学)、地方公務員(東京都)、国家公務員(文部教官)、大学非常勤講師、私学常勤・非常勤講師、一般社団法人「電動車輌推進サポート協会(EVSA:Electric Vehicle Support Association)」理事。EVOC(EVオーナーズクラブ)副代表。一般社団法人「CHAdeMO協議会」広報ディレクター。 電気自動車以外の分野では、高等学校検定教科書執筆、大修館書店「英語教育ハンドブック(高校編)」、旺文社「傾向と対策〜国立大学リスニング」・「国立大学二次試験&私立大学リスニング」ほか。

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