5月の中国EV市場ではテスラ『モデルY』と『モデル3』がトップ3にランクイン

テスラの電気自動車モデルYと3の販売が中国でも絶好調で、5月の電気自動車セールスランキングで2位と3位に入りました。TESMANIANから全文翻訳記事でお届けします。

5月の中国EV市場ではテスラ『モデルY』と『モデル3』がトップ3にランクイン

元記事:Tesla Model Y & 3 Among Top 3 Best-Selling EVs in China in May by Eva Fox on 『TESMANIAN

中国市場でテスラがまたもスポットライトを浴びました。5月の電気自動車ランキングで2位と3位につけ、ブランドの強さと国内での非常に高い需要を証明してみせました。

2021年5月/中国の電気自動車セールスランキング

1Wuling Hongguang Mini EV 29,706
2Tesla Model Y 12,728
3Tesla Model 3 9,208

モデルY(提供元:Tesla, Inc. )
モデル3(提供元:Tesla, Inc. )

テスラにとって中国はカギを握る市場であり、競争でも優位に立っています。CPCA(中国乗用車協会)によると、5月のテスラのデリバリー数は21,936台でした。2モデルしか売っていないにも関わらず、テスラは中国で3番目に売れている自動車メーカーとなっています。ちなみに1位はSAIC-GM-Wuling(上汽通用五菱汽車)で33,175台、2位がBYDで31,908台でした。

中国市場でデリバリーされた21,936台のうち、モデルYが12,728台、モデル3が9,208台でした。CEOイーロン・マスクが過去に予測した通り、コンパクトSUVが世界最大の電気自動車市場で姉妹車を追い抜きました。USと中国ではモデルYがモデル3の売り上げを越えましたが、ギガベルリンでの生産が始まれば、欧州市場でも同じ結果になると見られます。

さて中国市場では上汽通用五菱汽車・宏光Mini EVの人気が衰えません。価格的な魅力が安全に関する懸念を抑え込み、29,706台を売り上げて5月のトップセラーとなりました。2021年1月に生産を開始したギガ上海製モデルYは12,782台のデリバリーで2位につけましたが、まだ増産の過渡期にあるため売り上げはこれから増えていきます。モデルYはもうすぐ中国各都市の路上に溢れかえるでしょう。

モデル3は9,208台のセールスで3位でしたが、会社としては中国国内市場と輸出のバランスを取る必要があります。モデル3は世界中で最も人気の車種で、ギガ上海は欧州、アジア、オーストラリアの需要に応えようとしています。5月には、11,527台のモデル3がオーストラリア、イスラエル、欧州に運ばれました。

(翻訳・文/杉田 明子)

【編集部コメント】

テスラの中国での販売台数については、2021年4月、前月比にして60%以上減少したことについて、さまざまなメディアが、競合車種の増加や半導体不足などを取り上げ、あたかもテスラのピンチのように伝える報道が目立っていました。

テスラが工場からの出荷台数を月によって輸出と国内向け(ギガ上海の場合は中国国内)に振り分けており、月次の販売(出荷)台数が変動するのは今までのデータでわかること。デマ、とまでは言いませんが、信頼に足る根拠無くあおり立てる報道や情報には、注意深く接するのが吉、ですね。

それにしても、中国国内でのメーカー別電気自動車販売台数は、1位が車種別でも1位に輝いた『宏光MINI EV』の上汽通用五菱汽車、2位はBYDとのこと。テスラの進撃を呆然とみているだけではなく、中国のメーカーがきちんと多様な電気自動車を発表して迎え撃っているということですね。電気自動車シフトにおける中国の存在感、ますますあなどれない印象です。

(文/寄本 好則)

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この記事の著者


					杉田 明子

杉田 明子

2010年代に住んでいた海外では'94年製のフォード→'02年製のトヨタと化石のような車に乗ってきました。東京に来てからは車を所有していないのですが、社用車のテスラ・モデル3にたまに乗って、タイムスリップ気分を味わっています。旅行に行った際はレンタカーを借りてロードトリップをするのが趣味。昨年は夫婦2人でヨーロッパ2,200キロの旅をしてきました。大容量バッテリーのEVが安くレンタルでき、充電インフラも整った時代を待ち望んでいます。

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