テスラがモデル3に3万5000ドルの「スタンダード」をついに追加

米テスラ社は2019年2月28日(現地)、ついにモデル3にこれまでより安価な「スタンダードレンジ」など2車種の追加発売を発表しました。航続距離を短くして内装を簡素化、加速や最高速も抑えられていますが、換算価格で400万円を切ったテスラの登場は気になります。同時に、店舗を大幅に減らしオンラインショップにシフトすることや、「7日間または1,000マイル(約1600km)以内に返却すれば全額返金される」という驚くべきサービスの開始も発表しました。

発売されたモデル3は、電池から見ると2種類

tesla model3 standard
テスラ公式サイト(アメリカ版)のスタンダード紹介ページ

今回発売されたのは、モデル3の「スタンダードレンジ」と「スタンダードレンジプラス」の2車種です。これで、モデル3には全部で6つの車種バリエーションが揃いました。

【モデル3の車種バリエーション】

モデル名スタンダード
レンジ
スタンダード
レンジプラス
ミッドレンジロングレンジAWD
ロングレンジ
AWD
パフォーマンス
航続距離(EPA)220マイル
約353km
240マイル
約386km
264マイル
約422km
325マイル
約520km
310マイル
約496km
310マイル
約496km
最高速度130mph
約209km/h
140mph
約225km/h
140mph
約225km/h
140mph
約225km/h
145mph
約232km/h
162mph
約259km/h
0-60mph加速5.6秒5.3秒5.2秒5.0秒4.5秒3.2秒
価格35,000ドル
約392万円
37,000ドル
約414万円
40,000ドル
約447万円
43,000ドル
約481万円
47,000ドル
約526万円
58,000ドル
約649万円
2019年2月28日にテスラ社が発表した、モデル3の普及版の2車種を加えた車種比較。
※価格は今日のレートである111.87円/1ドルで計算しました。

最も価格を抑えた「スタンダードレンジ」には、「スタンダード・インテリア」と呼ばれるベーシックなインテリアと、ベーシックな容量の電池が装備されているようです。

これに対して「スタンダードレンジプラス」では、より上等な仕上がりのシートを含む、部分的に上質なものが組み合わされた「パーシャル・プレミアム・インテリア(Partial Premium Interior)」が装備され、電池も少し増量されているようです。テスラはモデルS・Xとは異なり、モデル3に関しては一貫して電池容量を明らかにしていませんので、距離が伸びて最高速や加速も良いのなら、電池は少しは多いのだろう、と推測するしかありませんよね。

インテリアと装備について簡単にまとめてみました。

【スタンダードレンジ】(スタンダード・インテリア)
●手動のシート
●手動のステアリング調整
●布製のシート
●標準的なトリム
●ベーシックなオーディオ
●標準的な地図とナビゲーション
●物入れと4つのUSBボートが付いたセンターコンソール

【スタンダードレンジプラス】(パーシャル・プレミアム・インテリア)
●12ウェイの調整が可能な、ヒーター付きの電動フロント・シート
●プレミアム素材のシート
●プレミアムな素材トリム
●上級オーディオ(没入(3D)型の臨場感あるサウンドが可能)
●標準的な地図とナビゲーション
●LEDフォグランプ
●物入れと4つのUSBボートが付いたセンターコンソール
●スマートフォン用の2つのドッキングポート

ちなみに、ミッドレンジ以上のグレードでは、12ウェイの調整が可能な、ヒーター付きの電動シートがフロントだけでなくリアにも装備されたり、交通状況可視化機能付きの衛星写真地図とそれに連動したナビゲーションなどが追加される「プレミアム・インテリア」となります。

上記以外、全てのグレードに、紫外線・赤外線防止の着色ガラス、自動調光・電動格納式ヒーテッド・ドアミラー、ブルートゥースによるスマートフォンやオーディオ機器との接続システム、などが装備されています。このほか「カスタム・ドライバー・プロファイル(運転者の情報を記憶するシステム)」もあるようです。電動パワーシートやステアリングの位置を記憶することが一般的ですが、手動シートのグレードで何が記憶できるのかは現時点でははっきりは分かりません。

ネット販売に特化、店舗の大幅廃止

低価格を実現し、さらに会社を財政的に安定させていくために、テスラ社は販売を「ネット販売」に集中します。北米では今後「電話を使えば、1分程度でテスラ車が買える」ようになり、さらにこの販売方法は世界に広げるとしています。

従来からある店舗の多くを今後数ヶ月の間に廃止し、交通量の多い通り沿いなどの店舗は「テスラ車を飾るギャラリー」や「テスラ車の実物を展示する広告(ショーケース)」、または「テスラ・インフォメーション・センター」に作り替える方針です。こうした取り組みや他の努力とが相俟って、全体的にテスラ車の価格を6%引き下げることが出来て、今回の35,000ドルのモデル3も可能になったと述べています。

この変更に付随して、顧客向けのサービス・システムに今後さらに投資を行い、顧客がテスラに出向くのではなく、テスラが顧客のもとに出向くようなサービスを拡充するとしています。とは言え、今回の店舗廃止でレイオフが出る可能性は否定できません。不幸にもそうした対象になってしまう人が、うまくサービス部門に異動できると良いのですが。ここも今後注意して見ていくべきでしょう。

試し乗りして、無料で返却可

今回のリリースの中には、もう一つ驚くべき内容がありました。それは、モデル3を予約金を払って入手して実際に乗っても、「7日以内」もしくは「1,000マイル(1,600km)走行以内」に返却すれば、予約金は全額返金される「トライアウト・アンド・リターン」というサービスが含まれていたことです。

モデル3を手に入れて、友達や家族と週末に数百マイルのドライブをしてみて、気に入らなければ返せば、お金は全額戻って来るのですから、じつに驚くべきサービスです。

もっともテスラ社は、モデル3の顧客満足度の高さから「一度体験した人はモデル3が絶対に欲しくなるだろう」と自信をのぞかせています。

既存のモデル3も含めた、ファームウェア・アップデートも実施

今回の発表に合わせて、既に販売したモデル3も対象にした、数多くのファームウェア・アップデートを実施すると公表しました。アップデートによって、ロングレンジのリアドライブ(RWD)モデルは航続距離が310マイルから325マイルに向上し、パフォーマンスの最高速度が155mphから162mphにまで引き上げられており、モデル3全グレードの最高出力が5%高められる変更も含まれています。

これからもまだまだ動きがありそうですが、これで、イーロン・マスク氏が2006年に「公開」した「シークレット・マスタープラン」は、ひとまず達成されたと言えるでしょう。モデル3は日本でもすでに予約が始まって(3万5000ドルのスタンダードモデルも設定予定と明記)います。車両だけでなく、そのサービスの内容も含め、当分目が離せないですね。


(テスラの日本サイト、モデル3予約ページで紹介されているプロモーション動画 ※44秒)

(箱守知己)

【関連記事】
『テスラ モデル3、日本国内で発表(プレビュー)』(2018年11月9日)
『テスラモデル3がついに発売・スペックなど速報』(2017年8月1日)


7 thoughts on “テスラがモデル3に3万5000ドルの「スタンダード」をついに追加”

  1. 悩みますねー。
    リーフe+Xにするか。リーフの場合ちょっとプラスするとオートパイロットがと
    アラウンドビューが手に入るし。テスラの電気自動車の鋭い加速を取るか。
    ついこないだの、テスラの火災事故の事を考えると安全性についても万が一の事を考えて悩んでしまいます。
    日本で、スタンダードテスラが手に入る時、リーフがどの程度性能が上がってるか?そっちも気になりますね。

  2. YasukawaHiroshi様
    コメありがとうございます!
    モデル3の内装シンプルで良いですねー。末永乗るんだったらモデル3ですか。
    低価格車が出てきた事でさらに、脱化石燃料が加速しそうです。
    今年一杯は、カタログ比べで楽しんじゃいます。
    3月14日のモデルYの発表楽しみにしてます。レポート楽しみにしてます!
    ではでは。

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