電気自動車へのシフトが加速か
2019年4月8日、ロンドンでは古くなり排気ガス量が多い車両に課金する、超低排出ゾーン規制(ULEZ)が施行されました。これにより2007年以前に作られたバイク、2006年以前に作られた一般ガソリン車、2015年以前に作られたディーゼル車はシティに入るために一日12.50ポンド(1,820円)、バスやタンクローリーなどの大型車両には一日100ポンド(14,565円)が課税されます。現在ULEZは下図の赤い中心部に入る車両に適用されますが、2021年10月25日からは拡大して黄色い部分に広がり、北と南の環状線をカバーすることになります。
すでにロンドンでは渋滞と大気汚染を緩和するために、中心部に平日朝7時から夕方6時までに乗り入れる車両に一日11.50ポンド(1,675円)の渋滞税(The congestion charge)を課しており、これからは平日昼間、対象となる車両で中心部に乗り入れようとする人は渋滞税とULEZの両方を払わなければなりません。
現在CO2排気量が75g/km以下のプラグインハイブリッド車及び純電気自動車は渋滞税を免除されていますが、2021年10月からはすべてのハイブリッド車が課税されることになり、2025年12月からはすべての電気自動車が渋滞税を払うことになります。
ロンドン市長のサディク・カーン氏は「ロンドンの空気汚染は重大な健康被害をもたらしています。子供の肺機能の成長が妨げられ、多くの若年死亡や喘息、認知症の増加が起こっています」と語りました。イギリスでは、12歳の少女が電気自動車を応援する活動をしていることを先だって『EV THANK YOU! 電気自動車に感謝のメッセージを届ける12歳の女の子』という記事でお伝えしました。大気汚染改善のためにも、ますます電気自動車へのシフトが加速しそうです。
<参照記事>
BBC NEWS:『ULEZ: New pollution charge begins in London』
drivingelectric:『London Congestion Charge exemption to end for all electric cars and PHEVs』
【2020年02月04日 追記】
Yahoo!ニュースより「英、35年にガソリン車販売禁止=ハイブリッドも、日本勢に打撃」。
英国政府はガソリン車及びディーゼル車の新車販売禁止を2035年に前倒しし、さらにここにはハイブリッド車も含まれることが判明しました。
純電気自動車に関して遅れをとっている日本自動車メーカーがどうするのか注目です。
(文・杉田 明子)