電気バイク『XEAM』が着実に販売台数増加中〜今年の夏が購入のチャンス

電気バイク(電動バイク)ブランド『XEAM』を知って最初の記事にしたのは2019年7月のことでした。あれから約3年、販売台数などは着実に増加中。箱根で開催されたメディア向け試乗会のレポートとともに、塩川正明社長の熱意と思いをお伝えします。

電気バイク『XEAM』が着実に販売台数増加中〜今年の夏が購入のチャンス

厳選した車種を独自ブランドで展開

『XEAM(ジーム)』というのは、福岡県に本社を置くMSソリューションズという会社が中国などから輸入販売している電気バイクのブランドです。2017年から電気バイクの販売事業をスタートしており、私がネットで偶然このブランドを知ったのは2019年のことでした。約1kWhのバッテリーを搭載した原付電気バイクが約18万円という価格に驚き、ちょうど東京ビッグサイトで開催された国際雑貨EXPOに出展するのを取材。『電気バイク『niu U』で「これでいいじゃん」を実感!』という記事をお届けしました。

当時の人気車種『notte』

あれから3年。当時は原付スクーター数車種だったラインナップは大幅に拡大。アメリカのカリフォルニアに本拠を置き「バイクのテスラ」と呼ばれるゼロの大型電気バイクも導入。大手二輪メーカーを尻目に、XEAMは「電気バイクの品揃えは日本一!」と言えるブランドへと成長しています。

私は原付免許しかないので、箱根での試乗会はライターの木野さんと一緒に行って、多彩な電気バイクへの試乗レポートをすでに紹介しています。

今日の私のレポートでは、XEAMを展開するMSソリューションズの塩川正明社長に伺った話を中心に紹介したいと思います。

塩川社長。

販売台数は5年間で約8倍に成長

まず、年間の販売台数は、事業がスタートした2017年に101台だったのが、2021年には694台とおよそ7倍となり、2022年は850台程度になると予測しています。5年間で約8倍という成長です。

XEAM説明資料より引用。

車種数は2017年1車種、2019年に5車種だったのが、2022年の現在は17車種へと拡大しました。

現在では軽二輪(中型相当)や大型バイクも扱っていますが、車両区分別の売れ筋はやはり原付一種で約60%、原付二種が30%とのこと。

都道府県別の販売台数では、東京都、福岡県、神奈川県、愛知県、大阪府などが上位となっています。

地域ごとの売れ行きをみると、XEAMが提携している「Authorized Dealer(オーソライズドディーラー/認定正規販売店)」のネットワークが深く関連していると思われます。2019年には世田谷区在住の私が「買うならどこ? 試乗できるのはどこ?」とショップを探すのも大変で、たしか最寄りで試乗できるお店は調布市まで行かなければなかったと記憶していますが。現在は、常時試乗やレンタルのサービスを提供し、アフターサービスも安心なXEAMのオーソライズドディーラー網が、全国で28店舗にまで広がっています。「XEAM 東京世田谷」は私の自宅から約1km。余裕で歩いて行ける距離にできていました。

と、これは個人的なラッキーですけど。今回、XEAMの着実な成長について塩川社長のお話を伺って感じたのは、「電気バイクを広げていくために大切なのは販売&サービスネットワークの拡大」であるという点でした。

XEAMのバイクはネットでポチれば購入可能ではありますが、その際、バイクを受け取る取扱店を選択する必要があります。店舗数は、オーソライズドディーラーを含めて全国で287店舗。バイクにはメンテナンスも不可欠ですし、自宅の近くにメンテナンスもお願いできる取扱店があるかどうかということは、販売台数に直結することでしょう。XEAMとして魅力的な車種を揃えるのとともに、日本中のバイクショップが、いかに電気バイクへの理解を深め、販売に注力できるかどうかという点が、日本のモビリティ電動化の大きな鍵を握っている、ということですね。

実は、今回のメディア向け試乗会の前日には、同じ箱根バイカーズパラダイスを会場として、首都圏のバイクショップ担当者を集めた「XEAM Dealer Meeting 2022」を開催したとのこと。販売店、そしてオーソライズドディーラー網の拡大は、塩川社長にとって、今、最重要なミッションでもあるのです。

日本国内で購入できる電気バイクは、XEAMブランドだけではありません。今回はXEAMの記事なので詳細には言及しませんが、XEAMの好敵手といえる魅力的な車種が散見できます。ただし、国内大手メーカーの電気バイクラインナップはかなり寂しい現状なので、魅力的な車種はほぼ例外なくベンチャーによる、おもに中国生産車の並行輸入。販売拠点やサービスネットワークに苦心しているのは同様です。

日本中のバイクショップご担当者のみなさん。XEAMの取扱店となり、さらにはXEAMに限らず電気バイクの導入を積極的に進め、地域で「電気バイクならここ!」というポジションやノウハウを獲得しておくのは、今後に向けて大きなビジネスチャンスでもあると思うのですが、いかがでしょうか。だよねぇ、と共感いただけるのであれば、まずはXEAMに問い合わせてみてください。

【関連サイト】
XEAM公式サイト

購入するなら今年の夏がチャンス

コストパフォーマンスの高さがXEAMブランドの電気バイクの大きな魅力。とはいえ、コロナ禍や半導体不足の影響で、中国からの仕入れ値が急騰している最中とのこと。XEAMではある程度の台数を輸入して、店舗には原則在庫を置かず、オーダーがあると店舗へ発送という販売方法となっていますが、多くの車種で、現在の在庫が完売したら、次の仕入れ分からはやむなく値上げを予定しているということでした。

今(一部は7月初旬から)、XEAMでは車種ごとに特別価格を打ち出したキャンペーンを実施中です。今後の価格がどうなるかはわかりませんが、電池価格の低廉化も一段落した中、XEAMの電気バイクを購入するなら今年の夏が大きなチャンス、かも知れません。

原付一種2車種に試乗してみました

電気バイク『XEAM』が着実に販売台数増加中〜今年の夏が購入のチャンス

せっかく箱根まで行ったので、原付一種の2車に私も試乗してみました。

電気バイク『XEAM』が着実に販売台数増加中〜今年の夏が購入のチャンス

まず、イタリアで設計されている TROMOXの『MINO(ミノ)』。1860Whのバッテリーを搭載し、航続距離は90km。バッテリーは着脱可能で、家庭用の100Vコンセントで充電時間は約7.5時間となっています。価格は29万9800円(税込)。引き合いに出して恐縮ですが、出川さんでおなじみのヤマハ『E-Vino』は、バッテリー容量500Whで25万9600円(税込)。XEAMの電気バイクのコストパフォーマンスの高さがわかります。

ちなみに7月1日からこの車種の「キャンペーン」が予定されている、という内緒の情報もあります。

もう1台が、MINOをパワーアップした同じTROMOXの『MINO-B』です。バッテリー容量1860WhはMINOと同じですが、最高速度が55km/h(MINOは45km/h)にアップ。タイヤサイズが10インチから12インチになっていて、航続距離は60kmとなっています。

こちらは、導入開始早々で7月入荷予定ということで、6月30日(なんと、明日まで、でした)まで先行予約キャンペーンを実施中で、価格は31万3310円(税別)です。キャンペーン終了後の通常価格は32万9800円になります。

電気バイク『XEAM』が着実に販売台数増加中〜今年の夏が購入のチャンス

MINO-B(手前)とMINOを、マイカーリーフとともに撮影してみました。

MINO-Bで走ってるのがこんな感じ。ヘルメットとグローブがレーシングカート(四輪)用なのは見逃してください。頭と腹がでかくてお猿さんの曲芸みたいになっていますが、バイカーズパラダイスから3kmほどのパーキングスペースまで、坂道をそれぞれ往復しましたが、上り坂でも非力さは感じることなく、気持ちよく走ることができました。

原付だから法定速度は上限30kmなので、最高速度を45kmにコントロールしているMINOでも十分ではあるのですが、実際に走ってみるとちょっとパワフルなMINO-Bのほうが安心です。自分が買うならMINO-Bかな、という感想でした。カラーバリエーションは3色用意されていて、個人的にはこの段最初の写真にある「フォレストグリーン」かなぁ、と。

正直、私の生活でバイクの必要はないのですが……。通勤や仕事で原付使っていたりする方には、ぜひ一度、電気を試してみて欲しいと思います。

(取材・文/寄本 好則)

この記事のコメント(新着順)1件

  1. 2022年4月に特定小型原付という新区分が出来たというので、低速の電動車って実際どうなのよ?と思い、最高速30kphの折り畳み(ナンバー付き)をポチってみました。現在実航続距離のデータなどを取ってますが30km程度のようです。足も短く非力で遅いですが日常の近所の買い物等には全然使えますね。北海道の冬、長期間稼働させない場合も燃料が劣化するとか詰まるとかの不具合もおそらく無いでしょう。20kg程度と軽くクルマへの積み込みも楽です。電チャリより遅く歩道も走れないので自由度は下がるけど電動2Rは将来性があるのではないかと感じました。一般の人が電池容量を3倍にするなどの改造例もありそういった技術の進歩も含めてです。自分のはリモコンで折りたたみ出来て、その小ささもあり近所の奥様とか子供に大ウケです。しばらく安全な走り方を研究して特定小型原付運用の情報をUPしたいと思ってます。

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この記事の著者


					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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