テスラ社の中国進出計画が進展中!
「ギガファクトリー」とは何なのか、少し整理しておきましょう。テスラ社の大規模電池工場はまとめて「ギガファクトリー」と呼ばれています。「ギガファクトリー(ギガファクトリー1とも呼ばれています)」は米国ネバダ州スパークス郊外に、また「ギガファクトリー2」は米国ニューヨーク州バッファローにあります。今回中国に建設される「ギガファクトリー3」は、車両の組立まで行う拠点になることが発表されています。
ちなみに、EVと電池の双方を製造しているテスラ社最初の工場は米国カリフォルニア州フリーモントにあり、「テスラ・ファクトリー」として知られています。CEOのイーロン・マスク氏がモデル3の製造に関して泊まり込んでいたのは、このフリーモントの工場です。
昨年後半からアメリカと中国の貿易戦争は熾烈になってきていますが、そうしたなかでも、2018年初夏にイーロン・マスクCEOと上海市人民政府の應勇(Ying Yong)市長との間で工場用地の取得に関する協定が締結されて以降、テスラ社は工場建設をスピードアップしてきています。
10月には85万平方メートル(210エーカー、東京ドーム18個分!)の工場用地を取得したと発表。昨年暮れには上海市の應勇市長は「テスラ社はすでに基本的な土地造成を終えたので、間もなくギガファクトリー3の建設を始め、2019年後半にはモデル3製造に関する操業を部分的に始めるだろう」と述べていました。イーロン・マスク氏も今年1月7日付けで「テスラの上海工場の造成を楽しみにしている」とツィートしていますが、じつはその日に起工式が現地で行われたわけです。
Tesla CEO @elonmusk with Shanghai Mayor Ying Yong at Tesla Shanghai Gigafactory ground breaking ceremony.
#Tesla #China #TeslaChina #GF3 #business #positivenews pic.twitter.com/23xSkPs8im— Hot Topics Network (@HTNofficial1) 2019年1月7日
ギガファクトリー3での本格生産は2020年スタート!
確かに、1月6日までの 「Electrek」の記事のタイトル画像を見ると土地造成は終わって、建設機械とコンテナが写っていますが、工場の建設が始まっているようにも見えます。後にこれは起工式(ground breaking ceremony)に備えた動きだと判りました。テスラ社は最近、第一段階の工場建設への許可を受けたようで、建設への動きを加速しているとのことです。先ほど触れた「2019年後半にはモデル3製造に関する操業を部分的に始める」を実現するには、全くのサラ地から製造可能な工場を12ヶ月かけずに建てることになります。
Aiming to finish initial construction this summer, start Model 3 production end of year & reach high volume production next year
— Elon Musk (@elonmusk) 2019年1月7日
ギガファクトリー3の建設が最初に発表されたときは、工場で「年産20万台」の量産が始まるまでにはおよそ2年かかり、それ以降順次製造を拡大して「年産50万台」のモデル3を中国の顧客に届けることになるだろう、とテスラ社は述べていました。今回の起工式でイーロン・マスク氏は、新型の小型SUVである「モデルY」の生産もこの工場で行うことも明らかにしています。ここで生産されるモデル3やモデルYが中国国外に輸出されるかは否定的な見方が多いようですが、今ひとつはっきりしません。Electrek今後も随時情報を伝えるとしています。
(文:箱守知己)