コロナ不況対策で中国が電気自動車用の充電インフラに投資

コロナによる経済の停滞は世界中で避けられない状況ですが、コロナ後を見据えていかに有効な経済政策を打ち出すかというのは喫緊の課題となっています。中国では景気刺激策の一環として、電気自動車用の充電インフラに投資することが決まりました。『CleanTechnica』から全文翻訳記事をお届けします。

コロナ不況対策で中国が電気自動車用の充電インフラに投資

元記事:China Invests In EV Charging Infrastructure To Offset Coronavirus Economic Slump by Steve Hanley on 『CleanTechnica

アメリカでは石油会社、中国ではEVインフラに投資

コロナウィルスによる経済の失速に対する、中国とアメリカの反応はこれ以上ないほどに違っています。アメリカは金持ちの大企業、特に石油・ガス会社のために納税者のお金を大量にかき集めています。一方、中国は電気自動車の充電インフラに投資しています。

中華人民共和国国家発展改革委員会(National Development and Reform Commission=NDRC)によると、今年末までに、中国は約15億ドル(約1,600億円)を投じて国内に20万台のEV充電器を設置し、そのうち2万台は公用のものになります。EV充電、超高圧送電網(UHV)、都市間の交通システム、5Gなどへのさらなるインフラ投資は、コロナによる社会封鎖後の経済刺激策の一部となっています。

設置される充電器がかなりのデータ量を集めるため、5Gは重要です。CCIDコンサルティング(中国情報産業部傘下のIT関連分野の専門調査・コンサルティング機関)の代表である Sun Huifeng氏は、EVオーナーの充電体験を向上させるためにデータを使うことができると『China Daily』に語りました。「例えばバッテリー情報、ユーザーの習慣、車両位置などを提供できます。このようなデータを使うことにより、中古車査定やユーザー情報を含むサービス事業をより広く展開できます」。

中国科学院の Ouyang Minggao氏は「充電器を増やせば車の充電がより便利になり、ユーザーの航続距離に関する不安もかなり軽減できます。また新エネルギー車両をさらに世の中に広める役にも立つでしょう」と言います。

EV充電器拡張の鍵は、国が所有する電力会社である国家電網公司が握っています。社によると、北京市、天津市、江蘇省、中国北西の青海省を含む24の省と直轄市に最大7万8,000台の充電器を3億8,300万ドル(約409億4,500万円)かけて設置する予定です。このうち5万3,000台が住宅地に設置され、1万8,000台が公用のものになります。
(EVsmartブログ編集部注/約409億円で7万8000台は1台当たり約50万円強なので、住宅地に設置されるのは普通充電設備かと推察できます)

国家電網公司の広報担当者である Wang Yanfang氏は「この動きにより新エネルギー車両販売からくる利益が200億人民元(約3,010億円)以上増加し、エネルギー関連商品の生産や、新エネルギー車産業を育成することが期待されます」と話しました。

WiTricity が中国のワイヤレス充電をリード

WiTricity CEOのAlex Gruzen氏。画像はWiTricity公式サイトより。

WiTricity は今週、社の特許取得済みワイヤレス充電技術が国の業界基準として採用されたと発表しました。CEOのAlex Gruzen氏は「私達の特許取得済みワイヤレス充電技術が中華人民共和国国家標準に採用されたのは、WiTricityにとって画期的な出来事です。中国は世界最大のEV市場で、EVのトレンドセッターでもあり、WiTricityにとっても鍵を握る市場となります。私達のハンズフリーワイヤレス充電でEV所有をさらに魅力的にした、中国での仕事を誇りに思います」とプレス・リリースで語っています。

国家基準を設けることで上海でも四川でも同じ技術が使えるという保証がされ、自動車メーカーは自社のワイヤレス充電機能に投資できます。新しい電気自動車購入層を説得するのに必要なちょっとしたあともう一押しが、ワイヤレス充電なのかもしれません。

(翻訳・文/杉田 明子)


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