※冒頭写真は参加者の杉本容一さん(関連記事)が撮影した夜明けの富士山。
3年目の開催で参加台数は50台を突破
気候変動のためか暑すぎる夏が続く中、みなさんいかがお過ごしでしょうか。都心の危険すぎる気温から逃げるべく、EVsmartブログの寄本編集長と私こと木野は、2024年8月3日〜5日にかけて、静岡県富士宮市のキャンプ場「TREE LINE chillax field」で行われたヒョンデのEVオーナーズクラブ「IONIQ OWNERS QLUB(IOQ)」主催のキャンプイベント「EV Summer Camp 2024」(以下、EVサマーキャンプ)に参加してきました。
EVサマーキャンプは、今年で3回目の開催です。1回目はヒョンデ「IONIQ 5」のオーナーズミーティングだったのですが、2回目の去年は参加資格を「IONIQオーナー(納車待ち含)、IONIQに興味のあるICEV(ガソリン車)オーナーや他社BEVオーナー」に拡大。EVから取り出したAC100V電源を利用して、みんなでオール電化キャンプを楽しもうという趣旨に衣替えしました。
この間口拡大もあって参加台数は、IONIQ 5(しかもデリバリー開始直後)オーナーだけだった1回目が3台だったのが、2年目は30台以上、3年目の今回は50台以上に増えました。
参加者のみなさんの車は、ヒョンデのIONIQ 5、KONA、テスラモデル3やモデルX、S、日産リーフ、ホンダe、三菱iMiEV、それに内燃機関の車などさまざまですが、東京の街なかでもあまり見かけることがないKONAが寄本編集長のマイカーのほかに2台ほどあったことや、IONIQ5の台数の増え方が印象的(一昨年の第1回の3台から考えると爆増!)でした。ヒョンデのEVも、着々と日本のオーナーに広がっています。
キャンプでは、車中泊の人、テント泊の人、単身参加の人やお子さん連れで家族参加の人、キャンプ慣れして鉄板でおいしい料理を作っている人から、初めてテント泊をする人まで、いろいろな参加の仕方、楽しみ方をしていました。
【関連記事】
ヒョンデ『IONIQ 5』で日本初のオーナーズミーティングに参加してみた(2022年8月30日)
『IONIQ ELECTRIC CAMP 2023』電気自動車でオール電化キャンプを楽しんできました!(2023年8月10日)
ヒョンデ出展の屋台に目を見張る
3年目のEVサマーキャンプの大きな変更点は、開催期間が3日間と1日増えたこと。我々EVsmartブログチームは初日(前夜祭)から2日目(メインイベント)の夕方にかけて参加。
現地に着くまで、初日は前夜祭と聞いていたのですが、受付開始の18時過ぎに着いてみると思いのほか多くの参加者が集まっていて、たくさんのテントが並んでいました。すでにお祭り本番という感じでした。
会場で目を引いたのは、黄昏に輝きを放つヒョンデ・モビリティ・ジャパン(以下、ヒョンデ)のやる気でした。サマーキャンプには初回から、ヒョンデが協力しているのですが、夜の高原に「ヒョンデEVラーメン」というのれんを下げたラーメンの屋台が出ていたのです。
屋台の電源はもちろんEV。IONIQ 5はV2L用コネクターで最大1600Wの電力を取り出すことができます。IHのクッキングヒーターやホットプレートなどの電気を賄うには十分です。なにより屋台につきものの発電機の音がなく、静かなのは心地いいです。
明かりに集まる虫のように電飾に誘われ、小腹が減った我々はさっそくラーメンをゲット。熱帯夜の中、汗を流しながら食べたインスタントの韓国ラーメンは、出店の雰囲気でいつもよりおいしく感じました。
ヒョンデの屋台はこれだけではありません。翌日、高原とは思えないほど気温が上がった中で人気を集めたのは「ヒョンデEVかき氷」でした。
かき氷を提供していたのは、静岡市の用宗で、素材にこだわった手作りシロップのドリンクスタンドを出店したりシロップ作りのワークショップを実施したりしている地元の名店「アリラ」。ふわふわのかき氷にかけた、甘夏、ゆず、いちごなどのフルーツシロップが抜群に美味しかった(筆者は甘夏をチョイスしました)です。
さらに夕方からは、元バーテンダーで、今はヒョンデのモバイルサービスチームに所属しているという方が、IONIQ 5をカスタマイズしたモバイルサービスカー「Qちゃん」に設置したカウンターで、特製のノンアルコールカクテルをふるまっていました。食べて、涼んで、飲んでと、至れり尽くせりなのでした。
EVナイトミートで夜が更ける
初日の夜に人気を集めたのはもうひとつ、EVsmartの動画発信を担当しているテスカスさんこと、畑本さんプレゼンツの「EVナイトミート」でした。テスカスさんのお話だけでなく、参加者の方によるアメリカでのテスラのFSD(フルセルフドライビングケイパビリティ)や、グーグルを傘下にもつアルファベットの自動運転車部門ウェイモ(Waymo)のロボタクシー体験はとても興味深いものでした。
自動運転と聞いても、日本ではまだ実感がもてないですが、西海岸やアリゾナ州ではウェイモが商業サービスを提供していて、サンフランシスコでは30万人が利用登録していると発表されています。試験サービスを含めると米国の5都市で約700台の完全自動運転タクシーを運行しています。
EVナイトミートでは、実際にウェイモに乗った感想や、西海岸では普通に自動運転タクシーが走っていて、隣に並んだ車に運転手がいないのを見て驚いたエピソードなどが披露されました。「利用する機会があったらぜひ一度、自動運転を体験してみるべき」と、エピソードを披露した参加者が熱弁を奮っていました。
日本では知る機会が少ない欧米諸国のEV事情は貴重です。個人的にも欧州、とくに北欧の様子は自分の目で見たいと思っていますが、今の円安や物価の違いを考えると腰が引けるどころか砕けてしまいます。でも、こうしてEVユーザーの実体験を聞くとムズムズしてきます。いつの日か取材に行きたいと、改めて思った夜でした。
盛りだくさんのメニューで充実キャンプ
EVサマーキャンプ2日目。夜明けにはモヤが晴れると予想して、すぐ近くに聳える富士山を見ようと意識はしていたものの、夜遅くまでオリンピックの女子サッカーを見ていたことや疲れていたこともあり、EVsmartブログチームは見事に沈没。富士山の雄姿を見ることはできませんでした。
とくに寄本編集長はエアコンを効かせたコナの車中泊で気持ちよく寝られたようでした。一方の木野は暑さで目が覚めました。夏のキャンプは、日が昇るとおちおち寝ていられません。
さて、EVサマーキャンプでは、朝から参加者のEVをきれいに並べて記念撮影です。今回は台数も多いのでドローンも使って空撮も実施。参加者のみなさんも満面の笑顔でカメラに手を振っていました。
続けてEVサマーキャンプの出展テント巡り。気温がぐんぐん上がる中で、説明者も参加者も気合いを入れなおしていました。
出展者巡りではニチコンの新しくなったV2Hシステム「VSG3」、ヒョンデの日本市場への意気込み、「EVごはん」こと石井さんの活動紹介、ルーフテント専門店STRAYCATSが見つけた韓国のシェル型ルーフテント「TRAP OVERLAND」の実演、ユーチューバーRayDaさんの洗剤などの紹介(なぜ洗剤かは動画でご確認を)、EVsmartブログでも執筆している八重さくらさんのバーチャルVチューバー計画、エネチェンジの活動紹介と、盛りだくさんでした。
午後に実施した主催者企画のマグネットホルダー作りでは、おとなも子どもも、絵を描いて色塗りをするのに真剣に取り組んでいました。プラスチックの柔らかいボードに絵を描いてオーブンレンジで過熱すると、きゅーっと縮んで硬いプラスチック板になります。これにソフトマグネットシールを貼り付けると、かわいいマグネットホルダーのできあがりです。
そして2日目の締めくくりは大ビンゴ大会。賞品の数が多いので、全員に何かが当たる大盤振る舞いです。
これらのイベントの間では、ヒョンデによるIONIQ5Nなどの試乗会も進んでいて、参加者の皆さんは、飽きることのない1日を楽しんでいました。
3回目を迎えて、そろそろ恒例と言えるようになってきたEVサマーキャンプではいつも、EVとオートキャンプの親和性の高さや、電気のポテンシャルの高さを感じます。
同時に、高原の夜でも気温が下がらない現実に、気候変動の怖さも感じてしまいました。個人で何ができるのか、政策で何ができるのか、考えつつ実践していかないと、いつの間にかゆだってしまいそうです。
そんなこんなで、EVsmartブログチームは後ろ髪を引かれながら2日目の夜に早引けしました。まだ多くの参加者が2泊目のキャンプをしている中でしたが、翌日(今日月曜日)の仕事もあるので、日曜夜の渋滞を突っ切って帰京しました。3日目まで残りたいのは山々だったのですが、失礼してしまったので、採れたての速報レポートをお届けしました。
排ガスなし、アイドリング音なしのEVキャンプは快適。我々EVsmartブログチームは、次回もまた参加することをお約束します!
取材・文/木野 龍逸