第3回「ジャパンEVオブザイヤー 2024」投票速報／ホンダ『N-VAN e:』がポイント躍進

あなたが魅力を感じるEVを選んでください

広く多くのユーザーが評価する優れたEVを選んで讃えたい。黎明期から電気自動車情報を発信してきたEVsmartブログでは、社会が求める魅力的な電気自動車を選出するプロジェクトとして第3回「JAPAN EV OF THE YEAR （ジャパンEVオブザイヤー＝EOTY）」を実施しています。

広く一般ユーザーの意見を反映するため、誰でも参加可能な「一般投票」を実施。候補車種のEVに「乗ったことがない」方や、「EVに詳しくない」という方でも遠慮は無用。EOTY はジャーナリストや業界視点だけではなく、一般ユーザーのEVへの理解と関心を深めることを目的とした表彰プロジェクトですから、一般的に得られる情報の範疇における評価でOKです。特設サイトではEVsmartブログで取り上げた各車種の記事も紹介しているので参考にしていただければと思います。

【特設サイト／投票はこちらから！】
JAPAN EV OF THE YEAR 2024

EVsmartブログの著者たちが選んだEVは？

EVsmartブログ編集部から投票を依頼した「エバンジェリスト」の投票速報。今までの速報集計では、モデル3パフォーマンス、N-VAN e:、IONIQ 5 N、SEALなどがポイントを伸ばしています。EVsmartブログに寄稿してくれている著者陣からの投票紹介第3弾をお届けします。

御堀直嗣さんの投票＆コメント

【記事紹介】
トヨタ『アルファード／ヴェルファイア』PHEVが「急速充電対応」への懸念と提言（2023年8月6日）
超小型EV『クロスケ』試乗／「受け入れる社会」への期待が膨らむ電気モビリティ（2024年5月27日）

【総評】EVが出揃うようになり、EVらしさを活かした車種が出てくるようになってきたと思います。

N-VAN e:（ホンダ）／10点
2015年前後、各軽自動車メーカーに「100km、100万円、軽商用EV」の構想を提案し、唯一「こういうのをホンダがやるべき」と、本田技術研究所の社長が答えてから10年近い歳月を経て誕生したホンダ渾身の軽商用EV。

G 580 with EQ Technology（メルセデス・ベンツ）／4点
4輪それぞれに個別のモーターを組み込めば、その場で転回することもできるというような、EVだからできる機能を実際にやって見せた凄さ。

MINI Cooper E/SE（MINI）／3点
EVをメガシティ・ヴィークルと位置付け、i3を開発するに際し、ミニを基に試作車を作り、世界各地を走った。そこからいよいよ量産のミニEVが発売となり、持つ喜びを感じさせてくれるはず。

Model 3 パフォーマンス（テスラ）／2点
EVとしての性能や機能が抜群であるのはいうまでもなく、カメラのみによる周辺状況の認識技術が自動運転実現への期待をおおいに高めた。

SEAL（BYD）／1点
EVの身近な４ドアセダンの選択肢はほかになく、他車は大幅に高額になってしまうため、貴重な存在。

福田雅敏さんの投票＆コメント

【記事紹介】
EVの地下交通システム「ベガス・ループ」最新体感記～新ルートも開通して超便利！（2024年2月2日）
IAA TRANSPORTATION 2024 in Hannover 現地レポート／商用車EVシフトの潮流を実感（2024年10月16日）

【総評】今年は、ノミネート車を見ると輸入車、SUVタイプが主流と感じたなか、国産軽商用EVが２車種発売されたり、自動車の本命であろうセダンタイプも発売された。
さらに、ヒョンデIONIQ 5 N、日産アリア NISMOなど、高性能・スポーツモデルも発売されるなど、多種多様なEVが発売された年でもあった。急速充電器の高出力化にも対応したり、補助金についても補助額の車種ごと見直しなども行われ、これまでに発売されているEVを含め選択肢が増えて、車種選びについて悩める時が来たと感じた年であったのではと思った。

SEAL（BYD）／10点
クルマとしての全体的なまとまりはノミネート車の中で一番と感じた。また、価格についても、車格・バッテリー容量を考えると非常にコストパフォーマンスも高い。高性能で走って楽しいスポーツセダンが後輪駆動、AWDともこの金額で購入できるのは驚きである。採算が取れているのか心配してしまう。
また、輸入インポーターが、販売店を確実に増やしていること、ユーザーのための補助金増額に対するための活動（昨年の型式指定も同様）、非常時の地域自治体との連携活動など、車両以外でも評価に値するポイントが高かった。筆者個人としても、この１年で一番欲しいEVでもあったため、この評価とした。

N-VAN e:（ホンダ）／5点
ベースとなるユニークな室内のスペースをそのままEV化したこと、29.6kWhのバッテリー容量で245kmの航続距離を持つなど軽自動車として十分な性能、リサイクル素材を多用するなど、環境へも配慮したクルマ作りなどホンダが本気で開発したEVだと感じた1台であった。
搭載バッテリーの容量的に走行距離が控えめと感じたが、フリートユースを考えバッテリーの使用領域を狭め寿命を延ばすとしたこと、6kW普通充電を取り入れたことなど、商用車としての使われ方なども考慮されている点などを評価した。今年は、宅配便業者を含め、街で頻繁に見かけるようになるであろう。ただ、バッテリー容量的に採算が取れるのかの心配はBYD同様である。

IONIQ 5 N（ヒョンデ）／3点
EVにも高性能モデルを出し、走りにこだわるユーザーのためのモデルがようやく出てきたと感じた。今後増えるであろうスポーツモデルバージョン。いち早く出したことに筆者としての遊び心も入れてこの評価とした。

MINI Cooper E/SE（MINI）／1点
特に輸入車では大きなEVが多いのではと思われるなか、少し大きくなったとはいえ、比較的コンパクトなMINIにEVモデルが出たのは、街乗りを中心とするユーザーに受け入れられるのではと感じた。MINIは十数年前からEVをパイロット的に販売もしてきており、ようやく普通に購入できるようになったので完成度も高いのではと感じた。

G 580 with EQ Technology（メルセデス・ベンツ）／1点
筆者は、30年前に4モーターのEVで信地旋回が出来る試作車を開発した経験がある。それが、高価格であり普通に購入できるようものではないが、量産車に採用されたので、驚きとともに敬意を表して投票した。

宇野智さんの投票＆コメント

【記事紹介】
DMM EV CHARGE が日本初のNACS対応急速充電器公開～発表に感じた「大丈夫ですか？」（2023年12月13日）
【テスト車両が充電中？】日本上陸予定の電気自動車キャデラック『リリック』に遭遇！（2024年12月22日）

【総評】2024年は、軽商用車やオフロードSUV、スポーツカーなど実に多種多様な車種のBEVが登場しました。コンシューマーは選択肢がますます広がり、ビジネスユースでも選択肢が増えました。また、個性的で印象に残るBEVが多く登場した1年でもありました。評価の基準は、クルマの性能やドライビング・プレジャーを二の次とし、コンシューマー視線では、そのクルマを所有することによって、より豊かで幸せなカーライフが送れるかどうか、ビジネス視線ではゼロエミッション達成をはじめとするモビリティ社会への貢献度を主軸としました。

N-VAN e:（ホンダ）／10点
プライベートユース、ビジネスユース両方のニーズに応えるBEVは、N-VAN e: だけ。趣味向け、社用車向け、運送業向けの3タイプをラインナップ、中でも割り切って1人乗りを設定するという大胆かつシンプルなパッケージングとグレード構成は非常に好感が持てるし、航続距離も実用的。とりわけ物流のラストワンマイルのゼロエミッションソリューションを提供したことは社会的貢献度が高いと評価する。

EX30（ボルボ）／5点
ミニマルでクリーンなスウェディッシュ・デザインは、スマートなBEVライフを容易に想像させる。日本の道路事情にも合うボディサイズで、日常生活の足からレジャーまでマルチにこなしてくれる。クルマ好きよりクルマ好きではない層が圧倒的に多い市場では、やはりデザインは命。EX30は「自宅のガレージにやってきたら、その日からQOLが上がりそう」と思える秀逸なデザイン。

Avenger（ジープ）／5点
Z世代からも高い人気を博しているJEEPブランド。オフロードSUV専門ブランドがBEVをデビューさせたことは、非常に大きな意味を持つと考えている。扱いやすいコンパクトなボディに、ジープの世界観をしっかり落とし込んだアベンジャーは、間違いなくBEVの選択肢を広げた。非常に個性が強いクルマでありながらも、尖りすぎておらず多くの人から愛される1台になってくれるだろうと期待する。

加藤博人さんの投票＆コメント

【記事紹介】
トヨタが中国向けEV 2車種『bZ3X』『bZ3C』をお披露目～北京モーターショー2024（2024年5月10日）
マツダの電気自動車『EZ-6』に北京で試乗／日本導入の可能性は？（2025年1月20日）

【総評】2024年に日本で発売されたBEVは傾向として「趣味性の高い車種」が多いように感じられた。これまでクルマ好きが好むような「運転していて楽しいBEV」はそう多くなく、BEVに対する親しみもイマイチ感じられないような雰囲気が形成されていたようとも言える。今後もBEVならではのスポーツパフォーマンスをもたらしてくれるクルマが増えることを願いたい。

IONIQ 5 N（ヒョンデ）／10点
「N」が約10年前に誕生した際、ヒョンデに対する風向きは決して良いものとは言えなかった。それでも「韓国発のパフォーマンスブランドを作る」という強い信念の下、ヒョンデは地道に世界中のモータースポーツシリーズへと参戦を続けた。ガソリン車のNモデルを経て、ついに日本にも上陸した初のNモデルは、電動化の時代でもクルマ好きを見捨てない姿勢を体現するモデルだと感じる。

N-VAN e:（ホンダ）／5点
N-VAN自体はガソリンモデルも商用車からキャンプ、トランポなどと幅広い分野で人気を博していた。今回はその待望のBEVモデルが登場したということで、装備を割り切りながらも実用的かつ趣味性の高いBEVバンが実現されたことには無限の可能性を感じる。

SEAL（BYD）／5点
トレンドがすっかりセダンからSUVへと移り変わった日本市場では厳しい戦いになると誰もが予想したが、実用性だけでなく、高いボディ剛性とRWDでも十分なパワフルさがもたらす「走りの楽しさ」は、多くの人が忘れかけていた「セダンの楽しさ」を再確認させてくれた。もちろん改善点も多いが、持ち前の即応力をもって迅速なアップデートがなされていくことを期待したい。