テスラの家庭用蓄電池『Powerwall』をドコモショップ4店舗で運用開始

電気自動車シフトは再生可能エネルギー活用とともに広がることで、より大きなCO2排出削減効果を生み出します。電気自動車メーカーとして世界のトップを快走するテスラの家庭用蓄電池『Powerwall』が、日本国内のドコモショップ4店舗に導入されました。太陽光発電と組み合わせ、店舗全体でのCO2排出量を50%削減できる見込みです。

テスラの家庭用蓄電池『Powerwall』をドコモショップ4店舗で運用開始

定置型蓄電池として抜群のコストパフォーマンス

2021年5月10日、テスラモーターズジャパンから『テスラ家庭用蓄電池 Powerwall がドコモショップ4店舗へ導入』というニュースが発信されました。

『Powerwall(パワーウォール)』は、電気自動車メーカーであるテスラが、電池生産能力を活用して商品化した家庭用蓄電池です。1台のシステム本体価格は108万9000円(税込 ※別途設置工事費用が必要)で、蓄電容量は13.5kWh。定置型の家庭用蓄電池として、抜群のコストパフォーマンスを誇っています。

ドコモショップ八街店。

今回のニュースは、株式会社ティーガイア(本社:東京都渋谷区)が運営する首都圏のドコモショップ4店舗に、このパワーウォールを導入し、CO2 排出量削減の実証実験を開始するというものです。対象はドコモショップ日高店(埼玉県日高市)、ドコモショップ八街店(千葉県八街市)、 ドコモショップ鎌取店(千葉県千葉市)、ドコモショップ山武成東店(千葉県山武市)の4店舗。

各店舗ではすでに太陽光パネルを導入し、PPA(Power Purchase Agreement=売電事業者と需要者が直接電気の売買契約を結ぶこと。再生可能エネルギーを指定した電力調達などが可能になる)サービスで電力を供給しており、大容量蓄電池のパワーウォールを組み合わせることで、昼間、太陽光で発電した電気を夜間や災害による停電時に使用することが可能になり、エネルギーの自家消費比率は10%向上、店舗全体での CO2 排出量 50%削減(太陽光発電システムのみと比較して10%前後の削減量増)を見込んでいるということです。

蓄電池を含めたPPAサービスの商品化を検討

パワーウォールは家庭用蓄電池として開発されたものではありますが、1つのシステムとして最大10台まで拡張(10台拡張時の蓄電容量135kWh)可能であるという特長があります。今回の4店舗には各1台ずつ導入されたようですが、ある程度消費電力が大きい中小規模の商業施設に複数台の大容量システムを導入することで、太陽光発電で発電した電気の自家消費拡大や、電力需要の平準化、また台風や地震などによる停電の際には非常用電源として威力を発揮します。

ドコモショップへのパワーウォール導入と実証実験は、ティーガイアの子会社としてPPA 事業を展開する株式会社 TGパワー(本社:東京都渋谷区)が行います。TGパワーでは結果を基に、蓄電池を含めたPPAサービスの商品化を進めており、すでに PPA契約を行っている顧客への提供および新規サービスとして受付を始めることも検討しているとのこと。

自動車の電動化=電気自動車へのシフトは、自動車によるCO2排出削減という意義がありますが、実質的な効果は電気自動車が使う電力がどのように発電されているかという要素に大きく影響されます。TGパワーが進めているように、太陽光発電と大容量蓄電池であるパワーウォールを組み合わせ、太陽光発電による電力をより有効に活用する仕組みが広がることは、電気自動車シフトの意義を高めることにも繋がります。

【関連サイト】
テスラ Powerwall 詳細ページ


テスラのパワーウォールについては、今までにもいくつかの記事をお届けしています。ご参照ください。

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(文/寄本 好則)※写真提供/テスラ

この記事のコメント(新着順)7件

  1. 制度に詳しくないのですが、例えば10kW未満の太陽光発電でFIT中の場合、パワーウォールを導入しても経済的メリットがあまり無いのではと思うのですがどうなのでしょうか?
    また、いわゆるPPAモデルを導入すれば、買電を再生可能エネルギーに限定できるのでパワーウォール無しでもCO2削減を達成できるのではないかとも思いますがどうでしょうか?
    制度に詳しくない故の疑問かと感じますが、お教えいただければ幸いです。

    1. hatusetudenn様、コメントありがとうございます。このご質問について私は詳しくはないので、どなたかFITにお詳しい方のコメントを求めます!

      さて私の感想ですが、まずFIT中の場合、(a) 確実に100%が買取されるのか (b) 電気代は今後も一定なのか、というところがポイントなのかなと思います。(a)のケースでは、太陽光の接続量は各地域でどんどん増加しており、買取ができないケースも出てくると思われます。米国や欧州ではcurtailingと呼ばれていますが、日常のことになっています。その場合、蓄電池があればシフトが可能ということになります。(b)のケースでは、今回設置場所と電力小売り会社との契約が不明なのでよくわからないのですが、夕方の時間帯が高額になる契約をされているか、もしくは今後そのようなフレキシブルなToU契約に移行されるご予定があるのかなとも思いました。その場合、蓄電池があれば、料金の高いところだけは蓄電池に任せて、PVは蓄電池優先で残りを売電というやり方も考えられると思います。いずれにしろ、電力施策の柔軟化が図れるという意図ではないのかなと感じました。

  2. 我が家も
      数年前から予約してるんですが
      殆ど連絡来ないんです。
      日本での営業は
      テスラのスタンドプレイなんでしょうかね〜?

  3. 安川さん、こんにちは。
    そうなんですよ。内の工場もイザ停電となった時の為に導入を考えてますが、太陽光発電と夜間電力を導入したとして何キロ発電させて、どのくらい蓄電させて停電時にどくらい補えるかを計算すると真夏だとピークでパワーウオール8枚で約10時間。計算するとソーラーパネルを足して1000万円超える。まさか真夏のピークに停電来ないでしょう?所が山は夏が積乱雲にピーク。せめてこの7掛け位にならないと二の足踏みますね。国産なんか話にならない価格ですけど。

    1. 9月にオーナー様、工場でしたらPowerWallだとなんでしょうね。再エネは投資すると数千万すぐかかっちゃいます。もっともっと電力会社に買っていただいて、価格がこなれると、一般の企業でも導入しやすい価格になるのだと思います。
      PowerWall一枚でもご家庭だと新築時以外、ちょっと高い設備投資という感覚はあるでしょうから。

  4. このようなCO2削減の活動はとても素晴らしいのですが、このような物を製造、設置、廃棄まで行った際に何年でCO2削減分の元とれるのでしょうかね、?

    1. 大統領様、確かに製造時排出も知りたいですよね。
      広報で回答してもらえるかどうか分かりませんが、確認してみたいと思います。
      またそれだけじゃつまらないので、少し試算してみましょうか。

      車と違って非常に単純な構造のものなので、主たる製造時排出は電池が大きいと仮定し、それに13.5kWhを掛け算して求めます。
      https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/electric-is-cleaner-mazda-lca/
      ここからIVL 2019の中央値を使うと83.5kg/kWhとなるので、PW1基あたり、1127.25kg。これを、日本の排出係数463g-CO2/kWhで割り算すると、2435kWhとなります。つまり、2435kWhを太陽光から夕方以降に持ち越せれば、それで製造時のCO2排出はカバーできるということになりますね。今回、ドコモショップの屋上にどのくらいのルーフトップソーラーが載っているか、また昼間どのくらい売電しているかが分からないのでこれ以上の計算は難しいですが、仮に1日2kWh程度持ち越せたとすると、3.3年で製造時排出はカバーできるという試算になります。
      ソーラーパネルのサイズを6kWと仮定すると、1日の発電量は約16kWhですから、2kWhの持ち越しは可能そうにも思えますね。

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この記事の著者


					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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