テスラがカリフォルニアでバーチャル・パワープラント(VPP)への参加者を募集開始

テスラとパートナー企業が主導して、電力逼迫時に家庭の蓄電器から電力網に電気を売るバーチャル・パワープラントの参加者の募集がカリフォルニアで始まりました。米メディア『CleanTechnica』より詳細を全文翻訳でお届けします。

テスラがカリフォルニアでバーチャル・パワープラント(VPP)への参加者を募集開始

Tesla Invites New Round Of Californians To Enroll In Virtual Power Plant by Carolyn Fortuna on 『CleanTechnica

パワーウォールを使って地域の電力網安定に貢献

世界最大の分散型電池の一部となり、カリフォルニアのエネルギーをクリーンで安定したものにできるという提案に抗えるでしょうか。この説得力のある文章は最近テスラがパシフィック・ガス・アンド・エレクトリック・カンパニー(PG&E: Emergency Load Reduction Program)と協業して開始した新しいバーチャル・パワープラントの募集に書かれていました。

バーチャル・パワープラントにより、パワーウォールのオーナーはプログラムに参加してカリフォルニアの電力網を安定させ、停電を終わらせるために協力することができます。テスラによるとPG&Eが提供する試験版緊急時負荷削減プログラム(ELRP)を通じて参加者は報酬を得ながらエネルギーの安定供給を維持しつつ、電力網のサポートができます。

テスラのパワーウォールとソーラールーフ。

プログラムに参加するパワーウォールのオーナーは、電力網に供給する電気1kWh当たり2ドルを得られます。

テスラ側は、このバーチャル・パワープラント(VPP)プログラムに参加する資格のあるパワーウォールが約5万あると言い、PG&Eの電力網上で必要が生じた際に供給できる電気量はかなりのものになります。

これまでのバーチャル・パワープラント

2020年、CleanTechnicaのSteve Hanleyは、英国におけるテスラのバーチャル・パワープラント・プログラムの概観を紹介しました。この時は、まず家主はテスラの電気自動車と自宅用充電器を所有していることなどいくつかの条件をパスしてから、ルーフトップ・ソーラーシステムと、テスラ・パワーウォールを家に導入する必要がありました。プログラムに参加した家屋で蓄えられた太陽エネルギーは、ピークタイムに電力網に送り返されました。電気の出入りはソフトウェアによって管理され、エネルギー使用状況、太陽エネルギー量の予報、エネルギーの卸売価格によって自動的に行われました。

昨年、テスラはカリフォルニアでテスト版のバーチャル・パワープラントをローンチし、パワーウォールのオーナーは無償で参加しました。その時の目標はパワーウォールのオーナーの電池パックから、電力網が必要とした時に電気を取り出すことでした。

2022年にDavid Waterworth がオーストラリアでのバーチャル・パワープラントに関する研究が、市場はまだ準備ができていないと示唆していることを説明しました。参加者が受け取った報酬は余剰分の太陽光電気を溜めて自ら使った際に得られたはずのリターンよりも少なかったのです。

PG&Eプログラムに関して

カリフォルニアの電力網を安定させる
参加者のパワーウォールが供給する余剰電気は緊急時の停電を回避もしくは軽減できる可能性があります。パワーウォールが参加者とコミュニティ双方の電気を灯し続けてくれるでしょう。

電力網をクリーンに
テスラは電力が逼迫した際、通常使われる最も効率性の悪い発電方法(=従来の化石燃料を使った発電)の代わりに参加者のパワーウォールから電気を送ります。

安全なエネルギーを維持
パワーウォールはVPPの稼働時には電気を送り出しますが、バックアップリザーブの設定以下では動きません。

稼働条件
テスラとPG&Eはカリフォルニアの電力網オペレーターであるCAISOが電力逼迫に対応するため警告や緊急事態を発表した際、バーチャル・パワープラントを稼働します。2社がプログラムを最低20時間続けさせるため、他のイベントでも稼働させる可能性があります。他のイベントとしてCAISOフレックスアラートへの対応が含まれる可能性があります。

イベント発生前
イベントが決まると参加者はプッシュ通知で発生時刻を知らされ、パワーウォールが充電を優先してイベントに備えることが分かります。イベントは1日先か、状況によってはさらに短い時間でスケジュールされるかもしれません。

イベント発生時
イベントが始まると、参加者にはイベントの終了時刻がプッシュ通知で送られ、パワーウォールは電力網をサポートするため電気を送り始めます。パワーウォールからの送電はイベント終了時刻、もしくはバックアップリザーブで選択したレベルまで続きます。パワーウォールは安全な量の電気を送りますので、設置場所の太陽発電と同じレベルの量かもしれず、フルパワーが出ない可能性もあります。

イベント終了後
イベントが完了すると、パワーウォールは通常のオペレーションに戻ります。

参加する際にコントロールする項目
VPPイベント中は3つの項目をコントロールできます(バックアップリザーブ、イベントのオプトアウト、通常のオペレーションに戻る)。

参加の停止
テスラアプリの設定メニューで、参加を停止することができます。その場合パワーウォールはイベントをスケジュールに入れても反応せず、参加者にもイベントの通知がされません。プログラムに登録した参加者は、いつでも再開することができます。

報酬
報酬はパワーウォールの台数、エネルギー容量、バックアップリザーブにより異なります。バックアップリザーブの設定を低くすれば、報酬は高くなります。

支払い
シーズンの終わりに(通常は1年の終わり)、PG&Eはパワーウォールのデータから参加者の貢献度と支払額を算出します。支払いはテスラが行い、2023年3月までに行われる予定です。

参加するのに必要な情報
アカウント番号、電気メーター番号、PG&Eサービス情報、電気メーターの所在地です。

このプログラムに参加すると、電気代はどうなりますか?
テスラは今夏のイベントのほとんどが、時間帯別料金の典型的なピークタイムに起こると予想しています。イベントに参加することにより、エネルギー支出が通常より遅い時間に移動します。

(翻訳・文/杉田 明子)

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					杉田 明子

杉田 明子

2010年代に住んでいた海外では'94年製のフォード→'02年製のトヨタと化石のような車に乗ってきました。東京に来てからは車を所有していないのですが、社用車のテスラ・モデル3にたまに乗って、タイムスリップ気分を味わっています。旅行に行った際はレンタカーを借りてロードトリップをするのが趣味。昨年は夫婦2人でヨーロッパ2,200キロの旅をしてきました。大容量バッテリーのEVが安くレンタルでき、充電インフラも整った時代を待ち望んでいます。

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