第3回「ジャパンEVオブザイヤー 2024」【投票速報最終回】モデル3パフォーマンスに30点

あなたが魅力を感じるEVを選んでください

広く多くのユーザーが評価する優れたEVを選んで讃えたい。黎明期から電気自動車情報を発信してきたEVsmartブログでは、社会が求める魅力的な電気自動車を選出するプロジェクトとして第3回「JAPAN EV OF THE YEAR （ジャパンEVオブザイヤー＝EOTY）」を実施しています。

広く一般ユーザーの意見を反映するため、誰でも参加可能な「一般投票」を実施。候補車種のEVに「乗ったことがない」方や、「EVに詳しくない」という方でも遠慮は無用。EOTY はジャーナリストや業界視点だけではなく、一般ユーザーのEVへの理解と関心を深めることを目的とした表彰プロジェクトですから、一般的に得られる情報の範疇における評価でOKです。特設サイトではEVsmartブログで取り上げた各車種の記事も紹介しているので参考にしていただければと思います。

一般投票のポイントを合わせると上位車種は大激戦。残り2日で動きはあるでしょうか。みなさんの投票をお待ちしています！

【特設サイト／投票はこちらから！】
JAPAN EV OF THE YEAR 2024

EVsmartブログの著者たちが選んだEVは？

新型EVを評する知見を有する方にEVsmartブログ編集部から投票を依頼した「エバンジェリスト」の投票速報。最終回は著者陣が投じたポイント紹介の第4弾です。

木野龍逸さんの投票＆コメント

【記事紹介】
ホンダ『N-VAN e:』試乗記【木野龍逸／後編】実質的なバッテリー容量は22kWh程度か？（2024年12月2日）
ヒョンデの新型スモールEV『インスター』先行予約開始／価格は衝撃の284万9000円～！（2025年1月11日）

【総評】正直なところ、価格、性能、バッテリー容量などのバランスで、「イチオシはこれ！」と思うEVがないなあというのが今年の感想でした。それでも価格が少しこなれてきたモデルはあるのと、利用目的がはっきりしていたり、少し小さめのEVもあったので、そのあたりをベースに考えてみました。読者の皆さまとは視点が違うかもしれませんが、そういうのもあるのかも、という緩い感じで見てください。

600e（フィアット）／10点
急速充電の性能が良くないことは承知のうえで、価格とバッテリー容量のバランス、サイズ感、車重、今後のステランティスへの期待などから10点にしました。ほんとは500eくらいの大きさがいいのですが、そこは思いを飲み込んで次を待つことに。急速充電の部分は、技術者さんがんばってください、なのです。

N-VAN e:（ホンダ）／3点
SOC表示や電費、メーターパネル周りのデザインなどがもう少し良ければ20点でもいいと思ったのですが、気になる部分がいろいろあって、「次の軽EVに期待」になってしまったのがちょっと残念でした。それでも軽商用EVに新風を吹きこんだことは大きな意味があると思います。

EX30（ボルボ）／3点
超とんがっていたり、パンチがあるというわけではないのですが、ボルボらしい落ち着いた雰囲気は好みだし、車としての総合力は高いと思うので3点にしました。試乗で気になった部分がどう改善されているのかと、噂されていたLFPバッテリー搭載車がどうなるのかは、2025年に持ち越しです。

MINI Cooper E/SE（MINI）／2点
サイズ感は好みです。足まわりは、ガソリン車のMINIもそうなのですが、かたいと言うよりは乗り心地が良くないという感じなのが残念無念ですが、EV特有の走行性や回生ブレーキの感じ、加減速の制御などは、BMWならではの良さがあると思います。車重もEVにしては軽い方で（それでも1640kgですが）、それが走りにも出ている印象でした。ほんとに、足まわりがもう少し良ければ10点つけたい車です。

ミニキャブEV（三菱）／2点
正直に言います。単に、軽商用EVが好きなだけです。まったくなにも新しくなっていないインテリアは、質実剛健というよりは、なにもしてない感じですが、もういいです。あ、バッテリーは新しくなっていますね。とにもかくにも、軽商用EVを作り続けているというだけで十分です。これからもがんばって作り続けてください。でも、もっと車が良くなれば、日本の物流が変わるとも思うのです。

石井光春さんの投票＆コメント

【記事紹介】
テスラ『モデルY』パフォーマンスにスタッドレスタイヤを装着（2022年12月18日）
ヨーロッパにおける電気自動車の売上とシェア最新情報【2024年9月期】（2024年10月29日）

【総評】2024年、さらにEVの選択肢が広がり、ライフスタイルに合ったモデルを選べる時代が到来したと感じます。街中や駐車場でのEV目撃頻度が明らかに上昇し、多様なブランドがEV市場に参入しているのを実感しました。今年は特にBYDやHyundaiなど新たな勢力が台頭する一方で、テスラや日産といった既存勢力も製品質や性能の向上を続けています。充電インフラでは複数口急速充電器設置のSAPAが増えており、長距離旅行も快適に。日々、普通充電器も増えているので探してみると充電計画が立てやすくなってきているのを実感しています。

Model 3 パフォーマンス（テスラ）／10点
ハイランドのパフォーマンスモデルは、これまで以上の差別化が図られています。従来のパフォーマスモデルは外観の違いがカーボンスポイラーや赤いキャリパー程度で、内装に関しては全グレード共通でした。しかし、今回のハイランドパフォーマンスは、スポーツシートを採用し、足回りの制御も完全にチューニングされ、別次元の仕上がりとなっています。走り好きのドライバーにはたまらない一台です。ぜひ試乗して、そのポテンシャルを体感してみてください。

SEAL（BYD）／5点
BYD SEALは、テスラModel 3とよく比較されるモデルですが、性格が大きく異なります。この車の魅力は、長距離運転でも疲れ知らずの、しっとりと落ち着いた走行性能にあります。また、夜間にライトを灯した際の外観は非常に美しく、思わず惚れ惚れしてしまうほど。特に東京・丸の内で見かけた時の街並みに溶け込む洗練されたデザインには感動しました。全体的に「ゆとり」と「上品さ」を感じさせる一台です。

IONIQ 5 N（ヒョンデ）／5点
ヒョンデのEVといえば、パドルシフトが特徴的ですが、このIONIQ 5 Nもその例外ではありません。普段使いにも十分な実用性を備えながら、ドライビングモードを切り替えることで、刺激的で楽しい走りを存分に楽しめます。加えて、車中泊にも十分な快適性を兼ね備えており、日常からレジャーまで対応できる万能さが光るモデルです。一台で「走り」と「くつろぎ」を両立したい方にはピッタリの選択です。

畑本貴彦（テスカス）さんの投票＆コメント

【記事紹介】
ギガベルリンファクトリーツアーに参加！ドイツ訪問で実感した「EVシフトが進んでる！」（2024年6月20日）
テスラの最新FSDをアメリカで体感【動画も必見】約250kmを手放し自動運転！（2025年1月28日）

【総評】「JAPAN EV OF THE YEAR」も第3回を迎え、日本で選べるEVは軽商用からハイパフォーマンス、ラグジュアリーまで多彩な広がりを見せています。海外勢の攻勢や国内メーカーの新型登場により、EV市場への期待は膨らんでいます。ソフトウェアや充電インフラ対応など、従来のスペックを超えた価値も評価のポイントです。新興メーカーは価格や性能でテスラに迫り、国内勢も独自の強みを生かした商用EVや高性能モデルを次々と発表。ユーザーは予想以上に幅広い選択肢を得つつあり、まさに本格的なEV時代への入り口に立ったと言えます。一方で、まだ社会インフラやリセールバリューなど課題は残りますが、2025年こそEVの可能性がさらに花開く年になるでしょう。

Model 3 パフォーマンス（テスラ）／10点
モデル3 パフォーマンスは、ソフトウェアとハードウェアをテスラが一貫して垂直統合開発している点が大きな特徴です。SDV（ソフトウェア・ディファインド・ビークル）として、定期的なOTAアップデートを通じて常に最新かつ最適な状態へアップグレードできるだけでなく、走る・曲がる・止まるといったクルマの基本要素が高次元に仕上げられています。日常利用からスポーティーな走行まで幅広いシーンで完成度の高さを実感できる世界トップレベルのEVとして、迷いなく最高点をつけさせていただきました。

SEAL（BYD）／5点
BYD SEALは、しなやかな乗り心地と静粛性が際立つスポーティセダンEVです。余裕のある加速に加え、低いフロントノーズによって視界も良好。運転支援機能の安定感も抜群です。ディナウディオ製スピーカーによる上質な音響や回転式大型ディスプレイの遊び心も相まって、快適さと走る楽しさを高水準で実現している点を評価させていただきました。

IONIQ 5 N（ヒョンデ）／5点
SUVでありながら本格的なレースにも耐えうる設計となっており、ただ速いだけのEVとは一線を画す、ヒョンデの情熱と技術の結晶です。
一般道や高速道路を走れば、継ぎ目や凸凹を苦にしない乗り心地の良さに驚かされます。日本の道路事情や充電規格にも対応しているため、日常利用やロングドライブでも不安を感じません。サーキット走行から、市街地での快適なクルージングまでこなす懐の深さは、まさに「パフォーマンスEV」の新境地だと感じました。

寄本好則さんの投票＆コメント

【記事紹介】
テスラ『モデル3パフォーマンス』を箱根で満喫／電気自動車の「伝説」はもう始まっている（2024年12月30日）
フラッグシップEV 日産アリアで雪の大内宿へ～「テロワージュの旅 in 福島」満喫レポート（2025年1月23日）

【総評】日本でもEVの車種バリエーションが増えてきたけれど中心は輸入ブランド。「テスラ VS BYD」の一騎打ちで、ドイツ御三家やヒョンデが健闘って構図は、グローバル市場の規模を小さくした感じで、日本メーカーの存在感希薄なのが切ないところです。
迷いつつ選外にした車種に少しコメントしておきます。ボルボのEX30は最後まで迷いましたが、LFPバッテリーのスタンダードレンジ未導入なのが残念。N-VAN e: は試乗するまで10点候補だったけど、実質的なバッテリー容量に激しく失望。むしろ、チョイ乗り試乗（関連記事）したミニキャブEVの割り切った作りに好感をもちましたが、点数入れるには新鮮さがなく。MINI Cooper E/SEも試乗してすごく良かったけど、割高だし選んだ3車種に比べるとインパクト不足と感じた次第です。

Model 3 パフォーマンス（テスラ）／10点
昨年末、箱根ターンパイクへ走りに行って完成度の高さに感嘆。着々と拡充が進むスーパーチャージャーによる充電の利便性や、高出力器のポテンシャルをフルに引き出せる充電性能など、他社EVとは段違いに「EVはこうあるべき」を示してくれている車種がモデル3であり、その最高峰グレードのパフォーマンスは魅力的です。車両価格や20インチの高性能タイヤ交換コストなどを考えるとマイカー候補には厳しいですが。予算が許す方にはイチオシのEVであることは間違いありません。

IONIQ 5 N（ヒョンデ）／6点
全日本EV-GPシリーズへのデビュー戦で、連勝中だったテスラモデルSを破っていきなり優勝を飾ったのが鮮烈でした（関連記事）。ギミックのエンジン音は個人的に不要だけど、消すこともできるのがいいですね。市販EVとして圧巻の性能をもちながら、日常使いの操作性などが優れているのはテスラとは違うベクトルで魅力的なEV作りに真摯に取り組んでいるヒョンデならでは。日本国内の市販EVとして初めてチャデモの800V規格に対応した急速充電性能も魅力です。

SEAL（BYD）／4点
約500万〜だけど上位2車種と比べて安い！東京＝兵庫往復の長距離ドライブ（関連記事）を試しましたが、クルマとしての出来はもちろん、航続距離性能、急速充電性能ともに納得のハイレベルでした。センターディスプレイのナビ表示がイマイチとか、ADASの完成度アップを求めたいといった「さらなる進化に期待」する点はあるものの、世界のEV販売台数でテスラとトップ争いを演じている「実力」に納得できる1台です。