テスラ「モデル3」420万、344kmの電気自動車が発表(速報)

スポーツカーの「ロードスター」、セダンの「モデルS」、SUVの「モデルX」に続き、テスラから中型セダンの「モデル3」が発表されました!発表内容速報あり。

テスラ「モデル3」420万、344kmの電気自動車が発表(速報)

※2017/8/1追記:7月28日にモデル3が発売開始されました。スペック等はこちら

4月1日
ライブストリームはメールアドレスの登録が必要なようです。
12:34 ライブストリーム開始!たくさんの参加者が集まっています。招待客は800名。
12:36 フランツの登場に続いてイーロン登場。
12:46
全ての安全性のカテゴリにおいて5スター
0-60mph(0-96km/h)が6秒以下
最低215マイル(344km)航続距離
オートパイロットのハードウェアは全ての車両に標準装備。予防安全機能も標準(著者注、オートパイロットの自動運転支援ソフトウェアはオプションの可能性あり)
5人乗り
フロントトランク・リアトランクあり
フルサイズのサーフボードが車内に搭載可能
全車スーパーチャージャー標準対応
12:50
スーパーチャージャー数を3600か所から2017年末までに倍の7200か所に増設
テスラストアを2017年末までに現在の215から441か所へ
12:53 オプションなしで$35000(日本円で約420万円)。オプションなしでも十分と良い車だと信じている(著者注、続報によりオプションを入れた購入価格は42,000ドル=約504万円とのこと)
12:54 アンベール開始!走ってきた!アウディA4っぽくスタイリッシュ。
12:57 過去24時間のモデル3の注文数が何と11万5千台に達したことを発表!(著者注、4/7現在、計32万5千台の予約が入っているとのこと)
イベント後のイーロンマスクのツイートより判明したこと: モデル3のベースモデルは後輪駆動だが、トルクのレスポンスが非常に良いので冬でも十分。オプションで四輪駆動が選択できるとのこと。

モデル3 デザインスケッチ
モデル3 デザインスケッチ

昨日の記事
テスラからの発表は米国太平洋夏時間(PDT)の3月31日、午後8:30からですので、日本時間では4月1日の昼12:30から。いつも通りテスラのホームページでライブストリームが見られる予定です。モデル3は米国の基準で補助金を抜いて35,000ドル、米国EPA基準で200マイル=320kmを一回の充電で走行できるとリリースされています。日本円で420万円。EPA基準というのは、日本でおなじみのJC08基準よりずっと厳しく、おおよそ時速100kmで高速道路を連続走行した場合の航続距離で、それ以上速度を出さなければ、満タンから320kmも走行できるということです。ちなみに日本のリーフ30kWhはJC08基準で280km走行可能、EPA基準では171kmとなっていて、JC08/EPAの比は1.63倍。これを仮に当てはめると、モデル3のJC08基準航続距離は約520kmということになります。

本日は3月31日ですが、テスラの「青山ショールーム」と「心斎橋ショールーム」で予約を開始しています。私も後ほど行って、予約を入れてきたいと思います。発表前にストアで予約が始まるのも前代未聞ですが、日本や中国、オーストラリアなどでは米国より先に予約開始。予約するには、予約金15万円をカードで支払う必要があります。予約金は生産が始まるまではいつでも全額返金可能です。気になる予約順位ですが、3/31のストア予約→4/1以降のオンラインまたはストア予約の順で、現テスラオーナーは優先権があるようです。いずれにしろ早い納車順番を確保するには、本日ストアに行くしかないということですね(笑)

補助金については、確定情報ではありませんが、平成28年度のクリーンエネルギー自動車補助金(国の補助金)は1kWhあたり11,000円という噂が出ていますので、モデル3のベースモデルが仮に60kWhとすれば、補助金は66万円となり、実質価格は354万円となります。

3月31日
09:56 青山: 現時点で13番。
10:15 心斎橋: 現時点で11番。
11:00 心斎橋: 現時点で16番。
12:00 青山: 現時点で40番。
13:00 心斎橋: 現時点で20番。
13:47 青山到着。外には並んでない。
13:53 予約完了!予約人数は教えてもらえない(笑)
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コーヒーをいただいて帰ってきました。他に軽食も用意されています。
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すぐメールが届きました。

ありがとうございます。予約を承りました。
モデル3の生産開始は2017年終盤を予定しています。生産が始まると、北米からヨーロッパ、アジア太平洋地域、そして日本を含む右ハンドル市場へ順次納車します。予約番号はテスラロードスター、モデルS、モデルXの現オーナーが優先されます。新規のお客様についてはできる限り公平であるために、各地域ごとに待ち順番を設定します。

My Teslaにログオンしてみるとすでに予約番号が!
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この記事のコメント(新着順)11件

  1. 初めまして。
    モデル3を予約しました。
    Webからの予約でしたが、普段使っているカード(JCB)が使えなくて焦りました。
    別のカード(VISA)が使えたので良かったですが、思わぬ落とし穴でした(^^;

    現在の主な懸念は、納車時期でしょうか。
    納車に影響のある要素
    1.予約がすでに40万台超
    TESLAの生産能力は最大50万台/年
    Model Sと同様に最初は少しずつ作って、徐々に生産能力を
    上げるはずなので1年目は楽観的に見て30万台ぐらい?

    2.納車順は、米国→ヨーロッパ→アジア→右ハンドル(日本・イギリス)
    右ハンドルは、後回しになりそう。
    Model Sも右ハンドル化はだいぶかかった。

    3.予約は、既存オーナーが優先
    あと、連邦税控除($7500)の対象が、メーカー(ブランド?)あたり20万台までなので
    控除対象の人が、優先される?

    しかし、これは悪いことばかりではありません。
    Model Sの例では、あとから納車されたものでは、自動運転に必要なハードウェアが搭載され、あとから自動運転が使えるようになったりしました。
    私は、今の車が2017年に車検なので、2019年ぐらいまでに納車になればいいのですが、現状だとオリンピックに間に合わないかもしれませんね。
    予約した人を対象に工場見学ツアーとかやってくれると嬉しいんですが・・・

    1. mania3bb様、コメントありがとうございます。っと、モデル3予約されたのですね。おめでとうございます!テスラはJCBも使えたと思います。実際私はJCBで支払いました。まあ支払えてよかったですね。私は店頭予約だったので、Webからだと違うのかも知れません。
      生産台数については、現状は2015年1年間でモデルSとモデルXで計5万台しか納車の実績はありません。2016年は8万9千台、2017年のモデル3は10-20万台というガイダンス(会社からの発表)になっています。日本向けは間違いなく2018年に入ってしまうと思いますし、パターン的にテスラはガイダンスの下のほうの数字を達成する(それでも凄いのですが)ことが多いので、2017年はモデル3を10万台と考えてみることができると思います。日本向けは2018年の可能性が高いのではないでしょうかね。

      フリーモントの工場見学ツアーは、予約者ならおそらく受けてくれると思います(もちろん旅費は自費です)。予約されたなら、テスラに電話して、販売担当者を聞いてください。そして、販売担当者経由でフリーモントのツアーをお願いしたい、と言えば招待してもらえると思いますよ。私は何度か行くチャンスがあったのですが、結局この目で見ずじまいです。。

  2. 今日は、新しく発表されたモデル3は機能面コスト的にもすごく魅力的です。
    自分も、EVを検討しているのですが、これから多くの企業からEVの発表が有りそうです。
    国内では、日産の動きも気になります。私は、もう少し静観致します。
    さて、YASUKAWA様におかれてはモデルSと併用されるのでしょうか。
    モデルSも凄く魅力的で気になります。
    モデルSで何か不都合なことがあれば、お教えください。また車幅がかなり大きいですが、駐車や走行時では気を使うような気がしますがいかがでしょうか。

    1. CFO様、コメントありがとうございます。私の意見をお伝えいたしますね。

      >これから多くの企業からEVの発表が有りそうです。
      テスラはギガファクトリーという電池工場を建設しており、すでに一部で電池の生産が始まっています。この工場が2017年に完成すると、年間35GWhすなわち、35GWh / 55kWh(モデル3一台分のバッテリー)= 年間約63万台分の電池を供給することができます。ただ実際には、この工場ではTesla Energyのパワーパックやパワーウォールの生産も行っていますので、全部が自動車用となるわけではありません。この年間35GWhという規模は、現在の全世界のリチウムイオン電池の生産量より大きいものとなります。
      http://ev-sales.blogspot.jp/2016/02/batteries-december-2015.html
      このサイトによれば、2015年のパナソニックのEV用バッテリーの生産は世界一位(もちろんほとんどがテスラ向け)で4.6GWh、世界全体で12.3GWhとなります。すなわち、2017年くらいにおいて、実際に数十万台規模でEVを生産できる準備ができているのはテスラだけ、ということになります。LG Chemはもちろん計画ではGM BOLTへの電池供給をすることになっていますが、おおよそ年間3万台程度、と言われています。これでも十分すごい量なんですけどね。

      モデルSでの不都合というのは特にないように思います。車幅はメルセデスのSクラスよりさらに広いので、機械式の駐車場はほとんど(一部OKなところもあります)ダメだと思ってよいでしょう。東京都心部でしたら、ほとんど平置きの駐車場がありますので、そこまで気にする必要はありませんよ。当ブログにもモデルSでの長距離移動の記事を掲載しておりますので、よろしければご覧ください。

  3. 阪大の中国留学生です。研究分野も電気自動車について領域です。ずっと、このウェブサイトを注目していますから、よろしくお願いします。
    テスラモーターズ社のみならず、将来電気自動車産業がブームになる可能性があると思って、現在の自動車産業も動揺されるかもしれないと思っております。しかし、日本のトップとしてのトヨタはまだまだずっと燃料電池車およびHV車を主導していて、他の道を探して歩みますよね。世界の低コミッション車のペースに後遅れてると言えないですけど、ちょっとかなぁ、将来にはトヨタさんも電気自動車領域に進軍するかどうか、どう思いますか。

    ありがとうございますね、いつも。

    1. Jimmyさん、コメントありがとうございます!またいつもブログをご覧いただいているとのこと。面白い記事をご提供できるように努力いたします。

      さて今後の自動車産業ですが、いくつかの理由から化石燃料車、すなわち現在のガソリンやディーゼル燃料を使用した車両は最終的にはなくなる方向にあると思います。
      ・地球温暖化の問題。地球上全体のCO2排出における自動車・トラック・バスなどの運輸部門の割合は非常に高く、これを対策することが地球温暖化の速度を遅らせる最も有効な手段であること。
      ・中国を始め世界の都市部において、大気汚染の問題。日本でも東京の区部などで光化学スモッグなどが発生していますし、それ以外にもPM2.5の量などが問題になっています。つまり、CO2もエミッション(有害物質の排出)の一つではあるが、それ以外にNOx、PM2.5などもエミッションであること。
      ・電気自動車が実用の域に達する見込みが出てきたこと。

      トヨタさんは当然、電気自動車の研究はしていると思いますよ。おそらくですが、燃料電池車は日本のような(中国もですね)、燃料を輸入しないと経済が成り立たないような国において、褐炭Brown Coalのような「未活用エネルギーの活用」でエネルギートータルコストを下げる実験として考えていらっしゃるのだと思います。もちろん現在の純水素を用いた燃料電池車では燃料コストがガソリンよりはるかに高くなってしまっていますし、インフラも持続可能なビジネスとしてモデルを作ることができず、未だに民間の水素インフラはほぼENEOS、ガス会社、イワタニの3社のみに限られています。
      おそらく彼らは、電気自動車が本当に普及するタイミングを仮説で置き、それにぴったり合わせて技術・製品開発を進めているのだと思います。そういう意味で、他社と比べれば若干遅れてはいるものの、最終的にテスラや日産の規模以上に電気自動車を生産することは可能ではないかと思います。

      ただ一点懸念があるとすれば、それは電池の生産工場のキャパシティの問題です。
      テスラはパナソニックと協力してギガファクトリーに出資していますが、これのリチウムイオン電池の年間生産量は、現在のパナソニック・テスラを含む全世界の年間生産量より多く、事実上リチウムイオン電池のGoogleと呼べるポジションを獲得するものです。この状態が1-2年後に訪れたとき、テスラがもし好調であれば、ギガファクトリー2が着工しているかも知れません。すでに、イーロンマスクはモデル3の受注が予想以上であり、生産計画を調整(おそらく上方修正?)しなければならない、と発言しています。これには、当然ですがギガファクトリー2が含まれると考えるのが自然です。なぜならば、仮にネバダ州にあるギガファクトリー1の生産量を35GWh/年とした場合、モデル3が55kWhとすると、この年間生産量は63万台分にしかならず、数年で不足することが目に見えているからです。
      この時点でテスラが、ギガファクトリー1のアウトプットを、モデルS/X/3とTesla Energyに振り分けるわけですが、電池を他社に売らなかった場合、他の自動車メーカーは自力でギガファクトリー規模の工場を開発しなければなりません。現在のトヨタのベット、読みは、
      – ギガファクトリー1が完成しない可能性→少なくなってきた
      – ギガファクトリー1が完成するが、LGを始め他の電池メーカーが同等のコスト(パックコストで$190/kWh、セルコストで$130-140/kWh)を実際に実現できる可能性→これが最も可能性が高いが、現状で着工している工場はそこまでの規模はない(GMがBOLT 3万台規模?)
      – ギガファクトリー1が完成し、テスラが他社に電池も販売する可能性→多分ないでしょう
      – ギガファクトリー1が完成するが、パナソニック以外の会社が革新的な電池の量産に成功し、それが量産車に適用できる可能性→これはダークホース。分かりませんが、ウォールストリートはこれにはあまり期待していないようです
      – 自動運転車のテクノロジー(特にFull Autonomy)で、テスラやアップルに勝てる可能性→未知
      のようなパターンに分かれると思います。そして、トヨタの読みがすべて外れたとき、テスラは間違いなく世界中に名が知れる自動車メーカーになると思います。

    2. 詳しいお返事をいただきまして、本当にありがとうございます。燃料電池車の開発技術について、すっごく素敵ですが、参入障壁が非常に高いと思いますので、中国では、もともと中国国産自動車産業の開発能力がそんなに強くないわけで、燃料電池車に資金投入があんまりないです。しかし、電気自動車について研究発売がFCVより易いという原因で、中国ではたくさんのベンチャー企業も一生懸命に電気自動車を開発しています。今中国の状況で、政府の政策も電気自動車を支援する姿も見えます。BYDという中国国産ブランドの電気自動車もかなり人気になりました、ご注目をするようにお願いしますね。

      中国政府はもともとテスラモーターズを制限したいですが、実は中国市場で大人気があって大成功だと思います。テスラの成功はアップルと較べて、何か似ているところがあると考えておりますよね。

      トヨタの戦略について、自分の無謀な予測ですが、将来には「日本市場でFCV、海外市場でEV」という戦略を実施するかもしれないと思います。

      もう一度、プロのお返事をいただきまして、感謝いたします。

      谢谢!

    3. Jimmyさん、再度のコメントありがとうございます。燃料電池車はまだ実験段階で、ガソリン車に対していまだに何のメリットも見いだせない存在です。燃費は悪く、維持費も高額、加速も遅く、長距離も走れず、インフラには巨額のお金がかかり、二酸化炭素も電気自動車やガソリン車に比べて多く排出します。唯一のメリットは、電気自動車と同じ、自動車が走行するときのエミッションがないだけ。これでは、中国を含む多くの国が注目しないのは無理もありません。BYDはEV用バッテリーの生産で今年とうとう世界二位になりましたね。BYDのEVバスは中国だけでなく、アメリカや日本でも走行しています。もっとBYDは日本のバス会社に宣伝して、売り込むべきだと思います。日本の路線バスなんて10kmくらいしか走らないのですから、EVバスで十分ですし、混雑している場所こそEVバスの効率の良さを生かせ、経費の節減につながると思います。もちろん大気汚染も減らせます。

      >トヨタの戦略について、自分の無謀な予測ですが、将来には「日本市場でFCV、海外市場でEV」
      おそらくおっしゃる通りになるでしょうね。しかし現時点で中国市場のトヨタEVはBYDに完全に見劣りしています。そして生産規模でも数十倍の差が付いていて、少なくとも中国市場ではトヨタはBYDに勝てないのではないでしょうか。

    1. kumasanさん、実際モデル3は2017年後半から生産ということになっていますが、日本では右ハンドルモデルのみになる可能性もありますので、そうなると1年くらい遅れるかも知れません。2018年後半に納車できるのか、2019年になっちゃうのか、そのあたりがテスラの会社としての課題でもありますね。技術はあっても、生産するところまで含めて車ですから。。

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この記事の著者


					安川 洋

安川 洋

日本アイ・ビー・エム、マイクロソフトを経てイージャパンを起業、CTOに就く。2006年、技術者とコンサルタントが共に在籍し、高い水準のコンサルティングを提供したいという思いのもと、アユダンテ株式会社創業。プログラミングは中学時代から。テスラモデルX P100Dのオーナーでもある。

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