中国のCATLとトヨタがパートナーシップ締結で「トヨタのEV」が一歩前進?

2019年7月17日、トヨタ自動車株式会社が中国の寧徳時代新能源科技(CATL)と、新エネルギー車用の電池に関する包括的パートナーシップを締結したことを発表しました。公式サイトのニュースリリースによると「電池の供給のみならず、(新エネルギー車=NEV)の発展進化に関して幅広い分野において」両社の技術や強みを持ち寄り、魅力ある電動車開発と普及に取り組んでいくということです。

中国のCATLとトヨタが包括的パートナーシップ締結で、何が起きるか考えてみた

※冒頭写真は6月7日の説明会でプレゼンテーションをする寺師茂樹副社長(YouTubeより)

CATLとのパートナーシップは one of them?

トヨタがCATLとのパートナーシップ締結を公式に発表したことを受け、たとえばあるメディアは「トヨタが電池開発で方針転換」などと、ちょっとセンセーショナルな味付けで報じています。でも、電気自動車生産のための電池調達で、世界第1位の供給能力をもつCATLだけでなく、2位で従来から協業体制にあるパナソニックをはじめGSユアサや東芝などの日本メーカー、さらには供給力世界3位の中国・BYDなどから幅広く供給を受ける体制を整えていくことは、すでに6月7日に開催された『電気自動車(EV)の普及を目指して』というメディア向け説明会で表明されていました。

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つまり、17日の発表は「方針転換」を示すものではなく、説明会で表明した電池供給体制の確立が一歩前進した、ということだと、私は理解しています。

ニュースリリース。短いので、全文を引用しておきます。ちなみに、トヨタの公式サイトのページはこちらです。

寧徳時代新能源科技(以下、CATL)とトヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)は、新エネルギー車(NEV)用電池の安定供給と発展進化に向けての包括的パートナーシップを締結し、電池の供給のみならず、新技術の開発、品質の向上、さらにはリユースやリサイクルなど幅広い分野における検討を開始しました。

CATLは、グローバルで優位性のある駆動用電池システムの世界トップのサプライヤーであり、近年、世界で急速に車両電動化が進む中、中国国内や海外の多くの自動車メーカーに認められています。トヨタは、電動車普及のパイオニアとして、電動車の開発・生産・販売に関する豊富な技術と経験を有しています。

CATLとトヨタは、電動車を普及させるためには、電池の安定的な供給はもとより発展進化が必要であると考えており、両社で体制を整え具体的な取り組みを進めていきます。

今回の協業により両社は、CATLの電池開発・供給力とトヨタの電動車および電池開発技術を持ち寄り、魅力ある電動車の開発とさらなる普及に取り組んでいきます。

前文として、どんな分野で協力していくか、箇条書きが示されています。

● NEV用電池の開発・供給
● 電池システムの新技術開発、セルの品質向上
● 電池のリユースとリサイクル

えっと、正直な印象としてそんなに幅広い分野ではなく、要するに「電気自動車の車載用電池を安定供給できるようにするとともに、よりよい電池にしていこう」っていう提携といえるのではないでしょうか。

それにしても、トヨタのリリースではEV普及を応援したい私たちにとって、知りたいところが今ひとつ釈然としません。どんな点を知りたいのか、これも箇条書きで整理してみましょう。

CATLとトヨタの連携、ここが知りたい!

● 年間の電池調達量は何GWh程度を想定しているか。
● CATL製電池で生産するEVを販売する国やエリア、車種などの想定は?
● テスラとパナソニックのように、共同出資で専用工場設立といった計画は?

(シンプルに供給を受けるとすると……)
● CATLが電池価格を上げてきたらどうするか?
● もしくは調達価格についても確約済みなのか?
● 説明会で名前が挙がった、BYDとのパートナーシップ締結はまだ発表の段階にない?

(それはさておき……)
● 全固体電池については、従来通りトヨタ単独で開発を進めるのか?

情報が少ないので、今のところはざっとこの程度ですけど。

ひとまず、今日(7/18)のところは速報版としてトヨタとCATLパートナーシップ締結のニュースをお伝えしつつ、EVsmartブログとして明日にでもトヨタ広報部に質問してみたいと思います。回答をいただけたら、この記事をアップデートしますね。お楽しみに。

(寄本好則)


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