ポルシェが次期マカンを「完全に電気自動車にする」と発表。『Mission E』は本気モードへ!

2019年2月26日、ポルシェはワールドワイドウェブサイトの「news room」で、次期マカンを「完全な電気自動車にする = the next generation of the Macan as a fully electric series」ことを決定、2020年代早々に生産ラインが立ち上がることを発表しました。

PORSCHE MACAN
ポルシェ「ニュースルーム」より

「ポルシェといえば 911」はもう古い

ポルシェといえば、世界を代表する高級スポーツカーメーカーです。フラッグシップの「911」は、1964年のデビュー以来、基本的な車体形状を踏襲しながら世界中のエンスージアストに愛され続けています。

とはいえ、フォルクスワーゲンとの連携が深まる中で、2003年にはポルシェ史上初めてのSUVである「カイエン」を発売して大ヒット。2009年には5ドアハッチバックの「パナメーラ」、2011年には大ヒットしたカイエンよりも小型のSUVである「マカン」を発売。そもそも、911のようなクーペタイプのスポーツカーはそれほど売れるものでなく、今ではマカンがポルシェの屋台骨を支える売れ筋車種となっています。

【ポルシェの車種別出荷台数(2018)】

全車種/25万6255台

マカン/8万6031台
カイエン/7万1458台
パナメーラ/3万8443台
911/3万5573台
718ボクスター・ケイマン/2万4750台

出典:Porsche with new peak in deliveries(PORSCHE newsroom)

主力車種の電気自動車化を決断!

今回の発表は、ポルシェが「最も売れている車種を電気自動車にする」と宣言したことになります。ポルシェがもう、電気自動車シフトに本気であることを明示しているといえるでしょう。ニュースリリースの中で、CEOのオリバー・ブルーム氏は「電気自動車はエネルギー効率が優れているだけでなく、スポーティな性質をもっている。ポルシェは2022年までに60億ユーロ(約7550億円)以上を、電気自動車に投資。2025年までには、新たに発売されるポルシェの50%が電動となる」と述べています。

ポルシェの公式サイトで、ナビゲーションの「モデル」にカーソルを合わせると、911、カイエン、マカンなどの市販車種とともに「E-Performance」→「ミッションE」というメニューが現れます。このミッションEとは、2015年のフランクフルトモーターショーで発表されたポルシェによるBEVのコンセプト。その具現化として、2020年には日本でも発売されると噂されているのが「タイカン」というBEV(純電気自動車)です。

ポルシェ「タイカン」

ポルシェ公式サイト(日本語)

タイカンの全容はまだ明らかではありませんが、最高出力600ps以上、0-100km/h加速3.5秒以上の性能が与えられると予測されています。テスラの Model S をターゲットにするでしょうから、搭載する電池容量は100kWh前後。価格は1000万円前後〜とも、パナメーラE(PHEV)と同等の1500〜2000万円前後になるのではとも噂されています。

まだ正式な発表前であるにも関わらず、アメリカでのタイカン先行予約(予約金は2500ドル=約28万円)は好調で、先行予約した人が全員購入すれば初年度生産分(約4万台=2018年のパナメーラ出荷台数以上!)はすでに完売。ポルシェは増産計画を進めていると、アメリカのメディアが報じていたりもします。

次期マカンはどんな電気自動車になる?

ポルシェによる発表では「次期マカンを電気自動車にする」というだけで、「どんな電気自動車にする」のか詳しく述べられてはいませんが、タイカン同様にシステム電圧は800Vを採用。プラットフォームとしてアウディと行動開発した「PPE」(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)を使用することが明言されています。

システム電圧が800Vということは、急速充電器の出力次第で、現状の市販EVよりもより急速に充電できることを意味します。たとえば、新型リーフの総電圧は350V。電力量は「電圧×電流」ですから、同じ電流の量を注入できるとすれば、単純計算でも日産リーフの倍以上の速度での急速充電が可能になるわけです。

ただし、今の日本国内に普及しているチャデモの急速充電器は、最大出力が50kW、最大電流が125Aという制約があり、800Vシステムの恩恵はそれほどではありません。とはいえ、チャデモでも最大出力150kW以上の新規格策定が進められていますから、数年後には大容量、高電圧の電気自動車にとって、より利便性の高いインフラが提供されるようにはなるのでしょうが。

ともあれ、数年後には電気自動車のマカンが市販されることは、ほぼ間違いありません。今のポルシェのラインアップと日本での市販価格を確認すると、パナメーラEが約1400万円〜。カイエンが約980万円〜。そしてマカンが約700万円〜となっています。タイカンが電池容量100kWh〜で1500万円〜と予測するなら、より「売れる」クルマを目指すマカンは、価格が800万円程度〜、電池容量70〜90kWhあたりが「いい線」になってくるのではないかと思われます。楽しみですね!

ポルシェ「マカン」

(寄本好則)

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2 thoughts on “ポルシェが次期マカンを「完全に電気自動車にする」と発表。『Mission E』は本気モードへ!”

    1. T.mizuno様、コメントありがとうございます。確かに仰るとおりなのですが、欧米にも500Vの充電器は多くありますので、タイカン側で自動的につなぎ替える機構を持っていると考えて良いと思います。充電時、500Vなら並列へ、800Vなら直列へ、という感じです。

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